ぼくがiPadを買わない理由

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

なんだか最近「カイさんはiPad買わないの?」と聞かれることが多いので、この際ブログで自分の考えまとめておきます。あくまで自分にとっては、なのであって、iPadそのものがどうこうではないのであしからず。

まあそんなこと言われるのも、こんな感じにガジェット持ちあるくガジェッターだからこそだとは思うのですが。


Photo by tmiz

そんなガジェット好きの自分でも、新しくて話題のものならなんでも手を出すわけではなくて、購入するにも一応自分なりのこだわりがあるわけなのです。それは大きく2つありまして

  • 価格に対して十分なコストパフォーマンスを発揮できるか
  • コストパフォーマンスに関わらず「欲しい!」と思うだけ引きつけるものがあるか

前者に関してはVAIO Xなんかがそう。PCはもうコストパフォーマンス命なんで、あの薄さとそこそこ動くスペック、公称10時間のバッテリーと充実のインターフェイスは納得の製品でした。後者に関してはガジェットとは言いがたいけど、Transferjet対応のメモステなんて明らかにコストパフォーマンス悪いけど、「TransferJetという技術を使ってみたい!」という体験欲みたいなものが先行して購入した、というのがその理由なのです。

で、iPadはあくまで自分にとってのこの2点を満たしていないというだけの話だったりします。決してiPadがダメとかではなくて、あくまで自分の琴線に触れないということ。

iPad自体は操作も簡単だし、家庭内に置いておいて手軽にネットしたい、ってニーズを満たすのはできるかも。タッチだけで一通り操作できるから高齢者にも受けがいいという可能性もあるかもしれません。一方でこういう記事見るとすべての高齢者に受け入れられるわけではなさそうですが。

iPadリポート総集編(1):「なんだ朝日新聞は読めないのか」??高齢者がiPadを使ったら? (1/2) – ITmedia +D PC USER
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1004/23/news028.html

ただ個人的にモバイルの線はないなと思っていて、発売当初の「見せびらかしたいニーズ」が終了すると、大きさ的にも持ち運びの人は減るんじゃないかな。そもそもの見せびらかしたいニーズも、WordCampで大量のiPad目にしてしまうと予想より早く終了するのではないかと思ったりもしますが。

あと、周りからiPadを薦められる理由の1つが「家の中でネットをするのに最適」ということなんですが、自分はそもそも家の中をかなりネットしやすい環境にしちゃってるからそこもあまり訴求ポイントにならなくて。うちでは42VのREGZAにHDMIでPCつないでワイヤレスでPC使えるから寝ながらごろごろネットもできるし、DLNAを駆使して録画ドラマ見ながらネットとかも簡単にできてしまう。そもそも移動時間も常にモバイル端末持ち歩いてるから、ネットと離れてる時間が少ないしね……。

東芝製テレビ「REGZA」とPC「dynabook」ならではの連携メリット – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2010/01/02/3163

一番のキラーと言われている電子書籍リーダーという点は2つの疑問があって、1つはそもそもコンテンツとプラットフォームがないよねということ。「これで本読んだらすごい!」はわかるけど、読む本がまだないし、仮に電子書籍が充実しても、iPad独占ってことはないだろうなあと思う次第です。

もう1つ、これが一番気になっていて、「まるで本をめくるように読める!」ということが評価の対象になってるんだけど、果たしてめくる操作って電子書籍に最適化されているのだろうか。本だったら物理的にめくらざるを得ないけど、電子書籍だったらボタンでも簡単に切り替えられるし、手を動かす範囲も圧倒的に少なくていい。

こないだ大学生とお話する機会があって、「僕は音楽をアルバムで聞きたいから、音楽配信みたいなアルバムじゃない配信方法は根付かないと思う」と聞かれ、「でもそもそもレコードってA面B面っていう文化があったんだけどそんなの今誰も気にしてないよね」という話をしたんですが、「まるで本のよう」というのは結構本のインターフェイスにしばられすぎてないかな。本当に電子書籍を快感に読む手法が「めくる」なのかはちと疑問が残る。

Androidが出た当初、フリックでブラウザや地図を拡大できないことが不便という人が多かったんだけど、iPhoneからAndroidを使った人からすると、両手操作を要求されるフリックよりも、実はボタンで拡大・縮小したほうが片手操作できて便利だったりする。iPadなんてまさに両手操作のためのガジェットで、モバイルは片手で操作したいタイプの自分にはあまり合わないなと思うのでした。

大きいからこその魅力というのも、車だって小型車と大型車はそれぞれ魅力あるわけなので、それはもうどっちを好むかの世界。大型車がダメってわけではなく、自分には小型車が似合ってるなーと思うというだけなんですけどね。

重ねて自分の考えを述べておくと、iPadがダメとかではなくて、iPadをとても魅力的かつ便利に使いこなせる人はたくさんいるだろうし、ガジェットとしてはとてもすばらしい。アップルはインターフェイスの操作感とかほんとにうまいよねとは触らせてもらって実感もしたし。ただそれが合う人合わない人がいるよねというお話であって、個人的には文字入力もブラウザも自由に選べるAndroidのほうが自分に合ってるな、という次第です。

あとおもうに、自分はガジェット好きじゃなくて技術が好きなんですよね。ガジェットはむしろコストパフォーマンスばかりを見てしまうし、コストパフォーマンス気にせずお金払うものって新しい技術を体感したいときだったりする。だからこそDLNAだのDTCP-IPだのオンライン配信だのTransferJetだのというのをついつい体験してみたくなるんですが、iPadにはそういう技術的な革新がないことも自分をくすぐらない理由かもしれない。

駄文かつ長文ですが、あくまで1個人の意見ということで、こんな意見もあるんだねと軽く読んでいただければ幸いです。


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください