ニコンの裸眼3D対応フォトサービス「my Picturetown 3D」発表会行ってきた

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

10月4日に開催されたニコンの新商品発表会、AMNのパートナーブロガー枠でご招待受けて行って参りました。新商品発表会とか前職離れて以来そうとう久々だわー。

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内容については事前に「新商品」であること以外は一切公開されていないシークレットな発表会だったのですが、すでに各種メディアでも取り上げられている通り、裸眼3Dが可能なフォトフレームと、2Dの静止画を3Dに変換する技術を組み合わせた3Dサービスでした。

Nikon | ニュース | 報道資料:「my Picturetown 3D」を開始
http://www.nikon.co.jp/news/2010/1026_mypicturetown_01.htm

ニュースサイトはこちらが充実してるかな。

ニコン、裸眼3Dフォトフレームを貸出す新ネットサービス -AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101026_402641.html

イベント中リアルタイム更新していたコグレさんの記事もどうぞ。会場の雰囲気はこういうリアルタイムレポートだと伝わりやすいですね。

[N] 写真をネット経由で裸眼で見られる3D画像に変換し楽しむニコン「my Picturetown 3D」発表会レポート
http://netafull.net/report/036106.html

3D再生対応のフォトフレームということで一見してガジェット関連のニュースに思えますが、ニュースリリースおよびAV Watchのタイトルにもあるように、これはガジェットというより「ネットサービス」として理解したほうがよさそう。というのも3D再生対応可能なフォトフレームはレンタルのみで販売は行なわれず、利用中はつねに月額料金を支払う必要があるからです。

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仕組みとしては1,995円の月額料金を支払うことで、裸眼3D再生可能なフォトフレーム「NF-300i」が貸与され、合わせて月額料金内で3枚まで2Dの静止画を3Dに変換できます。4枚目以降は1枚300円で追加可能なので、3D変換料が1枚300円とすると、月額料金はざっくり言って月額1000円+3枚の写真変換、っていう内容ですかね。

端末はAndroid 2.1を搭載したAndroid端末なのですが、携帯電話機能を持たないAndroidでは現状Androidマーケットが使えないので、XperiaやGalaxy SのようなAndroid端末として使うのは難しい。他の端末からアプリ保存して移行したり、root取得してほげほげしたら何とかなるのかもしれないけれど、ユーザー的な観点からするとあまりAndroidなところは関係ないかなあ。開発者的には対応アプリが作りやすい、というメリットありそうですが。

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端末はいかにもフォトフレームなサイズ。会場に置いてあったデモは確かに裸眼でかなり3Dでした。が、3Dで見られるポジションは結構決まっているようで、並んでいる時に後ろから覗き見しても3Dには見えませんでした。

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最近ではテレビの3D化がかなり売り出されていますが、個人的に3Dの普及は結構疑問視するところが多々あります。3Dの映画は全てとは言わないまでも一部で普及しそうかなと思うものの、テレビの3D化は正直普及が難しいんじゃないかな。というのも映画は能動的な行動なので、3Dメガネをかけるという行為にもそれほど違和感がないけれど、能動的に情報を受けることに加えて、見る人数ぶんの3Dメガネを用意することが難しい家庭内で、そこまでして3Dを見るモチベーションがあるのかなと思うからです。

一方で家庭内における能動的なテレビの使い方と言えばゲームがあるわけで、3Dゲームであれば利用人数が特定できることも踏まえて3Dメガネを使った3D視聴もありそう。また、厳しいなと思うのは「3D再生のテレビ番組」であって、テレビを「3D再生対応のディスプレイ」と捉えるのであれば、3D再生対応の映画をオンデマンドで配信したり、前述の通り3D対応ゲームのディスプレイとして使うなり可能性はあるのかなと思います。実際、3D対応のPS3ゲームデモを体験したことあるんだけど、「これならやってみたい!」って思ったしね。さらに古くを言えば「3Dホットラリー」とかも名作でしたし。

ただこれらの課題は「3Dメガネが必要な3D」であって、裸眼であれば話は違ってくる。テレビを見るためにわざわざメガネをかけることと、人数分のメガネを用意しないといけないところが大変なのであって、裸眼で見られるのであればそういったハードルを一挙に超えられる点で、裸眼3Dはまた違った未来があるのかなと思います。

その点からするとニコンのmy Picturetown 3Dは裸眼で視聴でき、さらには専用の3Dコンテンツではなく今まで自分が撮影した2次元の静止画を3Dに加工できる、という点では視聴に対するハードルをかなり下げている点で興味深いのですが、難点はやはり価格体系。わずか3枚の3D加工で月額2000円弱、しかも変換が失敗したり、さほど3Dに思えない静止画ができあがっても変換料金が発生。さらに端末はレンタルなのでサービス解約すると3D映像が見られなくなるため、今まで変換に使ったお金の意味がなくなるというあたりは、初回利用にそうとうハードルが高いのではないでしょうか……。

おもしろい試みと技術ではあるだけに応援したいところではありますが、「変換に都度料金が発生する」というのが普及に際しての最大のネックかな。ディスプレイも3D対応の必要がある時点で専用機になる点はもう技術的に仕方ない部分ではありますが、再生するためのコンテンツ、しかも自分が持っている写真を変換するだけでお金がかかってしまうのは二の足を踏んでしまいそう。3Dそのものの未来がどうなるのかも含めて、注意深く見守って行きたいと思います。


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