使い勝手が向上して満足度が高まった新生arrowsこと「arrows NX F-02H」ファーストインプレッション

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

すでに発売から1カ月以上経過してはいますが、自分の愛機としていろいろとなじんできたタイミングで、NTTドコモの2015年冬モデルスマートフォン「arrows NX F-02H」の使い勝手をまとめてみたいと思います。

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arrows NX F-02H – スマートフォン – FMWORLD.NET(個人) : 富士通
http://www.fmworld.net/product/phone/f-02h/

富士通のarrowsシリーズといえば、端末を無料提で供する代わりにブログは内容を好き放題に書いていい太っ腹モニター企画「ケータイ会議」のおかげでここ数年ずっと使い続けていたのですが、2015年冬モデルでのケータイ会議施策はいったんお休み。

とはいえケータイ会議の参加回数では外のブロガーと比べてもおそらく歴代1位であり、それだけの端末数を今まで無料でもらっていたということへの恩義に加え、TransferJet大好きで一人TransferJetエヴァンジェリストを自称するトランスファージェッタシーとしては、2015年冬モデルにおいても唯一のTransferJet搭載端末である「arrows NX F-02H」はやはり外せない存在。そんな思いもあり、発売週の週末にはドコモショップで機種変更していました。

前モデルで気になる発熱問題は対策済み。処理速度も上々

なお、TransferJet搭載というだけであれば、すでにモニターとしてレビューしている前モデル「ARROWS NX F-04G」も、同様にTransferJetを搭載しています。

スマホの写真を手軽かつ超高速でPCに取り出せるARROWS NX F-04Gの「TransferJet」がかなり便利 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2015/06/07/14227

それにも関わらず新たなモデルを試したくなったのは、新しいもの好きという要素はもちろんのこと、端末の発熱問題も大きな要因でした。

スマートフォン好きには周知の事実かもしれませんが、2015年夏モデルのハイスペックAndroidで採用されたCPU「Snapdragon 810」は発熱が大きな問題となり、同CPUを搭載したスマートフォンは普通に使っているだけでも高熱を帯びることが話題になっていたのでした。

実際に前モデルの「ARROWS NX F-04G」を使っていてもこの発熱は確かに感じていました。メインのスマートフォンとしてかなり利用頻度も高く、一切使い物にならない、というほどまではいかなかったのですが、それでもカメラをひたすら使ったり、地図アプリを多用するときには「そろそろ熱で止まるかもな……」と心配しながら使っていたし、自分が今まで使ってきたスマートフォンの中でも、歴代トップクラスで発熱を感じる端末だなと思うのも紛れもない事実です。

それを意識してかしないでか、今回手にしたF-02HのCPUはSnapdragon 808と数値上はスペックダウンしており、これは熱対策にも何らかの影響はあるのかな……、というのが一番の興味だったのですが、結果から言うならば熱問題はまったく気にならないレベルに改善されていました。

もちろん、単なるCPUの変更だけでなくハードやソフトの改良によって熱対策はもたらされているのだと思いますが、電子書籍を読みふけったり動画を連続視聴しても本体背面はほんのりあったかくなることはあれど発熱で動作が止まることはなし。今まで発熱が怖くてカメラの連続使用を控えたり、ビールジョッキの下に端末を引いて冷やしたり、なんて心配がまるで嘘のようです。

発熱がおさまったことで心配なのはスペックダウンによる使い勝手への影響なのですが、こちらも現状はほとんど問題なし。スペック面だけで見ると前モデルとほぼ変わらない感覚で使えています。いや、熱対策で連続使用を控えたり、発熱による動作制限の影響がないことを考えるなら使い勝手は前モデル以上といっても過言はないでしょう。

認識精度が飛躍的に高まって使いやすくなった「見るだけ」虹彩認証

前モデルと比べて大きな仕様変更や追加機能の見当たらないF-02Hですが、実際の使い勝手は発熱以外でも大幅に改善。本体を「見る」だけでロック解除できる虹彩認証は前モデルから引き続き搭載していますが、認識精度は以前よりも大幅に向上。前モデルのF-04Gでは眼鏡だと認識されないことも多かったのですが、F-02Hでは眼鏡を装着した状態でも認識されるようになり、虹彩を使ったロック解除の頻度も増えました。

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また、F-02Hでは、虹彩認証を使えば使うほど認証精度が向上する学習機能が搭載されているのですが、これが想像以上によく効いてます。虹彩認証の精度が上がったことで虹彩認証の利用頻度も高まったのですが、その結果として学習機能もより多く覚えるようになり、最近では使い始めた頃に比べて圧倒的に虹彩認証のスピードが速い。眼鏡をかけていてもさくっと認証してくれるようになったため非常に楽になりました。

学習機能
認証するたびに虹彩情報をアップデートし、認証精度が向上します。

arrows NX F-02H 製品情報(セキュリティ) – スマートフォン – FMWORLD.NET(個人) : 富士通
http://www.fmworld.net/product/phone/f-02h/security.html?fmwfrom=f-02h_spec

さらに便利なのが虹彩認証の設定からアクセスできる「虹彩使いこなしサイト」。虹彩認証をより高い精度で使いこなすためのちょっとしたTIPSがまとめられているのですが、特に眼鏡をかけている人向けのアドバイスが素晴らしい。実際、このサイトの通り端末を傾けたり、赤外線LEDの位置を調整することで眼鏡でもかなり認識されるようになりました。

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なぜかこのサイト、PCからアクセスできないよう制限かかっていているのですが、一度虹彩認証の設定からアクセスしてチェックしておくことをおすすめします。

ホワイトバランスと露出補正が可能になったカメラ。画質は引き続き高クオリティ

スマートフォンにおいて最も重視する機能と言っても過言ではないカメラは、ついに露出補正とホワイトバランスに対応。もともとオートでもしっかり撮れるカメラなのでこうした調整機能はほとんど使わないですむのですが、それでも時折暗いシーンだったり照明の光量によっては細々調整したくなることも多く、これが搭載されたのはとてもうれしい。

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一方、画面サイズは相変わらずアンバランスで、16:9は最大サイズの「15Mワイド」、最小サイズの「画面ぴったり」の中間に位置する「8Mワイド」があるのに対して、4:3は「20M最高画素」「SNS」という最大サイズと最小サイズの2つしかない。最大だと容量大きすぎるし最小だとスマホ画面よりちょっと大きい程度で実に帯に短したすきに長し。UI上作れないのかもしれませんが、8Mくらいのサイズで4:3用意してもらえるとうれしいのですが、画面UIから見直しかけてくれないかなあ。

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以下は写真の作例。ファイルサイズ上仕方なく16:9で撮っていますが、写真自体はシンプルでとってもきれいです。

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超高速ファイル転送がやみつきになるTransferJet

カメラに続いて一押しの機能であるTransferJet。カメラ性能が高いスマートフォンはいくつもありますが、TransferJetを載せたスマートフォンはこのF-02Hのほか前モデルであるF-04Gの2機種のみであり、これこそがF-02Hを選んだ積極的理由でもあります。

このブログでは何度も登場してはいますが改めて説明しておくと、TransferJetは超高速かつワイヤレスでファイルを転送できる技術。対応機器同士を「置く」くらい近くに置くと、理論値で560Mbps、実効速度でも375Mbpsという超高速でファイルを転送してくれます。これがどのくらい速いのかは、以前のレビューで掲載した動画をご覧ください。8Mサイズの写真5枚を一瞬にしてPCへ転送できています。動画は前モデルのF-04Gで撮影していますが、機能としてはF-02Hと同じです。

仕事柄、スマートフォンで撮影した写真やスクリーンショットをオンラインにアップロードするのではなくパソコンに取り込みたい、というシチュエーションはたびたびあるのですが、オンラインストレージ経由だと時間がかかるし操作も面倒、USB接続は取り回しが面倒、という時にこのTransferJetが大変に便利。もちろんパソコン側にはTransferJet対応アダプタを接続する必要があるのですが、TransferJet利用頻度が高すぎるため常にアダプタをPCに装着しっぱなしにしているので取り回し面も問題はなし。むしろTransferJet内蔵していないスマホのほうが不便で困るほどです。

ちなみに先日お仕事で執筆したレビューでは、このTransferJetに加え、SeeQVaultという著作権保護技術を使うことで、レコーダに録画した番組を「置く」だけで高速転送する仕組みも体験しました。

【ミニレビュー】スマホを「置く」だけでレコーダの番組を高速転送 – AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/review/minireview/20151201_732608.html

こちらも対応機器そろえなければいけないという課題はあるのですが、なんとこのarrows NX F-02Hを購入した人の中から500名にこの仕組みに対応したレコーダ「DBR-T670」や対応アダプタ、microSDカードなど一式をプレゼントする太っ腹キャンペーンを富士通が実施中。期間は1月中なのでF-02Hを購入した人は忘れずにお申し込みくださいませ。運良くこれに当選したら、このブログでも改めて本機能の便利さをレビューしたいところです。

arrows NX F-02H 冬のWプレゼントキャンペーン : 富士通
http://atfe.fmworld.net/at/arrows_sp/2015_win/campaign/

大きく薄くなった本体。バッテリ持ちも大幅向上

特徴的な機能はこのあたりにして本体スペック周りも。サイズ面ではディスプレイが前モデルの5.2インチから5.4インチへとわずかに拡大。そのため本体サイズも横幅は70mmから75mm、縦幅は146mmから154mmと大型化しましたが、一方で本体の厚さは8.8mmから7.9mmへと薄型化。また、直方体のように角張っていたF-04Gと比べ、側面が丸みを帯びたフォルムになったF-02Hは前よりも持ちやすくなりました。

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ファーストインプレッションこそ「ちょっと大きいな・・・・・・」と思っていたのですが、実際に触ってみるとF-02Hのほうがしっくりくる。重量も155gから167gと増えているのですがさほど気になることはなく、取り回しやすさは本モデルのほうが上です。

バッテリー面では3390mAhの大容量バッテリーを搭載し、公称で3日持つようになりました。スマートフォンのヘビーユーザーを自認する自分でも普通に使って1日はバッテリーが持つようになり一安心。逆に最近はバッテリーが持つようになったことで油断して充電を忘れがちになるという悲しい事態が起きていますが、一般的な使い方なら1日どころか2日くらいは十分持つのではないでしょうか。

3日間 注1 使える電池持ち。
動画もネットも楽しめる。

注1:一般に想定されるスマートフォンの利用(Web閲覧、SNSアプリ、その他アプリの利用など、約187分間/日の利用。充電中のアプリ利用時間を含む)があった場合の電池の持ち時間です(NTTドコモ調べ)。実際の利用状況(連続通話や動画を大量にダウンロードした場合など)によってはそれを下回る場合があります。

arrows NX F-02H 製品情報(電池持ち) – スマートフォン – FMWORLD.NET(個人) : 富士通
http://www.fmworld.net/product/phone/f-02h/battery.html?fmwfom=f-02h_index

細かいところを改善したバランスのいい新生「arrows」

発売から1カ月、メイン端末としてしっかり使い込みましたが、写真のサイズなど細かいところで不満はもちろんあるものの、全体的には非常にいいバランス。2モデル前のF-02G以降、高画素密度化したことで激しくなったバッテリー消費は改善されて長持ちするようになり、発熱問題も対策されていて困ることはなし。虹彩認証も精度が上がったことで非常に使いやすくなりました。

ここ最近のarrowsシリーズは使い込むとどこかしらに課題を感じる部分があったというのが正直な感想なのですが、このF-02Hはそうした課題を感じる部分がほとんどない。今シーズンの富士通端末ブランドは「ARROWS」から「arrows」へ小文字化するという非常にささやかなリニューアルが図られているのですが、こうしたロゴの変化以上に使い勝手が向上したarrows NX F-02Hは非常に満足度が高い。また機会を改めていくつかエントリーもしてみたいと思います。


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