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  • 記者と広報の不幸なすれ違いあるある【広報マーケアドベントカレンダー3日目】

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    最初に一番大事な話を。このブログは「広報マーケティング Advent Calendar 2016」の3日目として書いているのですが、明日4日目以降が大変にピンチであり、このブログで止まってしまう可能性も現状大きいだけに、ぜひとも広報・マーケティング界隈の人は4日目と言わずどこかしら執筆にご協力下さい。ユーザー登録もTwitterログインだけで簡単でしたので。

    広報マーケティング Advent Calendar 2016 – Adventar
    http://www.adventar.org/calendars/1929

    そんな前置きはさておき、3日目のテーマは記者と広報の関係について。現在はCerevoというハードウェア・スタートアップで広報を初めとした事務系のお仕事をしておりますが、以前はインプレスという出版社でWebニュース記者を7年ほど担当しておりました。今は無き「Broadband Watch」という媒体を懐かしがってくれる人がどれだけいるのかわかりませんが、すでに死語と化したブロードバンドをテーマに、ネットにつながるありとあらゆるものを記事にしまくっていたのが懐かしい思い出。今もCerevoで仕事をしつつ、フリーランスライターとしての活動も主たる業務に影響を及ぼさない範囲で細々と行っております。

    記者と広報というのは仕事としては相反する関係であり、なかなか相手の立場が見えにくい職種でもあります。いざ自分が記者から広報に転身してみて、2つの立場で考えると、お互いが近いようで遠くなかなかわかり合えてないことも多いなあと感じることも多く、そんな経験から今回のブログでは広報と記者のすれ違いあるあるをお届けしたいと思います。

    発表会の出欠

    広報となった今、デロリアンで過去に乗り付けて記者だった自分をぶん殴りたいくらいの気持ちですが、記者時代の自分はせっかくいただく新製品や新サービス発表会の案内に対し、そのほとんどに出欠の連絡を出さずに当日参加しておりました。それでも快く対応していただいた当時の広報の方々には今さらながら感謝の気持ちでいっぱいです。

    で、自分が広報になってみて痛いほど感じるのが、参加者の数が見えない不安。広報としてはニュースバリューやジャンルを踏まえながら会場規模や座席を調整するわけですが、いざ案内をお送りしても返事がなかなか返ってこない。参加連絡いただいた方に対して1.5倍くらいの座席数だと、だいたい連絡なしに参加いただく方の分も用意できるかな、というのが肌感覚なんですが、ネタによっては想定の2倍くらいの記者さんにお越しいただくこともあり、慌てて無理矢理座席をこしらえる、なんていうことも時折あります。

    一応記者、それもWebの記者視点でフォローしておくと、編集部には多種多様な発表会案内が届き、人数の少ないWeb編集部においてどの発表会に行くかというのはなかなか事前に決めるのが難しい、という背景もあります。記者時代は週の発表会案内は週末にまとめてチェック、それを翌週誰が行くのかを分担する、みたいなやり方をしていました。

    とはいえ、広報の立場になってみると前日でもいいので参加連絡もらえるのはとても嬉しい。当日の会場準備というのはもちろんのこと、何より「人がこなかったらどうしよう」という広報の豆腐メンタルを大幅に和らげる効果があります。以前の私を知っている方からすれば「どの口が言うんだ」と思われるかもしれませんが、ぜひとも発表会の参加についてはご連絡いただけるよう、改めてお願い申し上げる次第です。

    ちなみに最近では発表会の前日くらいに、改めて発表会の案内を再送するとその時点で出欠連絡もらえる方もいらっしゃいます。リマインドとしてお役に立てば、くらいの位置付けではありますが、地味に効果あるので広報の方にはお勧めしつつ、「2回も送ってくるなよ」という記者の方がいらっしゃいましたらぜひご意見お寄せ下さい。

    ニュースリリース配信代行

    起業したばかりのスタートアップはメディアとのつながりも薄く、リリースは配信代行にお願いせざるを得ないことが多いのですが、正直これが一番の悲しいすれ違いではないかと思うほど、配信代行サービスのリリースは記者の方に読まれません。記者時代はもちろん広報になってからも「基本的に配信代行のメールは読まない」と断言する記者の方には多くお会いしてきました。

    これも自分の記者時代からすると、こうした配信代行系のメールというのは、依頼した企業からすると大事な大事な1通なのですが、受け取る記者側は大変な数のリリースを配信代行サービスから受け取っています。これらサービスは「お金を払って依頼すれば配信できる」という側面から玉石混交であり、中には「読むに値しない」と言われてしまうようなリリースも多々存在する、というのは自分の記者時代にも感じるところはありました。

    けれどこれまでメディアのつながりがないから、こうした配信代行を使わなければリリースを送ることもできない、そもそもPRに対しての理解が低く何をしていいかさっぱりわからないというスタートアップが多く存在、いやむしろ大半というのも事実です。つながりがなくたってコンタクト取る手法はいくらでもあるけれど、製品やサービスをまず出すことに注力しているスタートアップにとってPRがそこまで手が回るものでもないし意識も高くないというのもまた現実であり、そんな思いから以前にはこんなブログも書いたりしていました。

    スタートアップにおけるニュースリリースの重要性とメディアへのアプローチについて – カイ士伝
    https://bloggingfrom.tv/wp/2014/12/19/13868

    とはいえ現実として「リリース配信代行は読まない」と考えている人がいるということは、広報の知識として受け止めておきましょう。一方、取捨選択の効率化として一定の理はあるものの、「読者の求める情報を提供する」という視点から考えれば「読まないリリースにもしかしたら有益な情報があるかもしれない」という可能性と、そしてそうした配信代行でなければ情報を発信できないステージにいるスタートアップがいるということも、現役記者の方には頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。

    記事の事前確認

    個別に取材いただいた記事の事前確認については記者や編集部によってスタンスは異なるものの、「事前確認はしません」という媒体があります。これも記者経験からすると、記事確認をお願いしたはいいものの、宣伝のような内容を押しつけられたり、せっかくインタビューで引き出したコメントを削除されてしまったり、挙げ句の果てには「いやそれ逆に日本語としておかしいだろ」みたいな謎修正を行われることも多々あり、さらには事前確認が全然戻ってこなくて掲載スケジュールが遅れる、なんて体験をすると、事前確認に対して否定的な気持ちになるのもわかります。

    一方、広報の立場からすると、事前確認なしの記事はとても恐い。起承転結やストーリーを事前に設定し、想定問答集もあらかじめ用意できる発表会の記事であれば事前確認の必要もないのですが、個別インタビューなどは想定もしていないジャンルの話題だったり、言葉のニュアンスだったり、恥ずかしながら質問された数字や事実を間違って伝えているということも少なからずあります。しかも残念ながら取材いただいた方の勘違いやメモの間違いにより、こちらが伝えてもいない情報が記事に掲載されるなんてことも悲しいながらこれ現実だったりします。

    配信代行の件でも触れましたが、記者がすべきは読者にとって有益で正しい情報を届けることであり、広報としてもそこに協力するという意味で「正しい情報」を補正するためにも事前確認という形で協力をしたい。もちろん前述の通り企業の要望を盛り込んでくるような校正は断固お断りすべきですし、そういう意味で「事実確認以外の修正は編集部判断、3日以内に返事がなければ掲載する」みたいな取り決めをかわした上でいいので、情報の精度を上げるという意味でも編集部への事前確認はお願いしたい所存です。

    なお、弊社Cerevoの場合は前述の通り、事実確認以外の修正要望は一切行ないませんので、ぜひぜひ取材の際には事前確認もご検討ください。事前確認なしなら取材受けない、なんてことはしませんしそこは編集部の判断が優先ではありますが、「うちは事前確認しない方針です(キリッ」と言いつつ製品名すら間違ってるような記事を目にした時にはやり場の無い哀しみが生まれるという愚痴もちょっとだけこぼしておきます。

    本当は5つくらい並べたかったのですがすでにボリュームが結構な量になっているので、以下は箇条書きにて。

    • 名刺交換した相手にリリース送る、は記者によってはいやがられる(でもそれが仕事だよねという話もある)
    • 「リリース送りました!」の確認電話も記者にはいやがられる(メール読めないとおもわれているのかな)
    • 明らかに日本語が残念な記事確認に対してどこまで手を入れるべきかという広報の葛藤
    • 「取材したいです!」と言われて話を聞いたら記事広告のご案内だったときどんな顔すればいいの
    • 非公開と明記した電話連絡先を掲載された結果大量の営業電話がかかってくるときの哀しみ

    そしてこのままこのアドベントカレンダーが3日目で止まるのか、週末にも関わらず4日目を更新してくれる勇者がいるのか、ドキドキしながら次のバトンを空に放り投げてキャッチされるのを待ちたいと思います。

  • スタートアップにおけるニュースリリースの重要性とメディアへのアプローチについて

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    ハードウェア・スタートアップ向けの開発・検証施設「DMM.make AKIBA」内にオフィスが移転してはや1カ月近くが経過し、以前よりもスタートアップ関連の話題を耳にしたり口にしたりする機会が増えている中、ああやっぱりメディア向けリリースの話って大事だよねえと改めて思ったのでちょっとブログでだらだらと書いてみます。

    ちなみに今回の対象は完全な新製品を開発し、初めて製品を発表するというスタートアップがターゲット。一度でもリリース経験があればメディアとのやり取りとかもできてると思うので。

    なお、これはあくまで個人的な見解なので、人によっては全然違うアプローチもあるでしょう。そういうご意見はどしどしお寄せいただけるとありがたいです。これはあくまでこういうスタンスの人もいるよということで。

    なぜリリースが大事なのか

    どんなにいい製品でも、誰も知らなかったらゼロと同じ。もうこれに尽きる。

    いままでいろんな製品やサービス、クラウドファンディングなどを見てきましたが、「これいい製品なのになー」と思いつつ全然注目されずに消えていくものもたくさんありました。製品をリリースするだけじゃなくて、適切にメディアへ情報を届けるというコンバージョンまでしっかり考えないと、せっかくいい製品も埋もれてしまう。

    リリースというのは製品開発に比べてメリットが見えにくいんだけど、適切なリリースをしないことで明らかなる機会損失も発生しているので、ちゃんとトータルで考えると「Webサイト更新しとけばいいやー」というのは大きなデメリットです。もちろんWeb更新するだけでみんなが見に来てくれるような注目企業なら話は別ですが、スタートアップはきちんと注目集めてナンボなので、リリースはめんどくさがらずにやりましょう。

    いつ頃から準備するか

    ざっくり製品発表の2週間前くらい。製品発表をどのような形にするかで大きく2パターンあります。

    1つはちゃんと製品発表会をやってメディアにお越しいただくパターン。発表会しっかりやると記事にもなりやすいし、1回でまとめて多数のメディアの方々に説明できるのでやったほうがいいのですが、スタートアップからするとそもそも場所確保するのにお金がかかったり運営に人数が必要だったりするので、今回は発表会なしプランで話を進めます。発表会はやったほうがいいに決まってるので、それをやれる余裕がある人はやりましょう。

    発表会については私が所属しておりますCerevo代表の岩佐さんもブログ書いてるのでこちらもご参考まで。

    スタートアップのPR戦略バナシその1「プレス発表会のやりかた・手順書」 – キャズムを超えろ!
    http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20141028/p1

    で、もう1つは発表会ではなくメディアを訪問して説明を聞いてもらうパターン。こういう手法は「キャラバン」と呼ばれます。発表会場もいらないしメディアを訪問すればいいだけなので手軽だけど、そのぶん大量のメディアを訪問ができない。発表会と一長一短ではあるものの、小規模かつスピーディに展開するならこちらがおすすめ。くどいようですがたくさんメディア集めて露出したいなら発表会を開催してください。

    あと実は大事なのがちゃんとメディアのオフィスを訪問するということ。そのメディアがどんな体制で運営されているのかをしっかり見ておくと後々のコミュニケーションにもとてもよいです。

    一例を上げると私が以前勤めていたインプレスは各メディアがそれぞれ机並べて1つのフロアにいたので、ほぼすべてのメディアが席から見渡せるのですが、それを知らない広報代理店が「記事書いて書いて」攻撃をメディアごと順番に電話してくるため、1つのメディアにかかってくると「ああ次あそこの電話がなるなw」ってのがわかるのです。場合によっては異なるメディアの電話を同じ人が1次対応してたりもするのですが、それにも気がつかず記事書いて書いて攻撃してくるというのはちょっとコミュニケーションができてないよねという。

    キャラバンに必要なもの

    開発機でいいので動作する製品またはサービス、あとは会社説明資料と製品の概要資料。資料はあったほうがいいですが、作りこむ暇がなければ公開予定のWebサイトとか画像とかでも。この時点でリリースをそんなに作りこむ必要はないです。むしろキャラバンでいろいろフィードバックもらってそれをリリースに盛り込んだほうが効率がいいしクオリティも上がるので。

    どうやってメディアにコンタクトを取ればいいのか

    まずは掲載して欲しいメディアを想定して、そこの連絡手段を探しましょう。とはいえ好きなメディアに必ず掲載できるというわけではないので、掲載してもらえる確率が高そうなメディアの中からターゲットを絞るというところでしょうか。

    一般的に電波や紙メディアよりはWebメディアのほうが動きが早いし新しいものにも理解があるので、基本的にはWebメディア優先で。自社サイトへのリンクだったり記事のソーシャル拡散とか考えてもまずはWebに集中でいいと思います。

    具体的に名前上げるならスタートアップに特化しているTechCrunch、THE BRIDGE、アスキーの大江戸スタートアップあたりは鉄板。その他IT系の理解が詳しいという点でインプレス、ITmedia、CNET、マイナビニュース、日経トレンディあたりかな。その他「うちだって興味あるぜ!」っていうメディアの方がいらっしゃったら追記しますのでぜひご連絡くださいw

    Webメディアの場合大抵リリース送付先というのを公開しているので、まずは正攻法でそこから送りましょう。たとえばインプレスとかITmediaはこんな感じ。「メディア名 お問い合わせ」「メディア名 リリース送付先」とかで検索するか、各メディアのWebにある「お問い合わせ」あたりからアタックしましょう。

    株式会社インプレス|お問い合わせ
    http://www.impress.co.jp/contact_us/

    ITmedia へのお問い合わせ
    http://www.itmedia.co.jp/info/mail/?zdrelease

    ちなみにIT系でいうとCNETはなぜかリリース送付先オープンにしてないのですよねー。せっかくアプローチしようとしても届かないことあるのでスパム覚悟で1つくらいアドレスあるといいのですが。

    【追記】CNETはお問い合わせフォームのみらしい。まあこれでも連絡取れるけど、自分たちにCCで控えがおくれなかったりするのでできればアドレス公開して欲しいのですが、スパム対策ってことなのですかねー。

    お問い合わせ – 朝日インタラクティブ
    https://s.aiasahi.jp/contact/contact.htm

    ニュースメディアの中でも特にWeb系は速報性が重要視されるので、リリースしてからキャラバンというのでは相手にされないことも。なのでリリース日の2週間前にはアポイントを取りはじめ、1週間前には実際に訪問、そのフィードバックを元にリリース作るというのがざっくりした流れです。事前に情報出す時も「この日に公開予定なのでまだオープンにしないでね」って書いておけばそのあたりはちゃんと対応してくれます。

    メディアへ送るメールについて

    送るメールはタイトルが本当に重要。メディアの人は1日に数千というリリースメールを処理しなければいけないので、きちんと読んでもらうにはタイトルで内容を理解してもらう必要があります。会社名なんかは本文でわかればいいし、そもそも会社名で認知されてない段階なので、まずは製品の紹介と訪問させてくださいというお願いをタイトルに詰め込みましょう。Cerevoの製品であるOTTOでいうなら「スマホから操作できるネット連携電源タップ『OTTO』ご紹介のための御社訪問のお願い」くらいでいいかな。

    メール本文は会社の紹介、そしてどんな製品なのかをできるだけ詳しく。リリース前の製品だということをちゃんと明記すればそれだけで記事書かれたりはしませんし、むしろもっと詳しく聞きたいと思うもの。ただ、あまりにもグイグイ押していくとメディアからは「売り込み強いな」と引かれてしまうので、あくまで「ご興味をお持ちいただけるようなら御社へお伺いして実機をご覧いただきながら説明させていただきます」くらいのスタンスがよいです。「記事書いて書いて!」系広報ははっきりいって一番メディアから嫌われるのでw

    ソーシャルは劇薬なので取扱注意

    そうは言ってもメールだけだと相手にしてもらえない可能性もあるので、その他の手段も講じておきましょう。次に上がるのはFacebookやTwitterといったソーシャルメディアですが、これは劇薬なので取扱注意。というのもただでさえ記者はメールやら電話やらで記事にしてして攻撃受けまくっているので、さらにプライベートの場でもあるソーシャルメディアでまで売り込みされるといやがる人も多いのです。

    これがスタートアップのみを対象としているようなメディアで普段からソーシャルメディアもビジネス的に使っている人ならいいのですが、毎日何千ものニュースリリースに目を通しているようなメディアには結構迷惑がられることも。知らない人にいきなりFacebookメッセージしてもそもそも「その他」行きになって読んでもらえないこともあるので、基本あんまりお勧めしないです。

    なのでソーシャルを使う時は、知らない人にいきなりコンタクトは取らないようにしましょう。どうしてもソーシャルでアプローチするしかない、という場合は、自分たちのことをちゃんと評価して応援してくれている、信頼のおける知人にお願いするのがいいかな。

    その際もその知り合いの方に迷惑かけてはいけないので、「あくまで先方が興味持ったらでいいので」程度でお願いしつつ、URLなりドキュメントなりの資料もちゃんと用意して、その人の負担はできるだけ少ない状況にしておく。仲介で紹介する人も、「あくまでメディアが興味持ったらね」という前提で仲介してあげるのがいいと思います。

    くれぐれもメディアに記事執筆を強制してはだめ。記事にするかどうかはメディアが決めることなので、そのため情報提供というスタンスは貫きましょう。

    あとはメディアではなくフリーランスで活動しているライターさんにコンタクトするという手も。最近はライターさんもソーシャルメディアを活用している人が多いですし、毎日大量のリリースを読まなければいけない編集部に比べるともうちょっと自分なりの情報ソースを見つけなければいけない。なのでメディアの編集部よりは受け入れられやすいと思いますが、その際も単なる絨毯爆撃にせず、その人の活動内容をちゃんと把握して適切なお願いするようにしましょう。

    キャラバンの時はアドバイスをもらおう

    なんとかアポイントをゲットできて訪問できた際には、売り込もうとするよりアドバイスをもらうくらいのスタンスがいいです。まずは会社概要を説明し、その後に製品を紹介し、最後に奇譚のない意見をもらう。なんなら「これどういうリリースしたら効果的ですかね?」って聞いちゃってもいい。教えて君ではもちろんだめですが、ちゃんと製品の説明をしっかりできていれば、「こういうところをアピールすると受けると思うよ」とか親切に相談に乗ってくれる人が多いです。

    なお、リリース前に訪問するときはかならず解禁時間を設定しておいて、この時間以降に記事にしてください、とお願いしましょう。できるならニュースリリースも確定次第前日とかにお送りすると、記事の準備がしやすくなります。Webニュースってその日どんなニュースが飛び込んでくるかわからなくて、当日だと他に大きいニュースが飛び込んできて執筆する余裕がなくなっちゃった、なんてこともあるので、出せる情報はできるだけ事前に出しておいた方がいい。

    リリースはWebに必ず用意

    キャラバンが無事に終わったらいよいよリリース準備。メディア回ったからもういいやとならずにここはちゃんとやりましょう。というのも他のメディアで記事になっているのを見て「お、うちも書きたいな」と思ったメディアがあったときに、ソースがないとそもそも記事が書けないのです。せっかくの機会を無駄にしてしまうことのないよう、リリースは必ずWebに掲載。これは鉄板です。

    リリースは文章も大事ですが画像も大事。製品画像はZIPでまとめてダウンロードできるようにしておきましょう。画像が欲しいという問い合わせの対応も削減できるし、メディアもすぐに記事が書けるのでお互い楽です。

    リリース文章についてはまじめにやるとそれはそれで別エントリーになりそうなレベルですが、ざっくりこんなこと書くといいよというのを箇条書きで。

    (1)製品の簡単な説明
    (2)発売日
    (3)値段
    (4)その製品の特徴、何が新しいのか
    (5)その製品があるとどんなことを解決できるのか
    (6)製品の細かなスペック
    (7)何らかの目標(売上なり販売台数なり)

    4、5についてはちょっと補足しておくと、例えばCerevoのOTTOで言うなら新しさは「デザインがインテリアとして映える外観」「ネットで操作できる」ということ、解決できることは「部屋の中においても邪魔にならない、むしろインテリアとして飾れる」「ベッドで寝っ転がりながら電気を消せる」「映画を見るときソファに座ったまま部屋の電気を落とせる」といったあたりでしょうか。

    リリースは午前中に投げよう

    リリースのタイミングは物にもよりますが午前中、それも11時くらいがお勧め。というのもメディアというのは企業の情報発信を受けて活動するので、スタート時間が少し遅めなのです。9時出社の企業がリリース出す時間帯というのはだいたい11時以降なので、リリースが届き始める時間帯もだいたい11時くらいからが増え始める。なのであまり早く送るより11時もしくはちょっと早めの10時くらいがいい。

    これが午後になると他の企業のリリースも増え始め、特に15時周りは東証が閉まる時間帯でもあるので大企業のリリースが一気に増えます。経験上、NTT関連はだいたい15時、KDDIはちょっと早くて14時くらいだったかな。また、記者発表会なんかもこの時間帯に行われることが多く、記者が会社にいないこともあるので、このピーク時間帯にメールを投げても読んでもらえない、もしくは後回しにされる可能性が。準備万端なら11時くらいのリリース配信がお勧めです。

    あとは曜日ですが週明け月曜とかはリリースが貯まりやすくメール処理に追われ、金曜日は掲載されても土日に入ってしまいPVが落ちるので、火曜から木曜あたりが一番のおすすめ。裏技的な話として、金曜日に掲載されると土日もトップに載り続ける、なんていう作戦もあったりするのでこれが必ずとは言いませんが、まずは火曜から木曜のいずれか、というのが王道の時間帯ではあるかな。

    メールは解禁時間のタイミングでキャラバンしたメディアはもちろん、リアクション無かったメディアにも投げ込み。あわせてWebでも同じ内容を公開、TwitterやFacebookでも拡散しましょう。社員も積極的にソーシャル拡散するのを忘れずに。

    リリース配信代行はあくまで補助的に

    最後にちょっと議論分かれるところではあると思いますが、リリース代行業者についてもちょっと言及しておきます。世の中には原稿を登録すると代わりにメディアにメールやら記事掲載やらをお願いする代行業者というビジネスもあります。面倒なリリース作業を代行してくれるという点ではメリットもありつつ、業者の方には申し訳ないですが個人的にはお勧めしません。

    1つにはコミュニケーションの問題で、メディアとコミュニケーションできるせっかくの機会を他に任せちゃうのはもったいないし、メディアの連絡先も自分たちでもっておかないと好きな時に連絡できない。自分たちの活動を理解してくれて応援してくれるメディアというのは本当に大事な存在ですので、大変でもここはちゃんとがんばるところです。ラブレターは他人にお願いするのではなく自分で渡そう。

    また、行儀の悪い代行業者だと電話攻撃しすぎてメディアからちょっと敬遠される、なんてことも実際問題あったりします。一方でそういう電話攻撃大好きな人もいるので、そういう温度感はちゃんと身につけておくが吉。「ちょっとーあの娘があんたのこと好きっていってんのよー返事しなさいよーつきあっちゃいなさいよー!」なんていうお友達はむしろ逆効果ですよねということ。

    あと、これは悲しいお話しですが、世の中にはリリース代行業者のメールはそれだけで読まない、なんてことを言う記者もいるんですね。記者が向かい合うべきは読者であって広報ではないので、もしかしたら読者が喜ぶかもしれないサービスを単に代行業者がメールしてきたから読まない、なんてのはメディアの心構えとして実に残念なのですが、そうはいってもリリースが多すぎて処理しきれないといった理由で、そういう対応している人は事実少なからずいらっしゃるのです。

    なのでまずはちゃんとコミュニケーションを築くために自分たちでリリースをがんばる。とはいえ最初からすべてを網羅できるわけではないので、リリース代行業者のサービスもサブとして活用する、という両輪が一番効率いいかな。自炊するより外食した方が圧倒的に楽だけど、コストや栄養化などを考えたら長い目で見ても自分でやったほうがいいよね、というようなお話しです。とはいえこれは決して強制するものではなく、自炊する手間がもったいないから全部外食でいい、というのも1つの選択肢なのであとはお好みで。

    個人的な見解として、掲載本数を成果として出してきているのにお前それ同じ記事がYahoo!やらライブドアやらに転載されてるだけじゃねーかよ、という業者は気をつけた方がいいかな。それあなた方なんもしなくても転載されますやん・・・・・・という。

    誤解招かないように補足。配信代行すべてが悪いわけではなく選択肢としてはありだし、ちゃんとした業者さんももちろんいます。ただ現実問題として 「悪貨が良貨を駆逐する」という現象は確実に起きていて、一部の業者さんの振る舞いが業界全体の印象悪くしてるというのは少なからず発生していますという ことで。

    【項目追加】リリース前の情報管理は徹底

    ニュースリリースというのは発表のタイミングにトラフィックを集中させることでより効果が出るので、情報管理は非常に大切。せっかく広報がメディアに働きかけて情報解禁設定までているのに、営業が情報出しちゃったとか社員がTiwtterに書いちゃったとか製品サイトだけが先行して上がっちゃったってのは情報のタイミングがずれるだけでなく、せっかく解禁にあわせて準備してくれているメディアの方々の信頼関係も裏切ってしまうことに。リリース前の情報はむやみに外に出さないよう徹底した情報管理も大事です。まあスタートアップの規模ならそのあたりはちゃんと管理できるかな。

    【項目追加】メディアに特別扱いをしない

    あそこはテレビだから優先するとか人気の媒体だからリークするというのは、結果として他のメディアに対しても失礼だし、今後はいい関係が望めない。相手が誰であれ必ず同じ対応するというのは広報という以前に1人の人間として大事なことです。別に必ず同じ情報を伝えなければということではなくて、例えば問い合わせをしてきたり取材を申し込んできた人にはそれ相応の対応をすべきだけど、他の媒体には情報解禁設定しているのに、なぜか特定の媒体だけ深夜2時に記事が掲載されるのはよくないよねというお話。

    とはいえこれ紙媒体が混じると印刷のスケジュールとかもあって難しいのですが、印刷の都合上先に情報欲しいという場合は、その書籍の発売日がリリースより後であることを確認した上で「事前に情報渡すけど掲載は何日ね」というNDAをしっかり守ってもらいましょう。NDA結んだ上で約束破るような人がいたらあとはブログやソーシャルで追求すればよし。

    だらだら書いていたら長くなってしまいましたが、繰り返しながら製品の良さももちろんだけどそれを伝えるということも本当に大事。どうしてもこういうリリースは後回しにされがちですが、すばらしい製品の価値を最大化するためにリリースもきちんとやっていきましょう。

    要は記事になるという結果ではなく、ちゃんと自分たちのことを理解してくれる、さらには興味を持って応援してくれるメディアとの関係を作る、ということ。メディアとのやり取りも人づきあいと一緒で、相手に対してアウトプットを求めるのではなく、ちゃんとお互いによいコミュニケーションを取っていきましょう、ということです。

    あくまで独断かつ偏見に満ちたニュースリリース論ではありますが、記者と広報両方の経験を持つ立場として1つの参考にでもなればこれ幸い。