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  • M-1グランプリ 2018の感想と俺ベスト

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    久々リアタイで見たのと、推しが優勝できたということもあって記念に書いてみる。もちろんネタバレ満載なので録画を楽しみにしている人は見ないようにね、ということでできるだけ前書きを長めにしてFacebookのOGPでも大事な部分が出ないように配慮しつつこのくらい文章かけばもういいかな。

    R-1ぐらんぷり準決勝を10年以上見続けており、ここ最近の準決勝で観客投票があった年はほぼ間違いなく一票を投じていた霜降り明星 粗品が見事に優勝。結果だけ見ると喜ばしいんだけど過程としては実に微妙だった。

    それはやはりTwitterでもトレンド入りした上沼恵美子の審査っぷり。自虐ネタは嫌いと低評価しておいて、自虐ネタまっしぐらなミキは高評価というアンバランスさや、「私にはわかりません」と言い放ってしまう人がそもそも審査員しているのかというね……。

    そして初登場の志らく師匠は、言ってること自体はなるほどと思わせるんだけど、その言動と点数が全然かみ合ってないのが謎。評価しないのに点数高いとか、評価しているのに点数低いとかどういうことなのよ。

    ただ、結果としてファイナルステージに進出した上位3組は、上沼恵美子と志らく師匠の点数に関係なくこの顔ぶれだった、という計算している人もいたとおり、ファイナルステージ組はもう納得の3組。そういう点で結果としてはまったくもって納得なんだけど、あの審査の点数ぶれぶれ具合が来年も続くのは大変そうだな。上沼恵美子がジョーカーというゲーム感覚ならいいのかもしれないけど、あれに人生かけているお笑い芸人としてはねえ……。

    一方、素晴らしい審査だったのはナイツの塙で、言ってることが1つ1つ鋭い視点で納得。塙と言えば先日M-1に対する考察が話題になってたんですが、あれ最終回が9月にアップされると予告したまま掲載されてないんですよね。このタイミングで掲載したら話題間違いなしなので集英社さんどうぞよろしくお願いいたします。

    インタビュー / 集英社新書プラス
    https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview

    あとは出場者の感想を独断と偏見まじえて順番に。お笑いの好みは人それぞれでいい悪いではなくあくまで自分の好みですよ、という言い訳も添えて。

    見取り図

    今回の審査基準の1つとして「自虐」があり、それと同じ路線として「人の外見をいじる」というネタはもう時代的にもネタ的にも禁じ手になっていくのかなと思った。そういう点で冒頭の女性の顔いじりネタはちょっと感じ悪いしネタとしてもいまいち。ただ後半になって、前半のあれここで回収するのかよ! という伏線はおもしろかったんだけど、審査員の指摘にもあった通りちょっと回収までの時間が長すぎたかな。それがまたおもしろくはあるんだけど、決勝という一般向けのネタではなかったかもしれない。一般向けのネタという点では別件で書きたいエピソードあるんだけどそれはまた今度で。あと、最後のツッコミは実はツッコミ自身が発してた、というミスリード的なツッコミはすばらしかった。あれもうちょっと膨らませたところがみてみたいので、他のネタも気になるところ。前半いまいちだったけど後半の伏線は面白い、ただM-1でなく別の場所で観たいネタだった、というかんじ。

    スーパーマラドーナ

    よかった、すばらしかった。ただ上位陣がそれよりよかったというだけという感じ。ただ贅沢を言うならばM-1という大舞台でやるにはちょっとサイコパスネタは強かったな、というのはその通りかもしれない。

    かまいたち

    かまいたち大好きなんだけど、キングオブコントの優勝ネタに比べるとやっぱり弱かったかなー。ただの言い合いに終始した時間とかはちょっともったいなかった。あの2人はやっぱり漫才よりコントを見たい。

    ジャルジャル

    すごかった。昨年のピンポンパンゲームはちょっと技に走りすぎていた感あったけど、今回は同じ方向性ながらももっとわかりやすく一般向けに仕上がってた。審査員が「彼らはずっと変わらない」と評していたけど、変わらないながらもどうやったらマニアやファン以外にも受けるのか、という視点できっちり磨かれていたように思う。

    ギャロップ

    これも審査員の評価通りでM-1で見るネタではないかなあ。善し悪しというより場所が違うかんじ。あとこのご時世、美人美女ブサイクネタはもう受入れられない気がします。個人的に見た目をいじるネタが全部だめとかではなく、どうせいじるなら覚悟の上で徹底的に面白ければいいんだけど、そういう点ではとてもごく普通の外見いじりだったかな。もっと別のネタが見たかった。

    ゆにばーす

    去年のほうがおもしろかったかなあ。レポーターネタというのが笑いどころが少なかったのと、この組もやっぱり見た目ネタに持って行ってしまったのが残念。普通に面白い組なだけに、そろそろ外見ネタではないお笑いで勝負して欲しい。

    ミキ

    上沼恵美子先生には申し訳ないですがそもそもファンではないのと、自虐ネタまっしぐらで全然おもしろくなかった。あとツッコミがうるさすぎてとても疲れるのですが、あれが関西のノリっていうやつなんですかね。

    トム・ブラウン

    先日ライブで見た時の衝撃がすごすぎて今回も期待してたんだけど、それに比べるとパワーダウンしてた。ファイナルステージで予告していた加藤一二三ネタのほうがよりパワフルなのと、ツッコミまでボケに参加し始める流れがよかった。こっちを最初に出してたらファイナルステージ行ってた可能性はちょっとあるんじゃなかろうか。まあファイナルステージいけなくても一番爪痕を残した組ですかね。

    霜降り明星

    安定感ありすぎの粗品のツッコミ。オーロラ2と日付変更線が最高すぎた。ただ、R-1で粗品を応援していた身からすると、フリップの代わりにせいやが動いているだけでネタとしてはフリップ芸なんですよねあれ。そういう点ではせいやが3Dフリップみたいな道具として成立しているネタなので、これを2人芸と言っていいのかは悩ましいところ。

    和牛

    どうやってもファイナルステージは来るだろうという安心感。最初はちょっとおとなしいかなと思ってたけど後半ゾンビになりだしたあたりと、2人ともゾンビ化した流れは最高でした。

    点数計算はめんどくさいのでしないですが個人的順位としては

    1 霜降り明星
    2 和牛
    3 ジャルジャル
    4 スーパーマラドーナ
    5 かまいたち
    6 トム・ブラウン
    7 見取り図
    8 ミキ
    9 ギャロップ
    10 ゆにばーす

    ってかんじかな。下の3組はほぼ横一線という感じ。つくづく自分は外見とかを自虐したり笑いものにするネタが好きではないんだなと思った。繰り返しながら毒を全否定するわけではなくて、毒ならではの覚悟と面白さがあればいいんですけどね。バカリズムの執拗なまでの毒とかは大好きだし。

    決勝はもうシンプルに、1回目に比べるとネタが弱かったジャルジャルと和牛に対して、同じようなネタではあるもののしっかり面白かった霜降り明星、というところで納得の優勝。ただ、1本目と違う2本目、という評価でいくなら和牛だなとも思うので、4:3で割れた決勝はその通りかなーというところでも納得です。

    そしてM-1終わっていよいよライフワークのR-1準決勝だぜ、と思ったら今回の準決勝はなんと大阪会場のみということが発覚。

    R-1ぐらんぷり2019 公式サイト
    http://www.r-1gp.com/

    東京でもパブリックビューイングやってくれないかな……。もしくは大阪まで日帰りで乗り込むか、はたまた準々決勝で代用するか……。

  • M-1グランプリ2010主観入りまくりまとめ

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    一部で「感想まだですか」と言われたので、前回みたいに年明けエントリーならないよう書いておきます!

    ちなみに今までの感想たちはこちら。

    M-1グランプリ2009いまさら感想 – カイ士伝
    https://bloggingfrom.tv/wp/2010/01/04/3180

    M-1 2008所感 – カイ士伝
    https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/22/924

    M-1 2008主観入りまくりのまとめ – カイ士伝
    https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/24/974

    感想書く前にいつもの自分的M-1立ち位置を示しておきますと、M-1決勝戦のメンバーは敗者復活で選ばれる人たちも含めて演出込みで選ばれていると思っていますが、審査員評価については(審査員ごとにもやもやするところはありつつも)適正かなと思ってます。今回に関してもファイナル進出や優勝者については割と納得してます。まあ「M-1だから」という視点込みなのですがこのあたりは後述。

    最終的な感想はあとにするとして、まずはファーストラウンドのメンバーについて1人ずつ簡単に感想をば。

    カナリア
    1番手という位置も悪かったけれど、ネタ的にも同じ内容をドレミにあてこんで入れ替えてるだけなので笑いどころもすくなくて厳しかったかなあ。元々レッドカーペットやらなんやらでフリップ使った芸を見てただけに、ああいう「おんなじ視点のネタを数多く回していく」系のを漫才に当て込んだ感があって、漫才じゃないほうがおもしろいんじゃないかなあと思った。あと、確かに今までで一番水嶋ヒロに似てたw 話題になりやすいから美容師さんに「今までで一番の水嶋ヒロで!」とか頼んでたんだろうか。

    ジャルジャル
    賛否両論わかれやすいジャルジャルですが、先に言っておくとジャルジャルのネタはあまり好きではありませんという立場であることお断りしておきます。

    それを踏まえても今回のジャルジャルはメタ漫才の方向に走ってしまい、自分たちの世界だけでまわしてしまった感じ。「漫才をメタで見ているこの視点がおもしろいでしょ?」っていうドヤ的な笑いにしか見えなかった。どうもジャルジャルは「俺たち人と違うことやってるでしょ」感がひしひし感じてしまって苦手なんだなー。

    スリムクラブ
    笑いはもちろんとして場所もすごくいい位置だった。1番手2番手が結果として最下位争いになってしまった次の場所はやっぱり引き立ちますね。

    個人的にここ数年言われていた「M-1手数論」というのがとても疑問で、「手数多い芸風もいいけど、お笑いはそれだけじゃないだろ」と思ってたので、スリムクラブのテンポはとってもおもしろかった。手数論って多少受けなくても次のネタに進んで飛ばせるんだけど、スローテンポってのは「ここで笑うんですよ!」というところをきっちり笑わせないといけないという難しさがあるぶん、ツボにはまると爆発するなあと再認識。

    一方で審査員的には「面白いのは間違いないけどこれを評価していいのか」みたいな悩みが見えまくっていたのも面白かった。「もう1ネタ見てみたい」という意味でもファイナル進出は納得感。

    銀シャリ
    手堅く面白かった。でも、ナイツもそうなんだけど「普通に面白い」はM-1だと評価されにくいなあという印象があるのと、1つ前がスリムクラブだったという不運もあったんじゃないかな。これが3番手だったら「やっとちゃんと笑える!」という評価につながっていたかもしんまいとか妄想してみる。

    個人的には最初にジャクソン5のABC歌ってくれてうれしかったものの、「はたしてジャクソン5のABCはM-1でネタにしていいほどメジャーなのだろうか……」と悩んでしまったw

    ナイツ
    すごい作り込んできたー! と思う反面、やや作り込みが強すぎた気がします。個人的には土屋の突っ込みがとっても好きなのですが、前半を振り返る部分からはその要素が強すぎて土屋が目立たなくて残念でした。新しいスタイル作ろうとするあまり、ちょっと技術先行になってしまった気が。ナイツはミスチルのネタが一番好きだなー。

    笑い飯
    前年受けに受けまくった「鳥人」系のネタをそのまま持ってきたあたりはムムムと思いつつもきっちり面白かった。M-1でたばかりの頃の笑い飯は「ダブルボケ」という要素ばかりが目立ちすぎて個人的にはあまり笑えなかったのですが、去年の鳥人あたりからは普通にネタとしておもしろくなってきました。あくまで自分的に、ですけどね。

    ハライチ
    ハライチのあのネタはいつも思うんだけど、あれピン芸人のネタでいいよね。感想で岩井が「やりきりました」って言ってたのがいまいち共感できなかった。ナイツの土屋みたいに絶妙な突っ込みでネタを面白くするようなこともなく、淡々と名詞を読み上げるだけじゃないかというね……。

    ネタ自体も、全く同じ展開を4分間続けるだけなので途中から飽きてしまう。去年の「控えめなフック」のように一粒一粒は面白いネタがあるので記憶には残るんだけど、4分間という時間を考えると厳しいですね。

    ピース
    順位的にはギリギリとはいえ、なんかピースにしっくり来てない感じのネタだった。又吉のひょうひょうとしたキャラを綾部がいじり倒す! というところがとっても好きな2人なので、ネタ的にもったいなかったかなあ。キングオブコントのネタみたいなノリで漫才ネタにしてくれるとよかったなと思います。とはいえピースはもうピカルの定理でいい位置抑えているので安泰だと思っていますがw

    パンクブーブー
    うーん、M-1最後の年に、そこでパンクブーブー選んじゃいますか、というのが見た時の感想。パンクブーブーが選ばれた瞬間に「最後の年で2年連続優勝はないだろうな」と思ってしまった。ちなみに個人的には鎌鼬あたりが来るんじゃないかなと期待してましたw

    ネタはさすがのパンクブーブーでおもしろかったんだけど、去年に比べると単なる言い回しに終始していてややまわりくどかった感も。後半になってくると「いや結局その相手が言ったわけじゃないんでしょ」というネタばれ感を感じてしまったもが、後述しますがファイナルラウンドで不利だったかなと思いました。

    結果として決勝進出はスリムクラブ、笑い飯、パンクブーブーの3組。まあ笑い飯はそもそもファイナル確定でしょと思ってたし、スリムクラブも今回のメンバーでひときわ異彩を放っていたという点で納得。パンクブーブーは「そこ選んじゃう?」という疑問はありつつもやっぱりネタはおもしろかったので納得。笑い飯は9年連続決勝という時点であきらかに何かの力が動いているので、もういいよ最初からファイナル確定でとか思っちゃうね、正直。

    最終決戦はまあ、そりゃそうだよね的な展開。残念ながら3組ともファーストラウンドと同系統のネタを持ってきてたので、ファーストラウンドと同じような評点傾向にはなっちゃうよねと思った。また、パンクブーブーに関してはそもそもが4分間で手の内見えてしまうようなネタだったので、それを2回繰り返すのは不利だなあ。ここは必ず2回やるとは思っていない敗者復活組の不利なところでしょうか。

    笑いだけでいうとスリムクラブだったと思うけれど、審査員的な視点で考えてしまうとあの笑いは他の出演者と比べて異質だったことと、あのキャラクターとテンポが新鮮だった、という要素が大きいと思うのね。あのネタを何回か見てしまうとそれで飽きてしまうんじゃないかな、という気もしてしまうし、そこに優勝をあげてしまっていいのか、という点では悩んでしまうと思う。

    同じ敗者復活から優勝したサンドイッチマンの場合は、お笑いのボケとツッコミというところがきっちりしてたのに対して、スリムクラブはあの独特のテンポが受けていた、というのは否めないと思うんですよね。とはいえ笑いの数は圧倒的だったからこそスリムクラブにあれだけ票が入ったわけだし、たった1人でもスリムクラブに入れていたら優勝は変わっていた、という点では興味深い結末でした。

    優勝はパンクブーブーが出てきた段階で2回はないと思っていたし、ネタ的にもファーストラウンドと同じ展開で来てしまったので厳しかった。そうなるとまあ笑い飯ですよねというのは納得ですね。ただ、M-1優勝者は非常に注目されるという流れがあるものの、毎年毎年決勝に出ている笑い飯にとってその優勝効果はあまりなさそうだよなあ。

    一方で優勝はNON STYLEだったのにブレイクしたのはオードリー、みたいな意味では、今回はスリムクラブがその位置になりそう。ただ先ほども書いた通り、あのキャラに慣れてしまった先をスリムクラブが持っているのかな、という点は自分の中で未知数なので期待したいところ。オードリーは春日のキャラ押しに見えつつ、実は春日が器用にいろんなことできるのが今も人気続いている秘訣だなあと思うので、2011年のスリムクラブ動向には注目していきたいと思いますはい。

    最後に、毎年毎年注目している上戸彩は今年フツーだったのですが、流れ星の演技がすばらしすぎたのでよしとします。

  • M-1 2008主観入りまくりのまとめ

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    先日カッとなって書いたM-1 2008の感想ですが、予想以上にはてブいただき、「おもしろかったです」なんて感想もいただけてありがたい限り。

    M-1 2008所感 – カイ士伝
    https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/22/924

    ただ、ちょっとこれでは自分の言いたいこと出し切れてないので補足エントリを夜中の勢いでやっちゃいます。

    というのも、NON STYLEの優勝はM-1的には正しいとは思うけれど、「おもしろさ」という点で1位だったかというとそこは自分としては違うんですね。島田紳助はどうも漫才技術を評価するのですが、普通にネタとして見るだけであればナイツもオードリーも十分に面白かった。いや個人的な主観入れるならなおやはりオードリーが一番だった。ただスタイルの差があっただけ。

    あと、今回一番おいしかったのは優勝できなかったけれどオードリーなのは間違いなし。敗者復活から上がってきたという注目だけでなく、あの大舞台かつ敗者復活からの流れで相手が噛んでもきっちりフォローできる若林と、最後までふてぶてしさを保ちきった春日の存在感は確実にM-1 2008でナンバーワンだったと思う。もともとレッドカーペットでも活躍してるけど、M-1でより幅が広がるんじゃないだろうか。

    むしろ心配はNON STYLEで、漫才芸のレベルは高くても逆に型がありすぎて、年末年始のお笑い特番を過ぎた後いかに活躍できるか。結局お笑いって漫才やコントが面白くても、フリートークやアドリブ、司会のセンスなどがないとその先には上がっていけなくて、その点で上沼恵美子が盛んにつっこんでいたフリートークのセンスの無さがネタだといいなと思うんですが、トークの受け答えなんかを見ている限りその点はオードリーやナイツのほうがうまそうな気がする。

    あとオードリーは春日の中尾彬モノマネがすごい。なんだふてぶてしい勘違いキャラだけじゃなくてこんなこともできるのかという幅の広さを感じたので、将来性としてもオードリーは強そうに思います。

    あとお笑い手数論みたいなのが盛んに言われてますが、それって結果論じゃなかろうか。もちろん笑いを取るためには保険というわけではないですがボケの数を増やしたほうがいいに決まってるけど、ボケを増やしすぎるあまり1つ1つは面白くても全体の印象がかすんでしまうという危険もある。

    たとえば2年前に優勝したチュートリアルなんかは、ボケの数はそれほどでもないだろうけど、徳井の異常なキャラクターによって世界観が作られていてすごく印象に残る。それはもう笑いのスタイルであって、笑いをちりばめればいいってもんではないんじゃないか。その点ではダイアンはサンタネタでうまく観客を取り込めなかったけど、「実はサンタはいないんだ」という展開はきちんと観客を巻き込んだらすごかったんじゃないかなとは思います。

    その点でいうとまたオードリーひいきになっちゃいますが、オードリーも手数は多いものの、「嫌いだったらおまえと漫才やってねえよ」「へへへ」という定番のボケがいいアクセントになっていて全体を引き立てている印象。つくづくM-1 2008で一番輝いていたのはオードリーだなと思いますはい。

    個人的には手数論に縛られてしまうとボケとツッコミがスルーされる危険もあって、実際にエントリでも書きましたが「風の谷をナオスカ」が華麗にスルーされていたのは実にもったいなかった。あそこはもうちょっと時間ためてツッコミに解説させたほうが面白かっただろうし、手数論に頼りすぎて1つ1つのボケとツッコミのクオリティがないがしろにされてないかなというのが心配であります。

    まあそれはM-1専用スタイルといってしまえばそうなんですが、僕が見たいのはM-1で面白いのではくて、舞台に関係なく面白いお笑いなので。

    ちょっと追記。こないだNHKでナイツがホームの演芸場でネタやってた時、客が年寄りなのを意識してか「ヤホー」と言わずに「パソコン」になってた。こういう間口の広さもナイツは強いなあと思った次第。

  • M-1 2008所感

    ※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

    基本的にはピン芸人好きなのでM-1よりもR-1派なんですが、今年のM-1はいろんな意味で面白かったのでエントリしてみる。ちなみに決勝戦のクオリティという意味ではR-1よりもM-1派です。R-1は選び方も司会も採点も三位一体でだめだめすぎる。

    1.ダイアン

    一部で下馬評高かったの目にしましたが、内容としては見た瞬間から「これは最下位でもおかしくないな」と思った。トップバッターだというのに最初のネタに入るまでの無駄な掛け合いが長過ぎ。サンタネタも説明不足で「???」になってた人多いんじゃないだろうか

    2.笑い飯

    M-1以外でほとんど見かけないのに毎回決勝進出というあたりでもうおかざりと化している笑い飯。そろそろ決勝いけないほうが本人にもいいんじゃなかろうか。今回は定番スタイルを変えてきたけど、本人も言う通り「変えてきた」ことがネタになってるだけで、それが面白いかというと疑問。ここまでの2組で1度も笑えず。

    3.モンスターエンジン

    神ネタもピンもすばらしいんだけど、M-1できっちり漫才やるにはネタが弱すぎた。そもそもモンスターエンジン自体芸歴が浅いのでまだまだこれからではないかと。好きなコンビだけど今回のネタではしょうがない結果。

    4.ナイツ

    ド本命のナイツ。もっと定番ネタでくるかと思ったけど意外に宮崎駿で来てきっちり笑いとっていった。こないだナイツのネタを予想するエントリなんてのが話題になってたけど、ナイツはだじゃれじゃないという点に加え、いかにボケをツッコミが膨らますかというところがすごく魅力。その点、今回も「風の谷を治すか」というネタを「それはYAWARAちゃんだろ」という突っ込んでたのが最高に面白かったんだけど、ちょっとツッコミの意味がわかるまで時間を要するネタであまり気がつかれてなかったのが寂しい。ナイツはこういう二段ボケみたいなのがすごい面白いのよね。

    5.U字工事

    最後の3組に残ってもおかしくないかなというデキ。いつものネタではあったけど、あれほど地域性の強いネタを、その地域にあまり関係ない人でもわかるようにうまくネタにできてた。爆笑オンエアバトルで実績あるだけに実力派だなあ。U字工事に関しては本人たちの問題というより、ほかの3組が上すぎた。

    6.ザ・パンチ

    審査員の言葉通り、そしておもわず今田まで口走ってしまったほど緊張にやられてた。せっかくのツッコミボケも緊張によって色あせまくってて残念。

    7.NON STYLE

    決勝メンバー発表のときに「ああ優勝候補だ」と思った1組。というのは面白さ云々以前に、まさしく漫才スタイルであるから。クオリティも高かったけどM-1は漫才であることが重要視される感があるから。

    8.キングコング

    前回はしゃべりが早すぎてボケやツッコミを客席が拾いきれていない感があったけど、それを反省したのかスピードをだいぶ落として、1つ1つが聞きやすかった。でもそれが逆にキングコングの魅力を減らしている感もあって、なんとも難しいものです。

    9.オードリー

    準決勝で落ちたと聞いたとき「はいはい敗者復活候補ですね、わかります」というキレイな流れ。敗者復活戦から息もつかせぬ時間の流れがよかったのか、すごくハイテンションでいい空気を作れていた。オードリーも重ねボケがうまくて、あとからダムの話持ってきたりとネタ的にもすごくクオリティ高い。これは1位とるかなとおもったら見事に1位だった。納得。

    決戦

    1.ナイツ

    最初のネタに比べるとちょっと弱かった。個人的にはここはミスチルもってきて「ミスターのチルドレン」で沸かせた方がわかりやすかったんじゃないかな。ナイツの「ボケをツッコミがさらに生かす」という点ではちょっと残念。伏線もメガネくらいだったし。

    2.NON STYLE

    最初のネタのクオリティをきっちり保ってつなげてきた。しかも最初のネタから伏線も張ってたし、漫才の技術としてきっちり完成度が高い。これは優勝かな。

    3.オードリー

    定番スタイルをちょっといぢってきた。これはこれで面白いんだけど、オードリーの真価を引き出したかというと疑問。これ、最初のネタと入れ替えたほうがよかったんじゃないだろうか。1回目のネタがクオリティ高すぎたが故に残念。

    総評

    NON STYLEは漫才らしい漫才かつクオリティも高いので、漫才がテーマであるM-1で優勝するのはわかりやすい。オードリーはそれに対してちょっと異色というかコントまじりの色モノなので、定番スタイルを上回るにそれなりの面白さが必要だったと思うけど、2回目のネタが弱すぎた。ナイツは面白いんだけど型にはまりすぎているというか、「また同じパターンだね」というところが評価されなかったのかも。

    M-1はやはり漫才の技量を問う大会であって、面白ければいいものではないなというのが今まで見てきた実感。そういう意味ではNON STYLEが優勝という今回はわかりやすいし、松っちゃんと紳助がそろってNON STYLEを推したのも納得。

    個人的には大好きなオードリーが最後まで残っただけでうれしいし、むしろオードリーはM-1がなくても十分やっていけるのでこれでよかったのかな。ファンとしては残念でありつつも、評価としては適正だったなと思う今回のM-1でありました。

    余談ですが今回司会の上戸彩は地味にいい仕事してた。小池栄子が単に文章を読むだけという点ですらかみまくっていたのに対し、上戸彩はその点はすごいクオリティ高い。こんなのは当たり前の話で、むしろ今までなんで小池栄子やねんという話ですが、さりげなく笑い飯がオートバックスのCMトークで「いやでも事故にあうネタですから」と発言したときに、「それを修理に行くんですよ」っとさりげなくフォローできてたあたりの勘のよさもよかった。その点はあまり映されていなかったけど、サブ司会としてきっちりいい仕事してたなと思いました。

    ちょっと追記。一発目のネタを最後の決戦に持ってきていたら優勝はオードリーだったと思います。2回目が1回目に比べると今ひとつだったのがほんとに残念。