M-1グランプリ2010主観入りまくりまとめ

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

一部で「感想まだですか」と言われたので、前回みたいに年明けエントリーならないよう書いておきます!

ちなみに今までの感想たちはこちら。

M-1グランプリ2009いまさら感想 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2010/01/04/3180

M-1 2008所感 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/22/924

M-1 2008主観入りまくりのまとめ – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/24/974

感想書く前にいつもの自分的M-1立ち位置を示しておきますと、M-1決勝戦のメンバーは敗者復活で選ばれる人たちも含めて演出込みで選ばれていると思っていますが、審査員評価については(審査員ごとにもやもやするところはありつつも)適正かなと思ってます。今回に関してもファイナル進出や優勝者については割と納得してます。まあ「M-1だから」という視点込みなのですがこのあたりは後述。

最終的な感想はあとにするとして、まずはファーストラウンドのメンバーについて1人ずつ簡単に感想をば。

カナリア
1番手という位置も悪かったけれど、ネタ的にも同じ内容をドレミにあてこんで入れ替えてるだけなので笑いどころもすくなくて厳しかったかなあ。元々レッドカーペットやらなんやらでフリップ使った芸を見てただけに、ああいう「おんなじ視点のネタを数多く回していく」系のを漫才に当て込んだ感があって、漫才じゃないほうがおもしろいんじゃないかなあと思った。あと、確かに今までで一番水嶋ヒロに似てたw 話題になりやすいから美容師さんに「今までで一番の水嶋ヒロで!」とか頼んでたんだろうか。

ジャルジャル
賛否両論わかれやすいジャルジャルですが、先に言っておくとジャルジャルのネタはあまり好きではありませんという立場であることお断りしておきます。

それを踏まえても今回のジャルジャルはメタ漫才の方向に走ってしまい、自分たちの世界だけでまわしてしまった感じ。「漫才をメタで見ているこの視点がおもしろいでしょ?」っていうドヤ的な笑いにしか見えなかった。どうもジャルジャルは「俺たち人と違うことやってるでしょ」感がひしひし感じてしまって苦手なんだなー。

スリムクラブ
笑いはもちろんとして場所もすごくいい位置だった。1番手2番手が結果として最下位争いになってしまった次の場所はやっぱり引き立ちますね。

個人的にここ数年言われていた「M-1手数論」というのがとても疑問で、「手数多い芸風もいいけど、お笑いはそれだけじゃないだろ」と思ってたので、スリムクラブのテンポはとってもおもしろかった。手数論って多少受けなくても次のネタに進んで飛ばせるんだけど、スローテンポってのは「ここで笑うんですよ!」というところをきっちり笑わせないといけないという難しさがあるぶん、ツボにはまると爆発するなあと再認識。

一方で審査員的には「面白いのは間違いないけどこれを評価していいのか」みたいな悩みが見えまくっていたのも面白かった。「もう1ネタ見てみたい」という意味でもファイナル進出は納得感。

銀シャリ
手堅く面白かった。でも、ナイツもそうなんだけど「普通に面白い」はM-1だと評価されにくいなあという印象があるのと、1つ前がスリムクラブだったという不運もあったんじゃないかな。これが3番手だったら「やっとちゃんと笑える!」という評価につながっていたかもしんまいとか妄想してみる。

個人的には最初にジャクソン5のABC歌ってくれてうれしかったものの、「はたしてジャクソン5のABCはM-1でネタにしていいほどメジャーなのだろうか……」と悩んでしまったw

ナイツ
すごい作り込んできたー! と思う反面、やや作り込みが強すぎた気がします。個人的には土屋の突っ込みがとっても好きなのですが、前半を振り返る部分からはその要素が強すぎて土屋が目立たなくて残念でした。新しいスタイル作ろうとするあまり、ちょっと技術先行になってしまった気が。ナイツはミスチルのネタが一番好きだなー。

笑い飯
前年受けに受けまくった「鳥人」系のネタをそのまま持ってきたあたりはムムムと思いつつもきっちり面白かった。M-1でたばかりの頃の笑い飯は「ダブルボケ」という要素ばかりが目立ちすぎて個人的にはあまり笑えなかったのですが、去年の鳥人あたりからは普通にネタとしておもしろくなってきました。あくまで自分的に、ですけどね。

ハライチ
ハライチのあのネタはいつも思うんだけど、あれピン芸人のネタでいいよね。感想で岩井が「やりきりました」って言ってたのがいまいち共感できなかった。ナイツの土屋みたいに絶妙な突っ込みでネタを面白くするようなこともなく、淡々と名詞を読み上げるだけじゃないかというね……。

ネタ自体も、全く同じ展開を4分間続けるだけなので途中から飽きてしまう。去年の「控えめなフック」のように一粒一粒は面白いネタがあるので記憶には残るんだけど、4分間という時間を考えると厳しいですね。

ピース
順位的にはギリギリとはいえ、なんかピースにしっくり来てない感じのネタだった。又吉のひょうひょうとしたキャラを綾部がいじり倒す! というところがとっても好きな2人なので、ネタ的にもったいなかったかなあ。キングオブコントのネタみたいなノリで漫才ネタにしてくれるとよかったなと思います。とはいえピースはもうピカルの定理でいい位置抑えているので安泰だと思っていますがw

パンクブーブー
うーん、M-1最後の年に、そこでパンクブーブー選んじゃいますか、というのが見た時の感想。パンクブーブーが選ばれた瞬間に「最後の年で2年連続優勝はないだろうな」と思ってしまった。ちなみに個人的には鎌鼬あたりが来るんじゃないかなと期待してましたw

ネタはさすがのパンクブーブーでおもしろかったんだけど、去年に比べると単なる言い回しに終始していてややまわりくどかった感も。後半になってくると「いや結局その相手が言ったわけじゃないんでしょ」というネタばれ感を感じてしまったもが、後述しますがファイナルラウンドで不利だったかなと思いました。

結果として決勝進出はスリムクラブ、笑い飯、パンクブーブーの3組。まあ笑い飯はそもそもファイナル確定でしょと思ってたし、スリムクラブも今回のメンバーでひときわ異彩を放っていたという点で納得。パンクブーブーは「そこ選んじゃう?」という疑問はありつつもやっぱりネタはおもしろかったので納得。笑い飯は9年連続決勝という時点であきらかに何かの力が動いているので、もういいよ最初からファイナル確定でとか思っちゃうね、正直。

最終決戦はまあ、そりゃそうだよね的な展開。残念ながら3組ともファーストラウンドと同系統のネタを持ってきてたので、ファーストラウンドと同じような評点傾向にはなっちゃうよねと思った。また、パンクブーブーに関してはそもそもが4分間で手の内見えてしまうようなネタだったので、それを2回繰り返すのは不利だなあ。ここは必ず2回やるとは思っていない敗者復活組の不利なところでしょうか。

笑いだけでいうとスリムクラブだったと思うけれど、審査員的な視点で考えてしまうとあの笑いは他の出演者と比べて異質だったことと、あのキャラクターとテンポが新鮮だった、という要素が大きいと思うのね。あのネタを何回か見てしまうとそれで飽きてしまうんじゃないかな、という気もしてしまうし、そこに優勝をあげてしまっていいのか、という点では悩んでしまうと思う。

同じ敗者復活から優勝したサンドイッチマンの場合は、お笑いのボケとツッコミというところがきっちりしてたのに対して、スリムクラブはあの独特のテンポが受けていた、というのは否めないと思うんですよね。とはいえ笑いの数は圧倒的だったからこそスリムクラブにあれだけ票が入ったわけだし、たった1人でもスリムクラブに入れていたら優勝は変わっていた、という点では興味深い結末でした。

優勝はパンクブーブーが出てきた段階で2回はないと思っていたし、ネタ的にもファーストラウンドと同じ展開で来てしまったので厳しかった。そうなるとまあ笑い飯ですよねというのは納得ですね。ただ、M-1優勝者は非常に注目されるという流れがあるものの、毎年毎年決勝に出ている笑い飯にとってその優勝効果はあまりなさそうだよなあ。

一方で優勝はNON STYLEだったのにブレイクしたのはオードリー、みたいな意味では、今回はスリムクラブがその位置になりそう。ただ先ほども書いた通り、あのキャラに慣れてしまった先をスリムクラブが持っているのかな、という点は自分の中で未知数なので期待したいところ。オードリーは春日のキャラ押しに見えつつ、実は春日が器用にいろんなことできるのが今も人気続いている秘訣だなあと思うので、2011年のスリムクラブ動向には注目していきたいと思いますはい。

最後に、毎年毎年注目している上戸彩は今年フツーだったのですが、流れ星の演技がすばらしすぎたのでよしとします。


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