【書評】「ギークガール」


ずっと前に献本いただいていながらなかなか読む時間がなく、年末年始のお休みを使って拝読させていただきました。昔は読書少年だったのにすっかり本読みの習慣が抜けてるなあ……。

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ギークガールというタイトルだけだとなかなか謎のムック本ですが、秋葉原のライブバー「ディアステージ」発のアイドルユニット「でんぱ組.inc」がメンバー卒業を機に出版した1冊とのこと。とはいえタイトルにユニット名を冠さず「ギークガール」と名乗っているように、内容としてはアイドルムック本というよりも「ギークガール」をテーマにした読み物っぽい内容に仕上がっております。

そもそも「ギークガール」とは何ぞやというところでGoogle先生にお伺いたてたところ、ムック本にインタビューも掲載されている安全ちゃん公式にその要旨が明記されておりました。

オリーブ少女より破天荒で、サブカル女子より前のめりな、21世紀のネット対応型文化系女子=ギークガール

『ギークガール』とは何か! | 安全ちゃん公式
http://anzenchan.org/?p=32

むう、説明よんでもよくわからない……、と思ってたけれど、ムック本冒頭にある安全ちゃんインタビューを読んだらだいぶ腑に落ちた。

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まとめるとギークガールって自我の出し方が旧世代と違うと思うんですよね。他人にどう思われるかをあまり気にやまないというか。

<中略>

最近はどこに「ふつう」の基準があるのかよくわからなくなってきているし、無理して「ふつう」に合わせようという人自体減っている。

これはすごくよくわかるなあ。昔はアイドルと言えば恋人はいてはいけない、トイレもいかない、結婚したらもうアイドルは終了、みたいな不文律があったけれど、今時は結婚したって芸能活動を続けているアイドルもたくさんいるし、しょこたんみたいにオタクと呼ばれるような趣味を持った子もアイドルとして芸能界で輝くことができる。子供の頃はもっと「ふつう」という暗黙のルールがどことなく存在していたのが、最近ではもっと自分の好きなことを好きと言えることこそが「ふつう」になっている感覚。

自分も中二病が爆発しまくってた子供の頃は、友達の間で「ふつう」に流行っていたJ-POPにあえて反旗を翻して洋楽に固執していた時代もあったのだけれど、それって実は自分の中にまったく軸がなくて、他人の価値観に自分の価値観が依存してる悲しい状況だなーということに気づいたのはもう成人してからのことでした。

今ではJ-POPだろうが洋楽だろうがWindowsだろうがMacだろうが携帯電話だろうがスマートフォンだろうが「俺が好きだから好き」を貫くことこそが自然だし自分らしいよね、って価値観に落ち着いていて、そういう視点からするとこのギークガールという概念はとっても共感できるし、そうやって自分の趣味思考を隠さず貫いている人ってとても憧れるので、ギークガールみたいな女性がこうやって活動範囲広げているのは個人的にもいい流れだなーと思います。

全体的に安全ちゃんやでんぱ組.incなどなど女性陣のインタビューで構成されているムックですが、普段はなかなか足を踏み込めない女性コミュニティの等身大のお話を垣間見られるという点もなかなか興味深い。大学時代のITとは縁遠い同期と話すと、インターネットどっぷりの自分とは違う「ふつう」の世界を体験できる貴重な時間として受け止めているんですが、このインタビューもそれに近いというか、「ギークな女性の日常」をちょっと覗き見してるっぽい感じが楽しかった。

最後にはまつゆうともふくちゃんのインタビューがあって、インターネットのこれまでをいろいろ対談してるんだけどこれがなつかしおもしろい。まつゆうがプロデュースしてた「ヤプース!」というサービスは、初めてカメラ付きPHS(忘れもしないH-SA3001V)を持ったとき、写真を投稿できる日記サービスっぽいのを試したくて初めて出会ったサービスでした。当時はインタビューでも触れられている通り大変な重さで、ユーザー登録しても日記が投稿できなくて利用をあきらめざるを得なかったんだけど、あのポップでおしゃれな感じは当時他のサービスと比較してても明らかに異彩をはなってたなー。

基本的にはでんぱ組.incファン向けのムック雑誌だとは思いますが、インターネットがないともう生きられない! という人が読むといろいろ共感するところもあるかと思います。少なくともアイドル雑誌に載ってるような正統派!? インタビューよりは「あるあるあるあるー!」と思いつつ読めるのではないでしょうか。


ギークガール 夢眠ねむと古川未鈴のアキバメイドポーズ集+ねむきゅん新作妄撮収録のCD‐ROM付き 62484‐12 (カドカワムック 408)


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