俺の考える「テレビとネットの近未来」


先日参加してきました「テレビとネットの近未来カンファレンス」。ネットも大好きだけどテレビも大好きという私としては大変に興味深いイベントでした。

テレビとネットの近未来カンファレンス「全録 vs iTV:リビングルームの勝者は誰か?」取って出しレポート #tvnetconf – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2012/02/08/7185

ただ、時間配分のせいで前半のプレゼンテーションが大幅に押してしまい、結果として後半のパンレルディスカッションはほとんど無いに等しかったのが残念。現状の分析よりも未来にどうなるかの議論を一番期待していたので、そこがないのはちと消化不良でした。いろいろ人数も少ない中大変とは思いますが、タイムキーパーがいないならストップウォッチを登壇者にまわすくらいでも改善できると思うのでそのあたりは今後に期待したいところです。

そのパネルディスカッションでは大きく4つのテーマでパネルが進行していく予定で、会場では参加者にその議題が配布されました。せっかくなのでこの議題をいただきつつ、自分がテレビとネットの近未来にどんな期待を抱いているかを書き綴ってみたいと思います。

■デバイスやネットサービスの進化に伴って、動画の視聴形態が今後どのように変化していると考えているのか?

一言で言うと「オンデマンド化が進む」。それは単なるテレビ番組を好きな時に見るという意味だけでなく、好きな動画コンテンツを好きなように見るという意味において。

テレビと一言で言っても「テレビ放送局」「テレビ番組」「映像を映し出すハードウェア」という3つの意味があって、そのうちの3番目においてはもはやテレビ番組を映し出すだけのハードという時代は終わりつつある。それはすでにテレビゲームの登場において変化してはあったのだけれど、Apple TVはもちろんのこと、映像コンテンツとしてもPS3やKinectをつなげばテレビで動画を楽しめるし、スマートフォンやタブレットをHDMIでつないで映像を映し出すことができるようになってきた。

そうするとテレビで見る番組は必ずしもテレビ番組である必要もなくなってくる。もちろん今のところはテレビ番組が動画としてのクオリティも高いので一気に何かが起きるということはないだろうけれど、テレビで見るものが必ずしもテレビ番組ではなくなる、という時代は少しずつ近づいているのかと思います。

一方でテレビ番組のネット配信が強化されることで、好きな時間に見たり、好きな端末で見たり、好きな場所で見たりと自由度が高くなる。ゲーム機も家でどっしりやるゲームも未だ人気がある一方、外で気軽にプレイできる携帯ゲームのほうが本数では売り上げていたりすることを考えると、好きなテレビを好きな時に好きな場所で見られるニーズは非常に高いのではと思います。

■その中で起こるビジネス環境の変化。チャンスとピンチ

テレビ局は危機でもあるけどチャンスでもある。危機という点ではテレビ局の番組だけがテレビに映し出すものではないという意味で、例えば子供のある家庭はもはやテレビ番組の子供向け番組だけでなく、多チャンネル放送でひたすら繰り返し放送されるアニメばかりを見ているなんて話も考えると、いわゆるテレビ局は今後も厳しくなりそう。

逆に言えばネット配信はもっと可能性があるわけで、例えばHuluばかりが注目されるネット配信において、月額1000円でアニメ見まくりのバンダイチャンネルはもっと注目されていいんじゃないかと思う。バンダイチャンネルがPS3に対応したらほんとにキラーなんだけどなー。

一方でテレビ番組がオンデマンド配信することで、見逃しニーズをきちんと抑え、極端なことをいえば「見逃しで見られるならレコーダはいいや」って人すら出てくるかもしれない。単に電波を使って流すだけでなく、電波以外でも流すところで収入源増やそうという点ではぜひ積極的にがんばっていただきたい。

ネット対応は単なる再配信のメリットだけでなくて、ソーシャルでつながって行くという期待もある。友達が面白いとかハマっているという番組はどうしても気になるもので、それを後から見られたり、家にはいないけど他のところで見られるのは視聴者を増やす大きなメリット。もちろん「同じ番組を見ている人でコメントしあう」という実況コミュニケーションも楽しめるので、個人的にはまだまだテレビにかける期待は大きいところです。

ただ、今の視聴率ビジネスモデルはもういい加減なんとかしたいところ。ビデオリサーチのWebサイトに行くととても丁寧に解説してくれているんだけど、録画は一切反映しないとか、ボタンを幼いと視聴率に加算されないとか、いろいろ突っ込みどころの多すぎるシステムになってます。

視聴率調査について(視聴率ハンドブック)|ビデオリサーチ
http://www.videor.co.jp/rating/wh/index.htm

とはいえこういう調査や指標にパーフェクトは存在しないもので、これがクチコミになったところで食べログのようにステルスマーケティングの餌食になる可能性もあるもの。視聴率が唯一の指標になっていることが問題なので、個人的にはいろんな指標が登場してそれを複合的に分析できるようになるといいなあ。

■個人的に面白いと感じている実サービスやコンセプト

前述のバンダイチャンネルはもっと注目されていいコンテンツ。たった月額1000円でであれだけのチャンネル数は本当にはんぱない。今は単なるアニメ好きのものになっているんだけど、もっと視聴できる場所が広がるといいなあ。特にPS3対応は個人的にほんと期待しています。

月額1,000円見放題|アニメ・動画配信 / バンダイチャンネル
http://www.b-ch.com/contents/feat_monthly/

あとは以前に記事広告で試したテレピパも面白い。ネットだからついソーシャルという人とのつながりばかりを求めがちだけど、自分が見ている番組の出演者情報を知ることで他の番組も見たくなるという、テレビ番組を横につなげるという仕組みもまた面白いものです。

ドラマ中に出演者情報を「ながら」確認できるAndroidアプリ「テレピパ」 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2011/12/15/6738

あとは文句いわれがちなもっとTVも、すでにこれだけドラマの再配信が進んでいる番組を1カ所に束ねる存在としては今までのテレビ局の施策よりもよっぽど期待。もっとTV対応のテレビはしばらく期待できないけれど、スマートフォンやタブレットから「テレビの再配信ならここ!」という入り口が1つあるというのは、すでに行なわれているテレビの再配信を活性化させるためにもいいことなんじゃないかな。

民放キー局によるVOD「もっとTV」が4月2日開始 -AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120126_507555.html

イベントでも紹介されていたガラポンは、仕組みとしては本当にすばらしいけれどやはりワンセグだというところがボトルネック。あれが地上デジタルに対応したら本当に面白い存在になると期待してます。一方で今の全録レコーダのように地上デジタルそのまま録画では、ガラポンTVの良さである「大量に録画してあとで検索」が失われてしまうので、ぜひとも画質や画面サイズを下げてでも1ヶ月くらいは録画できる環境を整えてほしいところ。

全TV番組録画機・全録機「ガラポンTV」 iPhone、iPad、Android、PCからインターネット視聴
http://garapon.tv/

■ズバリ今年の予言を一つ

8年くらい前からポータブル動画にこだわっていた私としては、今年あたりそろそろポータブル動画にもっと火がついてほしいところ。どうしてもストリーミングでは快適に見られないので、お手軽にモバイル機器へ動画を映す仕組みが普及してほしいところです。

実際にはPSPやウォークマンでは番組の持ち出し機能があるんだけれど、まだまだハードルが高いので普及には至っていないという印象。個人的には充電台と組み合わせて「寝ている間に決められた番組を勝手に転送」とか、1クリックを0クリックにする仕組みを期待したいところであります。

普段なかなか身の回りにいない「ネット好きだけどテレビも好き」という人が一同に会するという点でとても楽しいイベントでしたが、前述の通り時間配分のせいでパネルが聞けなかったことと、せっかくなのでもうちょっと参加者の意見を聞きたかったなというのがイベントの感想。プレゼンターに用意されたお題なんかは参加者に事前配布してそれぞれの意見を募るというのも面白かったんじゃないかなあ。次回以降のイベントにそうした手法が組み込まれることを楽しみにしております。


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