MOTHERと俺


寝耳に水のニュースとして飛び込んできたMOTHERのバーチャルコンソール発売。海外では「EarthBound」として発売されていたMOTHER 2の20周年を記念し、海外では未発売だった初代MOTHERが「EarthBound Beginning」としてWii Uバーチャルコンソールで発売。あわせて日本語版もWii Uバーチャルコンソールで配信が開始されました。

『MOTHER』配信に寄せて糸井さんからメッセージ
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/software/vc/fbdj/message/index.html

数あるゲームタイトルの中でも初代MOTHERはとても思い入れのあるゲームだけに思わずダウンロード。画面こそ古くさいけど世界はあのMOTHERそのもので、スプラトゥーンも忙しいけどこれはちょこちょこプレイしてがんばってクリアしたい。

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いまでこそ考えられないことかもしれないけれど、MOTHERと出会ったのはとあるゲームショップのワゴンセール。MOTHERの宣伝はファミコン雑誌で目にしていたので存在は知っていたけれど正直そこまでの興味もなく、ワゴンセールに出会わなければいまだにプレイしていなかったかもしれない。いや、ワゴンセールとはいえ2980円という値段は当時の小学生にしてはそれなりに高い値段であり、ワゴンセールの前をうろうろして買うか買わないかずっと迷っていた気がする。

余談だけれどそのワゴンセールには1980円というさらに安い価格でファイアーエムブレムも売られていて、今にしてみれば歴代好きなゲームトップ5に入るゲームがそのワゴンセールで出会ったことになる。初代ファイアーエムブレム、ほんとにハマったしほんとによくセーブデータ飛んだよなあ……。

そんなこんなでワゴンセールから拾い上げて購入したMOTHERは、予備知識もほとんどなくプレイし始めるのだけど、ドラクエこそがRPGだと思っていた当時の小学生にはとても衝撃的なゲームだった。とはいえさすがにRPGという枠組みそのものを新たに定義するほどではなく、HPやMPのような概念もあるし、敵を倒してアイテムを入手したり、宝箱を開けたりというのはRPGのシステムそのまま。

MOTHERが違ったのは、仕組みそのものはRPGだけれど、そこに糸井重里ならではの設定や世界観が非常に上手く組み込まれていたこと。例えばモンスターを倒してお金を入手するなんてのは当時のRPGでは当たり前だったけど、MOTHERは敵を倒してもお金はもらえない、だけど倒した敵に応じてお父さんが口座にお金を振り込んでおいてくれる。最初はなぜお金が定期的に振り込まれるのか理解してなくて、それが倒した敵に応じて振り込まれているということを知った時には「むしろなぜ今まで敵を倒せばお金がもらえることを当たり前に思ってたんだろう!」と自分の価値観がぶん殴られた気がした。

MOTHERのマップは街のアイコンにキャラを合わせると街に入る、なんて演出もなく、すべてのマップがつながっているのがスタンド・バイ・ミー的な冒険心をかき立てる。電車に乗らずに次の街までわざわざ歩いていくなんてこともやったなあ。敵を倒すのもただやっつけるんじゃなく人形なら動きを止める、悪い人なら正気に戻るなど、「倒す」という表現を一律に使ったりもしない。そもそも武器もボロのバットだのいいバットだのと武器の感覚がない。すべてが1人の少年の冒険の延長線で描かれていて、それがいつの間にか壮大な世界観に溶け込んでいく流れがとても心地よかった。

何よりも印象的だったのがあのテレポーテーション。MOTHERはコマンドを選べば街に帰れるなんて甘い世界じゃない。明らかにバック・トゥ・ザ・フューチャーを意識したあのテレポーテーションは、直線であまり距離が取れない場所でも発動するため自分の周囲をぐるぐる回って発動するテクニックを一生懸命練習していた人もきっと多いんじゃないかな。さらに言えばダンジョンから脱出するのも魔法ではなく、HP回復アイテムであるはずのパンをちぎってパンくずにするという設定も実に巧妙でした。

世界観にマッチした音楽もMOTHERのすばらしさの1つ。いや1つどころか最重要と言っても過言でもないかもしれない。MOTHERの根幹は音楽とともにあって、なぜだかわからず集めていた音楽が最後の最後で意味をなし、それがとても哀しい結末につながってしまうあのストーリーも絶妙。世界観だけでなくシナリオだけ見ても今までプレイしてきたRPGでトップクラスだと思う。序盤ちょっとだけプレイしてエイトメロディーのオープニングを耳にしたとき、いろんな思い出がぞわぞわっと蘇った感覚にとらわれた。やっぱりMOTHERはあのファミコンの8bit音源が一番しっくりくるなあ。

MOTHERといえば忘れちゃいけないのが公式ガイドブック。この頃は任天堂と糸井重里が一緒に作ったエイプという会社がガイドブックを手がけていて、それがもう一癖も二癖もあるガイドブックばかり。その中でもMOTHERのガイドブックはぶっとんでいて、単なる攻略本ではなくゲームの世界観がそのまま再現されている。あまりに思い出深くて当時のガイドブックがまだ捨てられずに取ってあります。しかしアニメイトのビニールカバーが時代を感じさせる……。

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中身はゲームの攻略なんだけど、実写を普段につかった街の観光ガイドのような作り。アイテムまですべて実写で再現するというこだわりようで、この頃はゲーム攻略のためというより読み物として読みたくてエイプのガイドブック買ってました。スーパーマリオワールドとかファイアーエムブレムのガイドブックもよかったなあ。ファイアーエムブレムのガイドブックもまだ家にあります。

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エイプとはなんぞやというのはこのあたりもどうぞ。

ポケモン誕生秘話大公開!! 川口孝司さん(任天堂)インタビュー1
http://www.nintendo.co.jp/nom/0007/kawaguti/page01.html

MOTHERはその後も2、3と続くんだけど、2は1の成功を意識しすぎてかシステムやストーリーのどんでん返しに注力した感があり、1ほどの完成度ではないなというのが個人的な感想。3に関してはそもそも64で作ろうとしていたのが開発中止となり、遠い時を経てGBAで発売したという流れなのでゲームとしてもいろいろ古いのだけど、それにもまして衝撃的なストーリー展開が「さすがにこれは……」と正直引いてしまった。とはいえ当初のタイトルだった「豚王の最期」という意味では実に納得のストーリーではあったけれど。

画面こそファミコンそのままで古くさいんだけど、ゲームの世界観やシナリオはいまでもまだ十分に通じるクオリティだと思うので、MOTHER未体験という人はぜひプレイしてみて欲しい。全シリーズプレイしてもやはり1こそがMOTHERだな、というのが正直な感想です。とはいえ今さらプレイするにはいろいろとシステムも古くさいのだけれど、そのあたりは子供の頃を思い返して「ファミコンってこんなだったよなあ」と懐かしむくらいがちょうどよいように思います。

MOTHER|Wii U|Nintendo
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/software/vc/fbdj/index.html


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