映画「コクリコ坂から」見た(ネタバレあり)


周りで割と評判がよかったのと、ジブリ作品で育った自分としてはやはり自分の目でも見ておきたいということで行って参りました。映画の内容へ思いっきり言及するエントリーなので、「これから映画を見よう」と思っている人はこの先を避けておいた方が無難かと思われます。

コクリコ坂から 公式サイト
http://kokurikozaka.jp/

「コクリコ坂から」の監督は「ゲド戦記」で華々しく監督デビューしたものののその評価は散々だったという宮崎吾郎監督による第2弾作品なわけで、やはりどこかにゲド戦記と比較してしまうわけですが、結論からいうとゲド戦記に比べると「映画」というパッケージに収めるという力はついたと思うものの、映画そのものの実力としては「成長してねえ……」と思わざるを得なかったというのがファイナルアンサー。

個人的にこれまで映画なんて好きずきは人それぞれなのであまり個人的な思いというのはブログでも詰め込まないようにしていたんだけど、先日松本人志監督作品第3弾の「さや侍」を見たとき、「きっとカイさんこれ面白いですよ」と勧められたライムスター宇多丸のポッドキャストがほんとに面白いというか一部を除いてほぼ同意する内容でして。

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル: ポッドキャスト
http://www.tbsradio.jp/utamaru/podcast/

こうやってあくまで主観としてでも自分の思うところをどんどんぶつけた感想の方が聞いてて面白いしとても自然体。さらにいいなと思ったのが「ここはこうしたほうがいいのに!」って演出まで自分で提案していたところ。それがクオリティとしてよいのか悪いのか所詮は素人意見なのかは別として、「こうしたほうがいいのに」くらいの意見があったほうが映画の感想としてはより面白いなーと思ったので、今後は映画の感想も遠慮しないで自分ならではの意見ぶつけていきたいと思います。

しかしタイムリーに今回のポッドキャストはコクリコなのね、これはエントリー書いてから聞かねば!

という長い前置きのもとにやっとこさ本題。前作「ゲド戦記」では、数多の突っ込みどころがある中で一番のポイントは「登場人物にストーリー説明させるのかよ!」というキャシャーンばりのモノローグだったわけですが、今回もそのポイントは変わらず。実は主人公と兄弟かもしれないという事実、いやお前ら兄弟じゃないよというストーリー上大事なポイントをどっちも登場人物がしゃべって終わりという、まったくもってゲド戦記から変わってないなーという残念演出でした。

ストーリーの柱はお互いに好意を持ち始めた2人が実は血がつながっているかもしれないという話と、老朽化したカルチェラタンの取り壊しを反対するという2つなわけですが、結局どっちも心に残らない。前者は前述の通り「それしゃべって説明しておしまいかよ!」ってところで感情移入できないし、後者もカルチェラタンきれいにして理事長呼んだら喜ばれたというだけ。理事長の存在もポンと突然出てきて、勢いで抗議に行ったら理事長がいい人で認められちゃったってだけなので何の課題もクリアしてなくて、なんとも自己満足っぽい終わり方なんだな……。

そもそもの細かい設定もつっこみどころありまくりで、知人に友人の大事な子供を預けるというとても大事なことを、まるで自分の子供と誤解させるかのような預け方するか?。育ての親が子供の出生を全然理解してないというのは問題すぎるし、そんな勢いで子供預ける男が「いい人だったのよ」とはとても思えないぜ……。主人公も名前は「海」なのに学校では「メル」と呼ばれてて、それがあだ名なのかなんなのかもあいまいなまま。最初「で、名前はなんなの?」と戸惑いまくってしまったので、あそこは学校であだ名のついた由来を説明するなりなんか欲しい。どうせストーリーの核心をキャラクターに話させるくらいならそういうところを説明してほしいなー。

ちなみにYahoo!知恵袋見たらこういうことらしい。「そんな自己満足設定知らねえよ!」と見た瞬間吹いてしまったw。2人とも5月生まれで「サツキ」「メイ」のほうが設定としてはキレイだったなあ……。

映画 コクリコ坂から で主人公 松崎海が なぜ”メル”と呼ばれているのか?ご存知の… – Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1066827940

さらに細かいんだけど子供の名前が「海」「空」「陸」ってのも、結果オーライとして3番目が男の子で「陸」なだけで、あれ女の子が生まれてたら今までつけた「海」「空」という名前どうするつもりだったんだろう、「空」って名前つけた時点で次の子供が大変だぜ……、とか余計な心配してしまった。細かいんだけどこういうところからも「この親子適当すぎるんじゃなかろうか」って思っちゃうんだなあ。

ジブリ映画にありがちのスピード感あふれる演出も無理矢理感があって、買い物に行くためだけの自転車2人乗りに疾走感出されても……。そして2度目のスピード演出はオート三輪に乗せてもらって港まで向かうところなんだけど、いや、そここそ自転車2人乗りだろ……、何のための買い物演出だったんだよ……。2人で果たして兄弟なのか恋人なのかをどきどきしながら胸寄せ合って自転車で駆け抜けるべきだろ……。

全体的につっこみまくりの感想になっちゃったけど、見終わったあとに伝えたいこともよくわからなくて、なんとか作品を1つのパッケージに入れることができるようになりました、っていう努力しか伝わらなかった。これならアリエッティのほうが敵の世界観が小さくてこじんまり感はあったとはいえ、全体としてはよくできてたなあ。

個人的に最後のシーンは、あれ追いついちゃ行けなかったと思うな。せっかく2人とも「血がつながっているけどお互いに好きだよ」というところまで感情を共有してたのだから、がんばったんだけど結局追いつけなくて、でも2人とも「ひょっとしたら兄弟じゃないのかも?」と思いつつも、血がつながってようがなかろうが今まで通りの2人でいようね、ってほうが、せっかくの海の告白を大事にできた気がする。せっかく海がそこまで思い詰めたというのにあっさりと「いや血がつながってないっぽいぜ」って話になっちゃったため、海のがんばりも結果として軽くなっちゃったので、最後までわからないんだけど、エンディングあたりでさりげなく「ちゃんと2人は血がつながってないんだよ」って観客にはわかるような説明を入れるとかね。たとえば風間くんの本当のお父さんとお母さんが赤ん坊を抱いていて、その横に海のお父さんが立っている、っていう写真がどこかから見つかるとか。

全体的に宮崎悟朗監督はお客さんを信じていないというか、伏線やストーリーをキャラクターにしゃべらせすぎなんだよなあ。魔法が戻ってきたと思いきや最後の最後でジジに「ニャー」と言わせるくらいの演出を見習ってほしいなと思いました。

あとジブリ作品はそろそろ俳優じゃなくてちゃんと声優使ってほしい。声の演技がへたくそすぎて感情移入できなかったというのもこの作品に乗り切れない問題の1つだと思いました。大事なシーンであるはずの理事長が全然感動しなかったしな……。


映画「コクリコ坂から」見た(ネタバレあり)” への1件のフィードバック

  1. ピンバック: soramove

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください