「会計の知識は不要!」のクラウド会計サービス「freee」で確定申告に挑戦する電子書籍を書きました

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

先日nasne本を出したばかりですが、実は並行してちょっと毛色の違う本を書いておりました。

freee

freeeでラクラク確定申告 (impress Digital Books)

この本は、クラウド会計サービス「freee」の体験レポートとして以前INTERNET Watchに掲載されていたものを電子書籍として再構成したもの。

経理・簿記の知識はゼロ。人生初の青色申告に「freee」で挑戦! – INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/review/20140127_632007.html

当時はベータ版だったfreeeですが今では正式サービスとしてリリースされており、画面も機能も一新されているのですが、本書は基本的な流れはそのままにしつつ、正式サービスで追加された機能などを反映、画面も最新のものに入れ替えております。以前は存在しなかった機能などもあるので、正しい理解のためには書籍版がお勧め。

あくまで体験レビューなのでfreeeの機能をつぶさに網羅しているわけではないのですが、ポイントは「簿記の知識もなくfreeeで確定申告に初挑戦」というポイント。1年間ただレシートをため込むしかしていなかった人が必要に迫られてfreeeで何とか確定申告を乗り切った、というストーリーに共感いただける方向け。

流れとしても機能を説明するのではなく、確定申告に必要な準備からユーザー登録、具体的な取引の操作を経て確定申告の操作までの流れを時間軸で紹介しています。なのでサービスのガイドブックというより読み物感覚で読んでいただけるかな。

なお、上記ではAmazonのリンクを貼っていますが、インプレスの直販サイトで購入いただく場合に30%オフになるクーポンも発行していただきました。

freeeでラクラク確定申告 | インプレス
http://book.impress.co.jp/books/1114170152

会員登録が必要にはなりますが、上記URLから「インプレスで買う」をクリックし、決済手続きでテキストのクーポンコードを入力すると、30%OFFで購入できます。

クーポンコードはこちらをコピーしてお使いください。

freee30off

販売はインプレス、Amazon含め以下の店舗で取り扱いいただく予定。また、来月には紙の書籍での発売も予定されているので、こちらは詳細決まり次第またお伝えいたします。

  • インプレス直販
  • Amazon Kindle
  • kobo
  • iBooks
  • Google Play
  • Kinoppy
  • Reader
  • BOOK☆WALKER

なお、以前に公開したWeb版では、確定申告とはなんぞやみたいな内容も用意していたのですが、原稿が長すぎるということもあって当時はカットとなりました。そもそも全3回のはずが全4回になるくらい原稿長くなってしまったのでそれは当然の判断だったのですが、せっかくなので当時書いた「確定申告とはなんぞや」という幻の0回もこの場で公開しておきます。これ読んでもらうとどういうテイストの書籍なのかもつかみやすいかなと思いますので。

■確定申告はフリーランスに年1回訪れる試練

freeeの紹介に入る前に、そもそも確定申告や青色申告とは何なのかという話を簡単にしておこう。とはいえ前述の通り筆者も確定申告は初心者であり、専門家のような知識があるわけではなく、一度でも確定申告に臨んだことがある人であれば当然知っているような話だ。これからフリーランスになろうと考えている人や、今回初めて確定申告に挑戦する人向けの内容なので、興味の無い人は読み飛ばして欲しい。

確定申告とは、ざっくり言えば所得税を国に収めるための手続き。企業勤めのサラリーマンの場合は会社側がすべて調整した上で給料から天引きしているため意識していない場合は多いが、フリーランスや自営業の場合はそうした税金の計算や納税も自分で行なう必要がある。

サラリーマンがわずかながら意識するのは年末に行なわれる名前そのものの年末調整だ。所得税の課税対象となる給料については会社がすべて把握しているが、税額の控除対象となる生命保険の額などは会社ではわからないため、毎年年末調整の書類に家族構成や加入している保険などを提出することで、後はまた会社がすべて対応してくれている、というわけだ。

10年以上のサラリーマン生活からフリーランスになり、会社員であることのありがたみを痛感するのはやはりこの確定申告時期だ。フリーランスというのは営業やデザイン、プログラムといった能力だけではなく、総務や経理といった間接業務まで1人でこなさなければならないのだ、ということを痛感させられる。

この確定申告の期間にいつもと変わらぬ日々を過ごせる会社員の人々は、「会社員でよかった」というのはもちろん、「納税のための手続きや調整を代わりにやってくれている部署があるから確定申告で苦しまずにすむのだ」と、確定申告で苦しむフリーランスを見るたびに思うのもいいかもしれない。少なくとも筆者は、こうした業務を担当してくれていた人たちのおかげで自分の業務に集中できていたのだな、というありがたさを今更ながら感じている。

■青色申告と白色申告の違いとは

前述の通り自営業は所得税を納めるために必ず確定申告をしなければならないが、次に必要なのは確定申告の種類。こちらは白色申告と青色申告という2種類の申告方法がある。

どちらも年間の収入や支出を計算し、収めるべき所得税額を書類として提出するという大きな流れは変わらないが、こちらもざっくり違いを説明すると3つの違いがある。まず、白色申告は事前の届け出が不要だが青色申告は事前に届け出ておかないとできない。また、青色申告は簿記や帳簿の知識が必要など、白色申告に比べて提出する資料が複雑になる。

そして最後にこれが最大の違いだが、青色申告の場合は最大65万円の所得控除を受けることができる。知人の税理士に言わせると、この65万円の控除は「ちゃんと税務署が調べやすいように書類を作って提出した人は65万円分所得を控除してあげますよ」くらいで理解しておけばいいらしい。

恥ずかしながら筆者はフリーランス1年目で青色申告できる手続き期間を勘違いしており、結果として1年目は白色申告を選択せざるを得なかったのだが、その結果「65万円の控除があれば税金を支払うどころかお金が戻ってきたのに……」という痛恨の結末を迎えることとなった。身の回りにいる自営業やフリーランスの友人は「確定申告は大変だけれど還付金があるからがんばれる」という声を聞いていただけに、この時のショックは未だに忘れない。

ここで「そもそも所得税を納めるはずなのになぜお金が返ってくるのか」と疑問が沸く人のために簡単な説明をしておこう。それは源泉徴収という仕組みによるものだ。

源泉徴収は極端に言えば税金を「仮払い」する仕組みだ。筆者の場合、取引先からの報酬は源泉徴収分が引かれた上で振り込まれる。1人で仕事するフリーランスではほとんどの場合、本来納税する額よりも仮払いである源泉徴収の額が上回っていることが多いため、確定申告によって実際の納税額を提出することで、本来より多く徴収されていた金額を返してもらうことができるというわけだ。

なお、平成26年、つまり今年からは確定申告の制度が変わり、白色申告であっても記帳の必要がある。青色申告では必須である複式簿記に比べて、家計簿のような感覚で記帳すればいい単式簿記でいいという違いはあるものの、収入や支出をすべて記録しておかなければいかないという手間を考えると、青色申告は「面倒だけど控除がある」ではなく「申し込めば控除がある」と言う程度の違いしかないことになる。つまり前述の説明も半分以上が無意味になるというわけだが、青色申告の申請を忘れると非常にもったいないことになるため、フリーランスを考える人は今から気をつけておこう。

まったく知識も無いまま勢いで確定申告に臨み、ヒーヒー言いながらサポートに泣きつきつつもなんとか確定申告を乗り越えた時の経験が、すこしでもみなさまの確定申告ライフにお役立てできれば幸いです。


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