電子書籍「家電ベンチャーCerevoが語るクラウドファンディング最前線」が本の作り方としてちょっと面白い

自分がお仕事しているCerevoの宣伝ぽいお話ですが、仕組みとしてこれはちょっと興味深いのでご紹介がてらエントリー。

「家電ベンチャーCerevoが語るクラウドファンディング最前線」ということで、Cerevo代表である和蓮和尚こと岩佐さんの電子書籍がアスキーから発売。クラウドファンディングと銘打っているだけに話としてはクラウドファンディングが中心ではあるものの、小さな会社がモノ作りするためのエピソードが凝縮された1冊です。

家電ベンチャーCerevoが語るクラウドファンディング最前線|電子書籍(7月25日発売)
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/159/159219/

これだけだとほんとに単なる宣伝で終わってしまうお話なのですが、気になるポイントはここ。

今回、このクラウドファンディングの生産手法を実践している家電ベンチャー・Cerevo社のCEO、岩佐琢磨氏への3時間に及ぶ独占インタビューをマイクロコンテンツ型の電子書籍としてまとめました。

自分も実際に購入して読んでみたのですがこれがすごい。なんというか、3時間の話の内容をひたすらテープ書き起したという感じ。編集の現場かじったものとして読むと「これまったく編集入ってないだろうなあ」というくらい、話し言葉ゆえに起こりがちなまどろっこしさがそのままだったり、用語の表記が統一されてなかったり、現場じゃないとわからないような「これがここだとするとあれはここ」みたいなジェスチャー交えたと思われる文章もそのまま登場してる。

とはいえこれは決して否定してるんじゃなくて、これはこれで1つ面白い手法だなと。この電子書籍は1冊242円という電子書籍としても圧倒的に安い価格なのですが、おそらく書籍的な校正とかしてたらとてもじゃないけどこのお値段では出せるもんじゃない。人件費とかもろもろ考えるとなんだかんだでもうちょっとお値段張ってしまうと思います。

そうしたところにこだわらず「まずは出す」ことに注力した書籍のあり方としてこれは1つ注目に値するやり方かなと。かの名作マンガ「寄生獣」で、後藤に追いつめられた主人公新一が「でもやらなければ確実なゼロだ!」と反撃するシーンがあるのですが、そのシーンのごとく、情報を出さないでゼロのまま終わるよりも、どんな形であれ情報を発信するのは価値あることだと思います。

よく自分もイベント行くとただただ内容をメモってブログにアップするレポート掲載しているのですが、あれも実は似たような話なのですよね。Webニュースで記者やってたときからすると、あの程度のメモってのは毎回当たり前のようにしていて、とても表に出すようなもんじゃない。あのメモを書いた程度では出来上がりとしては半分程度であって、メモをもとに主従や起承転結を整えたり、用語を統一したり、話になかった情報を補足したり、という校正の行程をへて記事というのはできあがっているのです。

でもそれがお仕事の時は当たり前にやる作業なんですが、ブログでそれをやると多大な時間がかかってしまい、ついつい時間がなくてブログに公開しないまま終わってしまいがち。だけどそれだと「確実なゼロ」なんですよね。どんな形であれWebに情報を出すだけでそのイベントの内容というのは伝わるもので、仕事の時はただのメモでもそれをブログとして公開することで役に立つこともあろう、というのがあのメモ書きレポートしている理由であります。

今回の電子書籍にしても、話好きの岩佐さんとしては仕事中やランチ中などいろいろガジェットに関する話が飛び出していて、「この話まとめるだけでも本になりそうですよねえ」ってな話はちょいちょいしてたんですよね。でもただでさえ忙しい岩佐さんにそんな本を書く時間はとてもない。そういう時間がない人でも1、2時間程度のちょっとしたインタビューの時間なら十分割けるし、文章に起こすという手間の部分を出版側が担ってくれる分業はとても面白い。

3時間ものインタビューだと文字数としては大変なボリュームになるので、新聞のように文字数少ない取材はもちろん、Web取材でも文字が多すぎて割愛される部分が大多数になってしまいますが、書籍という形であればその内容もあますところなく送り出すことができる。もちろん3時間のインタビューがすべて中身あるものという前提だからこそではあるものの、取材の中身を書籍として出すという手法もまた1つ面白いなと。

とまあちょっと斜めから見た感想ではありますが、話の内容自体もクラウドファンディングに限らずモノ作りの現場として非常に興味深い話が詰まっておりますので、そういった方面に興味ある人はぜひ手に取ってみてください。この値段の安さも「これなら読んでみようかな」と思わせる点でいい試みだなと。本になったところで読んでもらえなかったらこれもまた「確実なゼロ」ですしね。

贅沢を言うならば校正に手をかけないスタイルは1つの手法としてアリとして、もうちょっと改行や行間調整するだけで飛躍的に読みやすくなるんじゃないかな……、という気もするので、工数を無駄に書けない範囲での読みやすさを追求していただきつつ、こういう試みでいろんな人のタイムリーなインタビューが手軽に読めるようになると面白いな、と思いますはい。

家電ベンチャーCerevoが語る 「クラウドファンディング」最前線 (週刊アスキー・ワンテーマ) (?)
家電ベンチャーCerevoが語る 「クラウドファンディング」最前線 (週刊アスキー・ワンテーマ) (?)

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