主人がフリーランスになって2年が過ぎました

実際には2年というより1年半とちょっとですが、どっちかというと言ってみたかっただけタイトルですはい。

2012年4月より方向性の違いということで始めたフリーランス活動もまもなく2年というこのタイミングに加え、時おり飲み会やパーティーで「最近何してるの?」と聞かれることも多くなってきたので、自己の振り返りと自己紹介を兼ねたエントリーを2014年第1弾としてしたためてみたいと思います。

とりあえずだらだらと長くなりそうなので以下は見出しつきで。よく聞かれる質問の頻度の順番でお送りしていきます。

今なにしてんの?

フリーランス当初はいろんなところでお仕事させていただいておりましたが、今のところはネット家電を手がけるCerevoでお務めしつつ、Webメディアを中心にライター稼業を続けるという2足のわらじ状態です。

Cerevoについてはこのブログを読んでくれているような人にいまさら説明する必要もないかもしれませんが、10人程度の小さな規模ながらネット家電を開発するいわゆるベンチャー企業。有名どころではUstreamなどのライブ配信を高品質かつ簡単に実現できる「LiveShell」シリーズを中心としつつ、他にもデジタル一眼カメラをスマートフォンで操作できる「SmartTrigger」、自宅のコンセントをスマートフォンでコントロールする「OTTO」など、さまざまな商品を開発しております。

Cerevo
http://www.cerevo.com/

一方のライター稼業については、インプレス出身ということもあってインプレスのWeb媒体での仕事が圧倒的に多いですが、それ以外でも日経デジタルマーケティングだったり紙媒体だったり、最近ではEngadgetにも記事書いたりしております。先日引っ越ししたてでいろいろと費用がかさみましたため、みなさまからの温かい原稿のお仕事依頼お待ちしております。

何でフリーランスになったの?

理由は2つあって。

一番最初のきっかけは、Techdoll.jpを運営している三橋さんとランチがてらお話したときのことです。たぶん本人はそんなことがきっかけになったとはつゆ知らずだとは思いますが。

TechDoll.jp
http://www.techdoll.jp/

ちょっとした話の流れでフリーランスの話になり、とてもフリーランスが楽しそうな三橋さんに「でも収入大変でしょ」「仕事とか不規則じゃない?」とかいろいろ質問しているうちに、はたと気がついちゃったんですよね。「あれ、これっておれ、無理矢理自分のなかの固定観念でフリーランスを否定しにかかってないかな?」って。

その時点でフリーランスになりたいという気持ちがさほど強かったわけではないのですが、実に自然体でフリーランスを楽しんでいる三橋さんを見て、少なくとも今までは考えもしなかった「フリーランス」という選択肢は自分の中にもあるんだな、固定観念で否定するよりやってみるってのもありかもな、という意識が芽生えたのがこの時でした。

そしてその意識がさらに強まったのが3.11、東日本大震災の時です。ただの震災では終わらず原発事故まで巻き込んだ未曾有の災害にまで発展したこの時、被害状況が見えない段階でしばらくは自宅勤務命令が発動されたのですが、この時自宅で仕事していてまた気がついてしまったのです。「あれ、自宅で仕事したほうが圧倒的に効率よくね?」と。

通勤時間がかかるとか、オフィスだとつい人と話してしまうということではなく、自宅作業だと集中して自分の仕事に向き合って終わらせると、後の時間が別のことに活用できる。Webとチャットツールさえあれば仕事の連絡もきちんと取れるし、打ち合わせが必要な業務でない限りは徹底的に自分のペースで進められる。もともと仕事の効率を高めて時間を短縮するのは嫌いではないので、こうやって自宅作業で集中して仕事を終わらせると他のことも並行してできるので、結果として自分でやれることが広がるな、というのがこの時の気づきでした。

まあそのほかにもこまかな理由はいろいろありつつも、基本的にはこの2つに加えて、「新しいことをやってみたい」という意識がフリーランスに踏み出した理由ですね。勝手に自分の固定観念でフリーランスは大変って思っていたけど、やってみたらなんとかなるのかもしれないという気づきと、仕事を効率よく進めて時間を作れば、もっといろんなことができるんじゃないかという楽しみに加えて、新しい情報を吸収したいという情報欲求がフリーランスの道を選んだというのが経緯です。

フリーランスって大変じゃない?

大変といえば大変です。サラリーマン時代は意識しなかった税金や保険が重くのしかかってくるし、自分の仕事量が収入に直結するし、自分が体調不良で倒れても誰も助けてくれる仲間はいないし。仲間に関してはフリーランスでもチームを組めばなんとかなるとは思いますが、1人でやってるフリーランスにとって体調不良は収入だけで無く信頼も失ってしまうので大変です。

とはいえ税金に関しては、毎月給料から支払われていたものをまとめてドカンと払わなければいけないだけだし、保険も高いけどそのぶんフリーランスという自由が得られるメリットと相殺なら納得かな、というところ。確定申告も大変ではありますが収入と支出を見直すいい機会でもあるし、「確定申告ってこういう仕組みだったんだ!」という知識を得られるのはむしろ楽しいです。いや申告自体はもちろん大変なんだけどね……。

むしろ苦労したのは仕事のスタンスでしょうか。1年目はいろいろな仕事をできる範囲で受けていたのだけれど、その中で痛感したのは「自分でコントロールできない仕事を2つ並行してはいけない」ということ。自分のなかではスケジュールをしっかり分けていて、「今月の前半はこの仕事、後半はこの仕事」って管理してても、スケジュールなんていとも簡単に狂うんですよね……。そうして仕事のピークが2つ3つ重なってさばききれなくなったり、自分の手は空いているのに自分が分担すべき仕事がその時点でなかったりと、コントロールに大変苦労しました。とはいえフリーランスのデザイナーさんやプログラマーさんはそんなわがまま言ってる場合ではなく、クライアント次第で仕事のスケジュールなんていくらでも変わってしまうので、業態によってフリーランスはかなり苦労しそう。ざっくり言えるのは「クライアントに振り回されるような仕事を並行するのはとても大変」というところかな。

そういう点で現状はCerevoで仕事をメインにしつつ、空いている時間を確保して原稿を書くというのは仕事のスタンス的にとてもちょうどよいです。もちろん原稿も締め切りがあるし、締め切りよりもずいぶん前に提出したのに締め切り直前になって「やっぱここ直して」なんて展開も一度や二度じゃありませんが、それでも自分のペースで書く時間をある程度コントロールできるのでやりやすい。最初のうちは締め切り間際まで手を動かさないこともありましたが、最近は空いている時間を見つけてできるだけ前倒しで準備するクセもついてきました。

フリーランスになってよかった?

とりあえず2年ほどやってみて、このまま死ぬまでフリーランスとは思わないけれど、やってみていろいろな経験ができたということと、いざというときにフリーでもやっていく方法があるんだという体験ができたのはよかったですね。今後どこかに就職して、再度フリーランスになったときに同じ仕事ができるとは限らないけれど、一度フリーランスで仕事したことがあるというノウハウはその時にも役にたつんじゃないかな。

あとはやっぱり自由な時間ですね。平日にも自由に動けるというのはとても嬉しい。別に平日映画を見に行きたいとかディズニーランド行きたいとかそういうことではなくて、平日でないとできないような仕事やスケジュールを組めるのが嬉しい。昨年行なったIIJへの単独インタビューも、とてもフリーランスじゃないとできないことでしたし。もちろん会社員でも有給取ればできないことはないですが、それだとやっぱり日数制限もあるし、周りの仕事の負担も増やしちゃいますしね。

[取材]IIJmioの格安SIMについて中の人に根掘り葉掘り聞いてきた – カイ士伝
http://bloggingfrom.tv/wp/2013/10/28/11506

かといってフリーランスばんざいってこともなくて、ひとえに人の向き不向きだと思います。自分の場合はフリーランスになる前からライターの仕事をしていたので、「いざとなったら今の収入の半分くらいはライターで稼ごう」という手段があったし、原稿仕事をいただける会社もあったからこそですが、いきなりフリーになったときにそういう手段がないとかなり苦労すると思います。今の場合はCerevoという決まったお仕事とライターという不定期なお仕事のハイブリッドスタイルというところも、安心して仕事ができるポイントでしょうか。

また、自分が大企業出身だからというのもありますが、やっぱり大企業でしかできない仕事もあるし、大企業の組織だからこそ働きやすいという人もいるので、このあたりは好みの問題でしょうか。とはいえ大企業がすべてではなく、1つの選択肢としてフリーランスという考え方はありだなあとは思いますが、まずは企業でしっかり仕事しておいたほうが、フリーになってからも企業の考え方がわかって仕事しやすいよ、という点で会社勤めをオススメする次第です。「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」っていいますしね。

Cerevoで何してんの?

事務系作業が中心で、広報系のお仕事からマーケティング、営業関連、おおそうじ係と割と事務系のお仕事をいろいろとやってます。最近は英語ちゃんと身につけろというプレッシャーを左側のほうから感じるので、今年の課題は英語だなーとか思っているところですが、何かいい英語の勉強方法ありますかねえ。英語のポッドキャストを毎日聴くのがいいのかなーとは何とはなしに思っていますが。

Cerevoで働いてみてどう?

もともと新卒の時もものづくりがしたくてメーカーに入ったので、Webサービスだけではなく実際に製品ができあがるところに携われるというのは楽しいです。とはいえCerevoの場合は純粋なもの作りだけではなく、アプリやWebサービスもからむ何でもありの環境ではあるので、ハードだけでなくいろんなことが勉強になるし、知識に対して貪欲な自分としては日々新しい情報が飛び込んでくる環境はとても新鮮です。

あとは心のもちようですね。社会人として10年以上仕事をしていますが、これまでの仕事歴ではどうかんがえても誰の得にもならない仕事や、自分の方針や主義主張とは相反するものであっても受け入れなければいけない仕事もあったりで、仕事が大変というよりもそういう仕事をしている自分が辛い、という時もなんどかありました。その点でCerevoは「誰かの役に立つものを作っている」「世の中を変える可能性があるものを作っている」というスタンスで前向きに仕事できる、というのが小さいながら大事な要素だったりします。

といえまだまだCerevoの中でやれている仕事も少ないので、2014年はもうちょっとしっかり仕事の幅広げていきたいなと思う所存でございます。

ライターって大変?

元々はImpress Watchの記者として7年近くばりばり記事書いてましたし、ライターさんの原稿をいただいて校正するという編集業務も行なっていたので、その時のノウハウがあっての今、という意味ではあまり参考にならない気はします。Impress Watchは記事を書く基本というのをしっかりたたき込んでくれるし、ものごとの見方だったり仕事のスタンスだったりITの知識だったりというのはすべてImpress Watchで学んだからこそだなーというのは今改めて思います。時間があったら「人生で大事なことはすべてImpress Watchで教わった」なんてエントリーも書いてみたいところですな。

これからライターを目指すに対して僭越ながら何かを言うとすれば、まずは出版社なり編集会社なり、自分の文章をきちんと見てくれるところで仕事したほうがいいですね。たくさん文章を書けばうまくなるというのは確かにその通りではありますが、人にきちんと見てもらってそれを踏まえて反映するということをしないまま突っ走ってしまうと悪いクセがついたまま直らなくなってしまうこともある。自分のブログメディアだけでいいというのであればそれでもいいとおもいますが、ライターでやっていく場合は媒体ごと合わせた考え方や書き方も必要になるケースもあるので、主観だけでなく客観で記事を書くという武器も身につけておくとよいと思います。

あと、ことIT系に関しては文章力というより読解力のほうが重要。自分も子供の頃は作文大嫌いで、Watchに入った時は果たしてやっていけるのか不安でしたが、ニュースリリースや取材から適切に情報を抽出する能力があれば、記事の書き方はある程度テンプレートに入れていく作業でもなんとかなったりします。むしろ美しい文章を書けても、読解力に欠けて大事なツッコミポイントを落としてしまう方が怖いことなので、そういう意味でもIT系は誰かに文章を客観的に見てもらう環境は大事かな。逆に芸術系のライターであれば事実どうこうより人を感動させられる文章が大事なので、同じライターでも全然別の能力じゃないかなーと思います。

最後に

だらだらといろんなこと書いてきましたが、とりあえずいろんな経験してみたいという知識欲求が何においても原動力になっている自分としては、Cerevoとライターという2つの組み合わせはとてもいい塩梅だなと思っています。ライター仕事を受ける受けないは基本的に自分の胸先三寸ではあるので、Cerevoが忙しくなってきたら原稿仕事をセーブするというバランスも取りやすいし、常にIT最先端のライター業界で仕事をして得た知識や経験がCerevoで活かせるということもあるし、バランス的にもちょうどいいかんじ。

しかしなんだかんだで記者と広報という真逆の立場で2足のわらじを履いているというのはなかなか不思議な感覚ですね。知人で広報から専業ライターに転職した人がいましたが、広報として対応した人と別の発表会では記者として同席するとか実になんとも味わい深い経験だったりしますはい。

そんなこんなで2014年もこんな長文エントリーを淡々としたためていきたいと思いますので、ブロガー活動についてもどうぞよろしくお願いいたします。

あと余談ですが、フリーランスに興味ある人はこのKindleコミックもオススメ。先日お友達になった方が書いたKindleマンガで、イラストレーターという職種ではありますが、フリーランスの仕事スタイルとしても大事なことやふむふむと共感するポイントもりだくさんです。価格も200円とお安く、さらっと読めると思いきや結構夢中になって読んでしまう内容の濃さですので興味を持った方はおためしあれ。

トコノクボ ーとある絵描きの半生記ー
トコノクボ ーとある絵描きの半生記ー

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