物心ついた頃から身の回りにあったせいか、私の中では少女マンガというジャンルにあまり違和感がありません。男3兄弟の家族でなぜ身の回りに少女マンガだらけだったのかは謎でありますが、当たり前のように家にある少女マンガを当たり前に面白がって読んでいたために、少女マンガに対する拒否感もあまりなく、1つのマンガジャンルとして認識していました。
しかし世の中に出てみるとそれはやはり異質なことのようで、男でも少女マンガ読む人というのはそれほど多くない。あと、当たり前のように家に転がっていた少女マンガは普通に面白かったんだけど、世の中の少女マンガ読むと、正直言って男の視点からは理解に苦しむマンガも多数あり、自分が読んでいたのは「男が読んでも楽しい少女マンガ」だったんだなあと思った次第です。
そうはいっても少女マンガの中には、性別ジャンルかかわらずマンガとして非常にレベル高い作品もあり、男女問わずに楽しめる作品もいっぱいある。そして「このくらい定番じゃね?」と思っている少女マンガすらも、世の男性には意外と知られていないという現状も目の当たりにし、このあたりで「男が読んでも楽しめる少女マンガ」をいくつかピックアップしてみます。重ね重ねあまりに定番すぎる作品なのでマンガ好きからしたらあまりおもしろくないラインナップかもしれませんが、今までにこの名前出して「???」という反応のほうが多いくらいだったので勢いエントリしておきます。
とりあえずトップバッターは定番中の定番。
読んだことなくても名前ぐらいは確実にしっているであろう大作。演劇マンガではありますがストーリー展開としては何の才能もないと思われていた少女がおそるべき演劇の才能を開花していくあたりがかなりジャンプの王道的展開。作者の遅筆ぶりもかなりの話題ではありますが、一度は読んでおいて損は無いマンガかと思います。ネタにも使えるしね、「恐ろしい子!」とか。
個人的に少女マンガといえばこの人! と思っているのがこの作品。
Cipher (第1巻) (白泉社文庫)
僕の中で成田美名子といえばジャンプにおける鳥山明くらいの大作家だと勝手に思い込んでいたんですが、実は女の子の間でもそれほど知名度は高くないらしいという事実をしってショック。そしてさらに「花とゆめ」自体が少女マンガの中ではマイナー的存在だったとしってダブルショックだった思い出深い存在です。
それはさておき、成田美名子のすごいのはその心理描写。絵とかは露骨に少女マンガっぽいですが、そのストーリーとヒューマンドラマの濃さったらありません。この作品に出てくるハルのさりげない一言は、今も自分の中で大事な教訓になっているほどです。
続きましてこれも正直定番だと思いますが意外と知らない人がいるので。
これはもう作品のシナリオと世界観、そして伏線のからみあいがすごい。前世を月で暮らしていた7人がその運命に翻弄されるといういかにも少女マンガっぽい設定に見えて、その人間関係図や心理描写が絶妙。ガラスの仮面は性別を超えた大作感がありますが、男が読む「少女マンガ」としてはこれが一番ぴったりかもしれません。
「聖徳太子は超能力者でホモだった」といってしまえばあまりにもな展開ですが、その設定のおそろしさとこれまた人間関係の描写がすごい。少女マンガで男がのめりこむ部分というとやはりヒューマンドラマな部分になるのかなあ。あとこれ読むと聖徳太子の時代に詳しくなるという意味で、「おーい!竜馬」的な勉強に役立つ面もあります。確実に聖徳太子を見る目が変わるけどな。
秘密(トップ・シークレット) 6 (6) (ジェッツコミックス)
深夜枠でアニメ化されていたので見たことある人もいるかもしれないけど、最近ほんとにすげえとおもったのはこれ。未来の警察は死体の脳を取り出してその人が見たものを再生できる、という設定からしてトンデモなんですが、その設定をフルに活かしたシナリオと伏線が絶妙。絵がすごいキレイなのに内容は人の皮をはいだり生きたまま人の脳を取り出したりというギャップもおそろしく、読み出したら夢中になってとめられなくなった反面、読み終わった後怖くて眠れなくなるというオチがついたほどです。清水玲子はこの作品で知ったので、他にもいろいろ読んでみようかなと調査中。
ほかにもいろいろとあるんですが、とりあえず勢いで5個くらい書いてみました。少年マンガは割りと情報入りやすいんですが、男が読んでも面白い少女マンガのオススメとかありましたらぜひ情報お寄せくださいませ。
清水玲子の「月の子」読まなくて許されるのは小学生までだよねー。
樹なつみや吉田秋生あたりはわりと読みやすいのではないでしょうか。