タブレットはどうも苦手、と常々公言していた私も、ついにタブレット機を購入する日がやって参りました。
【PC Watch】 ASUSTeK、キーボードが着脱可能なAndroid 3.0スレート端末
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110523_447786.html
この「Eee Pad Transformer TF101」、一見すると小型のノートPCながら、実はタッチ操作可能なAndroidタブレットとキーボードの組み合わせで成り立っているのが特徴。面白いのがキーボード側にもバッテリーを搭載しており、タブレット単体でも9.5時間、キーボードと組み合わせると最長16時間もの駆動が可能になります。
前からタブレットに関しては、家の中などで気軽に使う端末としてはメリットあるものの、モバイル機器単体としてみてしまうと、スマートフォンに比べて大きすぎるので移動中には使いにくいし、両手操作を必要とする点ではパソコンより文字入力に劣るなど、メリットに対してデメリットも多いなあ、というのが自分の中の結論でした。
ところがこのTF101ならちょっと事情は変わってくる。通常はPCライクにキーボードで操作しつつ、電子書籍を読みたかったり寝っ転がりながらごろごろ操作したいという時にはタブレットとして使えばいい。さらにタッチ操作が可能なことで、ノートPC的に使う時も直接ディスプレイを触って操作できるなど、ノートPCとも違った使い方が可能です。
ハードウェアスペックも非常に充実していて、CPUはデュアルコアのTegra 2を搭載、メモリは1GB、内蔵ストレージは32GB。外部メモリはmicroSDとSDに両対応し、IEEE 802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth、GPS、インカメラとフロントカメラ、miniHDMI、USB×2など、ついてないインターフェイスがないんじゃなかろうかくらいの充実ぶり。画面サイズも10.1インチと大きく、液晶は視野角の広いIPSを採用。さらにOSもAndroid 3.0を搭載しつつ、次のアップデートである3.1にも対応を明言しているという、まったくもって隙のないスペックなのです。
とはいえお値段は定価ベースで59800円もするのでおいそれと購入できる値段ではないのですが、Amazonでは価格が5万3000円とだいぶ割り引かれていたのを見て若干心に動揺が。「せめて5万切ってたら買うのになあ」なんて重いながら試しにポチっとしてみると、なんということでしょう! カートに入れた最終価格が5万円を切るというマジックが! なんていうかもう、いつもご愛読ありがとうございます! という気持ちになり、その勢いで購入に至ったのでありました。これで所有Androidもついに7台目か……。
そんな前置きはさておきファーストインプレッションをば。本体サイズはノートパソコンに比べるとかなり小さめですが、重量はかなり手にずっしりくる重さ。重量そのものは約1.3kgと最近のノートPCと同程度なのですが、本体サイズが小さいぶんかなりの重さを感じます。
外観はメタリックブラウンでかなり大人な感じの落ち着いたデザイン。背面には大きく「ASUS」とメーカーロゴが入ってるんですが、これせっかく「Transformer」というかっこいいブランドあるんだからそれ入ればいいのに……。ASUSがだめというわけじゃないけど個人的には「トランスフォーマー」という名称もツボだっただけにちょっと残念。
外部インターフェイスはタブレットとキーボードで役割が分担されていて、USBポートは2つとも外部接続端子はすべてキーボード側に搭載。一方、外部メモリはキーボード側にSDカードスロット、タブレットにmicroSDカードスロットと、どちらでも外部メモリが使えるようになっています。miniHDMIはタブレット側で、これはタブレット単体でもディスプレイに出力できるようにでしょうね。うまいこと役割が分けられてる印象です。
右側面はタブレット側にイヤフォン、microHDMI、microSD、キーボード側にSDカードスロット、USBポート
左側側面はタブレット側に画面オンオフと音量、キーボード側に充電端子とUSBポート
気になる本体の合体仕様は、ヒンジ部に取り外し用のスイッチがあり、これを左にスライドするとロックが解除してタブレットになります。再び装着するときはややコツがいるものの、きちんと装着すればかなりがっちりしているので不安定感は今のところ感じません。ここが長期使用でどうなるかは気になるところですが。
タブレットとキーボードの取り離しは下記の動画をどうぞ。片手なのでやや手間取ってますが、実際にはさくっと取り外せます。
YouTube – Eee Pad Transformer T101 タブレットとキーボードの分離動作
充電に関してもよく考えられていて、タブレットとキーボードそれぞれに充電端子を搭載。2つまとめて充電したいときはキーボードを装着した状態でキーボード側の充電端子を使うと2つをまとめて充電できる仕組み。さすがかなりのロングバッテリーで、ちょっとやそっと使ったくらいではなかなかバッテリーが減りません。
ただ残念なのは充電端子が独自仕様なので、汎用のケーブルが使えないこと。また、充電アダプタはUSBケーブルで使えるものの、PCなどのUSBポートからは充電ができず、他のUSB型ACアダプタを使っても充電できませんでした。どうやら大容量バッテリーだけにアダプタの出力も大きめらしく、結果として汎用のUSB型ACアダプタでは対応しきれないみたい。持ち歩き考えると会社にも1つ充電アダプタ用意したほうがいいかなあ。
肝心の使い勝手についてはまた別途レビューしようと思いますが、さすがのハイスペックCPUで動作はサクサク。プリインストールのアプリも必要十分かつよくできていて好印象です。
キーボードも文字は打ちやすく、音量調整や液晶の明るさなどをショートカットで設定できるのもいい。ただ若干キーボード部のタッチパッドが感度よすぎて、触ったつもりはないのに文字を入力してたらカーソルが動いたりアプリを起動してしまったりということがありました。このあたりは文字入力に集中したい時、タッチパッドをオフにするボタンを併用するとよさそう。タッチパッドオフにしても液晶で操作できますしね。
カメラはインカメラとアウトカメラの2つを搭載し、普通のカメラとしてもテレビ電話用にも両方使える。画面大きいからテレビ電話もしてみたいだけにこれはうれしいスペックです。
写真はいろいろ比較もしたいところですがとりあえず作例。500万画素でタブレット機なのでそれほどいい写真撮れないかな、と思ってたら予想以上にしっかり撮れてます。ちなみに作例冒頭は人の家でベッドへ勝手に入り込んでテレビを見始めるという自由気ままな若者です。
充電が独自仕様、小型の割に本体は重いという難点はあるものの、スペックだけで見ればかなり贅沢な仕様。重いと言ってもタブレット部だけなら初代iPadと同等の重さだし、キーボードもロングバッテリーが入っていると思えば納得の重さかな。
OSがAndroidなので、これをノートPCとして使おうとするといろいろ使いにくいところも多いと思いますが、キーボードつきタブレットとして考えると使い方の幅も広がるこの1台。これを小型のノートPCと比べてしまうと、Windowsのソフトが動くわけでもなく操作体系も違うのだから「ノートパソコンより使いにくい」というのは当たり前。むしろこのマシンはそもそものコンセプトである「タブレット+キーボード」として見るべき端末だと思います。
タブレット買ってもヘビーユースするには結局Bluetoothキーボードをつないでいる、なんて人も多く見かけることを考えると、多機能かつバッテリー付きキーボードを最初から同梱しているこの製品はとても魅力的。タブレットに対して否定的だった私にとっても、タブレットという枠を超えてAndroid 3.0搭載マシンの決定打かなと満足している次第です。
ASUS Eee Pad Transformer TF 101 10.1型LED マルチタッチスクリーン ブラウン TF101-1B173A