【書評】iPhoneじゃなくても写真の撮り方がうまくなれる「iPhoneキレイ撮りカメラ入門」

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

著者のまつゆう本人から献本いただきました。感謝!

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「iPhoneキレイ撮り」という名前から「iPhone持ってないから意味ないかも……」なんて最初は言ってたのですが、実際に読んでみるとiPhoneであるかはそれほど本質ではなくて、iPhone以外のスマートフォン、ひいてはカメラ全般に渡って役に立つ本でした。

この本のコンセプトはいくつかあって、まずはこの本で撮影されている写真すべてがiPhoneで撮影されたということ。iPhoneのカメラ性能自体が高いというのはあれど、それでもデジタル一眼のような高性能なカメラではなく、iPhoneとカメラアプリだけでここまでの写真が撮れるんだ! というのはとてもいい刺激です。

よくデジタルカメラの製品ページに作例ってあるんだけど、ああいうのって高い性能をフルに使いこなすような最高の環境で撮ったんだろうなあ、というイメージもあり、実際にカメラを買うときの参考にはならなかったりする。その点このiPhoneキレイ撮りカメラ入門は、誰もが持ってるiPhoneでこれだけキレイに撮れるんだよ、というところで写真の説得力が非常に高くて、「俺でも撮れるかも!」っていう気持ちが高まります。

とはいえカメラはiPhoneでも撮影している人の技術が高いからこそだよね、というのもまた事実なのですが、この本ではそうしたプロによるカメラ撮影術を、カメラマン自ら教えてくれるのが2つ目のポイント。ほんとカメラってちょっとした構図に気をつけるだけでできあがりが格段に違うもので、誰でも簡単に覚えられるけれど効果の高いテクニックがたくさん紹介されています。

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こういう写真のテクニックというのはiPhoneだけでなくAndroidやデジカメでも役に立つし、「こういう撮り方があるんだ」という作例をいくつも見ておくと自分で撮影する時のバリーエーションも充実します。しかも高性能デジカメではなく、普段持ってるiPhoneで構図変えるだけでいい写真になる、というのは、誰でも気軽に始められるという点でとってもハードルが低い。iPhone持ってない自分でも、Androidで活用できる技術がいくつもありました。

そしてもう1つ、単なるテクニック本に終わらないのが、まつゆうが自ら被写体としてのポイントも解説していること。どんな服を着ていると写真映えするとか、化粧の仕方で映り方が変わるとか、撮る側の男性にはそもそも気づきもしなかったポイントがいっぱい。被写体としての女性はもちろん、「写真に撮られる女性ってこういうこと意識してるんだなあ」という点でもなかなか面白いです。

基本的に左ページが作例、右ページが2人の対談形式によるコラムという構成ですが、時折でてくるコラムもいい感じ。下記はその1つの例ですが、引きと寄りという2つの構図でどういう違いがあるかという比較がされていて、これまた撮影の際のバリエーション拡充に役立ちます。

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欲を言うとところどころでてくる小道具の使い方も写真で見たかったかな。たとえばハンカチを使ってレフ板効果を出す、みたいな小技は、どのようにハンカチを使えばいいかもちょっと見たかった。だけどそうするとすべてをiPhoneで撮影するっていうコンセプトから外れちゃうから難しいのかも。

繰り返しですがiPhoneの名前は冠するものの、実際にはiPhoneを問わず役に立つ撮影術がいっぱい。一方で、もはや普及率ナンバーワンスマートフォンと言えるiPhoneですべてが撮影されているということが、一般のデジカメ撮影術書籍よりも身近で近寄りやすい。デジカメはもちろん、スマートフォンで写真撮る機会が多くて、ただ取るだけじゃなくていい写真を撮りたいなあ、なんて漫然と思っている人たちにオススメな本だと思います。

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iPhoneキレイ撮りカメラ入門 (小学館ビジュアルムック)

よし、俺もモデル探してセミヌードをモノクロで撮るぜ!


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