スマートフォンの中でもっとも愛用しているといっても過言ではないのがカメラ機能。それがゆえに手にする端末はついついカメラ性能を注目してしまいます。
ARROWSカメラのコンセプトはNXシリーズになる前の「ARROWS X F-02E」から非常にシンプルなインターフェイスを採用。たただた「シャッターを切れば綺麗な写真が撮れる」にこだわり続けているのが特徴です。
設定周りもおどろくほどシンプル。変更できるのは画像サイズやHDR、フラッシュのオンオフ程度。その他の設定でも写真の保存先やタッチシャッターの有無程度で、カメラの設定にありがちな露出補正やホワイトバランスなどの機能は一切搭載されていません。
動画もそのシンプルさを継承しており、設定できるのはサイズやライトの有無、HDR、手ブレ補正程度。
そんなシンプルなカメラですが、仕上がりは本当に美しい。特に食べ物はきちんとピント合わせるとかなりおいしそうに撮れます。以下はだだっと作例。
被写体を近くにすると後ろが結構ボケる。この写真もフィギュアに対して背景がほどよくボケてくれていることでフィギュアが引き立ちます。
暗いところにも強い。池の反対側がかなり明るいとは言え、三脚も使わずにこれくらいは撮れます。
こうした「簡単にきれい」という店では非常に気に入っているARROWSのカメラですが、シンプルがゆえにちょっと使い勝手がいまいちなところも。
たとえばその1つが動画。ARROWSのカメラは「動画撮影中にも静止画が撮影できる」というのが1つの売りであり、実際にかなり便利な機能です。
ただし、動画撮影を直接起動する機能は存在せず、ウィジェットを用意しないといけない。ウィジェットでも動画をワンタッチ起動できるのは同じなのですが、このウィジェットなぜかアイコン2つサイズで無駄に場所を取るのですよね。インカメラなんてほとんど使わない人からすると、これ別々のウィジェットにしてくれないかなー。
シンプルすぎて自分でいじれないというのもある程度カメラを使い慣れてくると物足りなさを感じる。たとえばこのエントリーは写真のほとんどをARROWS NX F-02Gで撮って出ししているのですが。
外界が見えるシースルー型スマートグラス「MOVERIO BT-200」ファーストインプレッション – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2014/12/03/13694
ブツ取りはオート撮影だとちょっと露出補正が弱い。ブツ取りする人は露出をちょっと高めに設定するというのは割とよくあるテクニックだと思いますが、ARROWSだと被写体がせっかくよく撮れているのに明るさが足りなくてちょっと寂しい感じになってしまう。
上の写真を左に、画像編集ソフトで多少明るさを強めたのが右。露出補正できるとこれくらい写真に違い出るのですよね。すごくよく撮れるカメラだからこそ一通りのことをこれで済ませられそうなんだけど、ことブツ撮りにはまだまだ弱い。
スマホだから仕方ないと割り切りたいところではありつつ、シンプルカメラを追求するiPhoneもついに露出補正ができるようになりました。シンプルな操作を維持しつつもこうやって新たな機能を搭載してくるあたりはさすが。
シンプルで簡単に綺麗な写真が撮れるからこそ、もっともっと便利に使いたいと思うしいろんな場面でARROWSを活用したいと思うだけに、ここしばらく同じUIで画像サイズが変わるだけ、というのが続いているARROWSは、シリーズを使い続けている立場からすると正直残念に思ってしまう。
いまはいろいろ耐える時期なのかなとも思いますが、これだけ高い性能を使いやすく仕上げたすばらしいカメラだけに、さらなる魅力を引き出してくれることを期待する次第です。
【本モニター企画について】
富士通の最新スマートフォン「ARROWS NX F-02G」をブロガーが使い倒してブログで自由にレビューする企画です。通信料は各自の負担、モニター後は端末をそのまま使い続けることができるようになってます。