ドコモの高速通信「Xi」のいいところ、いまいちなところ

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

ARROWS X LTE (F-05D) ブロガー徹底レビューまとめサイト
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現在モニター中のARROWS X LTE F-05D、ARROWS Tab LTE F-01Dともに対応している高速通信のXi。通信速度も速く料金も安価でメリットも大きい一方で、いろいろ使っていて課題も感じたのでこのあたりでまとめエントリーしておきます。

Xiとは何ぞやということや料金もろもろなどは以前のエントリーを参照いただくとしまして。

Xiスマートフォン用料金プランまとめ – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2012/01/02/6918

テザリングしてもパケット料金はスマートフォンの定額プランと同じ上限で利用でき、4月まではキャンペーンでかなり安価に。また、これもたまに質問されるのですが、Xiを契約したからといって使える回線はXiだけということはなく、Xiエリア外は今まで通りドコモのFOMA回線が使えるので、スペックだけを考えると「今までのスマートフォンより安くテザリングできてスピードも速くなる」という素晴らしいサービスと言えましょう。

ただ実際に使ってみると、まだXiが始まったばかりの過渡期ということもあっていろいろ課題も見えてくる。総合的にオススメのサービスであることは間違いないのですが、今後改善されるであろうけれど現状は使い勝手の面でデメリットになるところもあり、そのあたりを個人的に利用の範囲でつらつらとまとめてみたいと思います。

■通信速度:エリア内は圧倒的に高速

Xiエリアでの速度はさすが次世代とでもいうべきか、10Mbps超のスピードは軽々と出ます。

xi02

同じエリアで3G回線で測定した結果がこちら。スピードではXiと比べて圧倒的な数値の差が開いています。ただし、後述しますがこの「同じエリアで3Gでも計測」できるところが利用上のネックになるのですけどね……。

3g2

参考までに無線LANで接続したときの結果がこちら。社内LANのため他にも利用者が多くスピードがあまり出ていないのですが、混雑した無線LANよりもXiのほうが下りに関しては速いというのはXi恐るべきですな……。

wifi01

■料金:速度向上やPC利用考えるとコストパフォーマンス高

スマートフォンの場合、パケット定額料金は確実に上限まで張り付くという前提で、2段階定額ではなく月額固定の料金プランを選んだ場合、従来の3G回線向けパケット定額プラン「パケ・ホーダイ フラット」が5460円、Xiの月額固定プラン「Xiパケ・ホーダイ フラット」が5985円。その差は月額525円ですが、3G回線の場合、PCに接続すると8190円まで料金が跳ね上がるのに対し、Xiなら定額料金は5985円そのまま。また、Xiならエリア内であれば速度が向上することも考えると、月525円を追加することで速度も上がり、PCにも接続できることに。実際には通話料金プランにやや違いはあるものの、パケット定額プランだけで考えるとかなりオトクな内容になっています。

■使い勝手:3GとLTEの切り替えに課題

と、通信速度と料金面では相当にメリットが大きいXiなのですが、実際に使って見るといくつか使いにくい面もあります。その1つが3GとLTEの切り替え。前述の通り、Xiはエリア外の場合に従来のFOMA回線も利用できるのですが、この切り替えが移動中にしばしば発生。まだXiがエリア拡充の最中だからとは思いますが、Xiが微妙なエリアはなかなかにやっかいで、端末を動かしてもいないのにXiがつながったり、Xiが切れてFOMA回線に切り替わったりということをひたすら繰り返すこともあります。

問題はこの切り替え時にはインターネットに接続できないことと、切り替えに失敗したままドコモのエリア内であるにも関わらず電波をつかまないでそのまま接続できない状態が続いたりすること。特に電車で移動中などは通信エリアが高速で切り替わるせいかこういう現象が頻発します。

Xiエリアが充実してしまえばこういうことも起きないのでしょうが、都内ですらXiがつながらないエリアがちょこちょこあるためにこの課題は大きい。通信回線としてXiとFOMAどちらかを固定できればいいのですが、そんなことしたらみんながつながりやすさをもとめてFOMAにしてしまったら意味がない。このあたりはエリアの拡充とともに、電波を補足する仕組みがもっと向上することに期待したいと思います。

■パケット上限:ヘビーユーザーには厳しい上限値

Xiは他のスマートフォン定額プランに先駆けてパケット定額の上限を取り払った新しいシステムを導入しました。具体的には月に7GBという上限を超えると下りの速度が128kbpsに制限されますが、月に2625円を追加することで2GBごと容量を増やすことができ、高速プランを使い続けられます。といっても9月まではこの制限が適用されずどれだけ使ってもいいことになっているので、今のところこのプランは適用されたことがないプランなわけですが。

Xiを使い始めた今月のパケット使用量を見ると2,089,905KB、これをGBと換算すると1.99GBでした。約20日での使用量なので1日0.1GBと換算すると月にだいたい3GBくらい、というのが自分の月の使用量ということになります。

これなら上限が7GBだから余裕、と言いたいところですが現実はそうでもない。というのも将来的に上限がかかってもいいようにならしておく意味も踏まえ、Xiを利用してからもできるだけパケットを使わないように工夫しての数値だからです。具体的に言えばテザリングをこまめにオンオフしたり、家や会社では無線LANに接続したり、パケット使用量が大きそうな動画はXiで見ないように控えたり、という工夫をしてのこの数値。これ、おそらくそういった気を遣わないでXiを使っていたらたちまち7GBの上限を超えても仕方のないくらいの利用スタイルです。

まだ10月から適用される未来のプランであり、このプラン自体、実際に適用される前に上限が5GBから7GBへ拡張されたこと考えると、10月のプラン開始時にはまたこの上限が変わっている可能性もありますが、帯域を占有するくらい過度のヘビーユーザーではなく、テザリングを使ってアクティブに活動するユーザーには7GBという上限はちょっと心許ないところ。とはいえ前述の通り、自宅や会社では無線LANを積極的に使うことでパケット上限を減らす努力はできるのですが、そこでまた後述の問題が発生してきます。

■無線LAN利用:ドコモ回線でないとできないことがある

ドコモのスマートフォンは基本的にspモードというプロバイダー契約しないといけないのですが(mopera Uとかはちょっとややこしいので除外)、ドコモがスマートフォン向けに提供しているコンテンツのいくつかはspモードでないと利用できません。ドコモが積極的に展開しているdマーケットのコンテンツはspモードでないと使えないし、プリインストールされているdマーケットアプリのアップデートですらspモードにつながないとアップデートできない。動画配信サービスの「VIDEOストア」もspモードでないと使えません。

dマーケット | サービス・機能 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/entertainment/dmarket/

家では無線LANでパケットを節約したいのに、spモードでつながなければdマーケットアプリのアップデートすらできないし、せっかく配信されている動画コンテンツも楽しめない。パケットの上限があるからパケット節約したいのに無線LANではできないことがあるからパケットを使わざるを得ない。このあたりの矛盾がXiを使っていて負担に感じるところです。

高速かつ料金も安価なXiですが、エリアを拡充している最中という過渡期ゆえのハンドオーバーにおける課題と、spモードと無線LANの両立がまだまだうまくいっていないなというのが利用していて感じるところ。ハンドオーバー問題はXiのエリア拡大とXi/FOMAの切り替えがもっと効率化されることで解消されることを期待しつつ、無線LANでもドコモのコンテンツが使えるようなコンテンツ開放も合わせて望みたいところです。

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