月額無料、3分以内の通話も無料。衝撃の楽天でんわ新プラン「3分0円プラン」の謎を解け

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アジャイルメディア・タイアップ・レビュー。この記事は、アジャイルメディア・ネットワークのタイアップです。


前回に引き続いて楽天でんわから記事広告のご依頼をいただき、楽天でんわが提供する衝撃的な新プランの詳細についてお話をお伺いしてきました。

楽天でんわは以前にも紹介した通り、ユーザー登録の上で電話番号の前に「003768」をつけるだけで、スマートフォンの通話料金が半額になるというサービス。月額料金は不要で通話料金だけが半額になるという手軽さが気に入り、自分でもスマートフォンの回線はもちろん、フィーチャーフォンの番号も登録して日々愛用しております。

スマホの通話料金が半額になる「楽天でんわ」で来たるNTTドコモの料金プラン変更に備えよう – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2014/05/19/12503

月額無料、3分までの通話料も無料の衝撃的な新プラン、その名も「3分0円プラン」

そんな楽天でんわが10月7日から新たに開始したのが「3分0円プラン」。新規ユーザーかつ先着5万名限定ではあるものの、名は体のごとく月額料金は無料ながら3分以内の通話も0円で通話できるというとんでもない内容。3分を超えるとさすがに通話料が発生するものの、3分以内であれば何度かけても0円という、一見するとどこで儲かるのかさっぱりわからない衝撃の新プランです。

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楽天でんわ: 3分0円プラン登場!
http://ac.ebis.ne.jp/tr_set.php?argument=sNcRNvKw&ai=AMN_05

なお、3分を超えた通話料は30秒20円と、通常の楽天でんわの料金体系である30秒10円と比べて2倍の料金が課金されます。とはいえそれでも3分間の無料分があるので、6分までの通話なら従来プランよりもオトク。電話するときはいつも仕事で長電話、という人でもない限り、ほとんどの人がこのプランで幸せになれると思います。

月額0円、3分0円でも儲かる仕組みとは

月額料金も0円、通話も0円でなぜ儲かるのか一見すると謎のように思いますが、答えは意外にシンプルで「3分以上の通話なら収入になる」ということ。楽天でんわによれば、「84%の通話が3分以内」「74%のユーザーの月々の通話料が2,000円以内」というTCAテレコムデータブック2013の調査結果があり、さらに楽天リサーチが独自におこなった調査で「携帯電話ユーザーの61%が音声定額を不要と思っている」という結果を受けてこのサービス提供に踏み切ったんだとか。

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84%も3分以内で終わってるならますます3分無料だと儲からないんじゃ……となりそうですが、ここは逆転の発想で、その狙いは「それでも16%の通話は3分以上」だということ。ほとんどの通話が3分以内だとしても、たまには3分以上の通話だってあるはずで、残り16%の通話で利益を得られればいいという、まさに肉を切らせて骨を断つ的大胆な発想です。

ちなみに音声通話は発着信時に接続料が発生しているため、3分以内の通話料を無料にしても楽天でんわにとっては接続料が発生しているので収益としてはマイナスに。3分以上の通話が発生しない限り、利益が出ないどころか収益がマイナスになるという、攻めに攻めている料金プランなのです。

とはいえ何もむやみやたらとこのサービスを開始したわけではなく、これだけのサービスを提供しても利益は出るという試算ももちろんあったわけで、その根拠となったのが、楽天でんわが期間限定で提供していた3分無料キャンペーン。

「楽天でんわ」 、夏のカケ放題キャンペーン実施 新規登録で3分までの国内通話が1週間無料に
http://www.fusioncom.co.jp/oshirase/20140711.html

このキャンペーンの対象ユーザーであっても、3分を超える通話が発生していたことも、今回の新プラン提供につながる1つの理由だったとか。無料通話で負担している接続料と、3分を超える通話料による収入を相殺して通話料収入が上回ればいい、それが実現しうる可能性は十分に予測できている、ということがこの新プランの仕組みのようです。

実際、いくら3分無料とはいっても大事な話を3分きっちりで毎回切断するわけにもいかないわけで、ついつい3分以上の課金が発生するというのも納得はいくところ。自分の身に置き換えてみても、7泊8日のレンタルビデオをうっかり返すの忘れて延滞料支払うなんて何度もあったしな……。

無料通話や050番号対抗の「3分無料」。他社MVNOとも積極的に提携

これだけ攻めた料金プランを展開できるのも、楽天でんわがそもそも月額料金は無料、通話料金だけが収益になるという非常に低価格なサービスだからでしょう。もともとが薄利多売といっていいレベルの通話サービスなだけに、多少のマイナスがあってもプラスマイナスを相殺して少しでもプラスになれば十分にメリット。また、ユーザーにとっては無料でも実際に接続料という費用が発生しているという仕組みは、フュージョンの「IP-Phone SMART」の着信時と同じ仕組みでもあるため、「マイナスが生まれてもプラスが出れば最終的にOK」というノウハウは貯まっているのかもしれません。

ちなみにこのプランが生まれたのは、LINE電話のような無料通話や050番号のIP電話との差別化という意味もあるんだとか。携帯電話の番号を使って安価に通話できるメリットがあるとはいえ、無料通話や050電話の通話料金と比べるとどうしても楽天でんわの通話料金は高く見えてしまう。

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それに対して3分までは0円という料金なら050電話はもちろん無料のインターネット電話と比べても十分に対抗力がある。そこに音質の高さや090/080/070番号がそのまま使えるという利便性の高さがさらなる差別化にもつながる。通話全体のうち16%しか収益に結びつかなかったとしても、3分無料によって今まで見向きもしなかったユーザーを取り込んでユーザー数を増やすことで収益性を上げるのであれば、全体を見て利益向上につながる、というのが今回の新プランの狙いのようです。

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この戦略は自社だけでなく他社との連携にも現れています。現在楽天でんわでは、IIJmioやhi-ho、So-netのMVNOサービスを申し込むと通話料が割引になるクーポンを実施中。

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楽天は自社でもMVNOを提供しているのになぜ他社と? と思いましたが、楽天のMVNO「楽天ブロードバンドLTE」はデータ通信のみで音声通話を提供していないため、音声通話サービスを提供している他社向けにも提供しているのだとか。とはいえいくら直接競合となるサービスを提供していないからといえ、MVNOサービスとしては競合である他社とも連携するというのもなかなか大胆な施策。ここにも肉を切らせて骨を断つという攻めの姿勢が現れています。

既存ユーザーは対象外、その理由とは

この楽天でんわの新プラン、サービス発表前に謎のティザーサイトを開設するなど気合いの入ったプロモーションを行なっており、すべての音声通話に楽天でんわ設定するほどヘビーユースしている自分としても大変楽しみにしていました。

フュージョン、10月7日に「楽天でんわ」の新プラン発表? – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20141003_669796.html

が、蓋を開けるとこのプランは新規ユーザー5万人を対象とした限定プランになっており、既存ユーザーは蚊帳の外。ティザーサイトまで開設するほどの力の入れようにかなり期待をしていたのに、いざ発表になると新規ユーザーのみの限定プランだったことは正直かなり残念でした。自分だけでなく身の回りの楽天でんわユーザーでも同じ感想を聞きましたし、実際に既存ユーザーからのクレームも多かったのだとか。

ただしこのプラン、いろいろ細かく見ていくとその理由も少しずつ紐解いていくことができます。その1つはこのプランがあくまで期間限定で提供されるということ。このプランが利用できるのは先着5万名かつ利用期間が「2014年10月7日(火) 10:00 〜 2015年1月10日(土)23:59」のみになっています。つまりこれ、プランという名前ではあるものの実際のところはキャンペーンと言ったほうが近い。

ご提供期間
2014年10月7日(火) 10:00 〜 2015年1月10日(土)23:59

楽天でんわ: 3分0円プラン登場!
http://ac.ebis.ne.jp/tr_set.php?argument=sNcRNvKw&ai=AMN_05

さらにこの新プラン、期間終了後も継続提供されるかは現在のところ未定。すべては現在提供されている無料期間の間に行われるユーザー動向の調査によって提供が決まることになっているという試験的な位置づけになっています。ますますこれプランというよりキャンペーンですな……。

つまり、この新規プランの先着5万名は、実際のサービスというよりも、今後本当にこのプランを商用サービスとして展開できるかどうかを調査するためのマーケティング的な要素が強いということ。月額費用も0円、通話料も0円という前代未聞のこのサービスが果たして理論だけでなく実際に提供してもきちんと利益を出せるかを計測するためのユーザーがこの先着5万名であり、そしてこの限定期間ということなのです。

マーケティングだけで言うなら既存ユーザーもいいじゃないかという気持ちもありますが、既存ユーザーのプラン変更だと、これだけ革新的なサービスを提供してどれだけ新規ユーザーが獲得できるのか、という点の検証が弱くなってしまうのだとか。また、この無料尽くしの新プランは社内でも「そんなプランが儲かるのか!」という反対の声も多かったそうで、その反対を押し切って展開するためには「新規ユーザーを対象とすることで顧客を獲得する」という理由付けも必要だったのでしょう。

そもそも新規ユーザーだけを優遇するというのは携帯電話キャリアの機種変更やMNPでもよくある話で、それが正しいかということは別問題にせよ他と比べてさほど問題というわけでもない。既存ユーザーは得してないまでも損もしてない訳であり、この新プランが成功してサービスが継続されれば既存ユーザーも幸せになれるということを考えると、まずは喜んでいい話だと思います。

ただ、既存ユーザーとしての視点からすると、あれだけティザーで煽った上にまるで既存ユーザー対象外の新プランのように見えてしまったというコミュニケーションミスがあったなというのも正直なところ。これが期間限定の一時的なプランであり、「このプランが5万人集めたら新サービスとして展開します」みたいなクラウドファンディング的要素でみんなが協力するというスタンスであれば、既存ユーザーにとっても応援できたのかな。

既存ユーザーがこのプランを利用するためには、新プランの対象ユーザーが3分以上通話することはもちろん、5万人限定の新規ユーザーが着実に増え、実験的なサービスから正式サービスへと移行しなければいけない。既存ユーザーが今できることは、新規ユーザーをうらやましがりつつも、周りの友達に楽天でんわをオススメすることが、巡り巡って自分のメリットにつながることになりそうです。

音声定額が不要のユーザーにお勧め。正式サービスとしての提供に期待

なお、最近の携帯電話キャリアは音声定額プランを主軸に据えており、当然のことながらこうした音声定額のプランに加入しているユーザーはどこに通話しても通話料は0円のため、そもそも楽天でんわに加入する意味すらありません。そのため楽天でんわが対象となるのは、こうした音声定額プランには加入していない、音声通話をそこまで使わない人向けのプランということになります。

このブログでは繰り返し指摘しているところではありますが、そもそも音声通話をほとんど使わない人に音声定額を押しつけるというのはまったくもって納得がいかないところ。しかもNTTドコモに関しては既存プランの新規加入は終了しただけでなく、既存プランのままで継続している人が機種変更する際には月々サポート割も適用外になるという始末。

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一方、音声通話をほとんど使わない人であれば、音声通話対応のMVNOを利用すれば月額費用は大幅に抑えられる。そこにこの楽天でんわの新プランを組み合わせればたまに使う音声電話もほぼ無料に抑えられる。この価格差を見てしまうと、メールアドレスを変えたくないこと以外に携帯電話キャリアを利用し続ける存在意義ってもうほとんどないよな……。

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繰り返しながらほとんど音声通話を使わない人にとって、月額料金も無料で3分以内なら無料というこの新プランは非常に魅力的。今は5万人かつ期間限定ではありますが、この期間中のユーザー増こそが正式プラン提供につながるので、興味ある人はぜひ登録してみてください。万が一正式サービスが提供されなくても、わざわざ楽天でんわアプリを使わない限り課金されることもないので、無駄にお金が取られることもありません。

楽天でんわ: 3分0円プラン登場!
http://ac.ebis.ne.jp/tr_set.php?argument=sNcRNvKw&ai=AMN_05

楽天でんわアプリについては以前の記事もご覧くださいませ。

スマホの通話料金が半額になる「楽天でんわ」で来たるNTTドコモの料金プラン変更に備えよう – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2014/05/19/12503


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