WordPressのモバイルプラグイン再考

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

 以前、WordPressのモバイル対応プラグインとしてMobile Eye+を導入したわけですが。

カイ士伝 ? Blog Archive ? WordPressでモバイル対応
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/05/06/176

 その導入紹介エントリーでこんなコメントいただいておりました。

リンクしているURLを携帯用に変換する機能なんかもあっていたれりつくせり。

この機能 (URLGATE) は外部サービスを使うのですが、実はその外部サービスは「ポルノ・出会い系広告を出す」という問題があります。Mobile Eye+ を紹介されるのであれば、ぜひともこの点についても触れて頂きたいと思います。
貴サイトでも、URLGATE 機能をオンにされていますが、実際にアダルト広告が出てきますので、それが自身の意図に合うのかどうか、よく検討されるとよいかと思います。

 んでこのコメントいただいたのは、もう1つのWordPressモバイルプラグインである「Ktai Style」を作っている方なんですね。直々のコメント恐縮です。

 実はKtai StyleはMobile Eye+よりも前に知っていたんですが、当時はPHPが4だったので導入できなかったのでした。

はてなブックマーク – カイ史伝 / 2008年02月12日
http://b.hatena.ne.jp/kai3desu/20080212#bookmark-5936228

PHP5にアップデートしたのは、さくらインターネットが移行していることに加えて、5にすればKtai Styleを使えるからというのもあったんですな実は。

カイ士伝 ? Blog Archive ? さくらインターネットでPHP5にバージョンアップした時のフレッシュリーダー設定方法
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/05/11/180 

 そんなわけでついにKtai Style入れてみたんですが、正直Mobile Eye+と一長一短な感じ。

 Ktai Styleは絵文字をふんだんに使っていておしゃれなのと、対応ハードの動作確認が幅広い。PSPでの閲覧もちゃんとモバイル表示してくれます。そして何より便利なのが簡易ログイン機能で、携帯電話からWordPressにログインして記事を修正したりできます。ただし、URLにログイン情報が含まれてしまうため、管理画面からどこかへリンクで飛んでしまうとログイン情報がばれる、という注意点がありますが、まあ管理画面からリンク飛ぶことはないだろうし、基本的にいざというときの管理機能にすればいいかなと。

 ただ、残念なのはサーバーに直接アップロードした画像は表示できるけど、フォト蔵やFlickrのような外部画像やAmazonの画像などはテキストリンクでしか表示されないこと、そして何より上述の外部リンクを携帯電話用に変換してくれる機能がKtai Styleにはないんですね。

 一方、Mobile Eye+はフォト蔵やAmazonの画像も記事に表示できるし、外部リンクを携帯電話用に変換してくれる機能も便利。

 で、一長一短ある両者をどうやって導入決めるかなあと考えたとき、管理機能は自分だけのメリットなんだけど、外部リンクの変換は自分に加えてブログを読んでくれる人の両方にメリットがあるんですね。なのでMobile Eye+をうちでは使うことにしました。

 外部リンク変換サービスにアダルト広告が出るという件は、それいいだすと2ちゃんねるのリンクも張れない(2ちゃんねるからの外部リンクはアダルト広告だらけ)なんですが、まあ出ないにこしたことはないというのは確か。なのでURLGATEのファイルからアダルト系広告を表示する外部リンクサービスを削除し、Google Website Transcoderだけにしてみました。

 こういう改造がいいのかどうかが謎なのですが、その筋に詳しい人に聞いてみると、プログラムの中には配布に関する記述がなく、個人利用であって再配布するわけでないのなら平気ではないかというご意見いただき、とりあえずこの改造したまま使ってみたいと思います。他にもアダルト広告出る場所とかあったら直したいと思いますし、そんな改造すんなという意見もありましたらぜひご一報いただけると幸いです。

 個人的にはKtai StyleにGoogle Website Transcoderが導入されたらそっちに乗り換えたいんですけどねえ。ブログのエントリーは紹介リンクも含めて1つの内容なので、リンク先がモバイル対応してなくて見られないというのは寂しいし。

 なお、WordPressの携帯プラグインについては「ならべて」にこんな比較表があったのでご参考まで。私が作った表じゃないんですけど情報細かくてわかりやすいかな。欲を言えばKtai Styleの簡易ログイン機能も触れてあげてほしいとは思いますが。

 

携帯電話用WordPressプラグインの比較 by ならべて
? PHP4対応 WordPress2.5系対応 ライセンス有り リンク先を携帯ページのURLに置換 広告が出ない 日本のケータイに特化 日本製 日本語解説 配布元が存在する
Ktai Style × ×
Mobile Eye × × × ×
Mobile Eye+ × ×
WordPress Mobile Edition × × × ×

WordPressのモバイルプラグイン再考” への1件のフィードバック

  1. このエントリーはだいぶ前に見ていたのですが、返事が遅れていました。

    まず、外部サイトの画像ですが、これを携帯向けに変換していないのは、技術的に困難な点が多いというのが理由です。変換させるには、Ktai Style をインストールしたサーバーから、その外部サイトにアクセスして画像を取り込み、GD なりのツールで画像を縮小して表示させることになります。縮小した画像はどこかのディレクトリーにキャッシュさせる必要もあるでしょう。で、外部サイトに画像をアクセスする処理は比較的負荷がかかります。また、縮小画像をキャッシュするのも、複雑な設定が必要になってしまいます (キャッシュフォルダーを作ってもらわないといけない)。
    ということで、克服すべき課題が多く、なかなか実装に踏み切れません。むしろ、「画像は全部自身のサーバーに置くのが、あるべき姿だ」だと考えているため、そうしてもらった方が好ましいです。もともと、わたしは外部サービスをあまり信用していないので、外部サービスに写真を置くこと自体、推奨できません。
    Mobile Eye+ の場合、作者が「画像リサイズ」というサービスを提供していて、Mobile Eye+ が積極的にそれを使うという仕掛けにより、外部サイトの画像を表示できました。画像リサイズがどれだけ信用できるサービスかは疑問なので、「画像が表示できる」というメリットは「あやしいサービスを使う」というリスクの上に成り立ったものと言えます。ですので、手放しに「Mobile Eye+ は便利である」とは言いにくいです。

    次に、アダルト広告ですが、2ちゃんねる (というか ime.nu) 自体がダメでしょう 😉 ime.nu はあまりにひどすぎます。アダルト広告は基本的にオプトイン (見たい人にだけ見せる) ものであるべきで、見たくない人に出してはいけないものです。そういう配慮がない点で、Mobile Eye+ には問題があります。現在は改善されたものの、以前の「画像リサイズ」はポルノ広告が出ており、この点も問題でした。

    それから、Google Website Transcoder ですが、わたしが「基本的には外部サービスを信用しない」という方針のため、標準動作としては実装する予定はありません。ただし、現在の Ktai Style では、外部サイトのリンクについて、携帯サイトがあるかどうかをチェックして (Mobile Link Discovery の検出)、あれば直接ジャンプ、なければ中継画面を出すという仕組みになっています。この中継画面を改造すれば (独自フィルターフックを利用する etc)、Google Website Transcoder を経由するリンクを入れたり、通勤ブラウザ利用のリンクを入れたりすることは可能です (附属ドキュメントを参照してください)。

    あと、Mobile Eye+ での大きな欠点は「WordPress 標準動作と異なった、コメントとトラックバックを分離した表示しかできない」という点です。WordPress は、コメント・トラックバック・ピンバックをまとめて「コメント」として扱うわけですが、Mobile Eye+ は、なぜかコメントとトラックバックを分離した扱いしかできません。確かに、分離したいというニーズは一定数あって、それを実現するテーマ改造やプラグインがあったりします。しかし、Mobile Eye+ が、WordPress の標準動作である「両者をまぜて扱う」動作ができないのは、「標準準拠」という面でよくありません。分離させる動作はオプションとして用意すべきであって、その挙動に固定させてはいけないものです。
    なお、拙作の Mobile Eye+ パッチを当てると、バグ修正などを行うんですが、コメントとトラックバック分離をやめる改造は、「やりすぎ」だと思って行いませんでした。

    ということで、Mobile Eye+ は、機能面というより、コンプライアンスとか、ユーザーへの配慮とかが相当欠けている点が問題です。使う人がそれを納得するのならいいのですが、むやみに他人にすすめるプラグインではないと思います。作者自身、「かなり自分仕様な設計」と言っていますし。

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