「崖の上のポニョ」みてきた


 いや見たのは結構前なんですけどね、注目作だけにネタバレになってはいかんと思いながらも、自分がエントリ書くまでは他の感想を読まないようにしてたらどんどん他のエントリ上がってきていて読み切れなくなりそうなのでそろそろ書いておきます。

 その前に今までの宮崎アニメでいうと、自分の中ではナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女の宅急便がトップクラスで(カリオストロ入れていいなら5作品)、続く紅の豚はそこよりはちょっと落ちる、気楽に見られる娯楽作という感じ。そしてもののけ姫は「生きろ!」のメッセージがもううるさくなって、その後の作品もなんとなくメッセージ性みたいなのが娯楽よりも先に出ている感じがあってあまり楽しくないという感覚です。

 という評価軸をふまえた上でのポニョについて、続きは「記事URL」をクリックで! ネタバレになっちゃいけませんからね。

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 というわけでポニョですが、作品としては1つ完結している感じで、まとまり感としては紅の豚っぽさを感じた。上映時間の短さもにてるしね。

 ただ、紅の豚はなんというか宮崎アニメをぎゅっとまとめつつおっさん風味にしたてあげたショートムービー感覚だったのに対して、ポニョに関しては何ともいえない「気持ち悪さ」を感じた。この「気持ち悪さ」というのはちょっと言葉として強いので文字通りの意味というより、違和感というようなニュアンスで理解していただきながらこの先読んでいただきたいなと思います。

 で、いろいろ考えた末に感じたのがポニョの世界感。ポニョが水の上を歩いたり、道が洪水であれている中を車で疾走したり、果てには水の中で呼吸できたりというあり得ないことが、まったく説明なく当たり前ののように描かれている。これがなんとも違和感だったのです。

 今までの宮崎アニメで言うと、たとえばパズーの体力なんかはかなり現実ばなれしてはいるんだけど(空から降ってきたシータを受け止めたりとか)、あれはどことなくギャグ感覚というか、「まあそのくらい許してよ」的な感覚を覚えた。魔女の宅急便なんかは魔法というこれも現実ではないことが当たり前に描かれるんだけど、これは「魔法の世界」という大前提があってこそで、その中で描かれる人間模様というのは実に現実的。もののけ姫も千と千尋もハウルもそういう意味では、魔法やもののけが当たり前という世界が大前提としてあった。

 ところがポニョは一見するとまったく普通の町に見えて、起きることがあまりにも尋常ではないのがすごく変に感じる。なんていうのか、ドラボンゴールの世界でかめはめ波打つのは世界観としてアリだけど、なんとなくポニョの場合はサザエさんでかめはめ波ぶっぱなしている感じがするというかなんというか。

 そしてその気持ち悪さを増幅させるのが、名前忘れたけど人嫌いなおばあさん。どう見たって人面魚なポニョを見て、ほとんどの人は「かわいいわねえ」と言うので「ああこの世界ではポニョはかわいいのね」と冒頭で理解するんだけど、途中でそれを吹き飛ばすような「人面魚」発言。劇場で誰もが思っていたけど、そこは考えないようにしていたことを登場人物にさらりといわれてしまうわけで、いってみれば「かめはめ波ってありえなくね?」ってマンガのキャラに言われちゃった感じの気持ち悪さ。

 で、これを総合してみると、ポニョってのは夢の世界の物語なのかなあと思った。夢というのは将来や目標という意味ではなく、寝ている間に見る夢という意味の夢。自分で見る夢もまさにそうなんだけど、明らかに現実離れしたことが次々と起こるけど、それに対して全く違和感を抱かない。だけどどこかで「これ夢なんじゃないか」みたいなことを感じる瞬間があって、それがあのおばあさんっぽく感じた。階段降りている夢を見てビクっとしてしまったような、そんな役割とでもいうか。

 はてな匿名ダイアリーでポニョとエヴァが似ているというエントリがあって、それはおもわず興味もって読んでしまったんだけど、すべてはゲンドウの描いた世界観だったという意味では確かにポニョも通じるのかなと感じた。そのゲンドウの世界観はシンジくんがぶっ壊しちゃうわけで、現実とのパイプ役という意味でもあのおばあさんに重なる感じ。

 で、ここからは気持ち悪さの質が変わるというか、かなり主観的になってしまうんだけど、ヒロインたるポニョが水の上を走るという異形の存在なのも不思議な感覚だった。宮崎アニメというのはなんというかヒロイン重視な印象があって、ナウシカにしてもシータにしてもサツキにしても、ちょっと現実っぽいけどキキにしても、ヒロインは女神的なシンボルっぽさを感じていたのに対し、ポニョはもうなんというかトトロに近い。ただヒロインをポニョとするのではなく主人公の母親としてとらえ、ポニョはトトロでいいんじゃね? と考えればそれほど違和感もないのだけれど。

 最大の違和感を感じたのは最後の終わり方で、今までの作品てのはストーリーが終わった後も未来を感じさせるものだった。ナウシカだったら地下で芽が出るし、シータとパズーは新しい生活が始まるし、サツキとメイはお母さんに会えるし、ジジは話せないままだけど子供ができるし。

 なんだけどポニョは、たった10歳の男の子にポニョを託す。そして男の子の気持ちが変わったらポニョは泡になってしまうという。そんなの10際の子供に託すような話ではなくて、どう考えたって先が見えない。ついでに言うともう魚になった姿見まくってる男の子に、「この子は魚なんです、それでもいい?」ってのも「ちょwwwそんなの知ってるwww」って感じで、いまいち最後の盛り上がりに欠けた感がある。

 とまあ細かく見るといろいろ感じてしまうんですが、そもそもこの作品の対象は子供であって、自分たちのようなこざかしい大人ではないんだろうなあというのがファイナルアンサー。子供にとっては自分たちの年代こそが現実だから、10歳の子供がポニョと結ばれることは違和感どころか自分たちの舞台や生活なのかなあと。

 それはあのポニョの歌にも感じられて、いかにも子供は喜ぶであろう歌だし、実際にはやっているようだけど、あの歌は心に全然響かない。完全に個人の思い入れの問題なのかもしれないけど、トトロなんかはノリノリの「さんぽ」ですら心にしみいるし、作品としてはあまり好きではない最近の作品も歌にはこだわっていた気がする。なんかこの歌の姿勢の違いも、大人ではなく子供たちのために作った作品で、そもそも大人がガタガタ言うもんでもないのかなあと思ってしまい、それがまた自分にとっての気持ち悪さを増幅させるのでした。

 あー、やっぱり長くなっちゃったよ。まあ感想は人それぞれということで、むしろ他の人の全然違う感想も楽しみなのでこれからエントリむさぼり読みたいと思います。ポニョに関するおもしろい感想エントリあったら是非教えてくださいませ。


「崖の上のポニョ」みてきた” への1件のフィードバック

  1. 同じ思いをいだきました
    自分以外の人が誰もポニョについて批評を言わないのでそれも気持ち悪いなと思っていました ジブリふりかけでうやむやにしてるけどあの作品はあまりいい出来ではないように思います ストーリーも気持ち悪いし、世間の評価も裸の王様的な感じになっている気がして二重に気持ち悪いです だからひねた見方をしておられるわけではないと思います

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