現在絶賛参加中のケータイ会議ですが、期間は4カ月と長いものの、F-01Aの発売から2週間ほどが経過して最初のヤマは超えつつあります。このタイミングでどうして今回参加したのかという目的やブログマーケティングに関する自分の考えなどをつらつらとまとめてみたいと思います。長いしかったるい内容なのでよほどの物好き以外は読み飛ばしていただいて結構であります。
最初のエントリでも書いたとおり、実は今回のF-01Aは当初それほど興味ありませんでした。ヨコモーションが好きだし、防水あまり興味ないし、FMトランスミッタなくなっちゃうしなどなど、自分が求めている機能を持った端末という意味では少し違っていたからです。
ではなぜ参加したかと言えば端末以上にこの活動に興味があったから。第3回では「まとめサイトに注力する」という話が募集の時点からありましたが、第1回、第2回と参加し続ける中でつねにまとめサイトの重要性を説き、古くは一番最初のブログマーケティングイベント参加体験であるソニーの「WA1」の時から、「まとめサイトは重要だ!」と考えていたからです。
もっとも気になったのは、この件に関してトラックバックなりリンクで紹介できるソニー側のページがないんですね。WA1はなぜか一緒に発表されたおひつ 型VAIOの紹介ページの一番下にちょろりと紹介されているくらいで、結局PR BOARDのブログくらいしかきちんと貼る場所がない。参加者のブログを読んでWA1が気になった人を導ける場所はやはり欲しいなと思いました。
カイ氏伝: Wi-Fiオーディオ「WA1」モニター懇親会で考えたブログマーケティング
http://blogging.from.tv/archives/000352.html
一般的な「物を渡して書いてね」的なブログマーケティングでは、せっかく参加者がブログにエントリを書いてもそれが点在してしまい、その製品に興味がある人に対して情報が行き渡るかというとあまり良い手段とは思えない。結果的に読者を多く持つブロガーの効果が重要になってしまい、PVありきの世界になってしまう。でも自分としてはそれならブログでやる意味はなくて、mixiだのYahoo!だのWebニュースサイトだのに広告だしとけばいいと思う。
しかしまとめサイトをきちんと作り、参加ブログからの誘導を図ることで、その商品に興味ある人への情報をよりきちんと提供できる。さらにそのまとめサイトが製品情報が充実しているということが認識されることが大前提ではありますが、PVがそれほど持っていなくても面白いことをきちんと書いている人も、まとめサイトでそのエントリーが紹介されまとめられることで、自分のブログだけでは埋もれてしまったかもしれないエントリを、情報を求めていた人に対してうまくマッチングしてあげられると思います。
もう1つ大事なことは、動的なブログに対して静的な情報提供の場を用意しようということ。ほとんどのブログはレビュー期間にその製品だけをレビューするのではなく、趣味だったり食事だったりいろんなことをエントリしてくでしょうし、そうして日々更新されていくブログからレビュー情報を参照するのはちょっと手間。そこをまとめサイトできちんと担当し、ジャンル分けやら新着やら情報の取得をより容易にしていくことでトラフィックも増幅できるし、そうしたまとめの場があることで同じエントリが何度も参照され、きちんと読まれるという意味でブログの価値も高まっていくと思います。
そんなまとめサイトの重要性を毎回毎回口にし、第3回ではそれがテーマ化されてもいるだけに、言い出しっぺの自分としては参加しなきゃともおもうし、そのまとめサイトを通してどんなことができるのか、という意味でも「オラわくわくしてきただ!」状態であり、端末の楽しさ以前に応募した次第です。
というまとめサイトへの思いを述べた上で、今回のケータイ会議3に寄せられていた意見について脇からいろいろ述べておきます。
此処まで敷居が高いなら何故公募するのだろうという疑問。公募なんかやめてエントリも纏めサイトだけでやれば良いんじゃね?とすら思うんですけどね。
ケータイ会議3について少しだけ – 煩悩是道場
http://d.hatena.ne.jp/ululun/20081109/1226201954
なんといいますか、代案もなく批判しているだけなのが与党案にことごとく反論する野党というか、きちんと建設的な議論するのであれば「公募しない」「公募する」という選択肢のメリット・デメリットを踏まえた上で「公募しない方がいい選択肢ではないか」と言うならわかりますが、「公募しなくてもいいんじゃないか」ってのは「じゃあ公募してもいいじゃん」という水掛け論にしかならないので、それを言いたいのであれば「こういう点に置いて公募しない方がメリットがある」という理論が欲しいですね。
で、この点に関して自分の意見を触れておくと、公募しないのではメンバー凝り固まって内容も面白くないし、タイミングが悪くて参加できなかったとか、過去のエントリー読んで興味持ったという人が参加する余地がなくなる。いままでのメンバーが常に最強のエントリーを書けるというのであれば話は別ですが、きちんとブログマーケティングに結果を出せる人に参加してもらう、ということであれば公募しないというのはメリットが薄いように思います。
経験者に対する方針にしては、某ブログ界の大御所が「水槽変えるときに水全部変えるんじゃなくて半分ずつ変えるのと一緒」という名言を残しておられましたが、毎回毎回イチからイベントやりなおしていたのでは、無駄な苦労を生み出してしまう。たとえばバーベキューするときに全員初心者なのか、それとも何人かは経験者がいるのかで手際や楽しさも変わるように、今まで参加したことがあるからこその経験を活かす、という意味ではしごくまっとうな選択肢に思います。あと余談ですが「経験者ばかり」という批判ってほんと事情知ってる一部の人だけで、実際にケータイ情報必要としているカカクコムや2ちゃんねるだとリンクされることはあってもそういう話ってほとんど出てなかったりしますね。
そもそも論として、ブログマーケティングはそもそもブロガーのためにあるもんじゃなくて企業のためにあるもんだということが誤解されている気もする。飲食店にたとえるならば、よい接客やおいしい料理をだすのはお客さんを喜ばすためでもあるけれど、そうすることによってきちんと利益を出してお店を運営するための施策であるという当たり前の道理はブログマーケティングだってそう。やるからには企業も成果を求めるわけで、そのためにブロガーに対して自由にブログを書ける環境を整えたりはするけれど、まちがってもブロガーが楽しくブログかければ大満足だよねなんて話ではない。企業として成果を求めるのであれば、今までに参加して価値を認められたブロガーが一般枠よりも優先されるというのはそりゃそうじゃないかと。もちろん経験だけでなく、初めての参加でも魅力たっぷりのブロガーがいればそれは同等に扱われるべきというのが大前提ですが。
いきなり長くなりましたが続いてもう1個
でも本人も書いてる通り、これ仕事だなと思った。
(中略)
ただ仕事だろとは思います。
ブロガーによるまとめサイト構築の話(とケータイ会議の話) | smashmedia
http://smashmedia.jp/blog/2008/11/002165.html
「仕事」という言葉をどうとらえるかによると思いますが、「タスク」という意味ならそれはそう。でも上記エントリ読む限りちょっとネガなイメージを受け取ったりもしたのでこれについても述べておくと、先に述べたバーベキューでたとえるなら、楽しいバーベキューするにはそれなりの準備が必要です。機材持ってきたり肉野菜を買いだししたり、イベント始まっても火をおこしたり肉の面倒みたり、最後はそれを片付けたり。でもイベントに参加して楽しむためにはそういうタスクは当然あってしかるべきで、対価をもらうためという割り切りで行う仕事なのか、それともイベントとして楽しむために当たり前の労働作業なのかはいっしょくたにはできないと思う。
このあたりの流れというのは実際参加していないと見えにくいところであるので説明しておくと、そもそもまとめサイトをブロガーで更新したいというのは第2回のときにブロガーから出た意見です。第2回の時にはまとめサイト担当も用意されていたんですが、土日にエントリが上がりやすいブロガーをリアルタイムで追うのは大変だし、ブロガーとしてもせっかくエントリを書いたらきちんとまとめサイトに登録されて読んで欲しいという意見もあり、第3回からは更新システム使って自主的に登録することに。システムがよくできていてURL登録してあとはプルダウンでブログ名選んだりタグ入力したりと作業自体はかなり工数減らせているのでそんなに負担にはなってないんじゃないかな。参加しているみなさん、更新したらすぐにまとめサイトもちゃんと反映してますし。
あと実際のところでいうと、ブロガーがやってるのはまとめサイトの登録くらいで、あとはほとんどが自主的な活動。まとめサイトの整理整頓だったりモバイル対応なんかはほとんど田口さん側で引き受けてくれていて、ブロガーがわーわー意見言うのをきちんと受け止めてくれています。なので外から見てるほど「仕事」感はないというか、現場はそれも含めて楽しんでやってますよ。
第1回から第3回まで全部参加しているのはついに私1人になりましたが、連続経験者の話を聞くと「新しい端末がもらえる!」ということ以上に「このイベントが楽しい!」って声がすごい強いんですね。これはほんとにケータイ会議の特性かなとは思いますが、楽しいあまりもっとブロガー側でも協力したいという気持ちが強まっているという現実も、こうした動きに興味ある方々には知っていただきたいところであります。