増刷記念で発売日買いしているのにいまさら「自分探しが止まらない」書評


年越し前に次回予告をできるだけ処理しておく!

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次回予告 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/12/03/766

実は発売直後の2月には購入し、すごくおもしろくてあっという間に読んでしまったんですが、あまりにおもしろく思ったところが深く細部に分かれていてエントリーむずいわー、と思ったままお蔵入りになってしまっていたものの、先日著者にお会いする機会があってさらに感銘受けたのでこれはちゃんと書かないなと思いながらまだまだズルズル言ってしまったので、年末のこのタイミングで、感動した大きな2つのポイントについて書いておこうと思います。

久々に本買った – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2008/02/19/76

この本を読み終わって最初に思った感想というか思いついたフレーズは「かっこいいのはこういうことさ」という紅の豚のキャッチコピー。内容もおもしろいんだけど、本のあり方そのものが実にオットコ前なのでした。

この本では「自分探し」というキーワードをさまざまな視点から分析しているんですが、すごいのはそれぞれがきちんとデータを引用してまとめられていること。しかもそのデータというのはネットに転がっているようなものだけではなく、週刊誌だったり新聞だったりファッション誌だったりと、とてもネットだけでは見つけられないような、そして「こんなものまでチェックしてるの?」という多彩なジャンルからデータが収集されているのです。

ネット時代になってさまざまな情報がネットで簡単に集められるようになったんだけど、だからといってすべての情報がネットに落ちているわけではない。ネット普及以前はもちろんのこと、ネットが普及した今だってネットにはない情報なんて山のようにあると思います。

ネットでもよく評論というのはあるんだけど、ネットにある情報を検索で引っ張ってきてまとめているだけというのも多々ある。でもこの本はそんな作り方では絶対に無理。また、単に本があればいいというものでもなく、自分の中に自分探しに関する明確なテーマがあり、そのための情報収集をきちんとこなしていなければ、ここまで膨大な情報の中から自分探しに関する情報なんてまとめきれない。当たり前のように10年以上前の雑誌や新聞からソースが引用されているのも非常に感動して、きちんとものを書くというのはこういうことなんだろうな、と考えさせられた次第です。

もう1つは内容そのものについて。自分の中で「自分探し」というキーワードは、「異業種交流」に並ぶほど言葉だけで毛嫌いするワードベスト3に入る言葉で、実際最初は他人事として「ほうほうそういう世界もあるのかね」くらいに読んでいたんだけど、読み進めていくうちに自分探しがすごく自分の身近にもあったんだ、と気づかされる章がありました。

それは就職活動に関する話で、就職活動期にもてはやされる「絶対内定」という本とそれを読む学生が自分探し状態になっているという指摘。まさに就職氷河期だった自分としてはすごく身につまされる指摘でした。

自分自身はそれ以前にまともな就職活動しなかったことが非常に悔やまれているんですが、当時は活動しても活動しても内定もらえない人というのがたくさんいて、友達としては「なんでこんなにできる人が内定でないんだろう」と苦しんだあげく、結局は公務員の道を目指すという風に方針転換した人がたくさんいました。もうほんとになんども心が折れそうになるほど辛い時期だったし、確かにあの時代というか、就職活動期というのはいわゆる自分探しのタイミングでもあったんだろうなあと気づかされました。

購入するまではほんとに自分探しなんて他人事であったんだけど、実際に読んでみると自分探しというキーワードは生活や人生の中で意外と転がっているもので、それを「自分探し」というキーワードで見てみると新しい発見がいろいろありました。一見すると若い世代の文化を遠い目で見る、みたいな本に思われがちかもしれませんが、内容としては全世代に共通する話でもあるので、増刷されたタイミングで読んでみるとおもしろい一冊かと思いますはい。


自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)


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