スマートフォンって何だろう

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

先日、原宿のKDDIデザイニングスタジオで開催されていた「IS FORUM」、IS01を実際に試すことができるということで行って参りました。

IS FORUM – KDDI デザイニングスタジオ
http://www.kds.kddi.com/eventschedule/1006/06-1600.html?toptxt

イベント自体は写真撮影禁止ということで端末の写真も撮れなかったのですが、初めて触ったIS01は予想以上によくできていて、メニュー周りがすごくわかりやすくなっていた。おもしろかったのはアプリ画面で、タッチ操作で3画面に移動できる待受画面に合わせて、アプリも3画面に分割できる。それ以外にも標準的なAndroidのインターフェイスと違って、携帯電話感覚にメニューがカスタマイズされていて、KDDIが携帯電話にこだわったのがなるほどなあと思えるインターフェイスでした。

ドコモのXperiaはソニエリオリジナルのアプリを搭載し、メニュー画面もブルーにカスタマイズするなどオリジナリティを出していましたが、メニューそのものは標準的なAndroidと変わらない。一方でIS01は背景こそ真っ黒のAndroidそのままですが、表示されるメニューの項目や文章などがかなりカスタマイズされていてわかりやすい。好みの問題ではありますが、個人的にはIS01のアプローチのほうが好きですね。ほんとは端末きちんと写真撮っていろいろ書きたかったんですがそれは叶わなかったので、Androidに興味ある人は一度実機を手に取ってみてもらいたいなと思いました。

もう1つ興味深かったのが討論会で、携帯電話とスマートフォンの違いをテーマに対談が続いたんだけど、そもそも「スマートフォンって何だろうね」という命題がこの討論を聞いて心に浮かびました。

すべてが独自仕様のiPhone陣営はもちろん、iPhone登場前はスマートフォンOSの雄だったWindows Mobileも、端末もWindows Mobileに合わせて作られていて、携帯メールも使えないしおサイフケータイもない。日本の携帯電話とは完全に異なる「スマートフォン」として作られていました。

でもAndroidはちょっと事情が違う。実際、IS01は赤外線やワンセグといった日本仕様を搭載し、携帯メールにも対応できる。また、ドコモもauも名言している通り、今年の後半にはおサイフケータイ対応のAndroidも登場する予定。機能が日本の携帯電話にどんどん近づいています。

で、そうすると今までの「携帯電話」「スマートフォン」というくくりはほとんど意味なくなるんじゃないだろうか。そもそも携帯電話もOSはオープンソースであるLinux搭載機種があるし、Synbianだってオープンソース化しているわけで、AndroidだってモバイルOSの1つでしかない。

自分がAndroidに期待する一番のポイントはここだったりするわけで、現時点でのスマートフォンとしてiPhoneとAndroidを比較していても仕方がない。組み込みOSとしてAndroidを多方面で活用できることこそがAndroid最強のメリットで、IS01のメニューカスタマイズっぷりを見てもAndroidはますます面白くなりそうだし、そうやってAndroid搭載端末のカスタマイズが進むと、「スマートフォン」という縛りについては、永遠に独自展開であろうiPhoneは別世界として、少なくともAndroidでは意味がなくなっていくのかなと思いました。

もう1つ、日本の携帯がよく「ガラパゴス」と揶揄される点も追求しておくと、確かに閉鎖的な部分もあれど、日本の携帯がそこまで特異な進化してるわけじゃないよね、という自論も添えておきます。

たとえばモバイル専用サイト。iPhoneが出た時「PCサイトがそのまま見られてすごい!」という感想が多々あったんだけど、実際使ってみるとPCサイトよりiPhoneに最適化したサイトの方が喜ばれる。携帯サイトは課金や旧端末が低スペックであるなど課題はあるんだけど、「携帯には携帯向けサイトの方が適している」ということ自体は結局スマートフォンでも携帯電話でも同じことかなと。

スペック面でもドコモやソフトバンクの最新機種はJavascriptも対応し始めてかなり高機能化している。個人的に感じる問題点はブラウザにあって、ハードウェアスペックがこれだけ向上しているのに、ブラウザがボトルネックになって見られないサイトがあったりサイトが重かったりタブが開けなかったりしていることが携帯電話でのブラウジングで問題になっている部分なので、そろそろACEESSは携帯向けブラウザをもうちょい本気でやってもらうか、ブラウザをオープンに選べるようにしてほしいものです。

もう1つ、ガラパゴスと言われる点の1つにおサイフケータイもあるけれど、確かに現時点では独自仕様であるけれど、Felicaと互換性のある近距離通信の国際規格「NFC」が進めば、おサイフケータイの国際展開もありえます。

ケータイ用語の基礎知識 第307回:NFC とは
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/32847.html

ITmedia ビジネスモバイル:「インターナショナルおサイフケータイ」も夢じゃない??ソニー
http://bizmakoto.jp/bizmobile/articles/0703/07/news088.html

実際には複数のチップ搭載が必要など課題は多いっぽいのですが、iPhoneも使い道はともかくとしてNFC搭載をもくろんでいる節もあるようで。

Apple、NFC iPhone 関連特許を出願 – 次世代iPhoneでおサイフケータイ対応するといいな・・・。by Abro – Apple Brothers + Mac News
http://blog.livedoor.jp/applebrothers/archives/52030176.html

もしこうやってNFCによるiC決済が国際的に普及すれば、日本のおサイフケータイは独自進化ではなくて最先端なわけで、独自進化と揶揄するべき対象ではないかもしれません。

過去の遺産があるからこそ大きな仕様変更はなかなかできない携帯電話ですが、それでもブラウザの進化だったりBluetoothで外部キーボード対応したりと少しずつオープンになってきています。一方でiPhoneもiOS4ではiPhone 3Gが対象外になったりと、端末のリリースを重ねると出てくる機種サポート問題がちらちら見え始めたりしていて、来年はまた携帯電話業界の事情がまた面白くなりそうだなあと思う次第でした。


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