NTTドコモの2011年夏モデル感想

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

携帯電話の新機種が出るタイミングでなんとはなしに更新するこのネタ、今回は1キャリアずつ感想つけてみたいと思います。べ、べつに1日1エントリーのネタが切れているわけじゃないんだからね!

というわけで今回の夏モデルトップバッターはNTTドコモから。発表された端末はスペックなどの詳細は今回も怒濤の更新を見せておりますケータイWatchをご覧いただくとしまして。

ドコモ、2011年夏商戦向け24モデル発表 – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445088.html

Android8機種、Blackberry1機種、Windowsとiモードのコンパチブル機をもスマートフォンと呼ぶのであれば実に10機種もリリースされた夏モデルですが、スペック的には一長一短あるもののそこまで大きなスペック差はなし。OSもすべてAndroid 2.3に対応したのでそこで差はつかず、基本的なデザインもタッチパネルメインでほぼ共通。まあ今回が初のAndroidリリースなメーカーもあること考えるとやっと各メーカーがAndroid体制整った段階なので、もう少しおもしろい端末が出てくるのは冬以降ですかね。

スペックを比較すると本当にどれも一長一短。若干早めにリリースされたAQUOS PhoneのSH-12Cはツインカメラで3D動画にも対応したハイスペックモデルだけれど、そのかわり防水には非対応。防水対応モデルはもう1つのAQUOS PhoneであるSH-13C、富士通のF-12C、そしてMEDIASの防水モデル「MEDIAS WP」なわけですが、SH-13Cは女性向けな割にワンセグ非対応で、F-12Cも同様にワンセグ非対応。一方でGaraxy S IIがNFCに対応しない代わりにワンセグ対応したりと、かなり不思議なスペックになってきました。また、春モデルで大人気だったXperia Arcのおサイフケータイ対応モデル「Xperia acro」はAndroid端末の中で唯一テザリング非対応だったりして本当に機能がバラバラ。ほぼ全部入り選ぶなら本体の薄型維持しつつ防水にも対応してCPUも強化してきたMEDIAS WPですかね。しかしWPってすごい名前だw

変態端末と揶揄されるWindows 7搭載のF-07Cは、イロモノが多かった富士通端末の中でもトップクラスの異色な端末。ただ、Windows 7とのコンパチといっても駆動時間も短くCPUも低めなのでモバイルではあまり実用性がなさそう。電源をきちんと取れる場所でキーボードも使い、Excelなどのファイルを編集するのに使う程度っていうところじゃないかなあ。また、iモードのスペックが数世代前というのも少々残念なところ。触ってみたくはあるけれど、コストパフォーマンス命の自分としては選択肢にははいらないかなあ……。

個人的にはREGZA Phoneが2.2にアップデートすれば十分なので今回のスマートフォンシリーズは見送りの予定。使ってみると2.1と2.2の差は大きいけど、2.2から2.3って個人的にさほど違いを感じないので、2.2にさえなってくれれば十分です。むしろ2.3は改悪と言いますか、「Gmailで返信メールを下書き保存する際に1文字以上文字を入力しないと保存できない」という仕様になってしまっているため、「あとで返信しようと思ってるメールをとりあえず下書き保存しておく」という使い方ができないのが難点。噂ではREGZA Phoneの2.2対応も近いみたいだし、それを楽しみに待ちたいと思います。

そしてついに今回から解禁されたスマートフォンのテザリング機能。そもそも従来の携帯電話では「アクセスポイントモード」として提供されていた機能だけにそのうちくることは予想できていたわけですが、諸処の問題からここまで時間がかかってみたい。そのあたりはこちらに詳しいです。

NTTドコモがスマートフォンのテザリングを解禁 ? コムギドットネット
http://komugi.net/archives/2011/05/12131906.php

利用にはspモードの契約が必要で、テザリングを利用したときのパケ・ホーダイ ダブル上限は1万395円と、携帯電話と同額に設定。ただしリリースによればFOMA定額データプランでもテザリングは利用できるようなので、音声通話が必要ないなら定額データプランで安価に抑えるというのもありなのかも。ただ個人的にはモバイルルータでスマートフォンの回線を代替しているので、あんまりスマートフォンにテザリング機能必要ないんですけどね。

むしろ気になるのは携帯電話だと使える128kbps設定。携帯電話のアクセスポイントモードでは、通信速度を128kbpsに制限する代わりに定額料金が5985円で済む設定があるのですが、これと同じ設定はスマートフォンのテザリングでできるのかな。そのあたり言及したニュースサイトを見つけられなかったのですが、個人的にも128kbps通信はよく使っていて、Twitterやちょっとしたブラウジングくらいなら十分な通信なので、スマートフォンでもこの設定があるならちょっとは使うシーンが出てくるかも。

【追記】
やっぱしスマホテザリングは128kbps通信だめだそうです。スマホのテザリングはAP固定でSIMロック解除してもAP変えられないという話があったから予想はできてたけど、これじゃ携帯電話のアクセスポイントモードの方がいいなあ。

また、データ通信時に必要なAPN(Access Point Name)は固定のものしか利用できず、仮に端末のSIMロックを解除した場合でも固定のAPNしか受け付けないという。

スマートフォン7モデルがWi-Fiテザリングに対応 – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_446148.html

BlackBerry Bold 9780とXperia acro以外の7機種はテザリングをサポートしており、月額上限1万395円で、無線LAN対応機器を接続してインターネットの利用が可能だ(上限5985円の128K通信には対応しない)。

GALAXY S IIとXperia acroも登場:Android 2.3、テザリング、Xiルーター、Windows 7ケータイ——ドコモ、2011年夏モデル24機種を発表 – ITmedia プロフェッショナル モバイル
http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1105/16/news048.html

スマートフォン全体を見渡すとXperiaは相変わらず人気ありそうだなと思いつつつ、テザリングや防水に対応してないところで他の端末に持ってかれる可能性もあり。ハイスペック志向にはMEDIAS WPがよさげかもしれませんね。防水気にしないならSH-10Bのアップデートでいろいろ残念な色もついてしまったLynxブランドをかなぐりすててAQUOSブランドで投入してきたSH-12Cも人気でそうですが、モック触ってみたらかなり大きかったので女性には向かないかも。あとは今回の端末の中でもっとも「素直な」AndroidでもあるOptimus brightが台風の目になるかもなーというところであります。

で、今回のスマートフォンは華麗にスルーしつつ、待ちに待ってたのは富士通のヨコモーション新モデル。

裸眼3D表示に対応した防水ヨコモーション「F-09C」 – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445117.html

F905iの頃からヨコモーションに見せられ、F-09Aのスライドヨコモーションはほぼスペック的にパーフェクトだったんだけど、唯一iモードがつかいにくいのが難点だった。その後の端末でiモードの仕様は改善されたものの、次のスライドヨコモーション端末となったF-06Bは他メーカーとプラットフォームを統合した影響もあってややつかいづらく動作ももっさり目に。その後F-01Cでは「激速タッチパネル」を謳うほどの高速スペックが売りでしたが、個人的にもう二軸折りたたみは興味がわかなかったので、F-01Cクラスのハイスペックを持ちつつスライドヨコモーション形状を採用するであろう夏モデルはリリース前から期待しまくっていたのであります。

スペックを見ると3Dはあんまりいらないけれどコンテンツを表示できるという点であって損はなし。それ以上に気になるのはこの独自ブラウザです。

ブラウザは、iモードブラウザとiモードフルブラウザ(NetFront製)に加え、タッチ操作に最適化された「スマートブラウザ」を搭載する。スマートブラウザはWebKitをベースに富士通が独自で実装したフルブラウザとなっている。このほか、待受画面に手描きできるメモ機能なども搭載している。日本語入力は、扇形のフリック入力にも対応している。

携帯電話とスマートフォンにスペックの差はなく、大きく差が開くのはアプリ環境とブラウザだ、というのが持論だった私としましては、ドコモブラウザを独占しまくりスペック的にも成長がなかったACCESSのブラウザを離れ、しかもWebKitベースのブラウザが使えるというのはかなり興味津々。ほんと、携帯電話のブラウザがもうちょいスペック的にまともだったら、スマートフォン使わなくて済む人もいっぱいいただろうにねえ。ただこうやってやっとこさ携帯電話のブラウザに選択肢が生まれたことは素直に歓迎したいところ。WebKitベースの携帯電話ブラウザも実に楽しみであります。

カメラも高感度のノイズを改善し、HDRにも対応とちょっとおもしろそう。そしていまやなくてはならない存在となった指紋認証もきっちり対応し、安心の防水スペックという点で機種変更は確定。残念なのは赤がちと暗めでオシャレじゃなかったことですが、今回は久々シンプルなホワイトを狙いたいと思います。

そしてもう1つ今回の端末で注目していたXi対応ルータは2機種が発表。

大容量バッテリー搭載のXi対応モバイルWi-Fiルーター「L-09C」 – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445108.html

Xi対応のモバイルWi-Fiルーター「BF-01C」 – ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445102.html

個人的にXi初号機だったL-02Cは接続ソフトがかなり残念なデキだったことと、BF-01Cは今使っている光ポータブルの後継的なデザインで使い勝手も似ているだろうということからBF-01Cを狙う予定。バッテリーだけ考えるとL-09CがXiで6時間、BF-01Cが2時間でL-09Cが勝るんですが、バッテリーは外付けで多少は補えるし、4時間持てば十分かなあ。

ただ心配なのはキャンペーン。Xiの場合、2年縛りでも6510円とかなりお高めの値段で、しかもデータ容量が月5GBを超えると追加料金を取られるというプランなんですが、4月30日までは何GBまで使っても2年縛りで4935円、縛りなしで6405円というキャンペーンが展開されていたのです。

キャンペーン・イベント情報 : 「Xi」(クロッシィ)スタートキャンペーン | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/campaign_event/xi_start/index.html

まだXiのページ見ると上記キャンペーンのリンクが残ってるんですが、こういうキャンペーンがBF-01C発売時までに展開されるかどうか。キャンペーンなしだとちと手を出しにくい値段なのでちと日和るかも。まあ発売日はまだ先なので、月にどのくらいの容量を自分が使っているかをチェックしつつ様子を見たいと思います。

端末以外のサービスとしては、SH-13Cで対応した「おくだけ充電」の普及にも期待しつつ、ドコモがDLNAに力を入れると宣言したのはDLNA好きとして嬉しい限り。Bluetoothも最初は消えゆくような展開をたどりつつ、携帯電話の対応が進んだことで一気に普及したので、DLNAもそういう効果を期待したいところ。ただ、DLNAは細かくスペックが違いすぎていて、一口にDLNA対応といっても使い勝手全然ちがったりするところをドコモがどのくらい吸収してくれるかかな。DLNAで音楽聞いても1ファイルしか聞けず連続再生できなかったりすること考えると、プレイリスト対応だったりメディアプレーヤーとしてのDLNA対応、さらにはDTCP-IP対応なんて夢も見たいところですがさすがにDTCP-IPはスペック的に厳しいかな……。

端末的にはスマートフォンを充実させつつ、基本の携帯電話も拡充を怠らない。ドコモの売りである回線を利用したテザリングも展開し、隙のない発表だったのが今回のドコモという印象。一方、隙はないんだけれど「これだ!」という攻め材料にも欠けるかな、という印象も同時にあったりします。漏れ聞こえてくる内容だと翌日に予定されているauのスマートフォンはかなりぶっ飛んだモデルもあるようで、夏モデルはいろいろ楽しみですね。そして発表会やらない宣言したソフトバンクは、発表日そのものはいつになるのか気になるところであります。


NTTドコモの2011年夏モデル感想” への2件のフィードバック

  1. ?”むしろ気になるのは携帯電話だと使える128kbps設定。携帯電話のアクセスポイントモードでは、通信速度を128kbpsに制限する代わりに定額料金が5985円で済む設定があるのですが、これと同じ設定はスマートフォンのテザリングでできるのかな。”

    いつもBlog楽しく拝見しています。
    SIMfreeのWildfireですが3Gは128kのアクセスポイントを使っています。そしてデフォルトのHotSpot機能も問題なく使えています。また今の所、定額内で料金も納まっていますのでご安心下さい^^

    http://yokamachi.cocolog-nifty.com/android/2011/01/wildfirehotspot.html

  2. ?コメントありがとうございます。ただちょうどタイミングよくソース見つけたんですが、やっぱし今回のモデルは128kbpsだめだそうです……。

    WildfireのほうはAPどこでも設定できるけれど、今回の新ラインアップではテザリングのAPをドコモ固定にした上で128kbpsは対象外ってことなんでしょうね、残念ですorz

    ソースなどはもろもろ記事に追加しましたのでよろしければご確認くださいませ。

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