前回の作例エントリーに続き、今回はカメラの使い勝手を中心にエントリー。前に使っていたのが同じスライドヨコモーションのF-06Bということもあり、F-06Bと比較しながら進めていきたいと思います。
カメラ周りをエントリーする際に忘れてはいけないのがスライドヨコモーション機構。自分がスライドヨコモーションを愛用する理由の1つが、「カメラ撮影に便利」ということなのですが、F-09Cではその便利さが当然のことながら健在。折りたたみ型やスマートフォンなどは横長の写真を撮りたいときに本体を横に持つ必要があり、若干不安定な動作で撮影する必要があるのですが、ヨコモーションのF-09Cならキー部分をがっちり握って安定させたまま横長の写真が撮影できる。カメラの利用頻度が格段に高い自分としては非常にありがたい機構です。
カメラの起動速度もF-06Bと比べると非常に高速化されており、カメラボタンを押すと瞬時にカメラモードへ入るようになりました。ただし、今まで愛用していた「本体をヨコモーションにすると自動でカメラが立ち上がる」機能だと通常起動に比べて画面を横にした上でカメラ起動するためか起動速度が圧倒的に遅くなるのがちょっと残念かな。
YouTube – ?F-09Cカメラ起動速度??
機能面では大幅に強化されているF-09Cのカメラですが、使い勝手の面でもF-06Bから細かく改善されています。一方、F-06Bではできたことができなくなってたりもして、なかなか評価に悩ましいところです。
先に改善点で行くと、F-06Bでは縦と横で撮影できる画面サイズが別に設定できることもあって、ヨコモーションのカメラを回転させるたびに現在設定されている画面サイズがアラート表示され、実際にカメラで撮影するまで時間がかかっていました。F-09Cでは縦横の画面サイズが共通化されたこともあり、画面を回転させても画面サイズ表示が表示がなくなりました。カメラの起動速度も非常に上がっているので、以前よりも「撮りたい」時を逃すことが無くなっています。
F-06Bではヨコモーションにするたび表示されていた画面サイズ
メニュー周りも一新。全モデルでは「サブメニュー」「設定」とカメラ設定が2つにわかれていて、どこで設定していいかわかりにくかったのですが、F-09Cでは左上キーに「設定」がひとまとめになり、ホワイトバランスやアートカメラ機能、シーン別撮影といった撮影時に必要な機能が右上ソフトキーに「撮影効果」とまとめられ、その区別がだいぶわかりやすくなりました。撮影済み写真を一覧で見る場合も、F-06Bは「2」を押すという裏技的操作だったのが、F-09Cでは左下ソフトキーに「一覧」と表示され、こちらもわかりやすくなってます。
一方、F-06Bではカメラキー長押しでムービー撮影を起動するというショートカットが設定できたのですが、F-09Cではカメラキー長押しが利用できず、ムービー撮影を使うにはそこから「1」を押してショートカットするかメニューから選ぶ必要があります。動画撮りたいという時は結構愛用してた機能だったのだが……。
また、撮影済み画像をあらかじめ登録したメールアドレスへ簡単に投稿できる「メール/ブログ機能」も、以前は画像の一覧から利用できたのが、F-09Cでは画像を表示してからでないと利用できなくなりました。この機能は写真をTwitterやブログへ投稿するのに愛用してたのですが、できなくなったわけではないものの操作が一手多くなってしまい、複数の画像を連続して投稿したいときに若干不便に。今まであった機能が消されてしまうってのは謎仕様だな……。
また、これはF-06Bから変わらないのですが、画面タッチでフォーカスを合わせることはできるものの、そのままシャッターを切ることはできず、必ずボタンを押す必要があります。F-06Bより前のタッチパネル対応機種ではワンタッチでフォーカス合わせて写真撮影できており、タッチしたらその後は本体をきっちり固定しておくことで手ぶれをより少なくできて便利だったのですが、ワンタッチ撮影の機能復活しないのかなあ……。
カメラの画素数はF-06B、F-01Cの13メガピクセルからF-09Cでは16メガピクセルにスペックアップ。個人的にはあまりファイルサイズが大きい写真を撮らないのでピクセル数はほとんど気にしていなかったのですが、富士通担当の人に教えてもらった話によると、このスペックアップはヨコモーションならではのメリットもあるとのこと。
これはもうヨコモーションの宿命みたいなものですが、回転する液晶部分ではなく背面にカメラを搭載しているスライドヨコモーションでは、液晶を回転してもカメラが回転している訳ではありません。しかし、カメラのCMOSセンサー自体が縦に長い写真を撮る仕様になっているため、CMOSのサイズいっぱいまで写真を撮ろうとすると、どうしても縦長の写真しか撮ることができないという、ハードスペック的にどうしようもない課題があるのでした。
この課題はスライドヨコモーション前モデルのF-06Bも共通なのですが、ピクセル数アップにより違いが出たのがフルHDの動画撮影。F-06BはフルHD撮影の際に本体を横にする必要があったのが、F-09Cでは横モーションのままフルHDを撮影できるようになりました。動画は手ぶれを減らすためにも本体をしっかり固定しておきたいところなので、ヨコモーションで撮影できるようになったのはかなりありがたい。
F-06Bでは横向きにする必要があったフルHDもF-09CならヨコモーションでOK
ただ惜しむらくはフルHDでもまだフレームレートは24fpsとのこと。スペック的に難しいのかはわかりませんが動画は画面サイズよりもなめらかさのほうが重要なのと、フルHDは容量も相当大きくなってしまうのでメイン利用はHDのみになりそうです。
肝心のカメラ機能については作例エントリーをアップ済みなのでそちらをご参照いただきつつ。
F-06B、F-09C、T-01C、TF101カメラ作例比較 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2011/07/03/5858
今回のカメラ一番の注目点はさまざまな撮影効果が搭載されたこと。ジオラマ風やトイカメラ風、1色だけを強調して残りを白黒にするクロマキーなど、面白い写真がたくさん撮影できます。
たとえばこれは1カラーだけを取り出す[クロマキー」。赤だけを残してちょっとおしゃれな写真にしてみました。
カラーバランスを崩して不思議な発色にするクロスプロセス。なんだか異次元な写真が撮影できます。
一目でわかる魚眼レンズ。
以下は同じ場所を違うアートカメラで撮影しました。まずは普通のカメラ。
そしてこれが色合いをあざやかにするビビッド。
トイカメラは無駄に周りが黒くなるのがもったいないなー。
セピアは一気に大正時代の町並みに変身。
ダークは魔空空間に入ったかのような景色になりますなー。
と、かなり遊んでて楽しいアートカメラ。カメラの色合いだけだと若干白っぽさをかんじてしまうのですが、アートカメラの楽しさがそれを補ってあまりある状態です。
もう1つ忘れてはいけないのは3D撮影。カメラが1つしかないので静止画のみ、それも最初に1枚撮影したら本体を動かして2枚目を撮影するというアナログな手法ではありますが、3Dの飛び出し具合はかなり強めで、うまく撮影できるとニンテンドー3DSで撮影した写真よりも迫力があります。
1枚写真を撮ったらそのまま横に移動してもう1枚。体を並行に動かすのがポイント
とはいえ素人かつ1つのカメラで撮影した3Dには限界があるので、個人的には3D対応の待受画面や動画とかを配信してくれると嬉しいなあ。プリインストールされている3D動画はそうとう迫力があって見ていて楽しく、このクオリティなら3Dもいいな、って思うレベル。特にゲームと違って動画は本体を動かす必要がないので、誤って本体を揺らして3Dが見えにくくなるということもないので、今後3D対応の動画配信とかが充実するとよいなと思います。
ヨコモーションというカメラにとって使いやすい機構に加えて、さまざまな撮影効果が搭載されたことでカメラを使って遊びやすくもなったF-09C。色味が若干白っぽいところが個人的には気になるのですが、このあたりは個人差大きいと思うので実際の写真を見て判断してもらうのがよいかな。撮影後の写真もF-LINKのおかげで撮りやすくなっていることもあり、これからの写真撮影はF-09Cが活躍しそうです。
F-09C/F-12C 最新Fケータイブロガー徹底レビューまとめサイトへ