驚くほど簡単に高画質なライブ配信が実現できる「LiveShell PRO」レビュー

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

今年の2月から一緒にお仕事しておりますCerevoの新作「LiveShell PRO」が、発売延期を経ながらも無事に発売日を迎えることができました。いやしかしあれだな、世界規模のジャイアニズムって巻き込まれるとほんと大変だよな……。

PC不要でHD映像をライブ配信できる「LiveShell PRO」発売のお知らせ | Cerevoからのお知らせ
http://info-blog.cerevo.com/2012/11/13/167/

現行モデル「LiveShell」との最大の違いはそのクオリティ。動画はH.264、音声はAACを採用したことで720pのHDクオリティでライブ配信できるようになり、有名アーティストのライブ配信にも劣らないクオリティでの配信が可能になりました。

どのくらい高クオリティかというのは「百聞は一見に如かず」ということで、実際にLiveShell PROを使った動画をご覧いただくのが一番手っ取り早い。以下はLiveShell PROを利用して配信している秋葉原ライブカメラの映像です。


Video streaming by Ustream

そしてこちらはホリプロさんのお笑いライブで使っていただいたYouTube Liveの映像。ビデオで撮影した映像をアップロードしたではなく、実際にこの画質のままライブ配信されたもののアーカイブです。画質を720pに設定するとよりその画質が体感できるかも。

ただ、高画質もLiveShell PROのいいところなのですが、それにも負けないくらい魅力的なのが、設定や操作が非常に簡単なこと。自分でもLiveShell使う前にいろいろとUstreamは試してみたのですが、スマートフォンで簡単ライブ配信くらいならいいものの、ビデオカメラ使って本格的にやろうとするととたんに機材だったり知識が必要になるのですよね。

その点現行のLiveShellはもちろんLiveShell PROは、専門知識もさほど必要とせず、HDMI接続のカメラと十分な速度を確保したインターネット回線があれば誰でも高画質なライブ配信をできてしまう。難しいことをいかにわかりやすくするかというアプローチは個人的にとっても好きな方向性で、初心者にはハードルの高いライブ配信を手軽かつ高画質に実現してしまうLiveShell PROは、手前味噌ながら本当にすばらしいソリューションだと思います。

というわけで今回のエントリーは設定や操作方法を中心にご紹介。動画のクオリティは上記のUstreamやYouTube Liveでご体験いただきつつ、どれくらい簡単にLiveShellが利用できるのかということが少しでも伝われば幸いです。

前置き長くなりましたがこちらがLiveShell PROの外観。現行LiveShellと比べて長方形の筐体となり、電源も単3電池駆動から内蔵バッテリ−となりました。筐体もアルミ削り出しのシルバー感がPROっぽさを感じさせます。

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同梱品一覧。ACアダプタに設定用ケーブル、そしてmini-fullのHDMIです。

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内覧会で説明員をしていた時、「カタログでサイズ感がわからなかった」という声をちょこちょこいただいていたので大きさ比較。ニンテンドー3DSと幅はほぼほぼ一緒で若干厚みがある、というくらいですかね。

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改めまして前面の説明。左側のボタン類は左上が電源ボタン、それ以外のボタンは利用シーンに応じて機能が変わり、液晶ディスプレイに機能説明がでます。ただ、のちほど詳細に説明はしますが、LiveShell PROの操作は基本的にブラウザで行なうので、ここのボタン類は設定時を除けば電源投入くらいしか使うことは無いかも。右側にはマイクイン端子のほか、新たに搭載したモニター出力端子を搭載しています。

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こちらが背面。左からHDMI、コンポジット入力、無線LANアダプタ、有線LANポート、電源です。無線LANアダプタはわかる人だとわかるロゴマークですな。

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角度を変えて上から見たところ。無線LANアダプタは標準で同梱しますが、USB部分はぴったり装着されて隙間がない構造になっており、飛び出ている分不安定に見えますが実際はかなり安定しています。

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■LiveShell PROの初期設定(有線LANの場合)

外観はこのくらいにしていよいよ実際にセットアップの儀。まずはACアダプタとネットワークを接続します。有線LANでなく無線LANを利用する場合はACアダプタのみでOK。ただし、画質や通信の安定度を考えるとやはり無線LANよりも有線LANのほうがオススメなので、今回はひとまず有線LANを接続した場合で設定を行ないます。

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続きましてHDMIケーブルの装着。ケーブルはL字型で上に伸びているので取り回しやすく、隣のコンポジット端子にも影響を与えません。

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なお、映像は720pで配信できるLiveShell PROですが、ビデオカメラからの映像は1080iまで受けることができます。カメラ側の出力が1080pになっていると配信できないのですが、通常はビデオカメラのHDMIが自動認識になっているのでほとんど問題は無いかな。映像がなんかおかしいとおもったらビデオカメラ側が1080pになっていないか確認してみてください。

各種ケーブル類を接続したらLiveShell PROの電源をオン。初回のみ言語設定を行なうので、下部のボタンで日本語か英語を選択し、右上の指マークで決定します。

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するとLiveShell PROが自動でネットワーク接続を認識、有線LANの場合は下記のPINコードを表示します。これは後で使うので、続けてPCないしはスマートフォンを使い、LiveShell PRO用の会員登録へ。

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LiveShell PROは本体のボタン操作だけでなくCerevoのWebサービスを経由して操作できる仕組みになっており、インターネット接続環境があれば遠隔地からも設定の変更や操作が可能なのが特徴。そしてLiveShell PRO管理のために提供しているサービスの名称が「Dashboard」です。まあ名称というかダッシュボードなんですけども。

LiveShell Dashboard
https://shell.cerevo.com/

DashboardはLiveShell PROサイトの画面上にある「ログイン」からアクセス。

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こちらがログイン画面。新規登録はメールアドレスとパスワードのみで可能ですが、Facebookアカウントを持っている人はFacebookログインでも利用できます。FacebookでログインしたからってFacebookウォールに投稿されたり、Facebookアカウントが何かに使われるということはないのでご安心を。単にDashboardのアカウントを作成するためなのでお気軽にご利用ください。

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ログインしたら次に利用するLiveShellを現行モデルかPROか選択。これ、いままでのLiveShell使ってた人にはちょっと新鮮な画面かもね。

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続いて利用するサービスを選択。対応サービスはUstreamのほかにニコニコ生放送、YouTube Liveなど幅広いですが、まずは一番手軽なUstreamで設定します。

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Ustreamを選んだらIDとパスワードでログイン。ここは誤解されやすいのですが、LiveShellからはUstreamそのもののアカウントを新規登録したり、Ustreamの番組名称や設定を行なうことはできません。あくまですでに作成されているUstream番組を手軽かつ高画質に配信するためのものなので、Ustream側の設定は別途行なっておいてください。

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ログインしたらUstreamで配信したい番組を選択した上で、インターネット接続の方法を選択。これもあまりUstream慣れしていない人は知らなかったりするのですが、Ustreamは1つのユーザーIDで複数の番組を作れるのですね。言ってみればユーザーIDがフジテレビみたいな放送局で、そのIDでいくつも番組を放送できる、ってところかな。

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ネットワークに有線LANを選択すると、やっとこさPINコードの入力画面が現れるので、LiveShell PROのディスプレイに表示されている数字を入力して「OK」をクリック。

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そうするとDashboardのアカウントと利用するLiveShell PROの同期が自動で始まり……

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Ustreamにも自動で接続し……

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Dashboardの表示も自動で切り替わって配信開始! HDMIケーブルにビデオカメラが接続されていれば、この状態ですぐにライブ配信を始められます。いやー、手軽すなー。

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■LiveShell PROの初期設定(無線LANの場合)

無線LANの場合、電源を入れると有線LANが接続されていないことをLiveShellが自動で認識し、PINコード表示ではなく「初期登録待受中」という画面が液晶ディスプレイに表示されます。

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ログインなどの操作は有線LANと同じなので割愛しつつ、ネットワーク接続に無線LANを選択すると、SSIDとパスワードの入力画面が表示されるので、接続したい無線LANアクセスポイントの情報を入力。

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「OK」を押すと設定ケーブルをPCのマイク端子とLiveShell PROのマイク端子に接続するよう表示されます。これ、何をやっているかというと先ほど入力した無線LANの設定を音で送っているんですな。小さな液晶ディスプレイでちまちま文字入力するよりいっそのことPCで入力してしまえ、という大胆は発想です。

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というわけで実際にケーブルで接続し、PCの音をオンにして再生ボタンをクリック。ちなみにこのとき他に音が出るアプリケーションが起動していると、設定音が正しく認識されないので気をつけましょう。私はこの間それでハマりました……。

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無事に設定が転送されたらLiveShell PROが自動でDashboardに接続するのは有線LANと同じ。1回設定をしてしまえばその設定は保存されるので、同じネットワークを使うときは再度設定する必要もありません。このお手軽さと設定のおもしろさは一度ぜひ体験して欲しいところです。

■LiveShell PROの機能

前述の通り、LiveShell PROの操作はブラウザから可能になっているだけでなく、グラフィカルなWebサイトを利用することで端末を直接操作するよりわかりやすい画面構成になっています。

こちらは配信時の基本設定。右側の「SCENE」から現在の回線速度を選ぶだけで最適な設定に切り替わります。通信速度は画面下部にも表示されているので、それを見ながら切り替えるといいでしょう。

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こちらはボリューム設定。本体を操作すること無くブラウザから自由自在に設定できます。

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アスペクト比も変更可能。まあこれはHDMIでつなげば基本は自動でやってくれるのであんまり使わないかな。

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簡易的ながらテロップや画像を入れたりする機能も搭載。表示したい文字を入力して位置を選ぶと……

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こんなかんじでプレビューできます。テロップはドラッグ&ドロップで移動したり、フォントサイズやフォント、文字色、背景色のカスタマイズも可能。簡易的ながら実用には十分な機能が備わっています。

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テロップを実際に反映したところ。カメラに写っている人の人物名を紹介したり、テーマを常に表示しておく、なんて使い方が便利ですかね。

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配信の知識を持っている持っている人の上級者向け設定も用意。画面上部の「CUSTOM」を選択すると、動画のビットレートやフレームレート、音声のサンプリングレートなんかもかなり細かくいじれます。

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ここまでの操作はPCで行ないましたが、ブラウザ経由でアクセスするDashboardはスマートフォンやタブレットからも操作可能。本体のバージョンアップもブラウザで手軽に更新でき、アップデートは配信が終わって電源を切る時にそっと行なうという、何度も再起動を要求してくるWindows Updateよ見習いたまえというような仕様になっております。

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ちなみに私はLiveShell用として、ソニー製GoProとの呼び声も高いビデオカメラ「HDR-AS15」を購入し、かなりフットワークの軽いライブ配信体制を構築。HDR-AS15はライブ配信的な使い方を考えるとかなり残念な仕様なので諸手を挙げてオススメはできないのですが、それでもこの小ささはかなりの魅力。HDR-AS15についてはまた別途エントリーしたいところです。

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以前のLiveShellと比べて画質が圧倒的に向上したLiveShell PRO。画質の向上はH.264を使っていることもあって、通信速度がさほど出ない環境でも以前のLiveShellより圧倒的にいい画質で配信できます。以前のモデルも自腹で購入しているのですが、いろんなところでLiveShell PROのデモしてたらこの画質に慣れちゃってもう戻れなそう。ほとぼり冷めた頃に自分用のも購入しようかな……。

LiveShell PRO(ライブシェル プロ) – PC不要でHD映像を配信できる、プロ仕様の小型ライブ映像配信機
http://static-shell.cerevo.com/pro/ja/index.html


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