ブログが失ったコミュニケーション、そして残ったコミュニケーション

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

たつをさんのブログで面白い言及があったのですかさずエントリー。

昔のブログ論壇でよく語られていた「ブログの本質はコミュニケーションだ」という話はさっぱり消えてしまったね。結局、ブログの本質は「残る」ということで「コミュニケーション」は無関係。SNSの登場でコミュニケーションはブログの本質ではないと分かったわけで。

[を] 「ブログ論的なテーマによる最後のお祭り」なのかどうか分かりませんがブロガーサミットに行ってきましたよ
http://chalow.net/2013-08-24-2.html

半分同意というか、SNSの登場でブログコミュニケーションが大きく変わったなあと思うところはあります。というかブログ黎明期ってそもそもTwitterもなければFacebookもさほど国内ではやっていなくて、本来は本質ではなかったコミュニケーションをブログが代わりに担っていたところはあるかなあと。ブログの裏でmixiはありましたが、あれはmixi日記としてブログとは完全に切り離れた世界。ブログ連携機能はあるけどそれは単なる外部リンクで、ブログに対してmixiでコメントするなんてことはできなかったので。

それに対してTwitterの登場でブログよりもライトなコミュニケーションがオープンに可能になりつつ、ブログに対する言及もTwitterで簡単に行なわれるようになった。トラックバックによるコミュニケーションはスパムの影響もあるけれど、Twitterの登場も結構大きな要因ではないかと思います。

そしてクローズドSNSであるFacebookも、外のサイト情報を持ってくる点ではmixiよりも遙かにオープン。友達同士でサイトに対するコメントをつけたり反論や同意の文章書いてみたりというのもFacebookで簡単に連携できるようになったことで、ブログが担っていたコミュニケーション部分はすっかりこうしたSNSに譲り渡したなあという感はあります。

とはいえこれからが本題だけど、失ったコミュニケーションもある一方、まだまだブログでしかできないコミュニケーションもあるなあと。その好例ははてな界隈でにわかに巻き起こった「うちらの世界」に関するエントリー群です。

「うちら」の世界 – 24時間残念営業
http://lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com/entry/2013/08/06/155425

冷蔵庫に入って写真撮ったりしてしまう人たちを「うちらの世界」という言い得て妙なフレーズで説明したことでにわかに巻き起こった言論ワールド。かなりマッチョなコミュニケーションではありますが、これこそがTwitterやFacebookの登場によって荷を下ろしていったブログが持つ、ブログならではのコミュニケーションなんじゃないかなあと。

ただこのコミュニケーションは、FacebookやTwitterのようにシステム化されていないので、いろんなところで巻き起こる議論がきちんと系譜として残らない。誰かが手動でまとめないとせっかくの議論やコミュニケーションも埋没してしまいます。

サイトに言及するという点でソーシャルブックマークも実はTwitterにその要素を奪われているところがありますが、それでもはてなブックマークがコミュニケーションの場として今もなお稼働しているのは、1つのサイトに対するコメントをシステム的に統合して視覚化しているところだなあと。ブログの議論も同じようにうまいことコミュニケーションの流れをまとめられるような仕組みやシステムがあったら、まだまだブログのコミュニケーションはもりあがるんじゃなかろうかと思いました。

そういう意味でもトラックバックに寄せていた期待は大きかったのですが、現状はもう死に絶えた技術になりかけているのが残念。あの頃トラックバックで意見送りあったのは楽しかったなあというのは単なる懐古主義というだけではなくて、あのトラックバックでこそ生まれた議論のやり取りもあっただけに、このソーシャル時代に適したトラックバックのような存在があったらなーと思う次第であります。


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