「失敗カンファレンス」とって出しレポート

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

今日もとって出してくよー。

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写真はあとでまとめていれたのでこれにて修了。

■登壇者

シックス・アパート関さん

NHN Japan 佐々木さん(sasakill)

アクセルマーク 尾下さん

サイドフィード 赤松さん

ギズモード・ジャパン 清田さん

モデレータはゼロスタート山崎さん

かんさいさん

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ベンチャーブーム
成功した例はあるけど失敗した例って耳にはいってこない
そういうの話してくれる人を
釣りみたいなかんじで行ってみたら反応してくれるひとがいた

これまでの失敗振り返るのもあるけど
出てくれる人はそれを踏まえてチャレンジもしている
それを学んでなにをするか、前向きな場にしたい
そういうこと共有できたらいい

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1つだけルール
オフレコ札が出たらその内容はかかないように

■パネラー自己紹介

いちるさん

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自己紹介
シックス・アパートとギズモードで働いている
前職ニフティ

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本日の発言はすべて個人
会社の発言ではない

今日はニフティの話ばかり

まずはデリポップ

@niftyメッセンジャー デリポップ ホームページ
http://www.nifty.com/delipop/

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当時はメッセンジャー戦国時代
この世の中に勝て

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今は終了
絵本が12万部くらい、そこそこ売れた

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トーくん

トーくんトップページ
http://www.nifty.com/talkun/

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ブログパーツ
有料サービス
人口無能

広告不況でなんとか収益を

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3つ目
マ・ラソン

Welcome マ・ラソン)
http://www.nifty.com/marason/

まったくオリジナルなサービスをやりたいが上司を説得できないという社員の情熱
社員がかわるがわるコラムを書く

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背景
新しいことやりたい
上司はよくわからないけどやってみろ
世界を変えろ!

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これも終了
ただコンセプトは引き継がれて
デイリーポータルZが大成功
魂としては良かった

Gumroadくさい失敗とかいろいろあるけど
成功もある
ココログ、ギズモード、Zenbackなど、

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詳細はパネルにて

■赤松さん

サイドフィードとモイの赤松です
赤松さんは基本オフレコ

■アクセルマーク 尾下さん

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98年に第2電電入社
通信が本当に面白いとき
イリジウムの立ち上げとかKDDIの0078とか
2年でやめてベンチャー創業
3年半やってYahoo!に売却成功

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成功とか書いたけど成功してない
親からの借金500万とつっこんで600万で売却
税金払って80万が残る
もうベンチャーつかれたな
でもそこそこの規模の企業で働いていたけど
組織では活躍できない
誰かがやってくれる組織はだめだ
ダメ社員でよくトイレで寝ていた
ベンチャーにかかわりたいけどド真ん中じゃないということでベンチャー支援
途中でエフルート支援
どんどんおもしろくなってエフルートに転籍
社長になって
創業者が辞めてしまって乗っ取ったといわれる
アクセルマークと合併、ここも創業者がやめて乗っ取ったといわれる
次は親会社のセプテーニいつ乗っ取るんだといわれるけどそんな気はない

エフルートはもともと検索エンジンだけど儲からなくて携帯コンテンツ
今は携帯の公式コンテンツ儲からないのでソーシャルアプリの開発
割と失敗手前で回避して次に向かうスキルがこの10年で身に付いたかな

■NHN 佐々木さん

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nowaというライブドアが提供していたサービスについて
そろそろ話していいんじゃないか
あんまり冗談じゃなくて
3月にサービス終了したので今年でちょうど3年
nowaが人間だったら三周忌

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2006年に構想を発表

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ライブドア事件があって虚業と言われた頃
技術のライブドアというためのフラッグシップ的な旗揚げ
旗揚げ者もすぐいなくなり
ディレクターだった佐々木さんが引き継いだ

ライブドアブログは中からみると欠点ばかりに見える
ユーザー増えてトラフィック増えたのにお金にならない
サイトの構造的に欠陥あるんじゃないか
それ解決したらいいんじゃないかと今思えば安易に考えたのがnowa

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いわゆるブログサービス
Twitterのような一言サービスやレビュー投稿、いいねなど

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nowaの狙い
今で言うとソーシャルグラフに憧れたり
コトノハのレビュー、インタレストグラフ集めたらどうなる
ポイントによるモチベーションによるゲーミフィケーションなど

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話すと長いのでNAVERまとめにまとめておいた
よかったらみておいてね

2012年に「nowa」を振り返る – NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133154093236487801

シックス・アパート関

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旧サービスVoxのご紹介

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シックス・アパートの紹介
前半部分
増資したりいろいろやってた
この時期が楽しかった
2006年6月にVox発表
10月に正式サービス

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当時はTechCrunchもべたぼめ

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グローバルの会社、200人の会社で4サービスを抱えた

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後で考えると失敗
製品がありすぎてエンジニアもいっぱい、さらにグローバルにわかれている
200人なのにわけわからない組織

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いまだと予想できるけれど、当時はいいやがんばれ
みんな期待しているから
リソースを全部Voxにいれよう
エンジニアだけで30人くらい投入
かわりにMTやTPはエンジニアが1人や2人になった

会員制SNSよりブログのほうがマーケティングにいいなんて話をしていた

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今までのブログの問題点を解決するのがVox
簡単、プライバシー維持、マルチメディアを旗印に4つ目のブログサービス

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どんなサービスか

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VoxとTypePadのアーキテクチャ統一できる
全然そんなことなかった

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2007年のCESでXacti meets VOXというプレゼン
今考えるとXactiもいない
今考えると1つの頂点

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2年間で60万ユーザー

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同じ期間にLivejournalは1200万から1400万に
LJに力入れていればと思ったけど後の祭り

2010年10月にサービス終了

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そうすると会社どうなる?
CEO交代、LiveJournal売却、レイオフなど
気がつけばヨーロッパ法人はMBOされ
日本も法人株がインフォコムに

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教訓
選択と集中ができなかった
製品を4つだして、次の製品は進化版出しているのに古いものも残している
結局4製品で手がいっぱい

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海外的にみると日本法人を売却せざるを得ない
失敗してよかったところもあるが
失敗しなくていい部分もあった

ベンチャーは1つのサービスに集中すべき

■パネルディスカッションタイム

イリジウムについて
尾下さん

衛星電話 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E6%98%9F%E9%9B%BB%E8%A9%B1#.E3.82.A4.E3.83.AA.E3.82.B8.E3.82.A6.E3.83.A0

僕がそれほどかかわっていたわけではないが
郵政省との折衝担当
当時は認可制ビジネス
新しいサービスやろうとすると分厚い書類持っていくのが僕の仕事
そのときまいったのが
最低でも1カ月前に届け出して郵政省の許可を得て告知期間が必要
イリジウムはチャプター11が適用されて、2週間後に電池きるよっていわれた
郵政省にお願い
日本ってユーザーが少なくても使っている人がいる以上最後までクロージングして撤退戦をきれいに戦おう
向こうは失敗って決めたらすぐ閉じたいというマインド
失敗に対するマインドとアクションが違うなとおもった

イリジウムは一言でニーズなかったのでは
えらいでかい
電池が持って8時間
世界中どこでもと言っても地下や建物の陰だと使えない
構想自体は壮大だったけどマーケットとずれていた

いちる
当時の雑誌で読んだ
イリジウムがはやると各国のキャリアが儲からないので邪魔をしたという話をきいたことがある

尾下
通信はどこの国でも政府と密接
国の方針と合わないと、イリジウムもって国境越えるとつかまることも
いろいろな意味で早かった

山崎
いくらやらかした?

尾下
負債は101億円

山崎
nowaの話について

佐々木
今でも検索するとnowaの記事が出てくる
全部いりブログみたいな感じ
確実に皮肉
Twitterぽい、Tumblrっぽい
当時VoxがCometというプロジェクトで出ていて
我々も触っていた

SixApartのCometがVoxと名を変えて6月1日にローンチ
http://jp.techcrunch.com/archives/sixapart-to-launch-comet-renamed-vox-on-june-1/

似ていると言われたが
真似してるというよりブログに対して同じ問題意識を持っていた
同じアプローチに触発された

なんでそう思ったか
冒頭も話したがブログはもうかりずらい、コントロールしにくい
mixiは流行語大賞とってmixi日記ふくめ
すごい数のユーザーがクローズドなところで日記書いている
ブログサービス運営者としてあせった
どうすればいいのか
ライブドアブログの反省から考えた

当時スマートフォンなかった
ガラケーで使うと面白かったが
タイミングが早かった
立ち上げ意図とは似ているので関さんにバトン

関さん
LiveJournalを買収
Facebookが最初に書いてたのがLiveJournal

SNSっぽいブログ
プライバシー機能が異常に強い
ファウンダーに聞いたら「親に見られたくないから友達にだけ見せる」
これをTypePadに入れたらいいのでは
TypePadは有料版だけだったのでユーザーが真剣だった
もっとカジュアルに、お母さんも使えるようなサービスに
それで作ったのがVOX

担当ではなかったので、いいなすごい予算使ってと思っていた
自分自身もヘビーユーザー
うまくいったらすごいと思っていたが
4つ目のサービスやるなら別の事業スピンアウトしたらいいんじゃないのという話もあり
VOX担当のエンジニアは楽しいけど他の担当は2人でやってるから残業だらけとか
nowaも同じような話があったが
1つのサービスに集中することで社内の空気が悪くなる

佐々木
モチベーションどうなのかという話
2006年のライブドア
残ったスタッフのモチベーション
社名とサービスが同一化した会社よりも
いくつものサービスを出していく会社
いつか自分のサービスでデビューしたい
ジャニーズの嵐やSMAPのようにいつかデビューできるのじゃないか
ジャニーズJrみたいな集団
それが4人、デザイナー、エンジニア、企画、マークアップで組んで
これはいいというものを作る
マーケッターがいない
インディーズバンドのリビドーみたい
モチベーションは最高に高い
それが流行らなくてサービス終了のとき
ジャニーズはいろんなマーケットや企画がいただろう
でもあとで考えるとブサイクとか歌が下手とかいわれる
中の人はいろんな要素があるのに、自分の歌や顔が避難されると思っちゃう
俺がいいと思うものを作ったのにだめだったら俺がだめみたい

赤松
大人の事情でnowaに機能を足さないといけないとかはなかった?

佐々木
そういう大人がいなくなったのが2006年のライブドア
大人が言っていると現場は受け止めているけれど実際にはお兄ちゃんレベル
決裁権を持っているというより現場の人
ジャニーズのメンバーがどんな歌い方したいとか自分で決めていたかんじ

山崎
補足しておく
2005年まではマーケターがいた
堀江さんが1人マーケター
その人がいなくなってチームだけが残った
結果的に佐々木さんがいうみたいになった

山崎
過去の自分にアドバイスするなら?

佐々木

1つ言えるのはモバイル版サービスだしたときにユーザー増やしたくてドコモ対応
それで外部リンク禁止
かなりきついルールが適用されてコメントが自由に書けないとか
PCで付けたコメントがモバイルで見えないとか
URLがみえないとか
それを回避するのに無駄な時間

携帯電話にも対応し、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの携帯電話からPCとほぼ同等の機能が利用できるという。「ナニシテル?」も携帯電話から利用可能で、「携帯電話で『ナニシテル?』を使うと、まさにチャットの感覚でリアルタイムコミュニケーションが楽しめる」と説明。今後は「ナニシテル?」へ携帯電話の位置情報を投稿できる機能や、メッセンジャーソフトのプレゼンスを反映できる機能などもサポート予定とした。

ライブドアの新ブログ「PRAC」、「nowa」の名称で5月末にサービス開始
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/18030.html

山崎
それは意地悪な言い方すると外部要因
内部要因、自分たちがどうすればいいのかという点では?

いちる
当時PCとケータイのPVは?

佐々木
やっぱりPCが多かった。
そういう事情があったのでケータイのびなかった
スマートフォンとかドコモじゃない入口があればよかったのに

山崎
ライブドアとnowaのユニークユーザー数は?

佐々木
ライブドアは2000万くらい
nowaは100万

山崎
立ち上げに失敗した?

佐々木
当時の時分へのアドバイス思い出した
記憶封印しているものですね

ライブドアという名前に愛憎あわせもっていた
僕は自分の会社のブランドを好きになる
ああいう事件でブランドイメージが地に落ちた
新サービスどうするというときに
いろんな選択肢があったが
ライブドアというブランドを捨ててゼロからのブランドでスタートした
ブランドマーケッターからすると初歩の初歩の間違いだろう
ライブドア使うべきだった
知名度高いけど好感度低いものは一気に好感度高くなることもできる
誰も知らないブランドでマーケティング勝負しようとしてしまった
ライブドアというサービスだとそこそこ反響があるということにきがついていなかった
はじめてまっさらなサービスやったときの反響で
ライブドアの名前でゲタを履いていたのだなと気がつかされた

山崎
パネラーでnowaが失敗だったとおもったひとは?

赤松
特徴がないこと
全部入れたことで特徴がない

山崎
nowaが立ち上がったのは自分がライブドア離れた直後(※山崎さんはもとライブドア)
内輪っぽくみえていた
僕の場合は色眼鏡かかっているけど

尾下
携帯の話は象徴的
モバイルとPCの断絶があった
どっちをコアユーザーに取り込むか
あの当時に携帯に対応しちゃうのは逆効果だったかも

山崎
VOXは?


海外が盛り上がっている感じ
日本はちょっと引いていた
日本への携帯対応は日本にスタッフがいない
QAできなくて本番環境でQAとか
アメリカ国内での楽しさは日本に持ってきても伝わらない

あとは
VOXというサービスはシックス・アパートのファウンダーであるミナ・トロットが
これを作る1年前にCEO降りてプレジデントに
もともとWebデザイナーなのでVOXのデザインしていた
会社の組織としてはいろんなマネージャーがいたが
ファウンダーが嫌というとその機能が入らない
組織上はえらくないけどファウンダーだから
彼女の意思でだめになるということをわかっていて
機能をこっそり外したりしている
当時のCEOも強くそれを言えない
そういうことをよくいっていた
現場が作りたい、面白いという機能に対して創業者の同調圧力
うまくいけばそれでいいとおもっていたけど
うまくいかないときに踏み込んだことがいえない
VOXがだめだという風になった時にCEOが変わり
新しいCEOになったらファウンダーが週1回しかこなくて会社の雰囲気がかわった

山崎
nowaと違って失敗はチームの要因だった?

佐々木
モチベーション高いのは最初だけ
ユーザーの支持がないと
お客さんのいないステージで歌うのはつらい

赤松さん
VOXはきれいにまとまっていて悪いサービスじゃないが
ソーシャルサービスの中でブログのつながりを自分(赤松さん)が理解していなかった
サービスとして悪くなったが
MTとかTPある中での位置づけ難しかったでは

開発者としてはnowaのほうが愛がこもっているので愛せる
ライブドアのブランドとかいうより
ほんとにちょっとしたところ
最初にコアなユーザーを引っ張ってきて、その人に他の人を引っ張らせるか

関さん
最初だめでもなんとかなるかとおもったがだめだった
1つ思うのは
ファウンダーがすごいコントロールしていたという話をしていたが
ミナはあまりソーシャルじゃなかった
そんなに多くない人と友達関係を密にしたいタイプ
アメリカのソーシャルの人は知らない人でも友達にする
その魂がこもっている
ミナはちょっとした仲のいい人と上質な会話を楽しみたい
VOXは選んだサービスしか使えない
Flickrはいいけどほかはだめとか
そういうコミュニケーションがサービスにマッピングされている
そういうところでVOXは広くリーチしたかったのに
プロダクトオーナーはリーチしたくなかったというのが違い

山崎さん
シックス・アパートの中はどうだった?

いちるさん
VOXと同時にTwitterがでてきた
API使ってなんでもできた
VOXは閉じたサービス

関さん
APIは公開していない
親しい人に教えるだけ

いちる
時代の変わり目だった
MTは企業に採用されて洗練されていった

山崎さん
会社の空気としてソーシャルみんな好きでアーリーでありたいというかんじだったのか

いちる
企業に使われるCMSにするにはどうするというかんじだった

山崎さん
nowaとVOXのライバルは?

佐々木さん
ミニブログと比較されたけど
中の人はソーシャル大好き
そういうサービスを作りたいと思っている
フレパとかもあった
終了するときにコンプレックスをこじらせた
もうソーシャルには手を出さないとか思って3年間すごしてきたが
本当はすごくやりたかったというのを最近きづくようになった
NHN統合されてLINEというソーシャルネットワークができた
引きこもりのお兄ちゃんにかわいい妹が同居してきたみたいな

関さん
国内ではmixiがライバル
海外ではFacebookが立ち上がったところ
無いマーケットを取りにいく
海外ではSNSが若い人のサービス
これからは親にも使ってもらえるサービスに
グローバルとは違ってたのでは

赤松さんの話
開発者の人って企業の中でうもれていたくない
自分の魂入れるサービスを使いたい
自分のオリジナルのものを作りたくなる
そこに大きな罠が潜んでいる
作ったサービスに愛着はあるが
エンドユーザー見てない感はある
コアユーザー集めておしまいになる

正直マーケットみていない
企業でちゃんとやっているとマーケットを見る
そこに問題があると俺が作るというサービスがあふれている
それはそれで存在意義がある
それで食っていくのはなかなか大変
私の後をついてこないでください

山崎
おもしろいのは全員共通してマーケットという単語が出てくる

いちる
失敗カンファレンスで成功の話しても仕方ないが
TwitterもFacebookも開発者のモチベーション
そこにマーケットを見る人が入ってきて大きくなる
開発者がモチベーションだけで作るのは王道ではないか

赤松
そうかもしれない

いちる
ニフティ時代の話
ニフティはインターネットがはやる前にパソコン通信で一時代を築いた
※以下オフレコ

尾下さん
エフルートの失敗談
エフルートじゃないけどDDI作ってすぐに作った会社
2000年にカメラ付きケータイが出始めのとき
その当時まだKDDIはパシャパを出した

携帯電話機向けデジタルカメラ「PashaPa(パシャパ)」、文字入力ツール「イージーパレット」の発売について
http://www.kddi.com/corporate/news_release/kako/2000/0928/index2.html

失敗って儲からなかったとかが理由の九分九厘だと思うが
パシャパでホムペはすごい儲かった
月額200円で3日で3万人
これはすごい儲かるとウハウハ
ネットのリテラシーも全然低かったのですごいエロとグロと犯罪予告個人情報
警察やキャリアにも呼び出され
監視しなきゃいけなくて日がな一日監視
それを24時間していたら心折れた
6人の会社なのでもういいや

山崎
失敗だった? もうかったから引き際?

尾下
あのときは「疲れた」。心が折れた
正直特にコンシュマ向けのサービスは気合というか覚悟というか
どういう風にもっていくかという青写真が必要
いくらのサービスにしてどうしたかったかを考えてなかった

山崎
これをやったら失敗するという話を会場に向けて

関さん
いやいややるのがよくない
納得してないのに金儲かりそうだとかいうのがよくない

山崎
それは両方上の人と意識があってない点が共通?

関さん
グローバルで見ると自分は中間管理職
VOXも中でこれはいけるぞ、という人がもっといたらよかったのかな

佐々木さん
このイベントに出るにあたって
失敗の定義とかを考えたが
すでに終了しているので失敗は失敗
それを終了させた目的
選択と集中
そのぶんのリソースでライブドアのコアに集中した
そこまでスコープにいれるとうまくいっている
それをみたら成功と言えなくもない

nowaがサービス終了、何人ものエンジニアがいた
それを止めずにもっとやれたら
いくつもサービスをやっていたが3つくらいに絞ってもっとやっていたら
成功していたのかも
nowaでクローズドあきらめずにもっとやってもよかった
スコープの仕方によって異なる

尾下さん
お2人と位相を変えたところで
Webサービスで失敗から学んだのは
ユーザーの導線
そこが甘いと間違いなく失敗する
携帯公式コンテンツをなにか立ち上げろというミッション
英語のコンテンツを立ち上げようとした
当然ながら人も来ない
公式サイト乗せただけで2週間で150人
3か月でとじた
ユーザーが来てさえくれればやりようがある
やっぱり導線をしっかり設計していくことが大事

赤松さん
人生全力で打ち込めることがあれば
それがどう転んでも幸せ

いちる
個人がWebサービスディレクターとしてのマイルールにしていること
だめだったらすぐやめる
基本はしつこくて好きだったらずっとやる性格
だからかもしれないけど
1年か1年半やってみてだめだったら
ここちょっとこうしたらいいのに、みたいなくらいのところで止めるのがいい
株やってて気がついた損切りみたいなかんじ

山崎
その意見は佐々木さんと真っ向から対立?

いちる
佐々木さんの話はスコープ変えると自分のそばに成功があるかもしれないという話
僕の話は例えそうだったとしても、それは幻想ですと思っている
それは僕の個人のルール
もっとリソース集中すべきだから名残惜しいくらいでやめたほうがいい

山崎
一部の超成功事例にひきずられると失敗するのでは

佐々木
言いたかったことをうまく言えなくて悩んでたけどわかった
当時はやめさせられる側
今はやめさせる側
そういうことを決断するとリソース集中できて伸びているような錯覚に陥る
リソース集中したら伸びるの当然
自分を戒めるためには
もっとすぐれた経営者がいてもっと他にもリソースかけられたらよかったのでは、というもう一人の自分と比較しないといけないのでは
選択と集中を選ぶのは楽

いちるさん
リソースつっこんだら成功する確率があるというが
VOXはリソースを大量につっこんだ


成功の基準が違ったら成功と言えるのでは
ユーザー数とか売上とか以外にも成功の基準はある
VOXもそのビジネスモデルじゃなかったらいえたのでは
でも人からお金を預かって経営している立場からすると
選択と集中をすることが確かにお金を儲ける最短ルートの1つなんだろうな

昔の話ですが2002年にVCがパネルディスカッションしていて
会場からの質問で
「会社が2001年くらいにコスト削減して赤字が止まった状況になったがファンド側からこれから伸びそうもないので解散しろと言われた。自分は生活かけてやったし赤字出してないし、生活かけてまでやりたかったのになぜやめなきゃいけないんだ」と言われたことがあった
サービスを継続することが目的だったらよかったけど外部からお金入れた以上そうなってしまう
会社として運営する以上そういう側面はある
個人のやりがいとかがそこに一致しない場面がある

山崎
ステイクホルダーを見誤ると失敗するというのは当たり前
息があったら成功というのは線引きがあまくなるかも
楽天みたいなすごい会社が新しいことやるのは採用とか考えてもそれでいい
でも会社が儲かってないと

赤松さん
関さんのいうことすごいわかる
ただ、人の人生も一緒だが
死に方がどうとか関係なくてどういう生き方かが重要
どう終わったかではなくて成長過程が重要
ライフサイクルはあって長い短いはある
そこに成功の基準を作れて、チェックポイントを何回かクリアしていく
いつかどんなサービスも死ぬ
終わり方だけ見るのは微妙かな

山崎さん
失敗した時の心構えは? 失敗したらどうするか

関さん
もうやめますという話
VOXは30日でやめた
その間のモチベーションが大変
ユーザーからするとデータ移行しろとか言われる
やってるほうからするともう終わるサービスの最後の手じまいはモチベーション上がらない
エクスポーターもCTOが作った
その前にレイオフしてエンジニアもいなくなった
日本法人でもQA動かすのが忍びない
撤退線ならではのどろどろな感じがあった
そういうことを意識しないでやめようというとみんなが不幸になる
なんでこんな苦労してもうすぐ終わるサービスやってるのという気持ちになる
サービス終了を決めたときにそこまで考えられないということはよくある

佐々木さん
当時のことで言うと
最後の1年間は別のプロジェクトをやっていた
サービスのクローズまでを担当しなかった
看取ることができなかった
それってやってるほうからするとつらい作業だし
自分はやらなくてよかったので楽だったが
結果その葬儀に参加できず供養ができず3年間引きずっていた
ユーザーとの細かいコメントのやり取りを通してだんだん離れていく
そういう葬式ができなかった
今思えばそれをきちんとやっていればSNSコンプレックスみたいなのこじらせなかったのにな
こんなところに出たのはあの時にやらなかった代償

教訓があるとしたら
モチベーションあがらなくてもけじめつけるために自分でやるべきだった

【追記】本人ブログに言及あった部分を追記。

ただ、一点だけ修正があります。

「サービスをクローズするとき、担当したスタッフのモチベーションは低かった」と発言したのですが、そのクローズを担当したメンバー(@hamashun)が会場に来ていて「実際はそんなことなかった。使ってくれるユーザーが、nowa以外のサービスでもつながり続けるようにみんなで工夫して、最後までしっかりやっていた」というような指摘をもらいました。それがいまもこういうページになって一部残っています。http://nowa.jp/finish.html

ですので、モチベーションが低かった、というのは訂正します。

失敗カンファレンスでnowaについて振り返った – アルカンタラの熱い夏
http://blog.livedoor.jp/sasakill/archives/50758082.html

尾下
関さんおっしゃる通りモチベーション
僕の経験でいうと一番いいモチベーションの持ち方はピボット
失敗で得られたノウハウなどの財産を次に生かしてビジネスやっていこう
エフルート自体はモバイルのロボットWeb検索エンジンでGoogle超えようと本気でしていた
4億集めて3億とかして
残り一億かけてGoogleの背中狙おうとしたら怒られた
そこからピボットしてコンテンツ検索に
ぼくたちが検索してきたことは無駄じゃなかった
今はベトナムとかインドに検索サービスを展開
サービスそのものは非連続だけど会社全体として人材やノウハウとしての連続性をいかに感じさせるか

赤松さん
自分のお金でやるぶん、お金なくなったら終わりという資本主義のルール
非常に明快
ユーザー獲得してうんちゃらしてもお金なくなったら終わり
そこのつながり、資金の量と人の数とバーンアウトで設計する
いつかはもうけろよと言われているようだった

山崎
失敗した時に大事なことは?

赤松
また人になるが
モチベーションなくすともったいない
耳から血がでるくらい考えているときのモチベーションを維持できるようにしている

いちる
みなさんモチベーションの話だが僕もそう思う
自分では直接コーディングとかしてないのでそう考えちゃうが
辞める時に最後にきれいな花火を作ろう
そこのサービスにかかわった人たちはたくさんいる
これにかかわって失敗したと思ってほしくない
最後にいいことしたとか
コンテンツを消さないとか
最後にUstreamで座談会したりとか
最後にきれいに終わらせて少しでも良かったと思ってもらえるように
最後に少し上げてから終わりたい

山崎
葬式は生きている人のためにやるという言葉もあるけれどそういうものかも

いちる
ろうそくが最後に燃え上がるというような

山崎
尾下さんににていて
サンクコストというが失ったコストは考えても仕方ない
残ったお金で何をするか考える
株の損切りといっしょ
百万つかったからと考えると仕方ない
今持っているポジションが資産と考える
僕個人の人生でもある
公開しても人生は得しない

尾下
GREEのマネジメントはほんとすごい
いまもっているものをいかに最大利益にする
平気で過去に合ったものをなかったことにする
それが強い

質問
今やってたらうまくいってたんじゃないかという気持ちは?

佐々木
死んだ子じゃないけどそういうことは考えない
LINEは2000万ユーザーを短期間に達成した
GREEやmixiより伸びが早いけどそれがいいたいんじゃない
スマートフォンやソーシャルがあったから時代がかわった
わずか3年ですごく時代が変わった


考えないといったら嘘になる
自分たちの考えていたことが何かしら形を変えて生きているのを見るのは
自分としては楽しい
今こそうまくいっただろうと思うことはあるけれど
自分たちに失敗する理由があったとも思う

他に失敗で聴きたいサービスは?

関さん
はてな?
海外とかいろいろ

佐々木さん
パス

尾下さん
あんまし思いつかない
一番興味があるのは
衰退期にあって何か仕掛けなきゃいけないところ
ガラケーとか衰退業とか
具体的にはない

赤松さん
ソーシャルゲームが集まってmixiがモデレータしてくれて壮絶に打ち合うのを見たいが
個人的にはマーケティングでどうやって失敗したのか
ジェイサイドとか9199.jpとか

いちる
失敗したソーシャルゲームはなぜ失敗したのか
大昔のポイントキャストはどのような思いだったのか

山崎
僕的にはUSENとか
突き抜けられた可能性はあったのでは
かなわない夢ですがサンマイクロとか
ワールドワイドでナンバーワンだったのに

モデレータのまとめ
マーケティングという市場があるかと
モチベーションがあるか
それが共通している
言われてみれば当たり前かもしれないがそれが大事

これにて終了!


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