はてな愛ゆえに!
というわけで先日このブログでもちょいと言及したはてなブックマークのリニューアルに関するインタビューがITmediaに掲載されました。
ユーザーの反応に「完全に狼狽した」 はてなブックマーク、リニューアルの意図と背景 (1/2) – ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/01/news041.html
内容読む限りまあそうなるよなというくらい該当記事に対するはてなブックマークが盛り上がっているわけですが、総論しちゃうとはてな側の思いとユーザーの思いが悲しいくらいすれ違ってるよね。「これからはツールじゃない、メディアの時代だ(キリッ」というはてなに対し、ユーザーの思いは「メディアだかなんだか知らんけど読みにくい!」というものでありまして。
該当インタビュー読んでも「ライフハックばかりで偏っていた内容をなんとかしたかった」という考えやそのためのアルゴリズム変更は理解できるものの、自分も含むすくなからぬユーザーの思いは「一覧性が下がって読みにくい」「横に並べるのってどうなの」「カラフルすぎて見にくい」という要望へ対するはてなの方向性があまり受け取れないどころか、「なんかそれ全然説明になってないよね・・・・・・」という発言が多く見られたのが、はてなブックマークのヘビーユーザーとしては正直残念というところです。
以下、本インタビューにちりばめられた突っ込みポイント。
実際の反応を目にし、「完全に狼狽した」と伊藤さんは振り返る。「ユーザーの声は、自分たちの印象とマッチしていた」とも感じており、
まあこれは文章レベルの話とも言えるけど、完全に狼狽してるのにユーザーの声は自分たちの印象とマッチしてたってどういうことだよw これについては後半補足する文章もあるので後でまた触れます。
独自性の面ではブログに着目。匿名で記事を書ける「はてな匿名ダイアリー」でブックマークが付いた記事や、同社のブログサービス「はてなブログ」「はてなダイアリー」の人気記事を集めたコーナーを特別に設け、個人ブロガーの声も広く届けようと工夫した。
独自性でブログに着目っていう割に前に出てくるのははてなのサービスだけ。それはブロガーの声を広く届けるんじゃなくてはてなサービスの回遊率あげてトラフィック向上させるべしとしか見えないのですが・・・・・・。というかここ盛大な突っ込みポイントだと思うんだけどスルーなのか・・・・・・。
目指したのは、ページをぱらぱらめくるだけで楽しめ、興味あるものを見つけてじっくりと読んでもらえる雑誌のようなデザイン
これは突っ込みというか疑問なんですけど、ディスプレイで見るWebサイトと雑誌が同じようなデザインで果たして効果あるんですかね。読みにくくなって思わずいろいろ見ちゃうとか滞在時間長くなると言うのはありそうだけど、ここははてなどうこうでは無く、似たようなタイルっぽいデザインを採用しているWebサービスすべてで気になるところです。
ただ、従来のトップページのように、注目エントリーや新着エントリーをリスト的に見るだけなら、RSSかららチェック可能。
RSSなんて自分みたいなヘビーユーザーが使う偏った存在になりつつある現状、RSS前提ってのはどうなのよ・・・・・・。はてなRSSだって終了してしまった現状、誰もが当たり前に使うような技術ならともかく、メジャーな対応サービスすら少なくなりつつあるRSSになげっぱなすというのは責任放棄のように思えるよね・・・・・・。
中でも多かったのは、「一覧性が低下した」という声。この印象は「自分たちの実感、印象と合っていた」(伊藤さん)
まああれよね、本インタビュー最高の突っ込みどころだよね・・・・・・。
わかってたんならなんとかしようYO!!!!!!!!!!!!!!
新サービスにともなうリニューアルってのはもちろん賛否両論ありがちなものですが、そもそも出す時点から「ここ使いにくいよね」と思いながら出すサービスは画竜点睛を欠く状態なわけで、それを後から「やっぱり思った通り」とか言われても、ねえ・・・・・・。「宿題いまからやろうとおもってたんだよ!」ってのとさほどかわらんぜ・・・・・・。
リニューアル後、ユーザーの動きは変わってきたという。全ジャンルの人気記事をブックマーク数上位から見せる「総合」が人気に。新着エントリーを何ページもめくり、さかのぼって見る人も増えており、「雑誌のようにぱらぱらページをめくりながら楽しんでほしい」という意図は伝わったとみている。
えっ、一覧性が落ちたからさかのぼってみてるんじゃないの・・・・・・? 過去ページをさかのぼる人が「楽しんで読んでいる」というつながりがちょっと読み取れなかったのですが、裏側ではそういうアンケートでも寄せられているのでしょうか・・・・・・。
ちなみにはてなブックマークの大規模リニューアルは2008年にも行われていますが、このときはパブリックベータでユーザーの意見を集め、それを踏まえて正式サービスに移行したのですが、今回はいきなりのトップリニューアルという違いも。おなじはてブでもやり方変わるものなのですね。奇しくも担当者の名字は一緒ですが。
はてなブックマーク新バージョン公開。検索やソーシャル機能強化
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/23731.html
繰り返しですがアルゴリズム改善という方向性やメディア化したいという気持ちはわからないでもないのだけれども、それをやるのにトップページを全面リニューアルする必要はあったのかな。トップは目次として一覧性を保ちつつ別のデザイン表示を行うという手法もあったわけで、実際はてなRSSがやっていたテレビ表示モードとかはかなり面白く斬新だったのだけれど、ユーザーの一覧性を損なうことがあらかじめわかっていたにもかかわらず決行したメディア化デザインリニューアルというのが、果たして本当にユーザーのためを思ってやっていたのかな、というのは寂しく思うところです。
はてな、はてなRSSをテレビ番組表のように表示できる新機能
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/14749.html
ちなみに、個人的にはトップページあまり気にしなかったんで「このデザインが個別にも反映されたらやだなあ」程度だったんですが、個別ページはトップページ以上にひどいよね。一番目立つコンテンツの配色がAdSenseの配色ってどうなのよ・・・・・・。
今回の一連のリニューアルで僕が最も悲しみを覚えたのはこの個別ページリニューアルでした。メディアを目指すという媒体でもっとも目立つコンテンツがAdSenseによる広告というのは、企業の現実論として仕方の無いことなのかもしれないけれど、僕が愛したはてなブックマークはどこへいってしまうのだろうと寂しさが増すばかりです。
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