一部で反響あったのでちゃんと無線LANについて書いてみる。
スマートフォンやPocket WiFiといったネット対応ガジェットの拡大で無線LAN対応機器も普及が進んでいるんですが、ちょっと残念なのが無線LANの表記を「Wi-Fi」としていたり、または無線LANのことを「Wi-Fi」と書くメディアが増えていること。
これ、正確に言うとWi-Fiというのは無線LAN機器が相互につながることを認証する「Wi-Fi Alliance」という団体によって認定された機器のことを呼ぶのであって、無線LAN=Wi-Fiではないんですよね。
用語の誤用
IEEE 802.11無線LANとWi-Fiを同一の意味で使う用法が広く見られるが、これは誤用である。Wi-Fi CERTIFIEDロゴを製品に表示するためには認証試験を受け合格する必要があり、それがなされていないものはWi-Fiではない。たとえばFONはWi-Fiであるという言い方をされるがFONが認証を受けたのは2008年11月であり、それ以前のFONはWi-Fiの認証を受けた製品ではなかった。
Wi-Fi – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Wi-Fi
最初に普及した無線LANの規格「IEEE 802.11b」の頃は同じ無線LAN規格同士なのにつながらないなんてケースもあり、こうしたWi-Fi認定の意味がありましたが、最近ではまあ大抵の機器がつながってしまうのでかつてほどのありがたみはないのかもしれない。とはいえWi-Fiは相互接続の認定であり、無線LANそのものの意味ではないことは変わりない。
実際問題は無線LANというよりWi-Fiというほうが通りがよかったりするので、そこまで目くじら立てる問題ではないと思いますが、事実として違うというのは理解しておいてよいと思います。
以下はさらに蛇足ですが、無線LANの接続方式としては大きく以下の3つがあります。
IEEE 802.11a:理論値最大54Mbps。基本的には室内用電波だが最近は屋外で使える帯域もあり。他の方式と互換無し
IEEE 802.11b:理論値最大11Mbps。場所を問わず使える。IEEE 802.11gと互換
IEEE 802.11g:理論値最大54Mbps。場所を問わず使える。IEEE 802.11bと互換
数字だけ見るとIEEE 802.11gが良さそうに見えますし、実際に一番普及しているのもこの方式ですが、課題は2.4GHzという帯域を使っていること。この帯域は電子レンジやBluetoothという他の機器も使う帯域なので、環境によっては干渉の可能性があります。また、そもそも普及台数が多いだけに帯域が混雑してるので、室内であればより安定的に利用できるIEEE 802.11aのほうが快適なことも多々あり。個人的には室内は11a、モバイル機器や外出先では11gと使い分けております。
ちなみに、ある程度機器に詳しい人だと「あれ? IEEE 802.11nは?」と思うかもしれません。これについても結構誤解があるところで、正確には「IEEE 802.11n」というのはIEEE 802.11aかIEEE 802.11gを高速化する規格であって、IEEE 802.11n単体で接続するってことではないんですよ。
【追記】
コメント欄でご指摘いただきましたので反映。11nは11a/gと組み合わせて高速化実現していますが、通信そのものが11a、11gと同一というわけではありません。ちょっとややこしい話ですが、とりあえずは「11n対応! というだけではなく、それが11aなのか11gなのかもチェックしよう」とご理解ください。
なので「高速な11n対応!」という表現も、それが11a+11nなのか、11g+11nなのかで話は違って来る。例えて言うなら11nは速度を上げる界王拳みたいなもんなんだけど、それを悟空が使うのかベジータが使うのか、はたまたヤムチャが使うのかでは話が違ってきますよね、という感じです。
さらに余談ですが、世界でもダントツに普及しているモバイル機器であろう「ニンテンドーDS」および「ニンテンドーDS Lite」は、無線LAN規格に「IEEE 802.11」という、最後にアルファベットがつかない最大2Mbpsの規格を使っています。
が、この規格はそもそもWi-Fiの認定対象ではないのでWi-Fi機器は名乗れません。なのにDS向けのワイヤレスサービスとして「ニンテンドーWi-Fiコネクション」なんてサービス立ち上げたところから、「無線LAN=Wi-Fi」という誤解がより広まっているように思える次第です。
【追記】
ニンテンドーDSiおよびDSi LLについてはIEEE 802.11gに準拠しており、Wi-Fi認証も取得しているようです(情報ありがとうございます)Wi-Fi Alliance: Product Search
http://www.wi-fi.org/search_products.php?search=1&lang=en&filter_category_id=17&listmode=1
ただ、DSの場合はWi-FiどうこうというよりもWi-Fiコネクションそのものがいろいろアレなので、機器そのものがWi-Fi認証取っててもまだまだ課題あったりするのですが、本筋から離れる上にかなり説明が必要なので今回は割愛。興味がある人いたらその点だけ別途また書きますです。
ニンテンドーDSに関しては、セキュリティとして脆弱なWEPしか対応していないために、家の中の無線LANをセキュリティ高めようとしてWPAにしようとしても、DSのためにWEPを残さざるを得ない、なんて問題を引き起こしたりしていて、ここもDSが無線LAN業界に及ぼしている1つの問題だったりしますが、まあこれは長くなりそうなのでこのあたりで。
すべてのDSのことを言っているように書くのが
Wi-Fiの誤用と大差ないのがなんとも・・
こういうところから誤解が生まれる、
というのを認識させる記事じゃなかったのかねぇ
DSと言ったら、無印のDSって解釈すれば何の問題もないじゃないですか。
規格通ってないのに規格名を商品に書いてしまうってのは問題ですよね。
こまけーことはいいんだよ
ニンテンドーDS・DSLiteがインターネット接続等に利用している規格自体はIEEE 802.11bの低速モードですね
(IEEE 802.11b機器にはIEEE 802.11互換機能は無いので、11b規格にあわせた通信をしないと接続できない)
ニンテンドーDSシリーズがWi-Fi認証を受けられない理由に関しては、同じ無線LANチップで『任天堂独自プロトコル』も扱うという面が大きいと思います
規格外の無線LAN機器という点で、IEEE 802.11g・WPA2対応のニンテンドーDSiやDSiLL、おそらくニンテンドー3DSや今後の携帯ゲーム機でも独自プロトコルを扱う限りWi-Fi認証は受けられないはず
>匿名さん&通りすがりさん
一応固有名詞として「ニンテンドーDS」「ニンテンドーDS Lite」と正しく表記していたんですが、たしかにDSそのものがDSシリーズの総称と思われる節もあるかもしれませんね。その点は誤解お詫び申し上げます。
ただそもそもとして私が購入した時点ではDSiも11gこそサポートしているもののWi-Fi取得していませんでしたし、Wi-Fiコネクション名乗っているのにWi-Fi認証取ってないという時点で変わらないということを説明するのにはちょっと蛇足になるかな、と省いてしまったのが正直なところです。
>xさん
詳細な解説ありがとうございます。公式なスペック表記では11だったのですが、なるほど11bの低速モードなのですね。
とりあえずDSi発売当初に
Wi-Fi認証取ってないパッケージにWi-Fiのロゴがないのは確認してたんですが、そういう理由だとこれからもずっとWi-Fi認証取れないのにWi-FIコネクション言い続けることになりそうですね……。【コメント追記】
Twitterでもらった情報によるとWi-Fi認証自体は取ってたみたいですね。本文に追記しておきました。コメントありがとうございました。
801.11n が a/b/g を高速化させる技術という表現も誤解ですね。n には a/b/g と相互通信できる仕組みがあるだけで、n 独自の通信をします。n を a/b/g 高速化させる規格だとするな
ら、g も b を高速化させるだけ、という表現がまかり通ります。
最初に普及した無線LANの規格「IEEE 802.11b」の頃は同じ無線LAN規格同士でも繋がらなかったとあるが、b ではその問題はほとんどなかったですよ。酷かったのは 802.11 の頃で、この時は違うメーカー同士は繋がらないのが当然でした。
>通りすがりさん
おっしゃる通りですね。ちょっとnのところは蛇足だったのと、11n単独ってことはないんだよというのを伝えたいあまりにちょっと表現が足りませんでした。ご指摘いただいた部分反映させていただきます!
あと11の当時は私も知らないのですが、11bの時点でもつながらない経験あったものでその点は自分の経験値で書かせていただきました。まあそれはメーカーの問題もあるのかもしれませんが……。
MIDI端子がーMIDI端子がーと言ってた昔のパソコンオタクを思い出しました(^^;;
「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://ow.ly/3xg0l
わーいo(^▽^)oふぁーい( ´ ▽ ` )ノ RT @mikamiyoh: 「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://ow.ly/3xg0l
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そうそう。私も先日職場で軽くこの説明したなぁ。 RT @mikamiyoh: 「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://ow.ly/3xg0l
RT @mikamiyoh: 「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://ow.ly/3xg0l
ふーん。 / 「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://htn.to/ranQrn
「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 – http://goo.gl/zaLZ3 Wi-fiと無線LANの違いがよくわかんね。
「Wi-Fi=無線LAN」じゃないよというお話 – カイ士伝 http://me.lt/3kTP
Wi‐Fi=Wii Fitと少し前まで間違ってました。
Wi-Fi が無線(電波による情報伝達)でLAN(ローカルエリアネットワーク)であることには間違いないので、
「Wi-Fiは無線LANの一種」、「Wi-Fi⊂無線LAN 」と言うのが正確なのでは?
で、なにがいいたいの?
Wi-Fi=無線LAN
として使って何の問題もない。
そこでわざわざ揚げ足取りするように違いを述べても混同するだけ。
MacとPCの違いが分からない人に区別させるのが不可能なのと同じ。
技術規格の説明をする為にwikipediaを出典元にする素人はこの手の記事を書くの事を本当にやめてほしい。wikipediaに信頼性は無いんだから裏付けになりえないだろ。