先日レポートしましたカーナビタイム、文中にも触れたとおり大型のアップデートが実施されました。
このブログ書いている最中に大型アップデートがリリースされたこともあり、アップデートしてからもう一走りしてみたいと思います。
携帯電話・PCと連携できるカーナビシステム「カーナビタイム」ファーストインプレッション – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2011/05/18/5579
ケータイWatchによれば、これまでも通信経由のアップデートは幾度かあったものの、SDHCカードを使った大容量のアップデートは今回が初とのことで、アップデートにより地図が最新データになるほか、起動時間や通信時間の短縮化、地図の昼夜表示の入れ替えが自動になるといった機能改善が行なわれます。
≪今回のバージョンアップで変更される内容≫
・端末内部に保有する地図データの更新(2011年5月版※2)
・地図の昼夜色切り替え機能の自動化
・起動時間の短縮
・通信時レスポンスの改善通信機能付きカーナビ「CAR NAVITIME」 SDHCカードによるバージョンアップのお知らせ|ナビタイムジャパン
http://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/201105/09_1732.html
基本的にはファームウェアをサイトからダウンロードし、SDカードに保存したら本体に装着して本体の電源を入れるだけ、とシンプルな手順なのですが、斬新なのはそのファームウェアダウンロード仕様。なんとダウンロードは予約制で、予約が受け付けられた時間帯のみファームウェアをダウンロードできるという、いわば整理券のようなシステムです。これはちょっと目から鱗の斬新システムだわー。
ちょっと運営側の視点になってしまいますが、大容量ファイルのダウンロードって、リリースした直後はやたらアクセスしてきてトラフィックが増大しますが、ピークを過ぎたらそれほどアクセスも来なくなるもの。でもその一時の大量アクセスのためだけにサーバーを増強するのってコストパフォーマンス的にはあまりよろしくない。EC2みたいな増強の仕方もあるだろうけれど、初めから割り切って「今日はここまで!」と予約で割り切ってしまうのはとても効率的だなと思いました。こういうシステムってあまり見たこと無かったけど他でもよくあるのだろうか。
なお、予約システムではあるものの、予約が詰まっていなければ普通にその場でダウンロードも可能。「こりゃ前もってやらないと」と身構えてましたが、実際にはアクセスしたその時点でダウンロードが可能でした。これはあくまでアクセス集中したときの負荷分散対策、ってことっぽいですな。
ファイルをダウンロードするには、カーナビタイム側の「設定」「バージョン情報」から予約番号を発行し、Webサイトにアクセスしてこの予約番号を入力。あとはファイルをダウンロードしたらSDカードに保存し、カーナビタイムにSDカードを装着して電源を入れるだけです。
このあたりはガイドページがとても丁寧なので、これ見れば迷うことはないかな。
予約番号発行 – SDカードバージョンアップ – カーナビタイム – WND・カーナビ – NAVITIME
http://www.navitime.co.jp/wnd/car/versionup/sd-card/
なお、アップデートには数時間かかるので、出かける間際に慌てないよう前もってアップしておきましょう。予約番号を発行というのがやや手間ですが、これはアップデート用ファイルをユーザーごと個別に生成するためのようで、同じ予約番号同士のカーナビタイムとファイルでないとアップデートができないとのこと。若干セキュリティに手をかけすぎな気がしないでもないですが、地図データに個人情報とか含まれているのだろうか……。
実際にアップデートで変わった動作をいくつかチェックしてみました。まずは起動時間。以下の2つの動画を見ていただくとわかりますが、確かに起動時間が圧倒的に短縮されています。電源を入れて表示されるロゴが消えて実際に使えるようになるまで、アップデート前は40秒近くかかっていましたが、アップデート後は20秒くらいまで短縮されました。
ただし、アップデート後は起動の仕様が若干変更され、ロゴが消えてメニューが表示されるまでに一度通信が発生するようになったため、ロゴ表示の短縮だけでいうともっと早い。ここ通信を後回しにすれば起動時間10秒くらいまで短縮できて体感もっと減らせた気がするのですがもったいないな……。
もう1つの体感速度アップである通信速度の向上ですが、こちらは圧倒的にパフォーマンスが向上。以前はキーワードを入力してスポットを検索するのに10秒弱かかっていたのが1秒で表示されるようになり、通信の待ち時間が大幅に減りました。
実際に使ってみると、アップデート以前は車に乗ってエンジンをかけてからカーナビタイムの画面が表示されるまで若干待たされる感があったのですが、アップデート後はカバン置いたりシートベルトしたり、という身の回りのことをやっていたら画面が表示される感じ。やはり20秒近い短縮はかなり効果ありますね。
せっかくのアップデートなので今度はちょっと遠出をしようと高速使ってお出かけもしてきました。高速の場合、基本的にはただただ走っていればいいので一般道より気楽なのですが、気になるのは分岐のミス。速度が出る道路だけに、分岐間違えちゃうと大変な時間のロスになってしまうわけですが、カーナビタイムは車線の数も含めて分岐表示してくれるので安心でした。最新のナビなら当然の機能かと思いますが、どの車線にいればいいのか、って地味ながらとっても安心な機能なんですよねえ。
カーナビタイムの画面にもだいぶ慣れたので、見たい情報を探すにもどこを見ればいいかは一瞬でわかるようになりました。やっぱり画面インターフェイスは慣れの部分が大きいかな。曲がり角の案内が500mから始まる点も、右上のアイコンを見れば何mかはだいたいわかるので、曲がるたびに次の曲がり角までどのくらいかを意識することでだいぶ楽になりました。とはいえやっぱり700mくらいから音声案内してくれるとだいぶ嬉しいですが……。
ただ、表示されるルートはちょっと安心できないところも。ナビタイムが歩行者データを取っているからなのかはわかりませんが、市街地の大通りを走っているとき、「それたった1ブロックぶん回避するだけだろ……」という迂回ルートが何度か表示されました。確かにルート的には早いかもしれないけれど、たった1ブロックを曲がるだけの時間だったらまっすぐ走った方が精神的にも楽なんですが、ちょっと曲がり角の案内が細かすぎる気がします。
歩行者ナビのほうでは、歩行スピードにあわせて「ゆっくり」「せかせか」と設定を変えられたり、「乗換え少ない順」「エレベータ優先」「屋根が多いルート」といった細かなルートカスタマイズが可能なので、カーナビタイムのほうも「あまり曲がらない」みたいなのんびりルートを設定できるといいな。個人的にはよほどの渋滞でもない限り大通り通って走る方が走りやすくて安心だったりするので、基本は大通り沿いのルートを提案し、よほどのショートカットが可能なときにだけ「こんなルートはいかが?」って提案してくれると嬉しい限りです。
あとはアイコンの大きさかなあ。今回はあまり使わない周辺のアイコンを非表示にしてだいぶ地図が見やすくなったのですが、自車の矢印自体が大きすぎて道が見えにくいというね……。シンプルな十字路はいいのですが「これまっすぐなの? 斜めなの???」という微妙なルートでは道路を細かくみたいので、もうちょっとアイコンが小さくてもよい気がいたします。
自車アイコンが道より大きすぎるので曲がり角が見えない時が><
と、通常のカーナビならこういう要望も買ってしまえば終わりなのですが、通信アップデートで本体の機能をカスタマイズできるカーナビタイムはここが強み。どこまでのカスタマイズが可能かはわからないけれど、少なくとも今回のアップデートでレスポンスはかなり改善が図られました。すべてのユーザーの要望を細かく対応できるわけではないと思いますが、歩行者ナビでは細かいアップデートで使い勝手改善しているだけに、カーナビタイムも今後のアップデートに期待したいところです。
カーナビタイム – WND・カーナビ – NAVITIME
http://www.navitime.co.jp/wnd/car/
パイオニアのサイバーナビのバージョンアップも随分前から予約制ですよ。この業界では慣習になっているのかも。