縁あって、ハナセルの「ジャパンSIMカード」というサービスを利用させていただくことになりました。
ジャパンSIMカード アメリカ在住日本人向け格安携帯電話サービスHanaCell
http://www.hanacell.com/japan/
ことのきっかけはAMNが先日リリースした「ブロガーコンタクト」という、AMNパートナーブログへ仕事を依頼できるサービスです。
ブロガーに執筆や講演を直接打診 「ブロガーコンタクト」提供開始 |プレスリリース|Agile Media Network
http://agilemedia.jp/pressrelease/post_291.html
割と実験的に始めたサービスでもあり、今でこそAMNサイトのトップに掲載していますが、当時はリリースしてサイトを立ち上げた段階で止まっていたところにハナセルの担当者から依頼が。あのリリースだけでよく見つけたなこのページ……。
という経緯で依頼を受けたのですが、当初は海外渡航用のSIMサービス体験という内容だったものの、直近で海外に行く予定もなかったということで、日本で使えるSIMカードサービスのジャパンSIMカードをお試しすることになった次第です。
この「ジャパンSIMカード」というサービスは名前が示す通り、日本の電話番号が使えるSIMカードを提供するサービス。25ドルでSIMカードを購入し、あとは通話料金のみを課金するという仕組みで、手軽にSIMカードを入手できるようになっています。料金はこのほかに年間維持費として8ドルが必要だけれど、現在のところ最初の5年間は無料ということであまり気にならないレベルかな。
ジャパンSIMカード アメリカ在住日本人向け格安携帯電話サービスHanaCell
http://www.hanacell.com/japan/
詳細は以下でレビューしていきますが、このサービス意外に面白くて、海外に住んでいて日本へたまに来るような想定通りのターゲットはもちろん、国内のスマートフォンヘビーユーザーにもメリットあるサービスだなと思いました。
今回のレビューでは30ドルまでの料金があらかじめ設定されたSIMカードと、SIMカード装着用のIDEOSを1台ご提供いただきました。IDEOSは気に入ればそのまま使ってもいいし返却してもいいというスタイル。とはいえこれ以上Android端末が増えても使い切れないところではありますが……。なお、補足でありますが記事広告ではないので金銭面での対価はいただいておりません。
ジャパンSIMカードの回線自体はソフトバンクモバイルのものを利用しているとのことで、送られてきたSIMもソフトバンクモバイルのロゴ入りでした。
利用にはまずカードのアクティベーションが必要で、SIMカードが手元に届いたら専用サイトで手続きを行ないます。まずは専用サイトにアクセスして同封された用紙に記入された電話番号とシリアルコードを入力。
パッケージに入力用の番号とシリアルコードが記載。説明がなんかかわいいw
続いての画面で課金に必要なクレジットカード情報を入力します。アクティベーションから3営業日程度で利用が可能になり、18カ月間利用が無いと不正使用を防ぐためにいったん回線を停止するとのこと。なお、今回はあくまで仕様ということで、すでにアクティベーション済みのSIMカードをお送りいただいております。
アクティベーションが終わったらあとはSIMカードをIDEOSに装着して使うだけ。試しに電話の発着信やってみましたが、きちんと日本の電話番号が表示されます。
ただし気をつけなければいけないのは、日本の携帯電話サービスと違ってパケット定額ではないこと。10KBごと0.29ドルが加算されるので、通信量の多く、自動的に通信してしまうスマートフォンで使う場合はパケ死間違いなし。基本的にはスマートフォン側の設定でパケット通信を利用しない設定にしておくことをお勧めします。
通話料金は以下の通り(※サイトのtableをそのまま引用させていただきました)。通常の発信だと1分1ドルで、現時点でのレート換算だと76円。日本の携帯電話だと、月額料金を抑えて通話料金が高いプランで30秒21円、つまり1分42円なのでそれに比べると若干高め。ただし、頭に「0063」をつけて発信すると1分0.85ドル、現在のレートで65円まで下がり、だいたい1.5倍の通話料金となります。
通話 | 発信 | 固定・携帯電話 | 日本国内(留守番電話含む) | 0063発信*1 | $0.85/ 分 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ダイレクト発信*2 | $1.00/ 分 | |||||
日本国外 | 米国、英国、カナダ、中国、豪州 | 0063発信 | $0.85/ 分 | |||
ダイレクト発信 | $1.75/ 分 | |||||
上記以外の国 | 発信方法問わず | $2.35/ 分 | ||||
TVコール | 日本国内 | $2.35/ 分 | ||||
日本国外 | $9.50/ 分 | |||||
受信 | $0 | |||||
テキスト(SMS) | 発信 | 日本国内?※2011年7月より、キャリアを超えてSMSが可能になりました | $0.12/ 通 | |||
日本国外?※海外のGSM携帯電話機と送受信可能 | $1.40/ 通 | |||||
受信 | $0 | |||||
データ通信 | $0.29/ 10KB |
この「0063」って何だろうと思ってしらべたら、ソフトバンクテレコムが提供している「自動第三者課金サービス」というものらしい。
電話サービス:0063自動第三者課金サービス|ソフトバンクテレコム 法人のお客様向けサービス|SoftBank
http://tm.softbank.jp/business/phone_service/automatic/index.html
つまり0063をつけることで電話料金をソフトバンクテレコムに直接支払うのではなくハナセルに支払うことで安価になっている、ってことなのかな。0063をつけても問題なく番号通知できたので、毎回0063を入力する手間を惜しまなければ利便性に問題はなさそう。というか0063付けるだけでこれだけ通話料金が下がるならそれはありだろうな……。
通話料金こそ若干お高めですが、ポイントはSIMカード購入費を除けば月額料金がかからないこと。ドコモの通話料金プランと比べた場合、一番安いSSプランは2年縛り条件でも月額980円で1,050円分の無料通話がついてきますが、同じ月額料金で考えるとハナセルで0063発信した場合、980円あれば15分まで話せます。ほとんど自分から電話することがなくて着信メイン、という使い方であればこのプランは日本でも十分使えそう。
もう1つ個人的に便利だなと思うのはSMSも使えること。先日の3キャリア相互接続により、国内の携帯電話では電話番号だけでキャリアを問わずSMSが送れるようになりました。昔の友人や会社の携帯電話など「電話番号しか知らない」人に対してもSMSならとりあえずメッセージでき、「メールアドレスはこちら」と通知できるのはそうとうに便利です。
ただしSMSというのはパケットではなく電話回線を使うので電話料金として課金されるため、日本の携帯電話で定額パケットプランに加入していても別途料金が発生します。料金はドコモの場合で1通3.15円で、ハナセルの場合は1通0.12ドル、現在のレートで約9円。料金としては3倍近いですが、最初の1通だけSMSで送り、あとはメールアドレスに誘導、という使い方なら十分です。
最近は携帯電話の維持費を抑えるため、メイン回線の携帯電話以外はモバイルルータで運用しているのですが、メールやブラウジングなど一通りのことは無線LANでもできるものの、3G回線と決定的に違うのはやはり電話ができないこと。しかしこのジャパンSIMカードを使えば、データ通信はモバイルルータに任せつつ、日本の携帯電話番号で電話を受ける、ということもでき、モバイルルータだけではどうやってもできないSMSも送ることができます。
発信が多い人には料金的なメリットは少なめですが、先ほどのドコモ料金比較はあくまで2年契約の場合であり、2年契約しない場合は月額料金が1,957円とほぼ倍近くに跳ね上がるので、2年契約を好まない人にとってもメリットは大きい。スマートフォン+モバイルルータ運用している人にとってはなかなか面白い使い方ができそうです。
もちろんもともとの想定ターゲットである海外在住者にとっても、日本に来るたびに携帯電話を契約したり回線したりせず同じ番号を使い続けられるのは便利そう。このあたりはエントリー後に海外在住者に紹介してみてその感想も聞いてみたいところです。
ちなみにこのハナセル、ソーシャル的な活動も積極的に展開していて、公式のTwitterとブログもありました。しかもブログははてなダイアリーというあたり、「アメブロじゃないんだ……」という不思議な共感を持ってしまいました。
アメリカ携帯電話 HanaCellの日記?アメリカの携帯電話情報からHanaCell(ハナセル)スタッフの日常までお届けします?
http://d.hatena.ne.jp/HanaCell/HanaCell(ハナセル) (HanaCell) は Twitter を利用しています
http://twitter.com/#!/HanaCell
8月31日まではIDEOSやらジャパンSIMカードやらもろもろが1名に当たるプレゼントキャンペーンも実施。たった1名にこれでもか! というくらいのサービスがついているもりもり贅沢なキャンペーンになっております。
日本語対応スマフォが当たるtwitterキャンペーン、終了間近! – アメリカ携帯電話 HanaCellの日記?アメリカの携帯電話情報からHanaCell(ハナセル)スタッフの日常までお届けします?
http://d.hatena.ne.jp/HanaCell/20110826/1264075476
会社自体はイギリスにありますが、スタッフはみんな日本人とのことでサイトは日本語で丁寧な作りだし、問い合わせも日本人が受けてくれるので安心。電話やメールだけでなくSkypeで対応してくれたり、SIMカードもmicroSIMに対応してたりとかなりサービスがきめ細やかです。
なお、日本国内の端末で利用する場合はSIMロックフリー端末を入手するか、SIMロック解除対象機種のロック解除が必要。NTTドコモの場合、2010年夏モデルからはSIMロック解除に対応しており、ドコモショップに持っていくとSIMロックを解除してくれます。なので実はスマートフォンじゃなくても携帯電話にジャパンSIMカードを装着して着信を受ける、ってのもできちゃうんですよね。あくまでドコモの夏モデル以降ですが……。ちなみにソフトバンクも対応しているといえばしてますがたったのスマートフォン1機種のみなのでご注意を。
SIMロック解除のお手続き:SIMロック解除ならびに他社製品でのご利用 | ソフトバンクモバイル
http://mb.softbank.jp/mb/support/usim/unlock_procedure/
海外からSIMロックフリーのiPhoneを輸入してモバイルルータで運用、なんて人にも月額費用を抑えつつ日本の番号を持てるこのサービスは結構良さそう。iPhone 5はもし買うとしても海外のSIMロックフリー端末だな、なんて考えてるんですが、このジャパンSIMカードを入れとくのもいいなあなんて今から妄想してたりする次第です。
こういうサービスをやっているとこもありますよ。
http://www.econnectjapan.com/