キヤノンのモバイルスキャナー新モデル「DR-P125」開発陣のお話を聞いてきた

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります


アジャイルメディア・タイアップ・レビュー。この記事は、アジャイルメディア・ネットワークのタイアップです。

先日のエントリーでもちろりとお伝えしましたが、今回のキヤノン製ドキュメントスキャナーをモニターするにあたり、開発者の方々にいろいろお話をお伺いできる機会をいただきました。

据え置きながらも省スペースなドキュメントスキャナー「DR-C125」セカンドインプレッション – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2011/11/24/6574

今回のインタビューのメインターゲットは、先日発売されたばかりのポータブルスキャナー「DR-P215」。私の愛機「DR-150」の後継にあたる新モデルです。

キヤノン:ドキュメントスキャナー DR-P215 概要
http://cweb.canon.jp/imageformula/lineup/p215/

前モデルのDR-150は以前からもブログでエントリーしている通り、本当に満足度の高いドキュメントスキャナーです。モバイル用途のため取り込める枚数には制限はあるものの、そのかわりにUSBケーブル1本で動くという携帯性、ドライバをインストールしていないPCでも使える汎用性が非常に便利。特にドライバレスで動作する仕様は自分以外のPCで利用するときにも大変役に立つ仕様でした。

そんなDR-150愛用者からすると、その後継であるDR-P215は注目しまくりの新製品。インタビューでいろいろお話をお伺いすると、大きな変化はないように見えて、細かなところで前モデルからの改善されているところが見えてきました。

今回のDR-P215でパッと見てわかる一番の違いはその本体デザイン。ピアノブラックでピカピカに光る筐体だったDR-150に対し、DR-P215はマットブラックとシルバーの2色構成になりました。2色構成にしたのはシルバーを用いることでより本体が薄く見えるという効果もあるみたい。

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本体サイズはそのままにデザインを一新

前モデル「DR-150」のピアノブラックもかっこよかったのですが、難点は傷や指紋が目立ちやすかったこと。特に持ち運びが多かった私の愛機はすでに傷だらけになっているのですが、DR-P215ではマットデザインを採用することで指紋がつきにくくなっています。やはり前モデルでも指紋がつきやすいという要望は多かったとのことで、そうした細かなユーザーの要望を次のモデルでさくっと対応してるあたりはすばらしい。

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本体はマットブラック仕様で指紋がつきにくい

また、本体とPCをつなぐUSBはDR-150がUSB 2.0だったのに対しDR-P215ではUSB 3.0を採用。USB 3.0採用によって給電力が向上し、今まではフルパワーを引き出すのにUSBが2本必要だったのが、DR-P215ではUSB 3.0同士で接続すればケーブル1本でもUSB 2.0×2本分の読み込み枚数を実現できるようになりました。今までもまあケーブル1本で十分だったんだけど、早いに超したことはないのでこれもありがたい仕様。問題はUSB 3.0搭載PCを持っているかどうかですが……。ちなみにUSB 3.0に対応したのは電源のみで、伝送速度についてはUSB 3.0非対応とのことです。

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見た目ではわからないUSB 3.0対応

本体内蔵のスキャナーソフト「CaptureOnTouch Lite」は、前回レビューしたDR-C125と同様デザインを一新したほか、今回はMac対応ソフトも本体に内蔵。今まではドライバレスで動くのはWindowsだけでしたが、DR-P215からはWindows、Macともにドライバレスで利用できるように。自分が持って行くだけで他の人も気軽に使えるというのは意外にメリット大きいんですよねー。

そしてDR-P215最大の仕様変更といっていいのがカードスキャン。これ、クレジットカードのように文字が浮き上がっているエンボス加工の文字も読み取ることができるのです。

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右側に見えるのがカードスキャン

こういうスキャナーの機能自体は他の製品でも以前からあるようなのですが、DR-P215が凄いのはこの本体サイズでカードスキャンを実現するためにユニークな機構を搭載していること。具体的には「スイッチバック」という仕組みで、読み込んだカードがいったん本体背面まで突き抜けて、その後に前面へ戻ってくるという見た目にも面白いギミックになっています。

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背面にカードスロット

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前からカードを差し込むと

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いったん後ろに飛び出してから前に戻るスイッチバック仕様

なぜ2回もスイッチバックする必要があるのかと質問したところ、1回目の移動では本体の位置をきちんと固定することで読み込みミスを防いでいるとのこと。これでより読み取りの精度を上げているそうなのですが、精度向上と本体の小型化を同時に実現するためにこんな機能を搭載してしまうあたりのこだわりはすごすぎますな……。

あと地味に面白かったのがキヤノン製ドキュメントスキャナーの型番。先日までモニターしていた据え置き型は「DR-C125」、今回のモデルは「DR-P215」と、モバイル用途で性能を抑えているはずの機器のほうが数字が大きいことが気になって質問してみたのですが、これ、数字の最初は「世代」を表すんだそうで。DR-C125はこの型番では第1世代の一般向けスキャナーで、DR-P215はDR-150に続く第2世代なので数字が「2」。その後に続く2ケタは読み込みスピードを表していて、なので据え置き型のDR-C125のほうが数字が大きいわけですね。これ意味さえわかればとってもわかりやすい型番なので、もっと前に出していいんじゃないかなー。

こういうカードスキャンという新たな機構を搭載しながらも本体サイズは前モデルとほぼ変わらず。DR-150の頃から「引き出しにしまっておいてさっと取り出せる」をコンセプトにしているとのことで、この取り回しのしやすさはDR-150を何度も持ち運びした立場としては大変実感できます。

とはいえ、このカードスキャン機能というのがあまり自分ではピンと来ず、どういうシチュエーションで使えばいいのかよくわからなかったのですが、実際にはこの機能、一般消費者向けというよりもビジネス向けの機能らしい。具体的にはレンタカーなどで免許証や会員証などを預かる際、エンボス加工のカードも1回で両面スキャンできるこの機能が非常に便利で、カード大国のアメリカではビジネス用のスキャナーでは必須の機能らしい。

たしかに言われてみればレンタルビデオで会員証を作るときに免許証をコピーするけど、あれって渡すほうもカウンターの奥でコピーされるのは不安を覚えるし、コピーするほうも表を1回コピーしてさらに裏をコピー、って言う作業は地味に面倒。こうやって1回で両面スキャンできるっていうのはなるほど便利なんだなーと思いました。個人用途でも「クレジットカード読み込んでおくと紛失時に対策しやすい」って方法教えてもらったけど、それはそれで読み込んだデータの保管場所がちと不安ですかね……。

DR-150を十二分に愛用していた立場からすると大きな変更はないように見えて、細かいところで着実に改善が図られているDR-P215。こちらもモニターできる機会をいただきましたので実利用でいろいろ使い倒してレビューしてみたいと思います。


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