「RSSの次」の可能性をWordPressが見せてくれたかもしれない

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Google Readerサービス終了に伴い再燃したRSS議論ですが、これからあるべきブログの読み方、という点でWordPressの取り組みがいろいろ興味深いです。

1つはブログサービス版「WordPress.com」のフォロー機能。

「Reader」ブログ購読画面でフォロー機能を活用しよう ? ブログ ? WordPress.com
http://ja.blog.wordpress.com/2013/03/06/reader-tips/

WordPressの管理画面でブログを購読できるんだけど、面白いのがWordPressだけでなくRSS対応のサイトであれば登録できちゃうところと、Chrome拡張機能を入れることで簡単に登録できるところ。アメブロの「アメンバー」、はてなブログの「フォロー」みたいな機能をサービス問わずできる感じですね。

WordPress.com Chrome?拡張機能 ? ブログ ? WordPress.com
http://ja.blog.wordpress.com/2012/01/29/chrome-extension/

RSSリーダーのハードルは登録することの大変さにもあって、RSSがどこにあるのかを見つけなければいけないし、そのRSSをリーダーに入力したり結構面倒。RSS Auto Discoveryというすばらしい技術もあるけれど、それも登録するにはこっちでブックマークレット設定しておいたりと、とかく初心者にはとっつきにくい仕様でした。

そういう意味でアメンバーとかは非常に良くできてるなと思っていたのですが、WordPress.comのこの機能を使えばTwitterでフォローするくらいの気軽さでブログを購読できる。今のところはカテゴリで分ける機能がないので本格的なリーダーとしては使えないのだけれど、RSSで読む1つの方法としてかなり面白いアプローチだと思います。

とはいえそれはRSSリーダーも拡張機能使えば同じ話なわけですが、「フォロー」という見せ方がうまいなというポイントに加え、WordPressの場合はJetPackプラグインを使えば、新着コメントとかもまとめてチェックできるし、独自仕様ながら「いいね!」やリブログの機能も備えているのも興味深いところ。すべてをWordPress独自サービスでやる必要はないかなとは思いますが、こういうユーザーのアクションを1つに集約しつつ、そこにRSSリーダーという新着機能を取り込んできたのは面白いパッケージングです。

Flickr - SnapCrab (2013-04-12 3:47:22)

そしてもう1つの事例が、WordPressのKindle対応。これまでブログを電子書籍化するサービスはありましたが、Epubという電子書籍ファイルにするのではなく、エントリー単位でKindleでも読めるようにするというところが同じようでいてちょっと新しい。

Jetpack 対応の公式 Send to Kindle プラグインを追加してみた ? ja.naoko.cc
http://ja.naoko.cc/2013/03/20/jetpack-ready-send-to-kindle-plugin/

この機能自体はKindleのもので、それにいち早く対応したWordPressという位置づけであり、まだ海外のAmazon.comでしか使えないのですが、Kindleを電子書籍という狭いくくりで見るのではなく、「アーカイブして読むためのフォーマット」として捕えるこの方法は面白い。RSSの自動更新とうまく組み合わせれば、読みたいブログが自動的に端末にダウンロードされ、しおり機能を使ってしっかり読むことができる。本文をハイライトできる機能とTumblrみたいな引用サービスがうまく融合しても面白いかもしれない。

ブログが普及してはや10年、Movable Typeのおかげでブログは日本で一気に普及しました。そのあたりはModern Syntax10周年記念ポッドキャストでも触れられていますが、ただ単なるブログツールとしてではなく、XMLやRSSなどさまざまな新しい技術を1つのパッケージにして確立したからこそMovable Typeはすばらしかったのだという指摘はなるほどと思うところです。

Modern Syntax Radio Show 344回目 – @nagasawa144 の巻 – [モ]Modern Syntax
http://www.aivy.co.jp/BLOG_TEST/nagasawa/c/2013/03/modern-syntax-radio-show-344—nagasawa144.html

その一方で、「書く」というコンテンツマネジメントに関してはMovable Typeが確立したものが今も続いているのですが、「読む」ということについては未だブラウザベースだったり、便利ではあるもののいまいち一般には浸透しなかったRSSリーダーという状況が続いていたところに、10年経ったこのタイミングでWordPressが「読む」ことに対する新たなアプローチを提案してきているというのは、なにか不思議な縁を感じたりもするところ。狭義のRSSリーダーが終わりゆく一方で、RSS技術を活用した新たなブログの読み方が、もうすぐそこまで来ているのではないかな、とふと思った次第です。


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