Nintendo Laboが見せてくれたSwitchの新たな未来

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

待望のSwitch新作「Nintendo Labo」、当然のごとく発売日購入して即日プレイしました。

Nintendo Labo | Nintendo Switch | 任天堂
https://www.nintendo.co.jp/labo/

発売前には出オチじゃないといいななんて上から目線の発言もしてたんですが実際に体験して一目瞭然、いやこれすごい。ゲームとしてもすごいけれど、Switchが生み出す新たなゲームの未来も見せてくれたなと実感しました。

といってもあまりに組み立てが時間かかるのでまだ最初のタンクとバイクしかプレイできておらず。本当はピアノがとても楽しみなのですがかなり重厚長大な作品のようなので今週末にでも楽しみたいと思います。

そんなこんなでまだNintendo Laboの1/3も体験できていない状態での感想なのでかなり偏っているところもあるという大前提のもと、Nintendo Laboのファーストインプレッションは大きく2つ。

1つはとてもシンプルに組み立てが楽しい。元々折り紙好きなのでこういう組み立てものは大好物なんだけど、紙を折りたたんで形ができていくプラモデル的感覚に加え、それがちゃんとゲームとして動く、それも相当にクオリティ高いゲームとしてできあがるという体験は本当に鳥肌もの。小さい子だと大変かもしれないけれど、これはぜひ子供に1人でがんばって組んで欲しいと思いました。

しかもただ組み立てるだけではなく、どういう仕組みで動いているかという解説まで収録しているのが素晴らしい。バイクでいうならなぜブレーキを引くとブレーキがかかるのか、なぜ蓋を閉めないとうまくブレーキがかからないのかを教えつつ、でもエンジンをかける仕組み自体はいちいち教えない。だってそれはブレーキの仕組みがわかれば自ずとわかるはず、というところまで計算しているのかどうかはわからないけれど、必要最低限のところに絞り込んだ説明も本当にクオリティが高かった。

さらにはHD振動やIRカメラを組み合わせてちょっとしたプログラムが組めるところまで作り込まれていて、応用範囲が広すぎる。Nintendo Laboが提案した作品自体のクオリティが高すぎるのでこれを超えられるかというと相当にハードルが高そうですが、それでもユーザー初のユニークなLabo作品の登場がとても楽しみです。

正直いってここまでで十分にNintendo Laboがすごいのですが、もう1つの感想はゲームそのものの出来以上にSwitchの未来について。どちらかというとこちらのほうがLaboに感じた高い評価かもしれない。

今回組み立てたバイクは、リモコン内蔵のジャイロセンサーを使って傾きを検知してアクセルをふかし、ボタンを押せばブレーキがかかるところを、あえて段ボールのレバーを引くことで間接的にボタンを押すことでまるでレバーを引いているような感覚を再現しています。

でもこれ、ただジャイロを回してバイクに見立てるだけならWiiでもできた話で技術的に何か新しいわけでもない。リモコンをアタッチメントにつけるという仕組みも、マリオカートのハンドルが似たようなことを実現していたわけです。

ではNintendo Laboの何がすごかったかと言えばそれはシンプルに「輪ゴム」です。これはもうネタバレに近いのですが勢いで言ってしまうと、Laboのバイクは製作途中で中に輪ゴムが仕込んであり、アクセルを手前に引いたときの手応えを輪ゴムの抵抗で再現しているのです。

これ理屈ではわかるんだけど実際に体験したときの再現度がすごい。マリオカートのハンドルは形こそハンドルだけど空中に浮いているし回したときの抵抗感もないし、あれは車の操作をデフォルメしたゲーム操作でしかなかったのに対し、バイクは本当にバイクを運転しているかのような体験が味わえる。

ただの振動ではなくHD振動で動きに合わせて振動を変えられる仕組みも、輪ゴムの手応えのおかげで活きていて、アクセルを回したときやエンジンを入れたときの体感は本当に鳥肌ものだった。お仕事でHD振動っぽいものをいくつか触ってきたけれど、「そうかこういう形でアウトプットすべきだったのか!」というのは本当にやられた感があります。

とはいえ、アタッチメントにバネを入れるなんてことは本格的な周辺機器なら当たり前にできることだし、車のハンドルでいうならPSやPCゲームでも立派なハンドルコントローラがあります。でもLaboが見せてくれた未来がそれとは一線を画すのはやっぱり輪ゴム、そして段ボールなんです。

今回は「自分で組み立てる」がメインコンセプトなのでそこまでの配慮はされていませんが、おそらく設計次第では「簡単に折りたたんで持ち運んだり収納できる」ような段ボールアタッチメントも可能なはず。そしてその可能性こそが、Switchがただのゲーム機から一歩先へ前進する未来を感じる要因なのです。

個人的にも体感ゲームはとても好きなのですが、やはりネックは周辺機器の価格と、それ以上に周辺機器をどこに収容すべきかという問題。ガンシューティングが好きなのでWiiやPS用にガンアタッチメントをこれまでいくつも買っているのですが、集中してプレイしている間はいいものの、一定期間を過ぎると場所を取る周辺機器は片付けにも困るし、結局その経験が新たに周辺機器を買うときの心理的ハードルにもなってくる。

その点これが「段ボール」かつ「折りたたんで収納できる」なら周辺機器のハードルは一気に下がります。もちろん耐久性は低いものの、原価が安いから壊れてもいいよう大量にセットにしてもいいし、なんなら段ボールよりも耐久性の高いプラスチックにして「折りたためる」というところだけうまく使うでもいい。

そしてそこに「輪ゴム」という抵抗を用いることで、周辺機器による再現度を圧倒的に高められる。具体的にどう作るかまではわからないけど、輪ゴムをうまく活用すればハンドルだってできるだろうしガンシューティングのコントローラだって作れそう。鉄騎大戦みたいな大がかりなコントローラもひょっとしたら作れるのかもしれない。見た目がチープな部分は、VRとうまく組み合わせれることで解消できる可能性だってあります。

細かいところで言うとJoyConの小ささと軽さも活きている。これがWiiリモコン並みの重さだったらアタッチメントのパーツとして使うにはいろいろと支障あるのですが、JoyConなみの小ささと軽さならいろんなところに取り付けられる。何ならJoyConを今までに無い方向に取り付ける新しいゲームコントローラを段ボールで作っちゃうとかいうことだってできるかも。

ちょっと盛りすぎかもしれませんが、そのくらい輪ゴムというアプローチは、今後家の中で体感ゲームを楽しむための取り組みとして面白い。Nintendo Labo自体もとても面白いのですが、Laboに着想を得た今までに無いゲームがこれからどんどん出てくるのではないか、そしてWii Uの焼き直しという印象を一気に晴らしてくれるのではないか、そんな期待を込めつつ、早くピアノや釣りも体験したいと思います。

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しかしこれやるとロボットもやりたくなるなあ。ソフト別ではなくて同じにして段ボールだけ別売だったらよかったのに……。


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Nintendo Laboが見せてくれたSwitchの新たな未来” への1件のフィードバック

  1. どうもです。
    これ読んでて思ったんですけど、「てれびくん」や「テレビマガジン」の組み立て付録に通じるものがありますね。

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