”正確な睡眠データ”に注力、30日バッテリーが持つスマートバンド「weara」が先行予約を開始

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

「SAVE THE WORLD」のキャッチコピーを掲げ、「14年間の集大成」というほど力を入れたトリニティの新製品発表会、ご招待いただいて参加してきました。

14年間の集大成となる新製品発表会を開催 | トリニティ
https://trinity.jp/news/182294/

名刺ケースやバッテリーといったアクセサリーからにとどまらず、Windows PhoneやAndroidスマートフォンを自ら開発する多彩なトリニティが14年間の集大成と謳うだけに「これはTizenスマートフォンでも出てくるのでは」と身構えていたのですが、この日発表されたのは腕に装着するタイプのウェアラブルデバイス「weara(ウェアラ)」でした。

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テクノロジーは内側に、ファッションを外側に。24時間365日のウェアラブルデバイス「weara」登場。本日より予約開始。 | トリニティ
https://trinity.jp/news/187081/

製品サイトはこちら。

weara(ウェアラ)
https://weara.jp/

おそらく製品に関する詳細はさまざまなメディアで記事になるので、製品そのものはざっと紹介しつつ、発表会参加して思ったことをつらつらと書いてみます。思えばニュース記事とは違う個人の感想を書きたくて記者やりながらブログ立ち上げたんだよなあ。

さてこのwearaは、腕に装着して身体の様々なデータを取得する、いわゆる「スマートバンド」と呼ばれるジャンルの製品ですが、これまでのスマートバンドと比べて大きな違いがいくつかあります。

特徴の1つがデザイン。一般的なスマートバンドと比べてディスプレイを排し、通知はLEDのみとすることでデザインに注力。また、デザインがないことで他のスマートウォッチやスマートバンドとも競合しにくい、「腕に巻く2つめのバンド」としての位置も狙っています。

実際にカシオのwear OS端末「PRO TREK Smart」を装着している腕に付けてみたところ。自分も経験あるのですが、ディスプレイ搭載のスマートウォッチやスマートバンドを2つ装着しているとちょっと奇妙なのですが、wearaは単なるバンドに見えるのでそうした違和感を多少軽減できています。

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なお、wearaの本体は「コア」と呼ばれる部分のみで、バンド部分は自由に交換が可能。側面に搭載した5つのLEDで情報を通知します。

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本体上部はフック状のタッチセンサーになっており、ここにバンドを固定できます。

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実際にバンドを装着したイメージ。

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また、オプションのプレートを装着することで、市販の腕時計用バンドを組み合わせることもできます。

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展示されていたコアのサンプル。発売までソフトやコア内部はまだ詰めていくものの、筐体やバンドはほぼ製品同等の仕上がりとのこと。

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バンドのサンプルも多数展示されていました。ファッションに合わせて自由にバンドをコーディネートできます。

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さらに充電器も凝っていて、パッケージの中のコア収容部分がそのまま充電器に。

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ここまでは外観が中心ですが、個人的に気に入ったのはバッテリーが30日間持つということ。スマートウォッチってどうしてもバッテリーが持たなくて、こまめに充電するのも面倒だし、身体情報取りたいのに充電のために外さなければ行けなかったりというのはネックだったのですよね。前述の充電器も持ち歩きには不便ですが、30日に1回の充電でいいならあのサイズで家に置いておけば十分。

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内蔵センサーは加速度、気圧・気温、そして心拍センサー。

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個人的に心拍センサーはいくつか試したことがあるのですが、製品ごと測定結果が全然違うので「一体どれを信じたらいいの……」というのが悩みで利用が継続しなかったのですが、wearaはそうしたデータのばらつきという課題にも取り組んでおり、医療で使われているバンド型の心拍センサーで取得したデータを基準としてアルゴリズムを調整しているとのこと。睡眠データ、ほんとバラバラなのでこれは嬉しい……。

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取得したデータはクラウドで管理。端末を新しいのに変えたり修理したりしてもいままでのデータが使えます。

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ただ、スマートバンドを使ったことある人ならわかると思いますが、こういうデータって最初は面白いけどそのうち飽きてチェックしなくなりがちなんですよね。wearaはその点も意識していて、取得したデータに合わせてTIPSを送ったり、使い続けるとランクが上がっていくシステムなどを予定しているとのこと。

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そんなwearaは本日10月1日20時より先行予約を開始し、価格は税込み17,800円。製品のお届けは2020年1月の予定ですが、先行予約した人にはもれなく本革レザーバンドがプレゼントされるとのこと。なお、通常モデルは黒のバンドのみとなり、その他のバンドは別途オプションとして購入する必要があります。

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まったく何が出てくるかわからない状態で参加した発表会、正直言って最初は「スマートバンドかー」という気持ちがありましたが、よくよく聞くと自分がスマートバンドに感じていた課題が細かく解決されていて非常に興味深い。特に睡眠データのばらつきについては、睡眠分野の専門家という睡眠評価研究機構の白川修一郎氏が監修に携わるとのことで、「ちゃんと睡眠データ取りたい」というニーズをしっかりみたしてくれそう。

30日のバッテリー持ちも、毎日のように充電するのが面倒なスマートウォッチやスマートバンドの課題をしっかり解決している。ディスプレイやSNSの詳細な通知はスマートウォッチに任せればよろしい、という割り切りで「スマートウォッチと共存できるバンド」という立ち位置もすばらしい。

デザインについては好みの分かれるところで、個人的にはちょっと大きいかなと思いつつ、センサー類考えるとそこまで小さくできないのでギリギリのラインなのかな。発表会はかなりデザイン押しだったのですが、デザインの善し悪しは個人によるのと、いいデザインは見ればわかるものなのでさっと見せておしまいにして、睡眠やバッテリーあたりの詳細をもう少し持ってきたほうがwearaのよさを印象づけられたのでは。

製品以外のところに目を向けると、予約は10月、だけどお渡しは来年1月というクラウドファンディングっぽいスキームも面白い。単なる先行予約としてはよくある話ではあるのですが、先行予約にすることで生産量や人気カラーなどのニーズを生産前に把握できる。原価がかかるハードウェアではクラウドファンディングの手数料もばかになりませんが自社の先行予約ならその費用もゼロ。また、一から資金調達するようなスタートアップでは無く、ある程度予算がつけられる規模の企業なら、先にある程度作ってしまって量産が見えたタイミングで先行予約を開始すれば、開発する前に立てたスケジュールに縛られることもない。自社開発のハードウェアとクラウドファンディングは基本的に相性悪い、というのが国内外でクラウドファンディングを10件以上担当してきた者の手応えなので、こういう先行予約型ももっと活用されると業界が面白くなると思います。

サイトを見るとクレカ決済は出荷してからということなので、とりあえず予約してみてあとでキャンセル、というのも可能。しかし10月1日から1月まで決済待てるのかすごいな。

wearaは2020年1月の出荷を予定しています。予約販売のためクレジットカードなどの決済は出荷時に処理を行ないますので、ご安心ください。

STORE | weara
https://weara.jp/store/

製品ではなく発表会に目を向けると、今回の製品発表会は1日に3回開催、そして情報解禁がその日の夜20時というちょっと変わったスタイルでした。

情報解禁が設定された発表会自体は珍しいことではなく、記者としても時間を気にせずしっかり書けるというメリットがある一方で、PR的に見ると発表会のリアルタイムSNS拡散みたいな要素が望めなくなる。今回は三部制なので情報解禁しなければ各回が平等にならない、という事情も踏まえた上で、最近は記者が発表会の模様をSNSでリアルタイムに投稿することが珍しくなくなっており、こうした拡散が話題作りに一役買ったりするのですが、情報解禁だとそうした拡散が見込めない一方で、前述の通り記者は記事に集中できるし、情報が拡散するタイミングを集約することもできる。これはいい悪いではなくメリットデメリットどちらもあるよねという話なのですが、このスタイルがどういうPR効果につながるのかは第三者的に観測してみたいと思います。

また細かい点では解禁時間も変わっていて、大抵の情報解禁は営業時間帯に行われるのですが今回は発表会の夜20時に設定。ブロガーと違って会社勤めの記者は営業時間外に働けなくて結局公開が翌日になってしまったり、そもそも飲み会など夜の予定があるので更新できない、みたいな可能性があることと、なんだかんだ未だにWebのトラフィックは通勤や退勤、そしてランチタイムが強いので、そこを外しての20時はどういう拡散していくのか。とはいえ作戦的に夜にリリースして次の日まで話題にさせる、なんて戦略もあるので、何が正解というわけではないのですが、こちらも広報的な視点から情報の拡散ルートを追ってみたいところ。

発表会の三部構成というのも、スタッフは大変ですが記者としては好きな時間選べるし、会場もさほど大きいところを選ばなくてすむ。大きさは料金はもちろんのこと、一度に説明できるスタッフや機材とのバランスという点でもメリットは結構ある一方、三部それぞれにそれなりの人数が参加しないと発表会が盛り上がらなくなるという怖さもあるので、こういう大きめの発表の時ならではの技ですかね。

と、後半はついつい業務的な視点で発表会を見てしまいましたが、製品そのものはすごく面白い。既存のスマートウォッチと戦うのでは無く共存する道を選びつつ、スマートウォッチや今までのスマートバンドがやらなかったポジションをしっかり取りに行くあたりはさすがだなと思いました。製品そのものの魅力も感じつつ、応援の意味も込めて先行予約申し込みたいと思います。


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