【ネタバレ選択制】シン・ウルトラマンがウルトラ好きには最高の映画だった


結論から言うと最高の映画でした。上映中何度も心の中で「最高!」と叫んでました。

ただこれは自分が無類のウルトラマン好きだからこそで、ウルトラマン好きじゃない人にどこまで響くのかなーというのは疑問。自分にとってこの面白さの根本は「ウルトラマンが好き」なことにあるので、ウルトラマン好きじゃないと響かないというか、面白いとおもったとしても、ウルトラマン好きが体験できる面白さとは違うものなんだろうなと。マトリックス3部作見ずに最新作「マトリックス レザレクションズ」見るようなものなのかな。そのあたりウルトラシリーズあまり見てないけどシン・ウルトラマン見た人の感想を聞きたいところ。

「シン」シリーズということでシン・ゴジラと比較されがちな本作ですが、個人的にはシン・ゴジラより面白かった。映画そのものの面白さとしてはシン・ゴジラのほうが上だと思うのですが、個人的にシン・ゴジラが面白いんだけどそこまでハマらなかったのは、これゴジラじゃない巨大生物だったとして、興収や注目度が下がるかもしれないけど、映画としては成立しちゃうだろうなというところです。シン・ゴジラの場合はゴジラそのものよりもそれと戦う人間ドラマに主眼が置かれていて、だからこそゴジラ知らない人でも面白く人気が出たのだろうけど、逆にゴジラや特撮好きからすると物足りなく思ってしまう。

シン・ウルトラマンは真逆で、これはウルトラマンじゃないと絶対に成立しない。仮にウルトラマンじゃない謎の巨人が謎の怪獣と戦う話だったとして、見終わった人からは「これウルトラマンでしょ」と感じるだろうな、と思うほど、ウルトラマンであることが前提で作られた設定とシナリオだったなと。

ちょっと話題逸れて、私がゼルダシリーズ大好きだけどブレスオブザワイルドがあんまりハマらないのも、ゲームとしてはとても面白いけどこれゼルダじゃなくても成立するゲームだなって思ってしまったところです。個人的にゼルダの面白さはアクションゲームとしての秀逸さに加えて、ゲームシステムに溶け込んだ謎解き要素が魅力的だったんだけど、ブレスオブザワイルドはオープンワールドとして面白いゲームではあるものの、謎解きがオマケ要素でしかなかったのがさみしいなと。これは善し悪しではなく個人的な好みの問題であって、ゲームとしてはとても面白かったけどゼルダじゃなかったよなー、と。

また、本作を見るウルトラマン好きもおそらく段階があって、子供の頃ウルトラマン見ていたなー懐かしいなーという人よりも、ウルトラマンを特撮番組としてがっつり楽しんでいた人のほうが楽しめると思います。端的なキーワードとしては「実相寺昭雄」みたいなキーワードに反応できるかしないか、は本作を見る上で大きな違いになるのかなと。

そんな前置きはここまでにしていよいよ本編のネタバレ感想。すでに見た人か見る気が無い人だけクリックして先にお進みください。

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本作を通じて自分が一番心動かされたポイントは、子供心にもそれはどうなのよ、と思っていたご都合主義をことごとくリセットした上で新しいウルトラマンとして表現していたこと。なんで怪獣に効かないパンチキックをするのよ最初からスペシウム光線でいいでしょ。ウルトラマンいるときに必ず1人いない人いたら気がつくだろうよ。地球征服するのに子供1人を説得するってどこが知的生命体だよ、みたいな当然湧き上がる疑問は、「そういうものだから」と心に蓋をしていたんだけど、そんな感情はネロンガをスペシウム光線一発で倒した瞬間にすべて吹っ飛びました。そうだよ、それが俺の見たかったウルトラマンなんだよ!

こういう「大人の都合」みたいな設定はリセットにした一方、では実際の科学に乗っ取って設定を追い込んだというわけでは決してなくて、それはそれでいい。そもそもあんな巨大生物が地球を守ってくれるということ自体が論理的におかしいわけで、そこを科学的に追い込んでいったウルトラマンが見たいわけではないんです。サイヤ人が巨大化するのはブルーツ波という謎の電磁波である、そのくらいの設定で十分なんですよ。リアルを追求した結果作品としてつまらなくなっては本末転倒なわけですから。

ウルトラ兄弟としては大のゾフィー好きなので、主題歌が「M八七」に決まったと聞いて「ゾフィーの登場ワンチャンあるのかな……」と期待していた自分にとって、ゾーフィの登場もうれしかった。もちろんゾフィーとゾーフィではキャラも全然違うしゾフィーならではの勲章もないんだけど、最初は敵対するかと思われたゾーフィが最後はウルトラマンを理解してくれるというストーリーもとてもよかった。ゾーフィのフィギュア買っちゃいそうだなー。

以下、ストーリーの感想を覚えている順につらつらと

  • オープニングでシン・ゴジラからシン・ウルトラマンに切り替わるアニメーション。そもそも平面を立体的に見せる演出だけで感動していたのに、原典をオマージュする演出に「ああこれは完全にファンが作ったやつだぞ」という共感が高まる
  • ウルトラマンだと思っていたのにまさかのウルトラQダイジェスト。ただこれはその後のネロンガ・ガボラに続く「着ぐるみ使い回し」演出の布石というのと、「人間も怪獣を倒せる」という設定を見せるためにもよかったのかもしれない
  • なぜか全身シルバーで現れたウルトラマンがスペシウム光線一発でネロンガをKO。それだよそれが見たかったんだよとこの時点でテンション最高潮
  • ネロンガ対策中にいなくなり、ウルトラマンがいなくなると戻ってくる神永が明らかにキャラがおかしい。なるほどこのタイミングでウルトラマンが入ったんだな。
  • ただ原作ではハヤタ同様に振る舞っていたウルトラマンが、本作では明らかにおかしな挙動をする。でも冷静に考えたらハヤタそのままの行動とれていた原作のほうがおかしいよな
  • しかも原作ではゼットンを倒してウルトラマンがいなくなった後、ハヤタの記憶が1話で止まっていることがわかるわけで、ハヤタそのものを演じていた旧作に対して、本作はウルトラマンの意識が残っているのが明らかなのが面白いシナリオ
  • バリバリの実相寺カメラワークで登場した浅見、最初はあんまり意味を感じていなかったけれど、「人間とウルトラマンが心でつながるバディ」としての存在は見終わってみるとなるほど大事だな
  • ウルトラマンの中でも人気回のザラブ、こちらも「なんでベータカプセル都合よく忘れてるんだよ」「にせウルトラマンの顔があそこまで違ったらさすがにばれるだろ」という正直な突っ込みを回避しつつ、ウルトラファンがにやりとするマスクの違いを持ってくる演出はさすがすぎた。ファンじゃないと楽しめない演出ではなく、ファンでなくても楽しいけどファンだとさらにニヤリとさせられる、というのは実に絶妙
  • 知的といわれている割に少年を説得できなくてキレ散らかすわ、暴力嫌いとかいっといてウルトラマンを一本背負いするわで全然知的じゃないメフィラスが、本作では見事な知的生命体に。そしてメフィラスを演じる山本耕史がすごすぎる
  • というか山本耕史と斎藤工の演技が飛び抜けすぎていて、この2人以外はその他にしか見えなくなっていた
  • メフィラスが出る時点で巨大フジ隊員演出は想定できるわけだけど、まさか浅見をそう使ってくるかー!
  • 人間が実はウルトラマンにも並ぶ兵器になり得るという話、実はウルトラマンたちも昔は人と同じ姿だったという設定も活かしているのが美しい
  • まさかのゾフィーがゾーフィとしてゼットンを操る設定。これも後から調べたら昔の誤植を逆手に取ったみたいだけど、「命2つもってこれるならなんでもありだろ」と子供心に思った疑問を払拭しつつ、「ザラブもメフィラスも言ってることは正論だよな……」と思っているところにさらにド正論で人間滅ぼそうとするゾーフィには悔しいけど納得しかない
  • ゼットンにウルトラマンは勝てない、最後は人間が勝つ、という原作に対して、ウルトラマンと人間が力を合わせて勝てるというのはよかった。原作で最強の怪獣ゼットンをペンシル爆弾一発で倒しちゃうあっけなさは子供心に「えええええ!?」ってなったものなー
  • そもそものストーリーとして、自分の命をかけて子供を救った神永に興味を持ったウルトラマンが、最後に自分の命をかけて人類を救うというのは、同じウルトラマンが死ぬエンディングでも納得度が高い
  • 映画のキャッチコピーが「空想と浪漫。そして、友情」で、確かに今までのウルトラマンも人類との友情が描かれていたけど、それを「ハヤタの死」「ウルトラマンの死」をうまくなぞらえながら強化したところに本作の面白さがあった

現在のところ興行収入は40億円で、今まで10億円届くことはなかったウルトラマン映画としては史上最高記録(まあいわゆるウルトラマン映画と比べるのも違うなとは思いますが)、シン・ゴジラの約80億円に対して半分のところまで来たので、これが最終どこまで伸びるのか。シン・ウルトラマンの「デザインワークス」に書かれた庵野さんのコメントには、次回作も予定はあるけど今作より圧倒的にお金がかかるので今作の興収次第、というコメントがあるので、次回作も見たい自分としてはもう1回くらい見に行って興収にわずかながらでも貢献したいなと思います。そして予定にはある第3弾の「シン・ウルトラセブン」もぜひ実現して欲しい!

というような話をポッドキャストでもしているのでよろしければ。

【第127回】ネタバレ全開で語るシン・ウルトラマン
https://kaidan.substack.com/p/127


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