【ネタバレ選択制】令和の時代にファミコンを冠したアドベンチャー「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」クリアした


楽しみにしていたファミコン探偵倶楽部最新作「笑み男」、さくっとクリアしました。

ファミコン探偵倶楽部 笑み男 | Nintendo Switch | 任天堂
https://www.nintendo.com/jp/switch/a7lqa/

プレイ時間はトータル10時間もなかったんじゃなかろうか。「終章」と表示された瞬間「え!もう!?」と驚くくらいプレイ時間は短かった。でも無駄に長いよりストーリーとしてしっかりしていれば納得できるくらいには大人になりました。というか大人にとってはサクッとクリアできるほうがありがたい。

ファミコン探偵倶楽部と言えばディスクシステムで発売当時から大好きだったゲームであり、その過去作がSwitchでリメイクされたときも発売日購入してサクッとクリアしました。

Switchリメイクの「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女」クリアした – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2021/05/23/17460

リメイク版は「画面はきれいになったけど操作がもっさり」「うしろに立つ少女のある一点での改変がめちゃめちゃ残念」というのが大きな感想だったのですが、完全新作は操作性が大幅に改善。カーソルの動きはスムースだし、謎解きにつまったらとりあえず「考える」コマンドで次に何をすればいいかを教えてくれ、さらに文字が黄色くなって「次にこれを選ぶといいですよ」というアシストつき。おかげで総当たりコマンド型の古き良きアドベンチャーながらほとんど詰まることなく進められました。

そして作品の面白さはやはりシナリオに影響され、シナリオ語るとネタバレになるよな、ということでここからはネタバレ選択制に移行したいと思います。

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シナリオについては話の内容そのものと、システムも含めたアドベンチャーゲームとしてのシナリオ展開という2つに分けたとき、前者の話の内容については前2作とは打って変わった暗い内容。第1作の消えた後継者は明らかに悪いやつが犯人だし、第2作のうしろに立つ少女は事件の発端こそたまたま運が悪かっただけとはいえ、その後の殺人は明らかに悪い。

一方今作の真犯人は、もちろん殺人犯しているのは悪いんだけどそもそもの子供の頃の事件だったり精神を病んでいるというキャラクターだったりが影響して「明らかなる犯罪者」という描き方ではない後味の悪さがある。また、最初怪しまれていた女性刑事も、濡れ衣どころか最初の事件で証拠をねつ造してたりとかなりあくどいことしていて、それが最後に「これからは兄を見守っていく」なんてきれいに終わらそうとしているところに違和感が残りました。

それ以上に不満が募るのがストーリー展開で、結局終章に入るまで、いや終章に入ったところで犯人が誰かの想像がつかないし、エンディングが終わっても犯人の動機が全然分からず、結局はアドベンチャーモードのほぼない単なる動画的な追加シナリオでやっとすべての話に決着がつくという感じ。

ミステリーの面白さは話を進めるうちにだれが犯人なのか想像したり、それがシナリオ上のミスディレクションでだまされたり、と少しずつ明らかになっていく情報を得ながら想像していくのが楽しいのに、本作は真犯人が出てくるまで全然情報が明かされないのでミステリー的な楽しさが全然ない。いつになったら犯人の情報出てくるんだろ……、と思ってたらいつの間にか終章の文字を見た時には思わず「は?」と口に出してしまいました。

コマンド総当たりという古き良きシステムである以上、柱はシナリオだと期待していたのですが、シナリオそのものは悪くはないけど後味が悪いし関係者の処遇も違和感が残る、そして謎の見せ方も最終章でドカンとだして、足りないのは追加シナリオ、という手法が置いてけぼり感あって入り込めない。ゲームでプレイするミステリーというのは自分がその世界に入り込んだかのようなシナリオとの一体感だと思うんだけど、本作は最後まで手がかりがもらえずじまいで蚊帳の外だったな、という気持ちでした。

キャラクターで言うと犯人の妹である笑実子、別に「えみお」と呼ばれるエピソードいらなかったんじゃないかな。結局は2人で遊んでいる光景が語り継がれたならそれは袋を被った犯人でよかったのだし。あと最初の事件の被害者もミスディレクションのために無理矢理自殺設定になってた感あってそこもしっくりこなかったですね。理屈では「心では成績下がったのを気にしていた」とは言われているけど、自殺を選ぶほどその悩みが描かれていたかというと、シナリオのスケープゴートに使われた感があるなあと。

操作性は上がったものの、アドベンチャーゲームの柱たるシナリオについては個人的に満足度が低かった、というかシナリオこそがアドベンチャーゲームをプレイする一番の目的だったので、その点では多少操作性が悪く、最後の演出に激しく違和感を覚えたとしても前作リメイク版の方が個人的に評価は上ですかね……。

なぜこの時代、ファミコン探偵倶楽部というディスクシステム時代の名作を敢えて新作としてリリースするのか、その理由が「ブランドがあるから」くらいにしか思えなかったのが正直なところ。「うしろに立つ少女」が名作すぎてあれを超えるのは難しいかもしれないけれど、なぜこれをファミコン探偵倶楽部として出したかったのか、という理由があまりつかめなかったな、というのが正直なところです。

といいつつ笑み男のトートバッグはそのネタっぷりがツボったので思わず買っちゃったんですけどね。これ顔の向きをどうするか制作スタッフは悩んだんだろうなあ。そして最終的にグッズとしてこの向きにするのも同意です。

トートバッグ 笑み男 ファミコン探偵倶楽部 笑み男【Nintendo TOKYO取り扱い商品】 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
https://store-jp.nintendo.com/item/goods/VM_NSJ_8_CRAAF


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