任天堂最大の迷走期とは

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

はてなブックマークで目にしてしまい、またしても勢いでゲームエントリー。

任天堂失敗列伝?第一回?「64DD版MOTHER3の巻」 – 枯れた知識の水平思考
http://d.hatena.ne.jp/hamatsu/20090110/1231529962

しかし本筋のMOTHER3ではなく、今回ネタにしたいのはここ。

この後、任天堂は最大の迷走期、ニンテンドーゲームキューブ時代に突入するのである。

結論からいうとニンテンドーゲームキューブ略してGCは最大の低迷期ではあったけど迷走期ではなく、むしろ迷走しまくったのは64のほうじゃないか、というのが自分の考え。

そもそもFC、SFCと盤石な体制だった任天堂基盤が一気に崩壊したのがこの64時代。64のコントローラのデキは未だに神がかっていると思うけど、その性能の高さとは裏腹にあまりにもコントローラとしてとがりすぎていたために普通のゲームがプレイしにくいという結果も生み出した。

一方ハード的にもカートリッジのこだわったが故にコストは高くなるし、ゲーム開発も他社に比べて難しいと言われ、さらには「よいゲームにこだわる」サードパーティー縛りでサードパーティーがどんどんPS陣営に流れていくという事態に。上記エントリにも指摘されている64DDなんて任天堂ゲーム迷走の代表格と行っても良い存在であって、コンセプトは良かったけどあれ磁気ディスクでやるもんじゃないだろとか巨人のドシンしかキラーソフトありませんかとかいろいろツッコミどころ満載でした。

で、次のGCはというとその反省を徹底的に活かした仕様に。ながらくこだわったカートリッジを捨ててついに光ディスクを採用(でも読み込み速度のこだわりは尋常じゃなかったけれども)、開発しやすいと言われるソフト体制、PS2以上と言われたハードウェアスペックなどなど。

そういう意味でいうとGCの方向性というのは割とわかりやすく定まっていたし、迷走していたとは思わない。ただ、その方向性というのが今までの任天堂らしさを出すことよりも、他ハードをあまりに意識しすぎて自分を見失った仕様になっていた、というのがGCを発売日買いした者としての実感ですはい。

しかしGCの仕様そのものが間違いだったかというとそうではなくて、それはなぜかといえばWiiのハードウェアスペックというのは基本的にGCベースで動いているから。カートリッジを捨ててディスクメディアを採用したというのは流通体制やコストの面でも英断だったと思うし、GCの遺産があるからという側面はもちろんあるものの、ゲームを開発しやすいということはラインナップ拡充においてやはり大事なことではあったと思う。問題はGC時代に余裕がなさすぎて、ソフトもハードも含めて「任天堂らしさ」を失ってしまったことにつきるんじゃないかな。

その一例として上記エントリではスーパーマリオサンシャインや風のタクトが挙げられていますが、あのソフト自体はそんなに悪いものじゃなくて、前作の続編としてであれば十分なクオリティがある。ただ、ハードを変えるごとに何か新しい驚きを与えてくれた2大タイトルとしては、あまりに前作をなぞっただけの続編という点が残念だっただけかなと思います。

とはいうものの、64時代の「スーパーマリオ64」「時のオカリナ」が神ゲーム過ぎて超えられない壁になっているな、というのも実際にはあると思っていて、例えばWiiのスーパーマリオギャラクシーやトワイライト・プリンセスも、面白いゲームではあるけれどもやはり64時代のゲームシステムから大きく変わったかと言われると疑問。まあトワプリに関してはGCで開発されてたということもありますが。

一方でDS版ゼルダの「夢幻の砂時計」は非常に新しくありつつもきちんとゼルダである作品を作り出してくれたけれど、あれはタッチパネルというインターフェイスによるものが大きい。マリオに関してはジャンプアクションの縛りもあって64ベースから完全に脱却するのは難しそうですが、Wiiに最適化されたゼルダだったら、夢幻の砂時計に負けない新しいゼルダができそうかなあ、という期待はありますが。

まあ何が言いたいかというと、未来につながる黒歴史といえばモバイルシステムGBも忘れないでね、ってことですかね。


任天堂最大の迷走期とは” への5件のフィードバック

  1. バーチャルボーイからじゃないのん?
    ソフト側が付いてこれなかった感もあるけど…

  2. ポケモン出る寸前あたりが最大の低迷期
    そこから64末期辺りが迷走期
    CGからWii発売までが開き直り
    今はわが世の春

  3. 「GCにもRPGが揃ってきた」CM辺りが迷走最高潮だったような。
    何かが変わりはじめたと感じたのは、ファミコンミニの熱狂。
    どうぶつの森のエミュ・メイドインワリオのファミコンステージで、
    オールドファンがレトロゲーで釣れると気付いたんだと思う。

  4. 本当の意味での「迷走期」は、
    間違いなく、ゲーム&ウオッチ前夜の70年代だと思う
    とか書いたら懐古臭いか。

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