Nintendo Switchの期待と課題

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

発表からだいぶ時間は経ったけど、まあこの感想は書いておかないとね、というところで、時間を見つけてちまちま書いていたエントリー。

Switchに関する感想は前にも書いたけど。

任天堂の最新ゲーム機「NX」こと「Nintendo Switch」が最高すぎた – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2016/10/21/14962

肝だと思っていたコントローラはやっぱり隠し球があって、コントローラ両側にジャイロ乗っけた上に深度センサー付きカメラやハプティクスなど盛りに盛ってきた。マーケティングとしての価格設定は別問題として、これだけセンサー類詰め込んでるんだったらあの価格帯は納得かな。スーパーファミコンの頃とは貨幣価値も違ってるんだし、25,000円でも買わない人は買わないのでそこはほっといていい感。そういやスーパーファミコンが25,000円と発表された当時は「うわー、高い!」とか思ったもんだなあ。

ちょっと興味深かったのが、常に枯れた技術ばかりを取り込んできた任天堂が、打って変わって最新トレンドとも言える技術に積極的なところ。11bですらないIEEE 802.11をワイヤレスに採用した上にセキュリティ業界に激震が走ったWEP採用のニンテンドーDSはその極端な例として、WiiはもちろんWii Uでさえオプションの有線LANは10BASE-Tという古さだったのに対し、Swithは前述のセンサー類はもちろんのこと、個人的にはIEEE802.11acをサポートしてきたところに驚いた。ちなみにPS4は新型で対応したものの、初期モデルは4万円もするのに無線LANは5GHz帯省くの? そこ削るほどコスト厳しいの? と思った記憶。

センサー類のうち深度センサーは特許周りで情報流れていたので、「あ、Switchで本当に搭載したんだ」というくらいの受け止め方だったけど感動したのはハプティクス。おりしもCerevoでハプティクスによる触感VRシューズ「Taclim」という製品をCESで発表したタイミングで、任天堂までハプティクスに踏み込むとは思わなかった。いやーこれTaclimを任天堂で使ってもらえたりしないかなあ。USJで予定されているスーパーニンテンドーワールドとかすごくちょうどいいと思うんですけど。Taclimでクリボー踏んだりパックンフラワーにやられたりしてみたい。

世界初の触感センサー搭載VRシューズ&グローブ「Taclim」開発 | Cerevoからのお知らせ
https://info-blog.cerevo.com/2017/01/04/3029/

まあそんなポジショントークはさておき、面白いなと思ったのが「HD振動」という名前のつけ方。てっきり最初は「Haptics Device」の略かと勘違いしていたんだけど、一部業界を除けばまだまだなじみのない業界用語ではなく、テレビの世界で普及して、「なんかいいもの」感があるHDという用語を使うことで「いままでの振動とは違うんだよ」というポジションを取ったのは実にうまい。うちの会社でも製品名はもちろん、製品で採用している仕組みに名前を付けるのにうんうん悩むんだけど、なるほどこういうアプローチあるのねえと感心しました。

意外だったのがタッチスクリーンで、そもそも搭載しないのかとおもっていたら、携帯モードではタッチできるのに据え置きモードではタッチ不可という仕様。Wii Uの2画面はGamePadが問題だっただけで、2画面そのものはスプラトゥーンしかりいい仕組みだと思っていたところで、2画面の良さは捨ててしまうんだなあ。

とはいえそこを割り切ることで据え置き機は据え置き機、という住み分けができるというのはわかるんだけど、現実問題として「タッチもできるしタッチなしでも遊べる」ゲームというのは、Wii Uの頃の「2画面でも遊べるしGamePadだけでもあそべる」みたいなちぐはぐ感をちょっと感じる。タッチ搭載自体は肯定的なんだけど、出てくるソフトが結局どうなるのかな、というところの心配で、もうそこはWindowsのように「タッチでもカーソルでも操作できるよ」程度の位置付けになるのかな。

ハード面は期待高まる一方で心配なのはやっぱりソフト。遅刻の代表格だったゼルダがローンチタイトルというのはなかなかの驚きながらゼルダファンとしては楽しみだし、1-2-Switchも非常に任天堂らしく面白そうなソフトなんだけど、ローンチあまりにも弱い上に、相変わらず任天堂タイトルばかりで固められていてサードパーティーが弱い。開発表明だけはしているんだけど、そんなのは新ハード出るたびにみんないっちょかみしているのはいつものことなので、本当に1年後、2年後にサードパーティーのゲームがどれだけ出てくるのかが心配。

任天堂のソフトだけでいいならWii Uはマリオもマリオカートもゼルダもあるんだからもっと売れていていいはずで、あくまで自分の身の回りだけではあるものの知人の声を聞くと「任天堂のゲームのためだけにWii Uは買えない」という声がよく聞かれました。とはいえ、それを超えてこのゲームのためだけに買う! と思わせたスプラトゥーンが待ち構えているのは期待で、Wii Uももっと早くスプラトゥーンが出ていればもっと流れ変わっていたかも、と思うところもあるだけに、スプラトゥーン2がうまく牽引してくれることに期待。ドラクエXIも嬉しいけど、でもまあPS4でも3DSでも出るタイトルだからSwitch買ってまで、とはならなそうですしね……。

と、ソフト周りに不安はあるものの、1-2-Switchは実に任天堂らしく、そしてこれこそ任天堂なんだなあと改めて思えるタイトルでした。ゲームを考えに考えて、面白い体験のために今までのUIやUXをがらっと変えてしまうほどのゲーム機を作るのって、なんだかんだ任天堂だけなんだよねえ。もちろんXboxはKinectを作ったし、PSだってVRを作ったりはしているんだけど、それはどちらかというとハード的アプローチで、ゲームの根源みたいなところに踏み込んで「いや画面すらいらなくね!」というゲームまで落とし込んだのは本当にすばらしい。

けれどそのすばらしさこそが任天堂ハードの課題で、そこまで作り込めるメーカーがほとんどついてこない。そしてサードパーティーは淡々と普通のゲームを作るのでいいんだけど、WiiもWii Uも普通のゲームを拒むようなハード仕様になっていたので、そこがSwitchでどこまで改善されるのかは注目です。ハード自体は1080/60p出るのにゼルダは解像度下げている、という話を聞く限り、1080/60pでフル性能出し切れるのか、そして携帯モードにするときに解像度下げるという仕様がゲーム開発にハードルだったりしないのか、そのあたりはもうちょっと情報が出てこないとわからないのですが、PS4/Xbox Oneのゲーム作るくらいの感覚でSwitchのゲームが作れるなら嬉しいなあ。

まあとにかくWii Uでの課題は解決しつつ新しいことがいろいろできそうな種もたくさん埋め込んであるSwitchは期待しかない。株価だのアナリストだのは、任天堂ハードが出るたびに文句言うんだから華麗にスルーしつつ、予約日を待ちたいと思います。

と思ったけど予約日についてはちょっと文句というか、公式予約が1/21で情報出てこないのはまあいいとして、公式ストアをその2日後に開設してそこでしか買えない限定モデル出すってのはどういうことなのよ……。21日の予約は仮押さえして本命は公式、という任天堂ファンは少なからずいるはずで、せっかく用意した在庫が次々キャンセルされちゃうのは店舗殺しだな……。とはいえこんな謎な日程にするにはなにかしら理由があるとは思うので、こんな日程にした理由は興味がある。

あとゼルダ無双がとにかく好きだった自分にとってファイアーエムブレム無双は楽しみすぎますよね。リフでガンガン無双したいわー。


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