カイ士伝

私は好きにする。君らも好きにしろ

ついにこんな日が来るとはな……。

これまで何度となくブログでもいいいよいいよとイチオシしてきたIIJmioの格安SIM。過去のエントリーはIIJmioタグがついた過去記事を見ていただくとして、いつも愛用しているサービスだけに気になることをいろいろ聞いてみたいなーと常日頃からおもっていたところ、IIJのブログ「てくろぐ」でユーザーミーティングを開催するとのおしらせが。

てくろぐ: IIJmioの中の人とお話ししませんか?(SMS対応SIMも体験できます)
http://techlog.iij.ad.jp/archives/766

これはぜひ行かねばなるまいね! ということで意気揚々と1getしようとしたら、申し込み要項にこんな記述があるのを発見。

プレス・ブロガーの皆様で取材をご希望の方は、ATNDではなく弊社広報部までご連絡下さい

えええ! ブロガーでも取材枠用意しているっていうのかい!? という驚きとともに、明記されているからには申し込んでみようと別途広報へ連絡。「イベントの時に時間あったらいろいろ取材したい」と頼んでみたところ「それなら別途取材日程調整します」という想像以上の回答をいただき、単身乗り込んで日頃愛用しているIIJmioのSIMサービスについて根掘り葉掘り聞いてきました。

はじめに断っておきますと、これは完全なる個人の趣味なので、今回の記事に対して対価などは一切発生しておりません。なお、「インタビューは必ず相手に確認してもらうべし」という個人的主義に基づき、事前に内容は確認してもらっていますが、それは事実誤認や誤解などを防ぐための事前確認であり、何らかの依頼で思ってもいないことをブログに書くことはないということもここに明言させていただきます。

かなり長い上に専門的な話なので、見出しを立ててある程度まとめてみました。それでもかなりSIMサービスに詳しくないと分からない部分も多いかと思いますが、興味ある部分だけでもつまんで読んでいただければこれ幸い。そしてブロガーに対してもこのような取材機会をいただけたこと、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

なお、今回取材にご対応いただいたのはIIJmio高速モバイル/D サービス企画・運用を担当している佐々木 太志さん。@iijmio中の人3号として、現在はTwitterアカウントの運用も担当されております。

sasaki

以下、各質問の項目ごと見出しをまとめました。それぞれnameタグ設定していますのでクリックすると該当のところへジャンプします。

また、そもそも格安SIMとかIIJmioって何なの? という人は以前に書いたこちらのエントリーをどうぞ。以前のエントリーのため他にもサービスが登場していたり、IIJmioの料金プランも改定されていたりしますが、基本的な仕組み自体はあまり変わりませんので料金や競合サービス以外のところを中心に読んでいただければと。

格安SIMサービス乱立の中で機能拡充し続けるIIJmioがやっぱりイチオシ – カイ士伝 http://bloggingfrom.tv/wp/2013/06/05/10562

Q. IIJってそもそもどういう会社なの?

A. 日本で最初に商用インターネットを始めた由緒ある企業

通信業界に身を置いていれば知らない人はいないであろうIIJですが、通信とはあまり縁のない業界の人だと、格安SIMでその名前を初めて知った、という人も少なからずいる模様。実際、自分の身の回りでも「IIJって何の会社なの?」と質問受けることがたびたびあったので、この機会にご紹介しておきます。

インターネットプロバイダーとしては老舗も老舗、安心と信頼のインフラで知られている「IPのプロフェッショナル集団」、それが株式会社インターネットイニシアティブ、通称IIJという会社です。

クラウド・ITソリューションのIIJ
http://www.iij.ad.jp/

歴史をひもとけば、日本で商用サービスを初めて開始したのがこのIIJという会社。法人を対象としたいわゆるBtoB事業が中心のため一般ユーザーでは名前を聞く機会も少ないのですが、大手企業や官公庁など、信頼性を重要視する業界で非常に愛用されている事業者です。このあたりはIIJの会社ページも合わせてご覧下さい。

IIJの強みについて | IIJについて | IIJ
http://www.iij.ad.jp/company/about/point/

一方、一般ユーザーも気づかないうちにIIJを利用していることもあったりします。というのも、IIJはインターネットプロバイダー業務の卸事業も展開しているから。MVNOではNTTドコモの回線をIIJが利用してサービスを提供していますが、ざっくりいうとプロバイダーの世界ではIIJがドコモのような役割を果たしてします。ただし、MVNOのようにキャリアの名前が表には出ないため、ユーザーとしてはプロバイダーがIIJを使っているかどうかは表ではわからないようになっていますが、自分のプロバイダーが障害起こしたタイミングでIIJも障害が起きてたら、ああそういうことなのねと察するといいかもしれません。

インターネットプロバイダーという点では、元々パナソニック系列だったプロバイダー「hi-ho」も今ではIIJ傘下のプロバイダーに。hi-hoがIIJ傘下となったのは2007年のことですが、その後サービスも一体化しており、IIJがIIJmioで展開している格安SIMサービスも、ほぼ同メニューのサービスがhi-hoでも利用できるようになっています。

hi-ho LTE typeD シリーズ
http://home.hi-ho.ne.jp/hihomobile/lte/d/

なお、IIJmioというのはIIJが運営する個人向けサービス。今回のテーマであるMVNOのほか、光ファイバやADSLのプロバイダーサービスも提供している総合型のプロバイダーです。ADSL時代は安心のプロバイダーとして私も大変お世話になっておりましたはい。

ただの会社概要に見えて、これだけの老舗かつ回線の品質や信頼性に定評がある会社、ということはざっくり頭に入れておいてください。これあとで大事な話に絡んできますので。

Q. MVNOユーザーってどれくらいいるの?

A. ざっくり数十〜100万くらい

昨年末に総務省が発表した数値によるとMVNOの契約者数は1,000万人近くいるそうですが、実はこの数字には裏があり、ソフトバンクモバイルの「ダブルLTE」で利用するイー・モバイルのLTE、auの「+WiMAX」で利用するUQ WiMAXのWiMAX回線もMVNOとしてカウントされているため、IIJmioが提供するようなSIM型のMVNOサービスはざっくり見積もって数十〜100万契約くらいの規模ではないか、とのこと。増えてきたとは言えまだまだPHSの1/5くらいなのですねえ。

Q. 同じ速度のサービスをいろんな会社が出してるけど何が違うの?

A. 帯域がどれだけあるか、設備がどれだけしっかりしているかで実際の速度は変わる

この話をするにはMVNOの仕組みについてもう少し深く触れる必要がありますが、ざっくりいうとIIJのようなMVNO事業者も、NTTドコモから「今月はこれだけデータ通信していいよ」というデータ容量を購入し、それをユーザーに再度割り当てているのです。IIJmioで言えば「月945円で500MB通信していいよ」というプランがありますが、IIJはNTTドコモから「10Mbpsまで2,846,478円で通信していいよ」という形で購入しているという仕組みです。やけに具体的な数字ではありますが、実はこれNTTドコモが公式に公開しているお値段です。

MVNO様向け卸携帯電話サービス概要のご説明資料(PDF)
http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/mvno/business/gaiyou.pdf

MVNO事業者はこの帯域をどれだけ購入し、どれだけユーザーに割り当てているかで通信速度が決まります。たとえば100Mbps購入している事業者と、10Mbpsしか購入していない事業者がそれぞれ100人ユーザーを抱えていたら、当然ながら1ユーザーあたりのスピードは違ってくる。カタログ値で「下り150Mbps」だったり「低速度時も200kbps」といううたい文句があったとしても、実際の帯域によって出るスピードは全然違う……、ということになるわけです。

さらに重要なのがMVNO事業者側の設備。冒頭で述べた通りIIJは国内でも相当に高い信頼のIPインフラを持っているだけでなく、ユーザーの利用状況に応じて適切にトラフィックをコントロールしています。例えば混雑時、メールやTwitter投稿など軽いトラフィックのユーザーはそのままキープしておき、容量の大きいファイルをダウンロードしているユーザーのパケットは多少カットして後回しにする、というコントロールを行なうことで、うまくバランスを取っているのだとか。

もちろんこうした対策はほかの事業者も行なっていることですので、IIJだけがすごいということを言いたいのではなく、大事なのは「カタログスペックだけで速度が決まるわけではない」ということ。周囲で格安SIMを使っている人の話を聞いてもIIJmioは安定して速度が出ると評価が高いのですが、こういう裏の努力があるからこそなのだなと非常に納得しました。

なお、このあたりのMVNOの仕組みはあきみちさんのブログ「Geekなぺーじ」により詳しく書かれていますので、興味ある人はこちらもぜひご覧ください。

Geekなぺーじ:IIJ 月額945円、SIMのみの契約可能なLTE接続サービスを発表
http://www.geekpage.jp/blog/?id=2012/2/15/1

Q. 低速時でもたまに200kbps以上出るんだけど?

A. 最初の3秒は制限かけていないので数Mbps出ることもある

低速モードの時にスピード計測アプリを使うと、最初だけすごい速度が出てその後は200kbpsくらいで落ち着くという挙動を見せるのですが、これはあえてやっているのだとか。IIJ的には「一時的な高速通信よりも長時間帯域を占有されるほうが困る」ため、わずかながらも最初だけは高速に通信できることで、短い時間の通信をより早く終わらせて占有時間を少なくする、という仕組みです。

スマートフォンでブラウザアプリを使っている場合であれば、数秒もあればページの大部分の読み込みが終わり、残りを200kbpsで読み込むので体感速度は200kbps以上。ブラウザとか使ってても200kbpsで十分だなあと感じるのはこのあたりに秘密があったのですね。

Q. ビックカメラのSIMは同じ値段でなぜ公衆無線LANサービスがついてくるの?

A. ビックカメラが決めた価格設定

以前にもエントリーしましたが、ビックカメラが提供するSIMサービスはIIJとまったく同じメニュー、同じ値段にも関わらず、なぜかWi2の公衆無線LANも利用することができます。

公衆無線LAN「Wi2」が無料でついてくるビックカメラのIIJmio低価格SIMパッケージがオトクすぎる – カイ士伝 http://bloggingfrom.tv/wp/2013/06/12/10635

何か料金的な仕組みがあるのかなーと思ったのですが、このサービスはビックカメラグループが代理店として行なっているメニューなので、IIJ的に何か料金面で関与しているのではないということ。この公衆無線LANサービス「Wi2」を運営しているワイヤ・アンド・ワイヤレスは、主要株主がビックカメラグループという関係性もあってこうしたプランが取りやすいのだとは思いますが、とはいえIIJとまったく変わらない値段で公衆無線LANサービスがついてくるというのユーザー視点からすると不思議な価格設定です。

ここからはあくまで推測でしかありませんが、このエントリー書いた時のコメントでももらった通り、SIMカードとセットでSIMフリー端末を販売する、というマーケティング的な要素もあるのかなと。実際、通勤途中にビックカメラの店頭を見るとNexus 7(2013)のLTE対応モデルとビックカメラのSIMカードをセット販売している光景もよく見かけるので、ビックカメラ的に多少利益を削ったとしても十分メリットがあり、そもそもWi2は自社グループのサービスなので原価も抑えられる、という考えなのかもしれません。

と、実際のところはわからないながらも、ユーザーにとってみればIIJmioのSIMカードにタダで公衆無線LANがついてくる、という感覚は変わりません。IIJmioを検討するユーザーはぜひビックカメラのSIMもチェックして欲しいと思います。

Q. SMSはどうして提供できるようになったの?

A. NTTドコモとの手続きが完了したから

先日ついに提供を開始したSMS対応SIM。これはSMSを送ることができるようになるというサービス面だけでなく、一部機種で「電波が正常に表示されない」「やたらバッテリーを消費する」という通称「セルスタンバイ問題」も解決できます。このあたりはちょっとややこしいお話なので興味ある人はてくろぐの該当記事もご参照ください。

てくろぐ: IIJmio高速モバイル/D、SMS対応。セルスタンバイ問題の対策にも http://techlog.iij.ad.jp/archives/744

ただし、このSMS対応自体は今夏に開催されたワイヤレス・ジャパンのセッションでも明言されておりました。

SMSに対応することでいわゆる「セルスタンバイ問題」を解決する方針

ワイヤレスジャパン2013:コスト負担の不公平感をなくす料金設定とは? 「中の人」が語るIIJの個人向けMVNOビジネス – ITmedia Mobile http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1306/05/news097.html

5月のイベントから10月のサービス開始までいろいろ設備を増強しているのかな、と推測していたのですが、実際のところSMS対応SIMサービスを提供するのに設備の増強は不要とのこと。IIJ側で料金プランやオプション詳細の策定といったメニュー開発はもちろんあるものの、SMSの設備は基本的にNTTドコモのものであり、IIJが新たにSMS用設備を増強した、ということではないそうです。

ただし問題はSMSのサービス形態で、LTEのようなデータ通信と違いSMSは音声通話と同じ設備を使っており、SMSだけをMVNO向けに提供するようなメニューが存在しなかったのだとか。そのため「SMSを提供させて欲しい」という要望をNTTドコモに提出、約款を新たに作成することでSMSが提供可能になりました。

SMS対応SIMは月額147円が加算され、SMS送信に1通3.15円が必要ですが、これもNTTドコモの利用料にIIJの利益分を乗せてそのまま提供しているとのこと。てっきりこの月額料金で設備増強しているのかなと思いつつ、それにしては月額147円じゃまかなえないよな……、と不思議に思っていたのがすっきりしました。

Q. IIJmioのLTE、最近ちょっと遅くない?

A. Nexus 7(2013)が大人気のせい。増強するからちょっと待っててね

個人的にはあまりそういう体感なかったのですが、割とここ最近ユーザーから「遅くなったんじゃない?」という声が寄せられているのだそう。その大きな原因は9月13日に発売されたLTE対応のNexus 7(2013)の影響が大きいのだとか。やっぱりNexus 7のLTEモデル売れてるんだな、そしてIIJmioを組み合わせている人は多いんだなー。

ユーザーの増え方が想定外だったため遅れてはいるものの設備増強は進めているとのこと。ただし「遅くなったから設備強化すっぞー!」と一朝一夕にできるものではなく、社内の承認プロセスといった事務作業はもちろん数週間の工事期間なども発生するので、もう少しお待ちください、とのことでした(2013年10月16日時点)。

なお、IIJmioのトラフィックが増えるのは、平日の昼間12時から13時にかけてがピークで、そのほかは午前中の通勤時間帯、夕方18時から21時くらいまでが混雑する時間とのこと。まさに社会人のインターネット接続タイムそのままの混雑っぷりですね。一方土日など休みの日は平日ほどのピークはないものの、全体的なトラフィックは平日よりも増えるそうです。

Q. iPhone 5sはやっぱりIIJmioのLTEがつながらない?

A. 実はつながるけど公式に「つながる」とは言えないレベル

iPhone 5sとiPhone 5cの発売と同時に、IIJのブログ「てくろぐ」で公開されたIIJmioのSIM検証では「通信できず」と掲載されていたIIJmioのLTE。

てくろぐ: iPhone 5s・iPhone 5c IIJmio高速モバイル/Dで使える?
http://techlog.iij.ad.jp/archives/716

多くのIIJmioユーザーが「ああ、iPhone 5sでは使えないのか……」と切なく思っていたわけですが、実はこれ、「完全につながらない」ではなく、「非常にまれではあるものの、LTEでつながることもある」ということなんだそうで。なんだ、多少でもつながる場所があったりするのか!

しかもさらに10月より提供されたSMS対応SIMを使うと、つながる確率もグンと増えるのだとか。まだまだリリースされたばかりのSIMなので細かいところまでは未検証のようですが、ぜひともこれはNTTドコモのiPhone 5sユーザーに試してみてもらいたいところです。

ちなみになぜこのような挙動を取るのかは謎に包まれているとのこと。つながることがある以上、完全に遮断されているわけではなさそうなので、ある日ファームウェアのアップデートでつながるようになる日を夢見て待ちたいと思います。

 

 


以上、普段から気になっていたポイントはもちろん、予想外の仕組みなどもいろいろ聞けて、大変充実した時間でした。また、先日開催されたIIJmio meetingも大変に面白い内容だったので、こちらも時間ありましたら別途内容をまとめたいなと思います。

このブログでは繰り返しのように伝えておりますが、高速と低速を自由に切り替えられる機能を活用することで、普段は200kbps、テザリングなど高速通信が必要な時だけスイッチを入れて数Mbpsの通信が利用するという使い分けができるのがIIJmio最大の魅力。さらに今回のお話で200kbpsで快適に使えるその理由なども理解でき、ますますIIJmioに愛着が沸いてきました。買ったばかりのLTE対応Nexus 7(2013)とともにIIJmioのSIMもますます愛用していきたいと思います。

以下はIIJmio お友達紹介キャンペーンの情報。こちらから申し込むと料金が変わらずデータ通信料だけが2カ月間増量になるのでよろしければ。

お友達紹介キャンペーン | IIJmio
https://www.iijmio.jp/campaign/mgm/member/

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