定額データ専用のプランについてもエントリしましたのでよろしければご参照ください。
NTTドコモのデータ専用プランと音声プランの定額データ通信を比較 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2010/06/26/3938
F-06Bを含めたNTTドコモの夏モデル3機種で搭載された無線LANアクセスポイント機能。平たく言うと携帯電話をPocket WiFiのようなモバイルルータとして使える機能で、ドコモの回線を使って最大4台までPCでデータ通信が可能です。
そしてもう1つ重要なのが料金プランの改訂。これまでPCに接続すると13650円もかかっていたのが、10395円へと3000円ちょっと安くなりました。料金については後述しますが、今までに比べるとだいぶ実用的な値段になってます。
報道発表資料 : パソコンなどの外部機器を接続した通信における「パケ・ホーダイ ダブル」の上限額を値下げ | お知らせ | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2010/05/18_02.html
というわけで今回はPCデータ定額について長文エントリー。さすがにデータ接続専用プランの話を入れるとややこしくなってしまうので、まずはシンプルに「通常使っている携帯電話でデータ通信も併用する」というスタイルの説明をしてみたいと思います。
料金
まずは一番大事な料金プランから。ドコモの携帯電話でPCデータ通信も定額で使いたいのであれば「パケ・ホーダイ ダブル」を選ぶことになります。
パケ・ホーダイ ダブル | 料金・割引 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/pake_hodai_w/index.html
「ダブル」という名前は2段階定額を指していたのですが今ではプラン拡充により階段みたいな料金体系になっておりまして、ざっくり説明するとこんな感じの料金体系です。
- iモードをまったく利用しない:月額390円
- iモード・メール・iアプリを利用:上限4410円
- フルブラウザ・PCで128kbps通信:上限5985円
- PCで下り7.2Mbps通信:上限1万395円
PCの定額データ通信を使う場合、フルブラウザを普段から使っていない人はプラスで5985円、フルブラウザ使っている人は4410円が追加で必要に。イー・モバイルやUQ WiMAXなども月額料金は4000円から5000円程度が相場なので、そのぶんがプラスになって必要という感じですね。
フルブラウザ普段から使っている人は追加費用もそこまでではないですが、そうではない人は6000円近く追加投資が必要になるのが悩ましいところ。いざというときつながればいい、というのであれば128kbpsを選んで安く上げるのもいいですね。この速度でもTwitterやメールチェック程度なら十分使えます。
また、もう1つの悩みは旧「パケ・ホーダイ」を使っている人。このプランはすでに新規申し込みを終了しているんですが、パケ・ホーダイ フルとの大きな違いはiモード利用時の上限が4095円と、パケ・ホーダイ ダブルよりも315円安いこと。しかもパケ・ホーダイはすでに終了したプランのため、一度パケ・ホーダイ ダブルに移行するともとには戻れない。
パケ・ホーダイ(パケット定額サービス) | 料金・割引 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/pake_houdai/index.html
フルブラウザ使う人にとっては旧「パケ・ホーダイ フル」と上限が変わらないので気にならないのですが、iモードとメール、iアプリしか使わない人にとっては、パケ・ホーダイ ダブルに移行すると無駄に月額料金がかさんでしまう。けれどPC定額が使えるのはパケ・ホーダイ ダブルだけ。個人的にはドコモにそろそろパケ・ホーダイ ダブルの料金をパケ・ホーダイと同額にしてプラン統合してほしいなと思いますが、今のところはかなり悩ましい状態ですね。
プロバイダー
料金がらみでもう1つチェックしなければいけないのがプロバイダーの契約。データ通信を使うにはiモード契約だけではだめで、データ通信用のプロバイダー契約が必要になります。結論から言うと「mopera U契約すればまるっとOK」なんですが、その仕組みがよくわからないという人も多いので一応説明。
iモードの場合は新規契約時にほぼ必須でついているためにあまり意識しないのですが、ドコモでメールやブラウザなどのネット機能を利用するには月額315円のiモード契約が必要です。これはドコモだけの話ではなくて、auではEZwebだし、ソフトバンクはS!ベーシックパックの契約が必要。
これと同じように、ドコモのスマートフォンやPCデータ通信はプロバイダーの契約が必要です。ただ、大きく異なるのは、iモードの場合はiモードしか契約できないのに対し、スマートフォンやPCデータ通信はかならずしもドコモのプロバイダーを契約しなくてもいいということ。実際、ドコモのWebサイトで以下のページを見るとADSLや光ファイバなどでおなじみのプロバイダーがそろっています。
対応プロバイダ | サービス・機能 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/data/foma/flat_rate/provider/index.html
ただし、いずれのプロバイダーも別途料金が発生するのに対し、5月1日から始まった「ISPセット割」によって、iモード契約者のmopre U月額料金は実質無料となりました。詳しくは以前にもエントリーしたのでこちらをご参照ください。
iモードとmopera Uの同時契約がオススメ – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2010/05/06/3684
mopera Uはプロバイダーとして速度が出ないなんて評判もあったりはするのですが、それでも月額料金が実質無料というのは魅力過ぎ。冒頭で「mopera U契約すればいい」と説明したのはこのためでありまして、ほぼデフォルトでmopera Uを契約することをオススメします。これそのうちiモードとmopera Uで料金統合されるんじゃないかね。
そんなこんなで契約マストなmopera Uですが、申し込みは残念ながらドコモショップもしくは電話契約となっております。一度契約すればプラン変更などはオンラインでできるみたいなのですが、初回だけはがんばって対人契約してくださいませ。
お申込み・契約変更 | mopera U | NTTドコモ
http://www.mopera.net/apply/index.html
一点だけ注意ポイントとしては、かなりの高確率でドコモショップでは月額525円の「スタンダードプラン」を勧めてくると思いますが、アクセスポイント機能だけならスタンダードプランの必要はなく、月額315円の「ライトプラン」でいいです。この2つの違いは「mopera.net」というメールアドレス有無の違いなので華麗にスルーで。こないだ某カメラの店員が「メールできるのがスタンダードプラン」とXperia契約者に勧めてたけど、それは多いに誤解招くと思うぜ……。
一方、外出先で公衆無線LANも使いたい人は、スタンダードプランに無線LANオプションつけるのもあり。月額料金は840円になりますが、ライトプランとの差額は525円で、Mzoneを使い放題になります。N700で往復すれば十分もとは取れるし、東京エリアで使っている限りはMzoneがエリアとしては最強だなあと実感してる次第なので、コストパフォーマンスはなかなかよいと思いますよ。個人的には大変愛用しているプランです。
設定
mopera Uの契約が済んだらいよいよデータ通信の設定。NTTドコモの携帯電話を使った通信方法は大きくわけて以下の3つがあります。
- USBケーブルでPCと接続
- BluetoothでPCと接続
- 無線LANアクセスポイント機能を利用する(複数端末接続はF-06B、N-04B、N-08Bのみ。1台ならN-06A、N-02Bも搭載)
それぞれ一長一短がありますが、PCを1台しか使わないのならUSB接続がおすすめ。無線を使う他の2つに比べて電力消費を抑えられますし、USB経由で給電もできます。
USBケーブルでPCと接続
USBでPC接続する場合はまず専用のドライバをインストール。「型番 ドライバ」で検索してドコモのサイトからダウンロードできます。F-06Bの場合はこちらからどうぞ。
docomo PRIME series F-06B | お客様サポート | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/application/foma/com_set/driver/prime/f06b/index.html
注意点としてはドライバインストールするまで携帯をPCにつながず、指示が出てからつなぐことと、携帯電話の接続モードを「通信」にしておくこと。WMAやmicroSDモードではドライバがインストールできません。F-06Bの場合、「MENU」「本体設定(8)」「外部接続(8)」「USBモード(1)」で切り替えましょう。
ドライバをインストールしたら次は「コネクションマネージャ」をインストール。手動で設定してもいいですがソフト使った方が楽かと思います。
ドコモ コネクションマネージャ | お客様サポート | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/application/foma/connection_manager/
あとは下記サイトに従って設定するだけです。
設定方法 | mopera U | NTTドコモ
http://www.mopera.net/manual/pcpda/connect/flt_manual/step5.html
BluetoothでPCと接続
続きましてのBluetoothは、PCとケーブル接続しないで済むことと、無線LANアクセスポイントに比べて消費電力を抑えられるのがポイント。ただし、Bluetoothの仕様上無線LANより速度がでない可能性があります。F-06Bの場合はBLuetooth 2.0+EDRなので理論値で最大3Mbpsと、ドコモの下り理論値7.2Mbpsより遅い。使いどころとしては128kbps通信ならBluetoothでもいいかも、というところでしょうかね。
ケータイ用語の基礎知識 第304回:Bluetooth 2.0+EDR とは
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/32592.html
ちなみにBluetooth設定は以前に紹介しているのでこちらをご参照下さい。
PCで128kbps定額通信できるドコモの新プランをBluetoothで設定 – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2009/12/06/3044
なお、F-06BはOPP化のため微妙に設定方法が変わっており、「ダイヤルアップ登録待受」ではなくオーディオ機器などと同じ「新規機器登録」から登録します。Bluetooth関連は全部1つの場所から設定できるこのほうがわかりやすいかな。
無線LANアクセスポイント機能を利用する
そして今回メインとなる無線LANアクセスポイントの設定。標準設定でもいいのですが、まずは使いやすいように無線LAN関連の設定を変えておきましょう。「MENU」「本体設定(8)」「外部接続(8)」「Wi-Fi(3)」「アクセスポイントモード(2)」からいろいろ設定をいじれます。
まずは「無線設定(5)」からいりじましょう。SSIDは無線LANを検索した時に表示されるアクセスポイントの名前ですね。標準では大変に長い上にドコモの無線LANアクセスポイント機能つかってることがもろばれになるので、お好きな名前に変えておきましょう。
認証方法は、セキュリティを高めるならWPA/WPA2-PSKを選択。これだとたいていのPCとPSPでつながりますが、ニンテンドーDSだとDSiの一部機能を除いてセキュリティ的に脆弱なWEPしかつながりませんので、お好みでお好きな方をご選択ください。WEPの場合、認証方式は「Open+Shared」にしておき、キー長/形式を選択。HEXというのは16進数(数字とa〜fまでのアルファベット)、ASCIIは文字入力で、どちらも決まった文字数ぴたりのパスワードにしなくてはいけません。WPAのASCIIだと8文字以上なら任意に設定できるんでこっちのほうが設定はしやすいかな。
ステルス設定はSSIDを見えなくする設定なんですが、個人的にはこれはあまりおすすめしないかなあ。SSIDはそもそも識別のためのIDであって、他のユーザーがどの帯域使ってるかチェックするためにもわかったほうがいいし、ステルス設定しているとうまくつながらないことも多々あります。基本は暗号化をWPAなど高強度にしておくのが本筋だと思いますしね。
その他の設定も軽く触れておくと、無線チャネルはオートでよし。本来は環境によって最適なチャネル選んだ方がいいのですが、モバイル用途だと回りのチャネル環境がいつも同じとは限らないですからオートでよいかと。AP省電力モードは通信速度を理論値の54Mbpsから12Mbpsに下げることで電池を持たせるらしいですが、ドコモの通信速度が下り7.2Mbpsとはいえ無線LANの理論値が下がるとそこにも影響与えるのかなあ。このあたりは要検証かなと思います。
機器切断後の動作や接続台数はお好みで。MACアドレスフィルタリングはアクセスポイントに接続する端末を指定できますが、そもそもWPAで暗号化していれば勝手につながれることはないし、MACアドレスも詐称できてしまうので、「WEP設定で端末設定したい」という時に使う感じかな。
もう1つ、Web設定ユーザー管理もいじっておきましょう。ここはPCのブラウザから無線LAN回りの設定を編集できる便利な機能である一方、無線LANでつながった人はアクセスできてしまう部分でもあるので、忘れないうちに自分用の設定にしておくといいです。
ここまで設定が完了したらいよいよmoperaを設定。標準設定では128kbpsになっているので、「mopera U」を選んでください。同じように見えてUのない「mopera」はナローバンド用なのでここではスルーです。
ここまで設定したら後は無線LANアクセスポイントをオンにするだけ。最大4台までPCやゲーム機、スマートフォンを接続できます。結構設定が奥の方なので、ショートカットにいれておくとよいですよ。
実際使ってみると、2時間通信したら電池がほぼ空に。満充電してない状態で使ったこともあるので、実質は3時間くらいかなあ。普通に携帯電話でメールや電話する余裕のこすとしたらやはり2時間くらいだろうか。予備の充電池やUSB充電ケーブルは必須な気がいたします。
気になる通信速度は、Androidの「Speed Test」アプリで測定してみたところ上下ともに1Mbpsくらい。かなり成績悪いですが、同条件のイー・モバイルは上下とも500kbps程度だったので十分にスピードが出ています。深夜は通信が混雑するからスピードが出にくいんですかね。また、環境によってはイー・モバイルのほうがもっとスピードでていることもあるので、このあたりはもう少し実際に使ってみてからレポートしようと思います。
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