【書評】「白熱日本酒教室」は日本酒好きがもっと日本酒を好きになれる1冊

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

醤油に詳しい人としてタモリ倶楽部にも出演したむむさんこと杉村さんの最新作「白熱日本酒教室」献本いただきました。ありがとうございます!

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発売は11月25日、都内では早ければ25日当日、全国では26日くらいから購入できるのではないかとのこと。

「白熱日本酒教室」は本日より発売です! たぶん都内の早いところだと今日中に並んだりして、他の地域だと明日から並ぶんじゃないかと思われます。よろしくお願いします!

「白熱日本酒教室」本日発売! – 醤油手帖
http://shouyutechou.hatenablog.com/entry/2014/11/25/083725

杉村さんは醤油はもちろん日本酒の研究も行っており、自由大学で日本酒に関する講義を行ったり、日本酒を解説するイベントを開催したりと精力的に活動されています。

本人を知る人だれもが「おい」と突っ込みたくなる著者像
本人を知る人だれもが「おい」と突っ込みたくなる著者像

以前にこのブログで紹介した日本酒イベントも杉村さんが開催したイベントでした。

イベント「もっとも〜っと日本酒を知りたいっ!やさしい日本酒講義 Special」で日本酒のなんたるかを学んできた – カイ士伝
https://bloggingfrom.tv/wp/2013/02/14/8526

それまでただ漠然と日本酒を飲んでいた私ですが、このイベントで日本酒の作り方や分類を覚えたことでさらに日本酒が好きになりました。イベント参加前と後では日本酒に対する意識や向き合い方も全然違っていて、自分の中でも大きなターニングポイントになった大事なイベントです。

本書はこのイベントをさらに掘り下げた、日本酒についてもっと知りたいという人に向けた書籍です。基本的な内容は上記のイベントと同じ方向性ですが、お酒の作り方やその分類などがとても詳しく丁寧に解説されています。「ひやおろし」とはなんぞや、「辛口」ってどういう味、さらには日本酒で悪酔いしないためのコツなど、日本酒に関する基本的な知識はほぼほぼ網羅しているといっても過言ではないほどの充実っぷり。

一方で本書は日本酒そのものを学ぶ本なので、お勧めの日本酒や居酒屋などは紹介されていません。お酒やお店の選び方は解説されているけれどあくまで選ぶのは自分、そのための知識を身につけましょう、というのが本書です。

基本的には日本酒をまったく知らない人というよりは、興味があるけどなんとなくしか知らない、もっと日本酒の用語や選び方について詳しくなりたいという人向け。そういう人には1つ1つの用語が本当に細かく懇切丁寧に解説されているのでとてもわかりやすい。

たとえば下記のように日本酒はラベルにたくさん情報がつまっていて、その意味を知るだけでどんなお酒かだいたい知ることができる。もちろん実際に味わうとラベルだけでは計り知れない味の広がりがあるのも日本酒のおもしろさですが、少なくとも生原酒なのか火入れなのかを知るだけでも酒の選び方が全然変わってきます。

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自分でも上記イベントに参加して一通りの知識はわかっていたつもりだったけど、この本を読むことでそれぞれの用語や知識をより腑に落とすことができました。日本酒のありがたいのは当たり前ながらすべてが日本語なので、用語もそれぞれ意味があってわかりやすいんですよね。特に日本酒は「生」がつくいろんな種類があるのですが、それぞれ「生」の意味が違うというのも本書を読むとすごくわかりやすく解説されています。

個人的にお勧めしたいポイントは、醸造アルコールを添加したいわゆる「アル添」についても解説されていること。自分も昔は純米最高と思っている時期がありましたが、いろんな日本酒を飲むことで醸造アルコールが入っていても美味しいお酒はいっぱいあるし、手に取る値段とのバランス考えても醸造アルコール入りかどうかは気にするポイントではないな、と痛感しているだけに、醸造アルコールのくだりは日本酒好きな人にぜひ読んでいただきたいところです。

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繰り返しながら日本酒をもっと詳しく、もっと好きになる人のための書籍なので、日本酒について一通り解説できるような知識の人は対象外だし、そもそも日本酒ほとんど飲まないという人にも意味が無い。だけど日本酒が好きになりはじめてもっと詳しくなりたい、もっと上手に選びたいという人にとってはまさにうってつけの1冊ではないかと思います。


白熱日本酒教室 (星海社新書)

書いてて日本酒飲みたくなったな。


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