ボランティアインフォ主催イベント「Webで繋いだ被災地とボランティア」行ってきた

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

いやなんかいろんな意味でいろいろ考えさせられるイベントでした。

 

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今回の東日本大震災は自分野中でも大きなインパクトがあって、被災地の様子を知るたびに「わずかながらの力でもいいからボランティアしたい」とは思っていたものの、具体的にどう行動すればいいのか、ってなかなかわからない。もちろんそんなことを言い訳にせず自ら情報収集した上で現地に行っている知り合いも何人もいるのですが、「協力したいけどどうしていいかわからない」という自分のような人もかなりの数でいるのではないかと思います。

そんな気持ちでやきもきしてはいたところ、今回のイベントが開催される情報を入手。主催者が知り合いで人となりもわかっているという信頼感もあり、「今回のイベントきっかけで自分が何かボランティアに行くための情報が手に入るといいな」と思って参加してきました。

6月30日(木)に東京でイベントを実施いたします | ボランティアインフォ
http://volunteerinfo.jp/news20110625

遅刻ぎりぎりのスケジュールだったので外観は取れずじまいでしたが、イベント会場は早稲田大学理工学部。お隣のコズミックスポーツセンターはちょいちょい行ったことあるけど理工学部に入るのは初めてで、会場そばの食堂がEdy対応になっていることに軽い衝撃を受けました。いや大学も進化してるね……。

イベントはボランティアインフォ代表の自己紹介からスタート。2006年にソフトバンクBBでFTTHって、俺まさにブロードバンドのニュース担当してた頃だな……。

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ボランティアインフォ運営のお2人。しばらく見ない間に貫禄でましたのうとしみじみ。

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副代表のお話もなかなか興味深かった。3月11日の震災では友人の安否確認にmixiが大活躍で、Twitterはむしろ震災後に使い始めたとのこと。後半のワークショップで一緒になった学生さんも同じような話をしていて、一部の例ではあれど生活にきちんと根づいているという意味でまだまだmixiは強いのかもしれないと思いました。

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震災の様子を描いた写真も印象深かった。報道で震災による悲惨な映像や写真はたくさん見ているけれど、こういう何気ない風景が震災によって破壊されている絵のほうが、震災が現実に起きた事実であるということを嫌が応にも見せてくれる。この写真を見ながら自分の家の周りが震災の影響を受けた図を思わず想像してしまいました。

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2人の自己紹介の後はいよいよ本題であるボランティアインフォの活動。被災地では体を張った労働というボランティアはもちろん、そうしたボランティア活動をする人と、ボランティアを募集している人たちをうまくマッチングしてあげることが重要とのこと。今回の震災は原発の影響や、ボランティアに関するネガティブな報道などがあったためかはわかりませんが、阪神大震災に比べてボランティアがが約1/6程度というのはなかなかショッキングな数字でした。

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そんなボランティアマッチングの例。「住民を楽しませることができる人」ってかなりハードルの高い条件ながら、それでも2件の応募がありきちんとマッチングができたということ。こういう能力は誰でもいいわけではないから、マッチングが重要だということがよくわかる例ですね。

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ボランティアインフォの活動について。宮城県災害ボランティアセンターに拠点があるため各地の災害ボランティアセンターと連携が取れるメリットに加え、日本で唯一のボランティア情報データベースをもっている貴重な存在なんだとか。

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そのボランティア情報ペースはYahoo! JAPANでも採用され、Yahoo!をきっかけにさまざまなサイトでも導入されたとのこと。データベース自体はAPI化されているので、開発者が自由にデータを使ってアプリケーションやWebサービスを開発することもできるそうです。

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とはいえ、APIで配信しているものの、パソコンやケータイなどさまざまな端末向けにきちんとデータ提供するという点ではまだまだ課題が多いとのこと。このあたりは開発者の支援を期待したいところですかね。

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そして本イベントで一番印象的だったのが、ボランティアのフェーズに変化が起きているという提言。今まではガレキの撤去などとにかく力作業のために大量のボランティアが必要だったのが、ボランティアが必要という点では変わらないものの、ボランティアのマッチングがより重要になってきており、ボランティアを募集している団体へピンポイントで届ける必要があるとのこと。それは大工さんかもしれないしお医者さんかもしれないしはたまたお笑い芸人かもしれないけれど、そういったスキルを持った人たちが、そのスキルを求めている人たちに対してボランティアができるようにすることが大事とのことです。

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そんな状況の中、ボランティア情報データベースが抱える課題はデータベースの量、質に加えて発信面の少なさとのこと。

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そして一番の課題は人材不足と資金不足。実際問題、このボランティアインフォは2人だけで運営して、大学生のサポートでなんとか運営していけてるとのこと。後で聞いたら2人とも収入ゼロの状態で貯金切り崩しながらの運営らしい。それ、資金不足以前の問題やで……。

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そんなこんなで、このボランティアインフォが抱える課題に対して、みんな力を貸してくれ!

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という流れから、後半は参加者みんなでいろいろ意見を言い合おう! というプレゼンを最後に参加者によるワークショップに移行!

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するはずが……。

プレゼン後半に入った情報によると副代表が急に倒れてしまい、救急車を待っている状態という情報が。聞けば東京へやってくるのも長距離バスで体もあまり休められない中で体調がよくない中でのイベントだったとのこと。本拠地が仙台だってのに東京といったりきたりしながら現地でも積極的にボランティア情報集めてそれをデータベースに反映、ってそりゃ激務だよなあ……。

代表も救急車へ付き添うことになり、運営者が誰もいなくなってあわやイベント中断ともなりそうでしたが、不幸中の幸いにして残すワークショップは全員に配布するワークシートが準備されていたので、それを使って1人1人がワークシートにアイディアを記入、それを数人のグループで話し合って発表するという、いわゆる無敵会議メソッドで場を進行することに。今回のイベントの目的が「みんなの力を貸して下さい」なのだから、そこだけでもなんとか実現させたいですしね。

ワークに入る前から自分の中で考えていたのは、情報収集や情報発信ももちろん大事なのだけれど、それと同時にボランティアインフォという活動をプロモーションしていく活動もしていかないと、ということ。自分も含めて何となくボランティアには興味あるけれど積極的には探さない、という人は結構いるはずで、そういう人たちにはひたすら情報発信するだけではとどかない。そういう人たちをうまく巻き込んで情報発信していくための手法が必要。

たとえば前述の笑わせる人というのも、自分から「俺なら誰でも笑わせられる!」と名乗り出る人にピンポイントで情報を伝えるのは大変。でも、「あの人なら笑わせられるんじゃないかな」って思える人に情報が届くことでも十分に目的には近づいているわけで、そういう情報発信層をうまく取り込んでいくことで結果としてピンポイントマッチングの精度を上げられる、という仕組みも大事なのではないかと思いました。

会場では他にも結構面白い意見が出ていて、記憶に残ったのとしては「親子でボランティアすることで、子供は何もしなくても親の背中を見ることでボランティアの精神を学ぶ」という発想や、ボランティアが大学の単位になるというアイディア、なんだかんだいっても大事なのは金なので、外資系企業狙いうちでお金あつめにいくといったリアルなアイディアなどなど。自分とはまったく違う他人の意見を集められるブレインストーミングは仕事においても重要視しているのですが、今回もまた他の人の意見を聞くことがとってもいい刺激になりました。

イベントは途中のアクシデントも含めて大変考えさせられるものでした。ボランティアは自発的に活動するものだけれど、かといって活動そのものが手弁当で運営者の持ち出しというこの自体はあまりに厳しすぎる。多くの人たちをデータベースのマッチングで助けているという実績がありつつも、中の人が運営のための活動費すら持たず貯金を切り崩しているという自体はどげんかせんといかん。活動に運営費が必要なのはとても当たり前の話なので、とりあえずサイトに寄付金なりAmazonウィッシュリストなりがあってもいいんじゃないかな。今だと資金面で少しでも協力したい、と思っても何もできない状態が歯がゆくもあります。

東北にいってボランティアしたいな、という点においては求めていた情報とは違うイベントではありますが、それ以上に大きな収穫のあったイベントでした。東北を訪れるのももちろん大事な活動だけど、ボランティア活動を支援することもまた大事なこと。とりあえず東京くるときくらいは食事と寝床の用意くらいはできますので、お気軽にご用命くださいませませ。


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