ファイアーエムブレム最新作「風花雪月」1周目クリア


発売日買いしたままだらだらとプレイ、後半のシナリオが面白いからと叱咤激励を受けて重い腰を上げて真面目に取り組んだらそこからどハマりして一気にクリアして現在2周目プレイ中。モードは難易度ノーマル、死んだら生き返らないクラシック。

ファイアーエムブレム 風花雪月|Nintendo Switch|任天堂
https://www.nintendo.co.jp/switch/anvya/pc/index.html

ゲーム時間の限られる社会人になってからというもの、面白いゲームでも基本的には1周で終わらすのが基本だった自分にとって2周目プレイは相当に久々。というかこれこのまま行くと3周目も間違いなくクリア、場合によっては3.5周も辞さない勢いというくらいのめり込んでおります。

背景が真っ黒だったファミコン時代からのFEユーザーとして新作は常に楽しみにしているのですが、オリジナルとしての前作であるifについては近年進んでいたキャラ重視の要素が強まり、3DSのタッチペンでキャラクターなでなでが心底辛くて序盤に脱落。続くEchoesについてもファミコン時代鬼のようにやりこんで転職ループしまくった外伝のリメイクということで、興味はあったけど時間があったらやろうかな……と未プレイのままでした。

そんな期待の新作は、主人公が学校の先生になるというなにそのウルトラマン80展開は、という仕様に。

ああまたキャラ依存ゲー化するのか……、もう俺の大好きなFEは帰ってこないのか……、とはいえせっかくの新作だしFE教の1人としてプレイはしてみるか、という軽い気持ちで購入したのですが、まさかこんなにドハマりするとは……と思いつつ、FEとして考えると不満もあったりとなかなかくせのある仕上がりでした。

このゲームのポイントはなんといってもシナリオ。2周3周するのもそれだけやっても飽きないゲーム性はもちろんとして、シナリオ見たくての周回プレイという要素が強い。周回プレイが苦手な理由は同じシナリオを何度も見るのが飽きる、という理由が大きいのですが、本作においてはクラスによってメインキャラクターが違うため同じマップでも割と新鮮なことに加えて、それぞれのクラスで見えるストーリーが断片的すぎて、クラスが違うだけで見える世界がまったく変わってくるので、周回プレイにありがちな負担が少なめ。

一方でストーリーやキャラクター会話に力を注ぎすぎたあまり、シミュレーションRPGとしての面白さは歴代シリーズの中ではさほど高くない。マップに特徴があまりないのでキャラクターの個性を活用した戦い方があまりできないし、剣槍斧の3すくみもなくなってしまったので職種ごとの個性がなくなってしまった。戦技や計略もいっぱい用意されているものの、普通に戦った方が攻撃力高かったりして2周目でもほとんど使わずじまい。難易度ハードやルナティックだと戦技や計略うまく使わないと生き残れないのかもしれませんが。

ただ、2周目プレイしてみて思うのは、シナリオ重視の今作についてはマップがシンプルなのがよかったのかな。キャラが違えば新鮮といえどマップはやっぱり見たことがあるので、あまりにマップが個性ありすぎると2周目プレイ感が強まるのですが、マップの個性がほどほどだったがゆえに周回気にせずプレイできてるな、という感があります。数あるマップの中でも個性あるほうだったワープありマップはやはり周回感強かったので。

あといくつものレビューで騎士団要素を「FEで突っ込まれがちだった人数の少なさをフォローした名仕様」みたいな感想を(とくに商業メディアで)よく見たのだけど、計略使わないと騎士団は意味がなく、実際の戦闘シーンで戦うのは1人だけでしかないので、まるでたくさんで戦っているように見せかけている演出に過ぎず、多勢に無勢感を解消した感はほとんどなかった。

そもそもそれを言い出したら勇者数人で魔王を倒しに行くドラクエどうなのよという話で、それに対してちゃんと軍隊を率いて戦いに行くFEはよっぽどリアルだし、一騎当千のメンバーが揃っている軍隊なのでそこまで見た目の人数どうこういってもな……。元々FEで人数が少ないなんてことを考えたことも無かったので、今回そういう感想が出回っているのが逆に新鮮でした。

それよりも納得いかないのがクラスチェンジで、今回は複数の職種をこなさないと最上級に上がることができない。魔法を攻撃と回復の2種類、だったらわかるけど、剣をひたすら磨き上げても上級止まりで、魔法覚えないと最上級になれないというのはどうなのか。この世は副業時代で専業貫くのはもう時代遅れということなんだろうか。中級のペガサスナイトにすると上級で伸ばすべきクラスがなくて最上級のファルコンになるまで待たなければいけなかったり、槍を伸ばしたキャラは最上級で行き場がない(槍がおまけ扱いのクラスしか残されていない)とか、不満の大いに残る職種でした。

また、他のクラスの生徒を自分のクラスに引き入れられるスカウトシステムは面白いのだけど、そのために自分が普段使わない能力を伸ばす必要があるのも疑問。魔法のキャラをスカウトするために魔法を伸ばし、重装のキャラをスカウトするのに重装を伸ばし、というのが何のための職種職能なの? と違和感覚えるところで、ここは個別の支援値上げるとか、スカウト用の別パラメータを用意するとかにして欲しかった。最終的に中途半端かつ使わない職能をやたら覚えている主人公キャラができあがっちゃうのがなんともなじめず。

危惧していた学校要素は1周目だとかなりめんどくさいしよくわからないまま進行していく。2周目になると何すればいいかがだいたい把握できるので効率よく回せるんだけどそれでも若干面倒くささはあり。とはいえ学校要素があるからこそキャラクターと会話してストーリーに深みが増していくのでここは仕方の無い面倒くささかな。マップのショートカット機能が操作性悪すぎるのが解消されればもうちょっと楽にこなせるのですが。

そして肝心のシナリオ。本作は仲良し3クラスはもともと異なる領地の王や領主であり、5年後にクラスごと戦争する……というのが大前提となっており、1つのルートを選ぶと他ルートのクラスと戦わなければいけない。といっても自分のクラスではないので学校要素でちょっとお話するくらいの感覚のため、戦う時も「あ、見たことある」くらいでしかないのですが、一度でも自分のクラスに来たことがある生徒だと戦うのがかなり辛い。最初この展開知った時に「このシナリオ虚淵さんが作ったんですか……」と思うほど心に刺さる展開が続きます。興味ある人はE3で公開されたこのPVをどうぞ。

1周目は赤ルート、2周目は青ルートで最後に黄ルートを楽しもうと思っているのですが、赤ルートはメインシナリオに見えて実は一番微妙なシナリオなのでは、と青ルートプレイしていて思いました。赤ルートはとにかくシナリオが雑で、仮面の敵が突然正体しゃべるわ、大事なシーンが一枚絵で一気に転換するわ、伏線回収はキャラがしゃべって終わりか回収しないかなのでフラストレーションがたまりまくり。だからこそ「これは2周目やらないとわからん!」というモチベーションにつながったなという気もするけれど。

そして2周目はまだ道半ばですが、正義とは何なのかを悩むディミトリ、反逆者のダスカー人として差別や偏見を受けながらそれでもディミトリを信じてついて行くドゥドゥー、婚約者をダスカー人に殺されてダスカー人を忌み嫌うが、それでもドゥドゥーに少しずつ心を開いていくイングリットと、キャラの深みは青クラスのほうが圧倒的に上。思えば赤ルート、エガちゃんことエーデルガルトは「私は正しい」と信じて疑わず、そのエーデルガルトを信じて疑わないヒューベルト、そして他のメンバーもこれという個性がなく、見た目の割に意外とキャラが薄いクラスだった気がする。

ドゥドゥーについては赤ルートのシナリオを見ているだけに感情移入が一番強く、足が遅くて仕方ないアーマーナイトながら感情移入優先で育成。そして1周目で育てたキャラと戦いたくないので、赤クラスの生徒をひたすらスカウトしている最中です。3周目になったら2クラスのスカウト可能キャラスカウトするのできるんだろうか……。

全体的にシステムはムムムながらそれを上回るストーリー展開とキャラクターが非常に魅力的。1周目プレイした限り一番感情移入したのは黄色のクロードなのですが、クロードを最後の楽しみに残すつもりで2周目に選んだディミトリもなかなかのストーリー展開見せており、今年は新しいゲームにあまり手を出さずFEで終わりそうな気がしています。

歴代最高かと言われるとストーリーについては最高かもしれないけどストーリーが強すぎてシステムが弱めな感があり、システムとストーリーのバランスで言うとSFC「紋章の謎」かなあ。ともに戦ったハーディンが悪の道に堕ちていき、そして好敵手だったカミュがまさかの味方に……という王道ながらも心をつかむシナリオと、攻略しがいのあるマップのバランスが取れていたので。

シミュレーションRPGというとちょっと敬遠されがちなジャンルではありますが、本作は難易度ノーマルにすると何度でも敵と戦えるので、ストーリー以外の部分でひたすらレベルを上げると難易度も一気に下がるし3すくみも考えなくて良くなったので初心者でも手を出しやすい仕様になっていると思います。

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