ヤマトの「住所知らなくても宅急便送れるサービス」はLINEじゃなくても送れるよ

※この記事は5年以上前に書かれたため、情報が古い可能性があります

ヤマト運輸が9月3日に開始したスマホ向けの宅急便サービス。送り状を手書きすること無くスマホから入力、支払いもスマホで完結できるという、手書きが苦手なIT業界クラスタには大歓迎のサービスです。

宅急便は、スマホで送れる! | ヤマト運輸
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/sp/

サービスの概要や使用感についてはImpress Watchでレビューが掲載されましたのでそちらをご覧いただくとして。

【ミニレビュー】伝票の「手書き」は不要! ヤマトの「スマホで宅急便」を試す-Impress Watch
https://www.watch.impress.co.jp/docs/review/minireview/1206491.html

このサービス使って面白かったのが、LINEアカウントと連携することで、相手の住所を知らずに宅急便を送れるという機能。相手に住所を入力してもらうためのURLをLINEで送ることで、相手の住所を知らなくても宅急便が送れる、という仕組みです。なお、住所入力にはヤマトの会員サービス「クロネコメンバーズ」の登録が必要なので、厳密には「LINEとクロネコヤマトのアカウントが必要」という機能ですが。

住所が知らないのに物が送れる、というと「知らない人から勝手に物が送られてくる」なんて心配をする人もいますが、この機能の場合発送先の住所をその都度相手が入力する必要があり、相手が入力してくれない限りこちら側から発送の手続きができないので、本人の知らないものが勝手に届いた、みたいな心配はありません。

そんな手順の詳細は上記のレビューを読んでいただくとして、この機能、LINE連携が必要ではあるものの、アカウント連携さえしてしまえばLINE以外のSNSやメールでも送れるよ、というのが本エントリーの本題です。

こちらが発送先の住所を入力する画面。住所がわかっている場合は自分で入力できますが、相手の住所がわからない場合は「LINEでリクエストする」を選択。

相手先にはLINEで表示されるメッセージを入力できる、のですが、後述しますがこの機能はあんまり意味なし。どちらかというと大事なのはその下の非公開機能で、これをオンにすると送り主である自分の住所も非公開にできます。ちなみにこの機能自体は110円の有料サービスで、いまのところは期間限定無料で利用できます。

相手先を選択する画面。今回はテストで「LINEスタンプ」とのトークを選択。

相手にはメッセージがいきなり送られるのではなく、住所を入力するためのURLや説明のテキストがメッセージ送信画面にセットされるだけ。なのでこれを全選択してコピーなり切り取りしてしまえば、LINE以外のサービスでも利用できるのです。LINEで送る場合もテキストは自由に編集できるので、さきほどのメッセージはさほど意味ないかな、というのはそういう意味です。

ためしにTwitterに貼ってみたところ。Twitterは文字数制限があるのでエラーでてますが、テンプレの説明文を削れば十分送れます。

あとは相手が住所を入力するだけ。実際にLINEではなくFacebookでURLを送り、相手に住所を入力してもらうというテストもやってみましたが、問題なく発送の手続きに入れました。

お互いに一切住所を知らせず物を送り合えるというのは、SNSでつながってはいるけれど住所はおろか本名すらしらない、みたいな関係性が当たり前になっている現状においてとても実用的だし面白い。Twitterのフォローさんに物を送ったり、Facebookの友だちに家の不要品を譲ったりと、いろいろ応用が効きそうです。

LINEの認証が必要なのは、おそらく国内のSNSにおいて本人認証が一番しっかりしているのがLINE、という理由なのかな。ただ、本質的には本人確認さえできればLINEが不要なはずなので、クロネコメンバーズで本人認証できたら好きなSNSでURLを送れる、とかにするとこの機能がより便利に使えそう。

余談ながら住所を知らない相手にSNSを使って物が送れるというサービスは、15年前に初めて参加した無敵会議で、私のアイディアがグループ賞に選ばれ、そのままありがたくも優秀賞までもらうことができたアイディアなんですよね。

そして、会場投票で選ぶ、輝かしい優勝作は、

SNSを使って住所が分からなくとも郵便物を配達できるという、

・Mixi+郵政公社= ソーシャル便

に決定しました。

Passion For The Future: 無敵会議最終回 超忘年会議 報告第2弾
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002747.html

当時もっとも普及していたSNSはmixiだったこと、荷物だけでなく手紙も送れるという幅広さから郵政公社という組み合わせで当時考えたアイディアでした。その後mixiと郵政公社というまんまの組み合わせは年賀はがきで実現したりもするのですが。

[徳力] mixi年賀状を見て思い出した、無敵会議が教えてくれたもの。
http://blog.tokuriki.com/2008/11/mixi_9.html

自分の荷物を送りたい、というニーズを満たすサービスとしての登場はLINEとヤマト運輸という組み合わせということになりました。15年も前からこういうサービスを希望していただけに、やっとこの時代が来たのか……、と少々感慨深くもあります。

とはいえ繰り返しながらこのエントリーのような使い方は裏技的ではありますが、サービスの説明を見るとまるでLINEしか使えないように見えてしまうので、こんな使い方もできますよという情報を提供しつつ、ヤマト運輸が想定している使い方ではないかもしれないのでご利用については自己責任でひとつよろしくお願いいたします。


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