画面の横幅こそ狭いですが、縦幅だけだとXperia Z Ultraの179mmに対してXperia 1は167mmと12mmしか変わらない。解像度自体はXperia 1のほうが高く、あの頃よりも狭額縁化が進んでいることを考えると、縦方向の体験についてはZ Ultra並みなのかも。
Z Ultraは大画面が魅力でしたがそのぶんポケットには入らないし首にかけるのは重い(大画面マニアの人は首からかけてたりしましたが)。その点、横方向はポケットサイズまでスリム化し、縦方向は2画面の使い勝手も含めて大画面を維持したという点で、Z Ultraをより実用的にスリム化したのがXperia 1ではないか、という考え方もできそう。
なお、国内のXperia Xシリーズは今回レビューする「Xperia X Performance」のみですが、ワールドワイドではXperia X Performanceよりも若干スペックを抑えた「Xperia X」、廉価版の「Xperia XA」と3モデルがラインアップされており、「Xperia X Performance」は3モデルの中でもっともハイスペックな端末、という位置付けになります。
ブランド一新で本体デザインも丸みを帯びた形状にリニューアル。スペックは前モデル「Z5」をほぼ踏襲
新シリーズの第1弾となったXperia X PerformanceとZシリーズとの違いはなんといってもその外観。直方体の尖ったデザインだったZシリーズに対して、Xperia X Performanceは端末の四隅が丸くカーブしており、全体的に柔らかな印象を与えるデザインに。手に持った時にも手のひらに当たる部分が丸みを帯びたことで持ちやすくなりました。
角が丸くなり持ちやすいデザインに
本体サイズ自体は前モデル「Z5」の約146×72×7.3mmと比べて、Xperia X Performanceは約144×71×8.6mmと、縦横が数mm小さくなった代わりに厚みが1.3mm増え、重量もZ5の約154gから約165gと11g重くなりました。約10gの重量増加は結構な影響で、見た目が柔らかく軽めになったぶん、手に持つと見た目以上の重さを感じます。Xperia X Performanceではバックパネル素材にメタルを採用したとのことで、それが重量増に影響しているのでしょう。
バックパネルはメタル素材。国内モデルは下部のみ電波の関係で樹脂素材を採用
ただ、個人的には重さはさほど気にならず、どちらかというと片手で取り回せる本体サイズかどうかのほうが重要なので、手にした時にディスプレイの反対側へギリギリ手が届くサイズのXperia X Performanceは十分に許容範囲内。現在メイン機として使っている「arrows NX F-02H」は縦幅が154mm、横幅が75mmと、Xperia X Performanceよりも縦横ともに一回り大きいこともあり、片手でしっかり使い回せるくらいのコンパクトサイズはいいな、と改めて思いました。
現在のメイン機「arrows NX F-02H」とのサイズ比較。Xperia X Performanceのコンパクトさが際立つ
スペック面ではCPUに最新のSnapdragon 820を搭載し、メモリは3GB、内蔵ストレージは32GB。Galaxy S7 edgeなどメモリを4GB搭載するモデルも一部にはありますが、メモリは3GBもあれば十分すぎるほどハイスペックで、通常利用には不満を感じないレベル。モニター期間中はXperia X Performanceをメイン端末としてゴリゴリ使っていたのですが、サイトやアプリでもたつくことはほとんどなく、快適に利用できました。
通信速度の高速化もXperia X Performanceの特徴。具体的な最高速度はキャリアごとに異なりますが、今回レビューするNTTドコモ版「SO-04H」の場合、NTTドコモが6月に開始する下り375Mbpsのサービスに対応。前モデルのZ5が最大225Mbpsだったのに対し大幅に高速化されました。
と、細かいところは向上しているものの、全体的なスペックは前モデルのZ5をほぼほぼ踏襲。ざっくりとまとめるならば本体デザインのほか、CPUと 通信速度の向上、フロントカメラの画素数アップが前モデル「Z5」と比較したXperia X Performanceのスペックアップ部分ということになります。
カメラのインターフェイスも大幅リニューアル。起動速度が高速化した一方4K動画は非対応に
新生Xシリーズでリニューアルされたスペックや機能の中でも大きな変化を遂げたのがカメラ周りで、前述の通りインターフェイスが一新されました。これまでのZシリーズでは右側にボタンが集約され、ビデオなどカメラモードの変更は画面をタッチして切り替えていたのに対し、Xperia X Performanceは画面をスライドすることでカメラモードを変更するというiPhoneライクなインターフェイスになりました。なお、前モデルのZ5もAndroid 6.0アップデートにより、カメラのUIは同様のスライド型にリニューアルされています。
Xperia X Performanceのカメラ画面。縦にスライドしてカメラモード、横にスライドしてフロントカメラとの切り替え前モデル「Xperia Z5 Premium」のカメラ画面。動画や静止画などのカメラモードはボタンをタッチして切り換えるタイプ
起動の高速化も特徴の1つで、カメラキーの長押し起動から撮影まで最短0.6秒というXperiaシリーズ最速を公称。オートフォーカスも約0.03秒と、カメラの高速化がXperia X Performanceの特徴の1つです。これが実際に使ってみるととにかく早い。スリープ状態からでもカメラボタンを長押しするだけでサクっと起動するので、ポケットから取り出す時にカメラボタンを押しておけば、撮りたい時にはすでにカメラが起動していてすぐに写真を撮れる。カメラの利用頻度が高い人にはこの高速化は重宝しそう。
また、Xperia X Performanceでは、Qnovo社と共同開発したという充電の最適化技術を新たに搭載。バッテリーの状況に応じて最適な充電を行なうことでバッテリーの長寿命化を図るという機能で、使って数週間でその価値がわかるものではないのですが、長い間使うスマートフォンに搭載されている機能としては嬉しいところ。
個人的にいいなと思うのが本体のスピーカー。Xperia X Performanceは横置き時の左右にスピーカーに搭載しており、イヤフォンを使わず本体のみで音を再生したときにも臨場感のある音を再生できます。あまり音にこだわりがあるほうではないので、イヤフォン経由の音ならほどほどで満足なのですが、本体スピーカーはさすがに音の善し悪しがはっきりわかりやすいだけについ気になってしまうところ。その点、Xperia X Performanceのスピーカー音質は音量を大きめにしても十分な音質なので、自宅で手軽に動画を楽しむのにはぴったり。液晶も美しく視野角が広いので、寝っ転がりながら動画を見るのに重宝します。
Z4では6.9mmまで薄さを追求し、Z5 Premiumでは前代未聞の4Kディスプレイを採用するなど「尖った」アプローチの続いていたXperiaシリーズですが、今回レビューしたXperia X Performanceはそうした「尖った部分」は控えめ。CPUこそ最新のSnapdragon 820を搭載していますが、ディスプレイはWQHD(2560×1440ドット)解像度の製品も増える中でフルHD(1,920×1,080ドット)のディスプレイを採用。メモリ3GBも十分にハイスペックながら他機種が4GBを搭載しているのと比べると最高スペックではないですし、本エントリーでも触れたとおりカメラも4K動画が利用できなくなるなど、今までハイスペックを追求してきたXperiaシリーズからすると全体的に機能は控えめになっている感があります。
ただし、実際にこのレビューのためにXperia X Performanceを数週間使ってみたけれど、使い勝手には不満がほとんどなく、十分に使いやすい端末でした。ブラウザやアプリはサクサク動き、カメラも使いたいときにさっと起動する。ここ最近のハイスペック端末では本体が高熱になって端末の動作が制限されることが当たり前になっていますが、Xperia X Performanceはいまのところ高熱の制限を受けたこともありません。
これまで使われていた「Z」は、アルファベットの最後ということもあり「究極」「最後」という意味が込められることが多い文字でした。それに対してXは、数学の方程式で未知の数に用いられる文字です。Xperia X Performanceは究極を追い求めるよりも、スマートフォンを手にする未知の誰かにとって、最適なパフォーマンスを追求する、そんな気持ちがこの製品名に込められているのかもしれません。
4Kディスプレイおよびディスプレイの画面サイズ、それに伴うバッテリー容量の大きさといった細かなスペック以外では、フラッグシップモデルのXperia Z5とほぼ同等のスペック。2300万画素のCMOSセンサー「Exmor RS for mobile」に加え、Xperiaシリーズとして初となる指紋認証も搭載しているのが特徴です。
TransferJetとはそもそもどんな機能かといえば、「超高速でファイルをワイヤレス転送できる規格」です。スマートフォン初搭載ということでとても新しい技術のようにも思えますが、実はTransferJetは7年前の「2008 International CES」が最初の発表。2008年といえば世界初の商用Androidスマートフォン「T-Mobile G1」が発売された年でもあり、歴史だけで見ればAndroidとほぼ同じくらい前から存在する技術なのです。